4港のコンテナターミナルを新たにCNP認証
国土交通省は2026年8月25日、コンテナターミナルにおける脱炭素化の取り組みを客観的に評価する「CNP認証(コンテナターミナル)」に基づき、新たに4つのターミナルを認証したと発表しました。今回認証されたのは、千葉港コンテナターミナル(レベル1)、名古屋港飛島ふ頭南側コンテナターミナル(レベル4+++)、大分港大在コンテナターミナル(レベル1+)、境港国際コンテナターミナル(レベル1)です。
港湾の脱炭素化を評価・可視化する制度の背景
日本政府の「2050年カーボンニュートラル」目標を受け、国土交通省は港湾機能の高度化や脱炭素化を進めるカーボンニュートラルポート(CNP)の形成を推進しています。その一環として、コンテナターミナルの脱炭素化の取り組み状況を可視化し、客観的に評価する制度として2025年(令和7年)3月に創設、同年6月より運用が開始されました。これまでに全国11ターミナルが認証を受けており、今回の追加で認証拠点が拡大しました。
新たに認証された4ターミナルの評価結果と取り組み
CNP認証は、要求事項の達成状況に応じて「レベル1」から「レベル5」までの5段階で評価され、推奨事項を満たす項目数に応じて「+」が付加されます。認証の有効期間は3年間です。
今回認証されたターミナルの概要と取り組み内容は以下の通りです。
- 名古屋港 飛島ふ頭南側コンテナターミナル(認証レベル4+++)
- 港湾脱炭素化推進計画の作成、構内AGV(無人搬送台車)の脱炭素化、管理棟の省エネ・屋上緑化、LNGバンカリング対応を実施。
- インバータ制御方式ガントリークレーン(導入率100%)、低・脱炭素型トランスファークレーン・ストラドルキャリア(遠隔自動RTG等、導入率96%)、LED照明(導入率100%)を導入。
- 環境配慮船への入港インセンティブ導入、ゲート前渋滞・ヤード内滞留対策(昼休みゲートオープンや搬出予約)を実施。
- 千葉港 千葉港コンテナターミナル(認証レベル1)
- CO2排出量原単位:8.57 kgs CO2/TEU。
- 千葉県による港湾脱炭素化推進計画の策定、インバータ制御方式ガントリークレーン(全2基)の導入、ヤード内照明のLED化、LNG燃料船・LNG燃料供給船への入港料減免制度を導入。
- 大分港 大在コンテナターミナル(認証レベル1+)
- 港湾脱炭素化推進計画の作成、管理棟の省エネを実施。
- 境港 境港国際コンテナターミナル(認証レベル1)
- 港湾脱炭素化推進計画の作成を実施。
関係する事業者・関係者
- コンテナターミナルを利用・寄港する船社・海運事業者
- 京葉臨海工業地帯や中京圏・九州・山陰エリア等でコンテナ輸送を行う荷主企業・3PL事業者
- 港湾運送事業者およびコンテナヤード内荷役事業者
- 港湾への出入りを行うトラック運送事業者
立場別の実務的な関わりとメリット
- 荷主・3PL事業者
- 港湾ごとの脱炭素化レベルやCO2排出原単位(千葉港:8.57 kgs CO2/TEUなど)が客観的に示されることで、サプライチェーン全体(Scope 3)の環境負荷算定や、利用ターミナルの環境配慮状況の把握に活用できます。
- 船社・海運事業者
- 千葉港でのLNG燃料船・供給船向け入港料減免や、名古屋港での環境配慮船舶向けインセンティブなど、環境対応船の寄港に伴う優遇措置を活用できる場面が広がります。
- トラック運送事業者
- 名古屋港飛島ふ頭南側など上位レベルを取得したターミナルでは、ゲート予約システムや昼休みゲートオープンの運用により、ゲート周辺の待機時間やヤード内滞留の抑制効果が期待されます。
認証書交付式などの今後のスケジュール
- 2026年9月1日(火):千葉港コンテナターミナルの認証書交付式を横浜第2合同庁舎にて開催(関東地方整備局主催)。
- 2026年9月4日(金):名古屋港飛島ふ頭南側コンテナターミナルの認証書交付式および現地視察を開催(中部地方整備局主催)。
- 近日中:境港国際コンテナターミナルの認証書交付式を開催予定。
- 2026年10月以降:大分港大在コンテナターミナルの認証書交付式を開催予定。
- 認証取得から3年後:各認証ターミナルの有効期間満了に伴う更新期日を迎えます(制度規定に基づく)。
今後の設備投資と荷主評価の反映動向
- 上位レベル(レベル3〜5)取得に求められる「荷役機械の電動化・低炭素化率」や「陸上電力供給設備の整備」「大型商用EV・FCVへの対応」について、各地域港湾でどこまで設備投資が進むかが今後の焦点となります。
- 荷主企業の脱炭素調達方針において、認証ランクやCO2排出原単位が港湾や航路選定の基準としてどの程度反映されるかは現時点で未知数です。
全国15拠点に広がったCNP認証ターミナルの現状
- 今回の4拠点追加により、全国のCNP認証取得ターミナルは計15拠点(八戸、川崎、千葉、名古屋2拠点、三河、四日市、伏木富山、大阪2拠点、堺泉北、高松、博多、大分、境港)となりました。
- 現在の最高評価は博多港アイランドシティコンテナターミナルの「レベル5+」で、次いで名古屋港飛島ふ頭南側の「レベル4+++」、川崎港の「レベル4+」、名古屋港鍋田ふ頭の「レベル4++」などが続いています。
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出典
- 発表主体: 国土交通省(港湾局、関東地方整備局、中部地方整備局) / 発表日: 2026-08-25
- https://www.pa.ktr.mlit.go.jp/kyoku/03info/03kisya/2026/portandair_20260825.pdf(PDF)
- https://www.pa.cbr.mlit.go.jp/storage/003/202608/260825-p-cnp-ninsho-kofushiki.pdf(PDF)
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