第3回適正原価検討会の開催発表
国土交通省は、2026年10月1日に第3回「適正原価の設定に向けた有識者検討会」を開催すると発表しました。改正トラック法(貨物自動車運送事業法の一部を改正する法律)によって導入される「適正原価」の算出基準や制度設計に向けて、発注側・荷主側の経済団体や輸送関係団体など5組織からのヒアリングと個別論点の議論が行われる予定です。
改正トラック法の成立と適正原価検討の経緯
トラック運送事業における適正な取引環境の確立とドライバーの処遇改善を目指し、2025年6月に「貨物自動車運送事業法の一部を改正する法律(令和7年法律第60号)」が成立・公布されました。同法により、事業者が収受・下請委託する運賃が一定水準を下回ることを防ぐ「適正原価」の制度が導入されることとなり、国土交通省は適切な基準を設定するため、2026年7月に有識者検討会を立ち上げました。第1回での論点整理、第2回での関係団体聴取に続き、多様な輸送形態や荷主側の事情を把握するための会合が重ねられています。
第3回検討会の日時・議題・ヒアリング対象
第3回検討会では、関係団体からの意見聴取および個別論点の検討が予定されています。
- 開催日時・場所
- 日時:2026年10月1日(木)15:00~17:00(予定)
- 場所:経済産業省別館11階1111会議室およびWEB会議の併用
- 議事内容
- 関係者ヒアリングの実施
- 公益社団法人 全国通運連盟
- 全国交通運輸労働組合総連合
- 一般社団法人 日本経済団体連合会
- 全国中小企業団体中央会
- 一般社団法人 日本新聞協会
- 個別論点の検討
- 関係者ヒアリングの実施
- 公開体制
- 報道関係者向けに公開で実施され、配付資料および議事要旨は後日国土交通省ホームページで公開予定。
議論の影響を受ける関係業界・事業者
- トラック運送事業者(元請・下請):適正原価の算定基準や下限水準の設定方針による直接的な影響を受ける立場。
- 通運事業者・複合一貫輸送関係者:鉄道利用運送など通運特有の運行形態や原価構造が検討対象となる立場。
- 発注側企業・荷主企業:経団連加盟企業や中小企業など、運送の委託費用設定に基準が反映される立場。
- 新聞・出版関連の輸送に関わる事業者:早朝配送や配送網の特殊性を抱え、取引慣行のあり方がヒアリング対象となる立場。
物流実務と運賃交渉への影響
- トラック運送事業者
- 今後の検討会で示される個別論点の方向性によって、自社の運行コスト(固定費・変動費・安全経費)をどのような計算式で算定すべきかの枠組みが徐々に具体化するとみられます。
- 荷主・発注企業
- 経団連や全国中小企業団体中央会が意見を述べることで、荷主側における価格転嫁や物流予算の確保方針についての議論が進む可能性があります。
- 通運・特殊輸送事業者
- 全国通運連盟や日本新聞協会への聴取を通じ、幹線輸送と集配が分かれる通運や、定時配送が強く求められる配送ルートにおけるコストの実態が論点に反映されるかどうかが焦点となります。
今後の検討スケジュールと制度化の見通し
- 2026年10月1日:第3回検討会が開催され、5団体へのヒアリングと個別論点の協議を実施(本文記載)。
- 2026年12月(予定):有識者検討会による提言案のとりまとめが見込まれる(国土交通省の別途公表資料によれば)。
- 2028年6月まで:改正法の規定に基づき、公布から3年以内に適正原価制度が全面施行される予定(国土交通省の別途公表資料によれば)。
今後の議論で注目される論点
- 原価算定式の構造:事業者の実走行距離や稼働時間などの実績データを代入する計算式の詳細が、どの段階で具体的に示されるかが焦点となります。
- 業種ごとの特殊性の反映:通運や新聞配送など、運行パターンや待機実態が一般的な貸切便と異なる輸送分野について、どのような配慮や基準が検討されるかは現時点で確定していません。
- 荷主側の取引改善への姿勢:経団連や中小企業団体中央会から出される意見が、今後の適正原価のガイドラインや運用基準にどのように反映されるかが注目されます。
これまでの検討会開催の経緯と制度動向
- 過去の検討会の経緯:2026年7月17日に開催された第1回検討会では適正原価の基本的方向性(利潤を含まない最低限の原価とする方針等)が示され、8月26日の第2回では全日本トラック協会や日本商工会議所、農協中央会などへのヒアリングが実施されました。
- 現行「標準的な運賃」との関係:標準的な運賃(2024年3月改定)は交渉の目安として位置づけられていますが、適正原価制度の導入に伴い、下限基準と交渉指標の役割分担や制度の整理が進められています。
よくある質問
Q. 第3回検討会でヒアリング対象となっているのはどの団体ですか?
A. 公益社団法人全国通運連盟、全国交通運輸労働組合総連合、一般社団法人日本経済団体連合会、全国中小企業団体中央会、一般社団法人日本新聞協会の5団体です。
Q. 検討会の配付資料や議事録は公開されますか?
A. 資料および議事要旨は、後日国土交通省のホームページにて公開される予定となっています。
Q. 「適正原価」の制度そのものはいつまでに施行される予定ですか?
A. (国土交通省の別途公表資料によれば)2025年6月11日に公布された改正法の規定に基づき、公布から3年以内となる2028年6月までに政令で定める期日に施行される予定とされています。
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出典
- 発表主体: 国土交通省 物流・自動車局貨物流通事業課 / 発表日: 2026-09-28
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