ロジメーターとは?
ロジメーターは、庫内作業の生産性や収支の管理に課題を抱える物流倉庫の管理者や経営層向けに、手軽な実績取得とKPIの可視化を実現するクラウド型の物流DX・データ分析ツールです。株式会社KURANDOが提供する本サービスは、従来の「手書き日報」や「Excel集計」といったアナログかつ高負荷な労働状況管理から脱却することを目的に開発されました。現場に設置したタブレット端末とQRコードを用い、作業者一人ひとりの出退勤や作業実績(ピッキング、検品、梱包など)を簡単かつリアルタイムにデジタルデータ化。WMS(倉庫管理システム)などのデータと組み合わせることで、直感的に現場の生産性や拠点ごとの収支を把握できるデータ基盤を構築します。
主な機能・特徴
ロジメーターは、物流現場でのスムーズなデータ蓄積と、高度なダッシュボード分析、さらには人員配置の最適化までをシームレスに支援するための複数の機能を備えています。主に以下のような機能・特徴が提供されています。
- データ取得機能(実績データの簡単記録)
作業者は、現場に設置されたタブレット端末の内蔵カメラに、自身に割り当てられたQRコードをかざすだけで、作業の開始・終了や出退勤を記録できます。機械操作に不慣れな現場スタッフでも直感的に利用できる「詳細モード」や「シンプルモード(QRなし)」などの入力方式が用意されており、現場の運用レベルに合わせた定着を支援します。これにより、手書き日報の記入やその後のExcelへの転記・集計といった管理者の手間を削減し、データ入力ミスの抑制にも貢献します。 - 自動レポート化・KPI管理
取得した労働実績データはクラウド上で自動集計され、リアルタイムに生産性一覧や実働時間、収支内訳、収支推移などの物流KPIとしてダッシュボードに可視化されます。複数の物流拠点を運営している場合は、拠点横断での集計や分析、比較レポート(センター横断・センター別)も一画面で行えるため、多拠点での生産性のばらつきや、改善を優先すべき工程の特定が容易になります。 - シフト・配置管理と予実管理
自社のシフト情報や作業計画をマスタに登録し、蓄積された実績データをベースにして、当日の物量に応じた「業務終了予定時刻の予測」や、「特定の工程へスタッフを移動させた場合の進捗シミュレーション」が瞬時に行えます。当日の計画と実績の過不足を同画面上で対比して、人員の過不足調整を行うことが可能です。 - 日付切替時刻の柔軟な設定
管理グループごとに「日付の切替時刻」を24時(深夜0時)から31時半(翌午前7時半)の間で、30分刻みに設定できる機能が追加されています。深夜から翌朝にまたがって連続稼働する24時間運用などの物流現場でも、管理上の「当日分」としてのデータを運用に合わせて正確に自動集計できるようになり、データ手修正の手間が省けます。 - 実際のレイアウトと連動した「配置状況」可視化
現場全体のスタッフ配置、当日のシフト予定、各スタッフが保有する業務スキル(ピッキング、検品、フォークリフト操作など)の情報を一画面で網羅的に把握可能です。さらに、実際の倉庫レイアウト図と連動したビジュアル表示に対応しており、管理者は現場のどこに、どのスキルを持った人員が、何人配置されているかを直感的かつリアルタイムに把握して的確な指示を行えます。
こんな企業・現場に向いている/向いていない
ロジメーターは非常に使い勝手に配慮された設計ですが、その機能特性やデータ取得方法から、向いている現場とそうでない現場が分かれます。
【向いている企業・現場】
- 手書き日報やExcelでの労働データ集計に限界を感じている現場
毎日のように紙の日報を回収し、管理者が残業してExcelに入力・集計している場合、ロジメーターのタブレット打刻と自動集計により、管理工数を削減できます。 - 複数拠点があり、全体の生産性や収支を横並びで比較・評価したい企業
複数の物流センター間で共通の指標(KPI)を使い、どこに課題があるのかを客観的な数値で比較・分析したい経営層や本社管理部門に適しています。 - どんぶり勘定から脱却し、予測や根拠に基づいた人員配置をしたい管理者
ベテラン管理者の「経験や勘」に頼った人員計画から、蓄積された生産性データに基づく再現性のある計画作成・進捗予測に移行したい現場に推奨されます。
【向いていない企業・現場】
- 作業プロセスや役割分担が極めて曖昧で、標準化されていない現場
どの作業を「ピッキング」「検品」などのどの作業項目に分類・計測すべきかすら定義されていない状態では、導入しても意味のあるデータが得られません。導入前にまず、自社の業務フローを整理・標準化する必要があります。 - 荷主主導で導入する際、委託先(協力会社)との丁寧な合意形成が難しい環境
3PLなど外部の協力会社に実務を委託している場合、協力会社側が「作業効率や原価、労務実態を数値で詳細に可視化されること」に抵抗を示すケースがあります。なぜ導入するのか、それによってどう両社にメリットがあるのかを十分に共有し、信頼関係を築けない状況では、現場での打刻が定着しないミスマッチが起きやすくなります。 - タブレットやモバイル通信機器の持ち込みが厳格に禁止されている環境
セキュリティや安全上の規則から、インターネットに接続されたタブレット等のデバイスを現場に設置できない倉庫では、ハードウェア面での運用自体が困難となります。
料金・プラン・導入方法
ロジメーターはSaaS(クラウド)型のサービスであり、初期費用は無料です。月額料金は拠点の利用規模(作業者数)に応じた従量課金制が採用されています。公式HPに公開されている料金プランは以下の通りです。
| プラン(作業者数) | 初期費用 | 月額利用料(1拠点あたり) | 備考 |
|---|---|---|---|
| 作業者 10人以下 | 無料 | 一律 10,000円 | 小規模向け特別価格。タブレット端末レンタル等は別途。 |
| 作業者 30人以下 | 無料 | 一律 20,000円 | 小規模向け特別価格。タブレット端末レンタル等は別途。 |
| 作業者 31人以上〜 | 無料 | 50名単位での従量課金制(要問い合わせ) | 通常価格。平均月額利用料は約40,000円〜44,000円程度。 |
| タブレット端末レンタル | — | 3,000円 / 台 | レンタル数に応じて加算されます。 |
※表示価格はすべて税抜です。自社で動作環境を満たすタブレット端末(Google Chrome推奨)とネットワーク環境を用意できる場合は、端末のレンタルを伴わずに利用することも可能です。
導入の流れ・期間
ロジメーターは、現場へのスムーズな定着を目的とした手厚い無料トライアル制度を提供している点が大きな特徴です。
- 問い合わせ・相談
公式サイトのフォームより、現状の課題や拠点規模などを送信して問い合わせを行います。 - 無料トライアル(最長2ヶ月)
本番と同等の全機能を利用できる最長2ヶ月のトライアル期間が用意されています。トライアル期間中は、必要な数のタブレット端末、専用スコープ、スタンド、テスト用QRコードなどの一式が無償で貸し出されます。 - 初期マスタ設定・構築サポート
専任の担当者がユーザー企業の課題に寄り添い、作業項目や作業者情報などの初期マスタの設計アドバイスおよび設定代行を行います。 - Web操作説明会・運用定着支援
管理スタッフや現場向けのWeb操作説明会が実施され、実際に現場で使いながらスムーズな運用開始をサポートします。 - 効果検証・振り返り
トライアル中に取得できたデータを元に、専任担当者とデータ活用の振り返りや費用対効果の検証、今後の運用に向けた打ち合わせを行います。 - 本契約・稼働開始
十分に運用の定着や効果を確認できた段階で、正式に本契約へ移行します。
※ロジメーターの具体的なシステム設定から本番運用開始までに要する正確なリードタイムについては、現場ごとのマスタ整備状況や連携要件によって異なるため、問い合わせ時にご確認ください。
連携できるシステム・機器
- WMS(倉庫管理システム)とのデータ連携
CSVファイルを用いた一括インポート・アウトポートに対応しているため、基幹システムや多種多様なWMSとの間でデータの入出力が可能です。 - 「ロジザードZERO」との標準連携
クラウドWMS「ロジザードZERO」とロジメーターシリーズの「ロジボード」が標準連携を開始しています。これにより、ロジザードZEROが持つ出荷実績などの作業数量データと、ロジメーターで取得した投下工数(作業時間)を自動的に突合させ、リアルタイムな進捗予測や業務終了時間の自動算出が可能になります。 - 「ci.Himalayas/Compass」とのシステム連携
株式会社シーネットの物流KPI分析アプリ「ci.Himalayas/Compass」との間での連携実績があります。WMSだけでは取得しにくい「リスト対応」や「掃除」といった付帯作業データをロジメーターからボタン一つで送信し、Compass側で一元的に可視化・分析することができます。 - API公開・データ自動連携
API連携マニュアルおよびAPI利用規約が公開されており、個別の開発要件に応じて外部システムとの間で自動データ連携を構築することも可能です。
導入事例・実績
ロジメーターは、これまでに多数の物流センターへの導入実績があり、荷主企業、3PL事業者、小売・食品卸など多様な業界で活用されています。以下は公式に公開されている代表的な事例です。
- 三菱食品株式会社
全国約300カ所の物流拠点の庫内労務実態を可視化するため、主要拠点へのロジメーターの展開を本格化。関東エリアの17拠点での実証を経て、全国の主要100拠点への横展開を推進。庫内作業を委託している各物流協力会社と共通の労務データを共同参照し、現場の属人的な管理から、客観的なデータに基づく協調的な改善活動へ移行しました。 - 株式会社サンリツ
DXロードマップを策定する中で、「進捗情報のデジタル化」を目的にロジメーターを導入。荷主から求められていた各作業の投下工数(時間×人時)の報告業務(従来は作業員が15分刻みで紙に記録していた)をデジタル化・代替。カテゴリー別の作業構成から「ピッキング時間の割合が多い」などのボトルネックを抽出し、データに基づく具体的な改善アクションに活用しています。 - 株式会社ジーアンドケイ
流通加工業務(約50名規模)を行う物流現場に、取引先の推奨を契機として導入。導入当初は「従来のやり方で問題ない」という現場からの抵抗もあったものの、実際に使い始めることで手集計業務が大幅に短縮されコスト削減を達成。分析や業務終了予定時刻の予測精度が向上したことを実感しています。 - 株式会社アダストリア・ロジスティクス
自作の簡易作業時間計測アプリの登録件数制限に限界が来たことをきっかけに、2022年9月よりすべての自社運営物流拠点(7カ所・8拠点)へロジメーターを導入。単一の指標だけでなく、「作業工程別の時間構成・処理効率」を定量的に把握できるようになったことで、どの作業工程を深掘り分析すべきかが明確になり、実施した改善対策の効果検証精度が向上しました。 - 株式会社久世
物流現場における実績データの可視化とレポート分析を目的に「ロジメーター」および「ロジスコープ」を導入。センター単体での生産性分析に留まらず、センター横断のデータ連携により客観的な数値に基づく改善アクションを推進しています。
導入前に知っておきたいこと
ロジメーターを導入して成果をあげるために、事前に認識しておくべき現場の注意点や課題です。
- 導入初期における現場スタッフの心理的・運用の抵抗
手書き日報やこれまでの作業慣習から、新システムでの打刻への移行に対して、現場のスタッフや現場リーダーから抵抗や反対意見が出ることがあります(株式会社ジーアンドケイの事例など)。管理者は「監視のためのツールではなく、集計の手間を省き、無理のない人員配置(残業の偏り是正など)を行うためのツールである」という目的を丁寧に説明・共有する必要があります。 - 「打刻漏れ」や「誤入力」への定着化アプローチ
ロジメーターは、作業者自身が現場のタブレットへQRコードをかざして作業を切り替えることでデータが蓄積されます。そのため、運用の初期段階では「別の作業へ移ったのに打刻を切り替え忘れた」「打刻し忘れてそのまま退勤した」といったミスが発生しがちです。管理者がダッシュボードからデータを修正できますが、定着するまではデータの修正対応にある程度の工数がかかることを想定しておく必要があります。 - 「データを見るだけで終わってしまう」運用の壁
ロジメーターはデータを簡単に集計・可視化できますが、得られたデータから具体的な「改善アクション」に繋げるかどうかは人間の側に委ねられます。株式会社サンリツのコラムなどでも「現場定着に苦戦した例」が言及されているように、単にシステムを導入しただけで終わらせず、本社側がサポートしてデータに基づき仮説を立て、現場を動かす運用体制(PDCAサイクルの構築)をあらかじめ想定しておくことが重要です。
類似ツールとの比較
物流KPIの可視化や現場作業時間の計測・分析という分野において、ロジメーターと他の主要な物流DX・データ分析ツールを比較します。
| ツール名 | 特徴 | 料金 | 向いている企業 |
|---|---|---|---|
| ロジメーター | タブレットとQRコードで現場の作業時間・出退勤を簡単リアルタイムに計測。シフト管理、終了予測、レイアウト連動配置スキル可視化など現場管理機能が豊富。 | 初期費用:無料 月額利用料:10,000円〜(従量課金制、平均月額4万円) |
現場での手軽な実績取得から、シフト計画、リアルタイムな人員配置の進捗シミュレーションまでを一気通貫で手頃に運用したい現場。 |
| ろじたん | スマートフォン端末を利用して倉庫内の作業時間を計測・分析。歩数計測やビーコンを組み合わせた動線分析も可能。必要機材はすべてレンタル可能。 | 初期費用:無料(実質レンタル形式) 基本料金:12,000円/月〜(または48,000円/回〜)+レンタル料等。 |
スポット計測(年数回の棚卸時や工程改善プロジェクトなど)を行いたい企業や、スタッフの歩行・動線まで含めて細かく計測したい場合。 |
| LOGINECT データ可視化 | 倉庫内の在庫や出荷実績、配送車両の積載量など、倉庫から配送まで点在する物流データを集約し一元管理。50種類以上の標準KPIを搭載。 | 初期費用:要問い合わせ 月額利用料:ミニマムプラン 75,000円〜 |
倉庫だけではなく、配送管理などサプライチェーン全体の物流データを一元集計・可視化して経営判断に活かしたい中堅・大手企業。 |
| ci.Himalayas/Compass | WMSの蓄積データを元に、高度な物流KPI分析を自動化するアプリ。AIによるデータからの洞察や具体的な改善策の提示機能も。ロジメーターとの連携にも対応。 | 初期導入費:200,000円〜 基本利用料:360,000円(1年)〜 |
すでにWMSを導入・運用しており、その蓄積されたデータをベースに、KPI管理やAIの提案機能を活用して本格的な倉庫改善に取り組みたい現場。 |
【選び方の判断基準】
- 「現場での手軽な労働データの収集と、リアルタイムの予実進捗・終了予測」を重視する場合
ロジメーターが有力な候補です。WMSなどの有無にかかわらず、タブレット打刻によりリアルタイムで現場の状況が把握でき、人員の配置調整シミュレーションや当日の予定終了時刻を即座に予測する機能が月額1万円〜の低価格で利用できます。 - 「自社の蓄積されている各種WMS・配送データを用い、高度な多角的KPI分析を実行したい」場合
ci.Himalayas/CompassやLOGINECTデータ可視化が適しています。これらは既存のシステムデータ(WMS/TMSなど)を自動で吸い上げ、50種類以上の標準テンプレートを使い経営向けや荷主向けの定型報告書を自動生成する機能、あるいはAIアシストによる課題の洞察機能などを強みとしています。 - 「まずはプロジェクトとして、スポットで短期間のみ倉庫の全作業工数・動線を計測・分析したい」場合
ろじたんが適しています。機材(スマートフォン等)のレンタル、コンサルタントのノウハウが詰まった計測テンプレートなど、短期的な改善調査を行うためのスキームが整っています。
よくある質問(FAQ)
- タブレット用アプリのインストールは必要ですか?対応する動作環境を教えてください。
- ロジメーターは、タブレット(現場打刻用)およびPC(管理者画面)ともに、一般的なWebブラウザ(Google Chromeなど)から動作するクラウド型のシステム(SaaS)です。専用のアプリストアからのインストールは不要で、自社で用意したWindows PCやAndroidタブレット、またはレンタルしたタブレット端末のブラウザ上でスムーズに利用可能です。
- 導入前に無料トライアルや製品デモを行うことはできますか?
- はい。最長2ヶ月間の無料トライアルが用意されています。お試し期間中は、本番と同等の機能を制限なく利用可能で、必要となるすべてのタブレット端末や専用QRコード、読み取り用の特許出願中の専用スコープ、スタンド等一式がすべて無償で貸し出されます。
- 導入にあたってのマスタ登録や運用の定着化に向けたサポートはありますか?
- 専任の担当者による手厚いサポートが無料トライアル期間中から含まれています。自社の作業項目に応じた初期マスタの設計アドバイスや設定代行、管理者・現場向けのWeb操作説明会が実施されるほか、トライアル終了前には実際に蓄積されたデータを用いた「振り返り」の打ち合わせが無料で行われます。
- 自社で現在使用しているWMS(倉庫管理システム)とのデータ連携は可能ですか?
- CSV形式での一括データ連携に対応しているため、ほとんどのWMSとデータを入出力することが可能です。また、クラウドWMS「ロジザードZERO」については、ロジメーターの「ロジボード」機能を介した標準連携に対応しています。さらに、API連携の仕組みも公開されています。
- 契約期間や解約条件、契約単位はどのようになっていますか?
- 契約は「1拠点ごと(拠点単位)」となります。月額課金形式(SaaS)ですが、最低契約期間や中途解約時の条件といった詳細な契約要件については公式に明記されていません。トライアル中、または見積もり時に直接提供元にご確認いただくことを推奨いたします。
- 24時間稼働している倉庫で深夜をまたぐシフトがありますが、正確に集計できますか?
- はい、正確に集計可能です。管理グループごとに「日付の切替時刻」を24時(深夜0時)から31時半(翌午前7時半)の間で、30分刻みで自由に設定できます。これにより、日付をまたぐ作業実績も現場の運用シフトに合わせて自動的に正しい稼働日として集計されるため、深夜時間帯のデータを後から手修正する手間がありません。