クラウド対応 温湿度ロガー CLA350-THとは?
「クラウド対応 温湿度ロガー CLA350-TH」は、大阪マイクロコンピュータ株式会社が製造し、Ymatic株式会社などが提供しているIoT対応のデータロガーです。コールドチェーンや温度管理の領域において、遠隔地から継続的に温湿度を監視する目的で利用されます。
最大の特徴は、本体にLTE通信モジュールを内蔵している点です。Wi-Fiルーターなどのネットワーク環境が整備されていない場所でも、単体で温湿度データをクラウドへ送信できます。輸送中の貨物への取り付けや、倉庫・工場・ビニールハウスなどでの長期的な温度監視における、「通信環境の構築が難しい」「設定に手間がかかる」といった課題を解決します。
主な機能・特徴
- LTEモジュールによる直接クラウド送信機能
通信用LTEモジュールを本体に搭載しているため、Wi-Fi環境や有線LANのネットワーク構築が不要です。記録データは携帯電話回線を通じて直接クラウドサーバーへ送信・保存されます。 - オートスタート機能
複雑なネットワーク設定や初期設定を必要とせず、電源(ACアダプタ)を接続するだけで自動的に計測およびクラウドへのデータ送信が開始されます。 - 専用アプリケーションによるデータ管理
Windows環境(Windows 10 / 11)向けに無償でアプリケーションソフトが提供されています。初期設定、クラウドからのデータダウンロード、グラフ表示、CSV形式でのファイル出力が可能です。 - 抗菌・防臭・抗ウイルス加工
本体には、抗菌・防臭・抗ウイルス効果を持つ『チタニア』施工が施されています。食品工場や医療品倉庫など、厳格な衛生管理が求められるHACCPプランの重要管理点(CCP)の工程でも安心して利用できます。 - 校正証明書付き販売対応
測定機器としての精度証明が不可欠な現場向けに、校正証明書付きでの販売・対応も行われています。
こんな企業・現場に向いている/向いていない
【向いている企業・現場】
企業規模を問わず、物流・倉庫業、製造業、食品・飲料業界での利用に適しています。特に、Wi-Fi環境の構築が物理的・コスト的に難しい遠隔地の倉庫や、敷地が広い工場、ビニールハウスなどを管理する企業に最適です。
また、機器のIT設定に不慣れな現場スタッフが多く、「コンセントに挿すだけで簡単に導入できるツールが欲しい」という課題を抱えたシステム担当者・現場管理者にも向いています。HACCPに準拠した厳格な温度モニタリングを行いたい現場でも力を発揮します。
【向いていない企業・現場】
すでに全社的なWi-Fiネットワーク環境が完備されており、追加の通信費用をかけずに既存ネットワーク経由でデータ収集を行いたい企業には、月額の通信コストが二重にかかるためミスマッチになる可能性があります。
また、本製品は専用ACアダプタによる電源供給を前提としているため、コンセントなど安定した電源の確保が全くできない場所での利用や、給電設備のない小型コンテナ単体への取り付けなど、完全なバッテリー駆動が求められる運用スタイルには別の電池式データロガーを検討した方がよいでしょう。スマートフォンのみでデータを閲覧・管理したい現場(本製品の管理ソフトはWindows向け)にも不向きです。
料金・プラン・導入方法
本製品はSaaS(月額・年額課金)モデルで提供されています。通信費およびクラウド使用料を含むサービス料金が設定されています。
- 通信サービス・クラウド使用料: 年間 15,000円(税別)
※契約期間は4月1日~翌年3月31日の1年単位となります。 - 導入特典: ご購入時は、初年度の3月31日まで通信およびクラウドを無料で使用可能です。
- 本体価格: 公式情報では明示されていないため、要問い合わせとなります。
導入事例・実績
クラウド対応 温湿度ロガー CLA350-THの公開導入事例は現時点では確認できていません。最新情報は公式サイトをご確認ください。
導入前に知っておきたいこと
現時点では公開されたユーザー評価・課題報告は確認できていません。
ただし、公式の仕様情報から読み取れる導入前の注意点として、以下の要素を把握しておく必要があります。
- 電源確保の必要性
本体の動作には付属のACアダプタによる電源供給が必要です。電池のみで自立稼働するタイプではないため、輸送車両内で使用する場合や倉庫内で設置する場合には、事前に電源(コンセント等)の確保経路を確認しておく必要があります。 - 年間費用の更新について
通信費およびクラウド使用料(年間15,000円/税別)を毎年更新する必要があります。更新が行われない場合、通信が停止するだけでなく、すでにクラウド上に記録・保存されている過去データのダウンロードもできなくなるため、継続的な予算確保と契約管理が求められます。 - 対応OSの制限
データをダウンロードしグラフ等で閲覧・管理するための無償ソフトウェアは、Windows環境(Windows 10 / 11)専用となっています。Macやスマートフォン、タブレット単体でのシステム管理を想定している場合は運用フローを見直す必要があります。
類似ツールとの違い・選び方
コールドチェーン・温度管理に用いられるデータロガーには、Wi-Fi対応型やBluetooth対応型、USB接続型など複数の種類が存在します。
Wi-Fi対応ロガーと比較した場合、CLA350-THはルーターの設置工事やSSID・パスワードの設定作業が一切不要である点が最大の強みです。ネットワーク機器のトラブルや設定変更による通信断絶のリスクがなく、現場のITリテラシーに関わらず導入できます。
一方で、ボタン電池などで長期間駆動する小型ロガーと比較すると、本機は電源供給が必要な分、設置場所の自由度に一部制限が生じます。しかし、電池切れによるデータ欠損リスクがなく、LTE回線を通じてリアルタイムに近い形で異常を検知・記録し続けられるため、常時監視の信頼性という面で優位性があります。「設置場所の電源有無」と「リアルタイムでの自動遠隔送信の必要性」を軸に選定すると良いでしょう。
よくある質問(FAQ)
- 現地にインターネット環境がなくても使用できますか?
- はい、使用可能です。本体にLTE通信モジュールが搭載されており、携帯電話の電波が届く範囲であれば、Wi-Fiや有線LANなどのインターネット環境がなくても単独でクラウドへデータを送信します。
- クラウドに蓄積されたデータはどのように確認しますか?
- パソコン(Windows 10 / 11対応)に無償の専用アプリケーションをインストールしてデータをダウンロードします。アプリ上でグラフ表示やCSV形式でのファイル出力を行うことができます。データのダウンロードにはパソコン側がインターネットに接続されている必要があります。
- 衛生面が厳しく問われる食品工場でも導入できますか?
- はい、導入可能です。製品本体には、細菌・におい・ウイルスに対する抗菌・防臭・抗ウイルス効果を持つ『チタニア』施工が施されており、衛生管理が重視されるHACCPプランの現場にも配慮された設計となっています。