G-TAG Tempviewとは?
G-TAG Tempviewは、神栄株式会社(開発・製造は神栄テクノロジー株式会社)が提供する、物流およびコールドチェーン向けのクラウド型温度管理システム・データロガーです。医療用医薬品の厳格な流通基準(GDP)や食品衛生管理(HACCP)に対応しており、輸送および保管時の温度トレーサビリティを確保します。物流用データロガーと専用スマートフォンアプリ、およびクラウドシステムを連携させることで、高機能物流センターや大規模コールドチェーンにおける安定した品質管理を支援し、現場の管理負担やデータ欠損リスクといった課題を解決します。
主な機能・特徴
- PCレスで完結するスマートフォン連携
Bluetooth 5.0を利用し、iOS・Android対応の専用アプリ「TH View」からすべての操作が可能です。設定から測定開始・終了、データの取得、レポートの自動作成・メール添付送信まで、パソコンを使用せずに現場のスマートフォンのみでワイヤレスに完結します。 - 用途に合わせた2つの測定モード
輸送中の温度管理に特化した「輸送モード」と、倉庫や冷凍冷蔵庫での定点保管管理に適した「保存モード」の2種類を搭載しており、シーンに応じた最適な温度監視が可能です。 - 停電・通信障害時でもデータ欠損を防ぐバックアップ機能
PoE対応IoT温度センサ(GT101-T)には、日本ガイシ製のバックアップ用リチウムイオン二次電池「EnerCera」が内蔵されています。電源停止や通信障害が発生した際は自動で内蔵メモリ保存に切り替わり、復旧後にクラウドへ一括送信されるため、データ喪失を防止します。 - PoE(Power over Ethernet)給電への対応
LANケーブル1本で通信と給電を同時に行えるPoE方式を採用しています。高所や広大な倉庫内への設置・移設時の配線工事負担が軽減されると同時に、無線通信のような電波障害を気にせず安定したデータ送信を実現します。 - センサ単体での校正対応
温度センサ部のみを本体から取り外して校正できる構造となっています。ISO/IEC 17025に対応した品質基準のもとで、継続的に高精度な温度管理を維持できます。
こんな企業・現場に向いている/向いていない
【向いている企業・現場】
厳密なGDPガイドライン対応やHACCP対応が求められる製薬メーカー、医薬品卸売業、医療機関、食品物流倉庫などに最適です。特に、全国規模で複数の高機能物流センターを展開し、本部から各拠点の温度管理をリアルタイムに一元監視したい大企業やグループ企業に向いています。また、災害時や通信障害時でも「絶対にデータ欠損を起こしたくない」というシビアな品質管理要件を持つGDP統括担当者や、現場作業者にPCを使わせずスマートフォンアプリで直感的に操作させたい現場に強く推奨されます。
【向いていない企業・現場】
常時監視やクラウドへのデータ自動連携、GDP対応レベルの厳格なトレーサビリティを必要としない、小規模な飲食店や単発の簡易的な温度確認のみを行いたい現場にはオーバースペックとなりやすく向いていません。そのような場合は、安価で単体完結型の汎用温度計を検討した方がよいでしょう。また、現場に業務用スマートフォンやタブレットを導入・持ち込みできない環境下では、本システムの強みであるアプリ操作が活かせないため注意が必要です。
料金・プラン・導入方法
SaaSとしてのクラウド利用料金やシステムの初期導入費用は公開されておらず、要問い合わせとなっています。企業の規模、導入するセンサー台数、PoEネットワーク環境の構築有無によって費用が変動するため、導入を検討する際は公式サイトから直接問い合わせ・見積もり依頼を行う形となります。
導入事例・実績
株式会社メディセオ(医療用医薬品卸売業)
医薬品の適正流通(GDP)ガイドラインに基づく品質管理の取り組みとして、PoE温度ロガー「G-TAG TempView」とクラウドシステム「LogView」を組み合わせたGDP対応クラウド型温度監視システムを導入しました。全国に点在する物流センターの温度を一括監視し、有線・無線の課題を解決して温度マッピングの測定とセンサー移設を容易にしました。また、新型コロナウイルスのワクチン物流においては、全卸の70を超える事業所で約6,000台のG-TAG TempViewが使用され、8万レコードというビッグデータをデータ喪失ゼロで管理した実績が公開されています。
導入前に知っておきたいこと
現時点では公開されたユーザー評価・課題報告(デメリット・不満など)は確認できていません。ただし、導入・運用にあたって把握しておくべき点として、スマートフォン等の専用アプリ(iOS 15.0以降、Android 10以上)での操作が基本となるため、現場で使用予定の携帯端末のOSバージョンやBluetooth接続環境を事前に確認する必要があります。また、PoE対応モデルで常時監視を行う場合は、倉庫内でのLANケーブル敷設など、ネットワーク基盤の整備が前提となる点に留意が必要です。
類似ツールとの違い・選び方
コールドチェーン・温度管理システムとしては、T&D「おんどとり WebStorage+TRシリーズ」や「Ontrasys Cloud」などが代表的な類似ツールとして挙げられます。これらのツールと比較した際、G-TAG Tempviewの最大の強みは「バックアップ電池(EnerCera)搭載により停電・通信障害時でもデータ欠損を防止できる高い信頼性」と「PoE方式による安定した有線通信・給電」、そして「PC不要のスマホ完結型の操作性」にあります。単に温度を記録するだけでなく、医薬品流通におけるGDPガイドラインへの完全準拠や、いかなる有事の際も途切れない温度記録の仕組みを構築したい場合、G-TAG Tempviewが非常に有力な選択肢となります。
よくある質問(FAQ)
- 現場での操作にパソコンは必要ですか?
- パソコンは不要です。iOS・Android対応の専用スマートフォンアプリ「TH View」を使用して、Bluetooth経由で設定から測定開始・終了、データ取得、レポート作成・送信までの全操作を行えます。
- 停電や通信エラーが起きた場合、測定データは消えてしまいますか?
- PoE対応モデル等の場合、内蔵されたバックアップ電池が自動で駆動し、データをロガー本体のメモリに一時保存します。電源や通信が復旧した後にクラウドへデータを一括送信するため、データ欠損を防ぐことができます。
- どのような測定モードを利用できますか?
- 物流における異なる用途に合わせて、輸送中の温度変化の監視に適した「輸送モード」と、倉庫や冷凍冷蔵庫など一定環境下での保管管理に適した「保存モード」の2つから選択可能です。