tempmate-cloudとは?コールドチェーン・温度管理を最適化するクラウドソリューション

冷蔵輸送用や保管用の温湿度ロガーと連動し、すべての測定デバイスを同一プラットフォーム上で管理・共有できるクラウドソリューションです。

料金モデル
SaaS(月額)
対象規模
規模問わず
対象業界
物流・倉庫業 医薬品・医療 食品・飲料

tempmate-cloudとは?

tempmate-cloudは、ドイツのtempmate社が開発し、アジア圏では侯門行股份有限公司が総代理店として提供しているコールドチェーン・温度管理クラウドソリューションです。医薬品や食品などの輸送・保管時に使用される温湿度ロガー(GS2、GM2シリーズなど)と連動し、温度・湿度・位置情報・衝撃などのデータをリアルタイムで収集・統合管理します。複数の関係者が介在する国際輸送や複雑なサプライチェーンにおいて、データの一元化と可視化を実現し、品質管理基準(GDP等)の遵守や製品ロスの削減といった課題を解決します。

主な機能・特徴

  • リアルタイム監視と即時アラート
    4G/LTEネットワーク対応のロガーから送信される温度、湿度、位置情報(GNSS)、光(コンテナの不正開閉検知など)、衝撃などのデータをリアルタイムで監視します。設定した閾値を超える異常が発生した場合は、メールやSMSで即時にアラートを送信し、製品の劣化や被害を未然に防ぎます。
  • オンライン・オフラインロガーの統合管理(Smart Data Management)
    通信機能を持つリアルタイムデバイスだけでなく、USBタイプのオフラインデータロガー(tempmate-S1、S2など)で取得したPDFレポートも手動でクラウド上にアップロードでき、すべての測定デバイスを同一プラットフォーム上で一元管理できます。
  • レポート自動生成とエクスポート機能
    監査や品質証明に必要となる各種データを自動集計し、詳細なグラフや表を含むPDF・CSV形式のレポートを生成・エクスポートできます。EN 12830規格やGDP(医薬品の適正流通基準)の要件遵守を強力にサポートします。
  • 堅牢なセキュリティとアクセス権限管理
    システムはGDPR(EU一般データ保護規則)に準拠し、セキュアなサーバー(AWS・ドイツ国内サーバー等)でホスティングされています。ユーザーごとのロールベースのアクセス制御や、監査に対応したアクティビティログ機能を備え、データの改ざんを防ぎます。
  • API連携機能
    tempmate-Cloud APIを利用することで、自社の既存の業務システムや外部アプリケーションと測定データをシームレスに連携・同期させることが可能です。

こんな企業・現場に向いている/向いていない

【向いている企業・現場】

  • 対象規模・業種:企業規模を問わず、医薬品・医療機器、食品・飲料、精密機器などを扱う物流業者、倉庫事業者、メーカー。
  • 導入シーン:グローバルな国際輸送や、複数の協力会社が関わる長距離輸送における厳格なコールドチェーン管理。エコバディス(EcoVadis)などのサステナビリティ評価に向けて、製品ロス削減や環境データの文書化を推進したい現場。
  • 向いている担当者:GDPガイドラインに基づく厳格な品質保証や監査対応を求められている担当者や、サプライチェーン全体の位置・温度状況の可視化に課題を抱える物流管理者。

【向いていない企業・現場】

  • 向いていない業種:常温の一般貨物のみを配送する企業や、荷物の厳密な温度・状態監視を必要としない現場。
  • ミスマッチになりやすい環境:配送エリアが非常に限定的で短時間のローカル配送のみを行う現場や、クラウドシステムを導入・運用するほどの出荷ボリュームがない小規模拠点。このような場合は、リアルタイム監視システムではなく、安価でシンプルな使い捨てUSB温度ロガーの単独利用を検討した方がよいでしょう。

料金・プラン・導入方法

公式サイトの情報によると、リアルタイム通信対応ロガー(GS2シリーズなど)を利用する場合、内蔵SIMカードの通信費用やクラウドプラットフォーム利用料は製品本体の価格に含まれており、追加のサブスクリプション契約や通信契約は不要とされています。

また、ドイツ本社の公式情報では機器のレンタルプランも提供されており、1年契約の場合で月額33ユーロ~(1日あたり1ユーロ換算)という記載が確認できます。

自社の導入台数や利用するデバイスの種類、為替・地域ごとの販売条件等を含めたシステム全体の詳細な料金については非公開となっているため、提供元または総代理店への要問い合わせとなります。

導入事例・実績

公式に公開されている事例として、以下の実績が確認されています。

  • 世界的な製薬会社が、腫瘍治療薬の輸送および保管中の温度を監視するため、グローバルサプライチェーン全体に tempmate-GM2 データロガーと tempmate-Cloud を導入。GDPコンプライアンスへの厳格な対応と顧客の信頼向上を実現しました。
  • 公式のケーススタディ分析において、本システムの導入によりわずか数ヶ月で重大な温度逸脱が68%減少し、リアルタイムで客観的な証拠データが得られるようになったことで、医薬品の承認・出荷プロセスが短縮されたことが報告されています。

導入前に知っておきたいこと

現時点では、公開されたユーザー評価・課題報告(具体的なデメリット、不満、口コミなど)は確認できていません。

ただし、システムの技術的な特性として、リアルタイム監視はモバイル通信ネットワーク(4G/LTEおよび2G)に依存している点に留意が必要です。海上輸送中や厚い壁に覆われた倉庫内、コンテナの深部など、電波の届かない環境下ではリアルタイムでのデータ送信やアラート受信ができない時間帯が発生します。なお、tempmateのデバイスは通信圏外のオフライン時でも本体メモリに測定データを継続して記録し、通信が回復した際にクラウドへ自動的にデータをアップロードする仕様となっているため、データ自体が欠損するリスクは防がれています。

類似ツールとの違い・選び方

コールドチェーン・温度管理カテゴリの類似ツールと比較した際の tempmate-cloud の強みは、「グローバル通信網への対応力」と「デバイス運用における高い拡張性」にあります。

国内配送のみに特化した簡易的な温度管理システムとは異なり、世界的なモバイルネットワークを利用できるため、越境物流や国際間のサプライチェーン監視に優位性を持ちます。また、一つのクラウドプラットフォーム上で、通信機能を持つリアルタイムロガーと、安価なオフラインUSBロガーのデータを混在させて一元管理できるため、「厳格な管理が必要な医薬品にはリアルタイムロガーを、一般的な冷蔵食品にはオフラインロガーを使用する」といった、荷物の重要度やコスト最適化を意識した柔軟なデバイスの使い分けが可能な点が大きな選定ポイントとなります。

よくある質問(FAQ)

tempmate-cloudを利用するには専用のソフトウェアのインストールが必要ですか?
いいえ、必要ありません。完全なWebベースのクラウドプラットフォームであるため、ブラウザ経由でどこからでもアクセスでき、PCや自社サーバーへのソフトウェアインストールは不要です。
クラウドの利用にユーザー数やデータ保存容量の制限はありますか?
公式の仕様によれば、登録できるユーザー数やデータベースの保存容量、データの保存期間に上限はありません。社内外の複数の関係者に適切な権限を付与して、シームレスにデータを共有することが可能です。
オフラインのデバイス(使い捨てUSBロガーなど)のデータはどのようにクラウドへ取り込みますか?
使い捨てUSBロガー(tempmate-S1、S2など)から生成されたPDFレポートを、クラウド上のPDFアップロード機能を使って手動でアップロードすることで、リアルタイム対応デバイスのデータと併せてオンライン上で一元管理・可視化できます。

参照・出典