LogBizとは?
LogBiz(正式名称:LogBiz - Thermo)は、株式会社サトーが提供するコールドチェーン・温度管理ソリューションです。RFIDタグとバッテリー駆動の温度ロガーを1枚のRFIDラベル(シール)に一体化し、スマートフォンおよびクラウドシステムと連携させることで、輸送・保管中の温度推移を時系列で詳細に管理します。品質管理が厳しく求められる食品(植物工場の青果など)や化学製品、医薬品・医療品のコールドチェーンにおける品質保証を支え、中堅〜大手企業の物流品質向上に貢献します。
主な機能・特徴
- 薄型RFID温度ロガータグ: RFIDタグと温度ロガーを1枚の薄型ラベル(縦52mm×横100mm×厚さ1mm)に加工。対象物の段ボールなどに直接貼るだけで手軽に温度管理が可能です。
- 回収不要の使い切りタイプ: 顧客先から温度ロガーを回収・返却する手間がなく、紛失リスクや回収・メンテナンスにかかるコストを大幅に削減できます。
- マンガン電池採用で航空輸送に対応: 一般的なリチウム電池ではなく、マンガン電池ベースのペーパーバッテリーを採用。航空便の搭載制限(リチウム電池規制)を受けず国内外への輸送に利用でき、使用後はRFIDタグとバッテリーの分別廃棄も容易です。
- NFC対応スマホでの簡単読み取り: 専用の読み取り機器(RFIDリーダー)がなくても、NFC対応スマートフォンでラベルをタップするだけで温度記録の開始やデータ取得が可能です。
- クラウドでの温度データ可視化と警告: スマホからアップロードされた温度データはクラウドに集約され、PCやスマートフォンから一目で確認できます。温度が設定した閾値を超えた場合にシステム上で警告を発する機能も備えています。
- 最大1年間の長期記録: 温度データ取得開始後、最大1年間(使用環境による)、最大4,864レコードの温度記録が可能です。
- 多言語対応: アプリケーションは英語や中国語など多言語に対応しており、グローバルなサプライチェーンでの運用が可能です。
こんな企業・現場に向いている/向いていない
【向いている企業・現場】
- 対象業種・規模: 物流・倉庫業、食品・飲料メーカー、医薬品・化学製品メーカーなどの品質保証を重視する中堅〜大手企業。
- 導入シーン: 航空輸送を含む国内外のグローバルな輸送や、税関検査などで自社の管理の手が行き届かない領域の温度履歴を把握したいシーン。
- 課題を抱えた担当者: 「従来の温度ロガーは高価で、配送先からの回収作業が負担になっている」「輸送中に商品が品質劣化した際、どの段階で温度逸脱が起きたか原因究明ができない」と悩んでいる品質管理や物流部門の担当者に向いています。
【向いていない企業・現場】
- 繰り返し利用を前提とする運用: LogBizは使い切り(回収不要)を前提としたシステムです。自社倉庫内のみでの利用など、機器を容易に回収・再利用できる閉じた環境では、繰り返し使える安価な一般的な温度ロガーの方がランニングコストを抑えられる可能性があります。
- 超低温・極端な高温環境: 測定可能温度範囲は「−20℃〜50℃」とされています。そのため、ドライアイスを使用する超低温輸送や、50℃を超える過酷な高温環境での温度監視には適していません。
- 精密なセンサー調整が必要な現場: 本製品は精密温度センサーではないため、測定される温度情報は目安値となります。極めて厳密な1℃未満の誤差も許されないような調整が必要な現場には、専用の精密機器を検討した方がよいでしょう。
料金・プラン・導入方法
LogBizのSaaS月額利用料や、RFID温度ロガータグの単価など、詳細な料金プランは公式サイトで非公開となっています(要問い合わせ)。導入を検討する企業の規模や利用枚数、システム構成によって異なるため、詳細は株式会社サトーへ直接お問い合わせください。
導入事例・実績
- 沖縄セルラー電話株式会社(沖縄セルラーアグリ&マルシェ株式会社): 植物工場で栽培されるブランド苺「美ら島ベリー」の輸送に導入。出荷箱にLogBizを添付し、出荷から納品まで5分間隔で温度履歴を記録。生産者から小売店への全過程における品質保証と、海外輸出時のスムーズな検疫対応に貢献しています。
- 株式会社エンビプロ・ホールディングス(PoC事例): 使用済みリチウムイオン電池のリサイクル過程において、回収から処理までの温度や衝撃情報をLogBizを用いて継続的に収集。輸送中・処理過程での発熱や発火事故の防止、処理過程の可視化に向けた実証実験(PoC)に活用されています。
導入前に知っておきたいこと
現時点では公開されたユーザーの不満や課題報告は確認できていません。ただし、仕様上の注意点として以下の点が挙げられます。
- 測定温度はあくまで目安値: 精密温度センサーではないため、厳格な温度保証というよりは、逸脱傾向の把握やトレーサビリティの確保を目的として運用する必要があります。
- NFC通信距離の制約: NFCスマートフォンを使用した場合の通信距離は約2cm程度です。そのため、パレットの奥深くや厚い梱包材の中にタグを配置してしまうと、外側からスマートフォンをかざしても読み取れない可能性があります。運用前に運用フローに合わせた貼付位置の工夫が求められます。
類似ツールとの違い・選び方
従来の温度ロガー(USB接続型や専用の無線通信機器)との最大の違いは、「回収不要のシール型ラベル」である点と「リチウム電池不使用」である点です。一般的なロガーは機器自体が高価で回収の手間がかかりますが、LogBizは使い切りでスマートフォンで読み取れるため、BtoBの不特定多数の納品先へ送る際のハードルが極めて低くなります。また、リチウム電池の航空機持ち込み規制に引っかからないマンガン電池を採用しているため、空輸を含むグローバルコールドチェーンに最適なツールとして選ばれています。
よくある質問(FAQ)
- スマートフォンのアプリの利用には料金がかかりますか?
- スマートフォン用の温度管理アプリケーション自体は無料でダウンロードして利用可能ですが、取得したデータを管理するためにはクラウドサービス(SaaS)の契約が別途必要です。
- 航空機への搭載は問題ありませんか?
- はい、問題ありません。LogBizのRFID温度ロガータグはマンガン電池ベースのペーパーバッテリーを採用しているため、リチウム電池の輸送制限を受けることなく国内外への航空輸送が可能です。
- どのような端末で温度データを読み取れますか?
- NFC読み取り機能が搭載されたスマートフォン(Android 8.0以上、iOS14/iPhone 7以上)に専用アプリをインストールすることで、タグにスマホをかざすだけで簡単に温度履歴を読み取り、クラウドへ送信することができます。