MOVO Fleetとは?
MOVO Fleet(ムーボ・フリート)は、株式会社Hacobuが提供する、輸配送のブラックボックス化解消と運行効率化を実現する物流特化型の車両動態管理・運行管理クラウドです。自社保有の車両だけでなく協力会社や傭車のトラックも含めた位置情報をリアルタイムに可視化し、物流「2024年問題」や改正物流総合効率化法(物効法)で求められる荷待ち・荷役時間のエビデンス管理、ドライバーの稼働実態分析、配送進捗の共有を一元的に支援します。
主な機能
動態把握・運行モニタリング機能
- 高頻度GPSによるリアルタイム位置把握
専用の車載デバイス(シガーソケット型など)またはスマートフォンアプリから最短5秒間隔で位置情報を取得し、管理画面の地図上に全車両の現在地や運行状況を一覧表示します。管理者が個別のドライバーへ電話をかけて現在位置を確認する手間がなくなり、遅延の早期把握や納品先からの問い合わせ対応を迅速化できます。 - 走行ルート再現・運行履歴ログ
過去の走行軌跡や走行距離、速度ログをクラウド上に蓄積し、任意の期間を指定してルートを再現・確認できます。予定していた運行ルートと実際の走行ルートの乖離を可視化することで、不適切な迂回や非効率な経路の特定、運行ルートの適正化に向けた見直しが行えます。 - 運行管理サポートAI機能
管理画面上で「大幅に遅延が発生している車両は?」「特定の拠点に向かっている車両の到着順は?」といった自然言語の問いかけを行うだけで、AIが必要な運行データを即座に抽出・提示します。複数の検索条件を指定して車両情報を絞り込む操作工数を削減し、状況把握のスピードを高めます。
荷待ち・荷役エビデンス管理機能
- 多角形ジオフェンスによる自動着荷・滞在判定
あらかじめ設定した配送先や物流拠点の敷地形状に合わせた多角形エリア(ジオフェンス)を設定し、車両の進入・退出を自動で検知します。隣接する複数のバースや工場敷地内でも誤判定を防ぎ、ドライバーが手動操作を行うことなく正確な到着・出発実績と地点滞在時間を自動記録できます。 - 荷待ち・荷役時間のエビデンス集計
物流拠点や納品先での待機時間・作業時間を自動集計し、運行ごとの滞在実績データを作成します。荷主企業と運送事業者の双方が客観的なデータを共有できるため、待機料金・荷役料金の適正な請求や、法対応に向けた拘束時間削減の改善協議における客観的なエビデンスとして活用できます。 - 検品・積載情報管理機能
荷物の積み降ろし時にコードを読み取ることで誤配送を防止するとともに、運行ごとの荷量や積載実態を記録できます。輸配送効率の向上に向けた積載率の把握や、改正物流効率化法への対応に必要な運行データの収集を支援します。
配送計画・企業間情報連携機能
- 配送計画ダッシュボード・進捗管理
登録した配送計画やルート情報とリアルタイムの動態データを照合し、配送の遅れや進捗状況をステータスごとに可視化します。遅延リスクのある便を早期にアラート検知できるため、配車担当者が先回りで納品先への連絡やルート変更の指示を行えます。 - 部門機能・取引先向け画面共有
荷主企業や配送先などの取引先に対し、閲覧権限を絞った動態画面を共有できます。電話やメールによる「トラックは今どこにいるか」という確認業務が削減され、サプライチェーンに関係する事業者間での情報共有コストを大幅に抑制します。 - MOVOシリーズ連携(MOVO Berth / MOVO Vista)
トラック予約受付サービス「MOVO Berth」と連携することで、バース予約情報と車両のリアルタイム位置情報を統合し、車両の接近に応じた入出庫管理や待機削減を実現します。また配車受発注・管理サービス「MOVO Vista」との連携により、配車組みから動態把握までを一気通貫で管理できます。
労務管理・データ分析機能
- 運行日報・月報の自動作成
走行距離、走行時間、作業時間、滞在時間などの取得データを基に、運行日報を自動生成します。ドライバーが運行終了後に手書きで日報を作成する負担を省き、帰庫後の事務作業時間を短縮して労務負担を軽減します。 - CO2排出量・運行実績データ出力(CSV)
蓄積された走行ログからCO2排出量の目安を自動算出し、走行実績データとともにCSV形式でエクスポートできます。荷主企業への環境負荷データの提出や、拠点ごとの稼働率分析、改善施策の立案に役立てられます。
こんな企業・現場に向いている/向いていない
向いている企業・現場
荷主や協力会社を含めた複数企業間で輸配送ネットワークを運用している企業
- 協力会社や傭車の動態が把握できず、遅延確認の電話対応が頻発している
シガーソケット型端末やスマートフォンアプリ「MOVO Driver」を活用することで、自社保有車両だけでなく下請け・傭車も含めて同一画面上で動態管理が可能です。取引先への画面共有機能も備わっているため、位置確認にかかる問い合わせ連絡を大幅に削減できます。 - バース予約システムと動態管理が分断され、現場の受け入れ態勢が整わない
市場シェアを持つトラック予約受付サービス「MOVO Berth」と直接データ連携できるため、車両の接近状況に応じて入構案内や荷降ろし準備を進められます。拠点到着前からの進捗把握により、センター内の混雑緩和と庫内荷役の効率化を同時に実現できます。
物流2024年問題や法改正に伴い、荷待ち・荷役時間のエビデンス化が急務な企業
- 荷主先での待機時間の実態が掴めず、待機料金の請求や運賃交渉が進まない
多角形ジオフェンス技術により、ドライバーの操作に依存せず地点滞在時間を自動で分単位記録します。客観的なデータとして出力できるため、荷主企業に対する改善提案や待機料請求のエビデンスとして活用できます。 - ドライバーの帰庫後日報作成やダイヤ検証に膨大な工数がかかっている
GPSログから運行時間・作業時間・休憩時間を自動判別して日報をワンクリック生成できるため、ドライバーの拘束時間を短縮できます。蓄積データを用いた運行ダイヤの検証も容易になり、残業時間の抑制につながります。
向いていない企業・現場
社用車の安全運転指導やドライブレコーダー映像による事故削減を最優先とする企業
- 危険運転のAI映像解析やインサイト通知を中心に安全管理を行いたい
MOVO Fleetは物流の輸配送効率化や荷待ち・荷役時間の管理に強みを持つテレマティクスサービスです。脇見運転・一時不停止などのAI画像解析や危険挙動のリアルタイム動画確認による安全運転指導を主目的とする場合は、DRIVE CHARTやOffsegなど安全運転支援に特化したサービスの導入を検討した方が適しています。
数台の営業車両の位置把握のみを目的とし、物流特有の機能が不要な企業
- 配送先での滞在管理やバース連携、協力会社管理などを必要としない小規模事業者
営業車や巡回サービスカーの簡易的な位置把握や日報作成のみが目的である場合、MOVO Fleetの物流特化機能(ジオフェンスによる荷待ち把握、MOVO Berth連携等)を持て余す可能性があります。その場合は、初期導入が簡易で汎用的な車両管理に特化したSmartDrive Fleetなどを検討する方が運用の複雑さを避けられます。
類似ツールとの比較
| ツール名 | 特徴 | 料金 | 向いている企業 |
|---|---|---|---|
| MOVO Fleet | 物流特化型の動態管理。荷待ち・荷役時間の自動集計やMOVO Berth連携、協力会社を含めた一元管理に対応 | 月額1,980円(税抜)/台〜(初期費用別途) | 荷待ち時間のエビデンス管理やバース連携、傭車管理を行いたい物流・製造・流通企業 |
| Cariot | スマホのみでも運用可能。リアルタイム位置共有、デジタル運転日報、アルコールチェック管理を一元化 | 要問い合わせ | スマホで手軽に動態管理を始めたい中小〜中堅の運送会社やフィールドワーカーを抱える企業 |
| SmartDrive Fleet | シガーソケット挿入型デバイスやドラレコを活用し、リアルタイム位置把握や安全運転診断、自動日報作成に対応 | 要問い合わせ | 営業車から配送車まで幅広い社用車の安全運転管理や日報作成をシンプルに効率化したい企業 |
| DRIVE CHART | AI搭載ドラレコが脇見や一時不停止などの危険運転を自動検知し、映像を活用したドライバー指導を実現 | 要問い合わせ | 事故削減・危険運転の撲滅を最優先課題とし、AIによる運転傾向スコア化や映像指導を行いたい企業 |
物流拠点や納品先での「荷待ち・荷役時間の正確な把握」「待機料金のエビデンス作成」「トラック予約受付システム(MOVO Berth)との連携」「協力会社を含めた複数企業間の情報共有」を重視する場合は、物流業界の商慣習とサプライチェーン構造に最適化されたMOVO Fleetが有力な候補となります。
一方で、車両管理の目的が「AIカメラを活用した脇見運転や一時不停止の検知」「事故率の低減に向けたドライバー指導」などの安全運転管理にある場合はDRIVE CHARTを、営業車両や社用車全般の「位置把握・安全運転スコアリング・日報自動化」を汎用的に行いたい場合はSmartDrive FleetやCariotを比較検討するのが適切です。
料金・プラン・導入方法
MOVO Fleetの利用料金は、月額1,980円(税抜)/台から利用可能となっています(端末代金不要、初期費用別途)。
基本料金体系としては、管理対象となる車両1台ごとの月額料金モデルが採用されており、導入規模に応じた無駄のない運用が可能です。利用にあたっては別途初期費用が必要となります。利用環境や運用形態に合わせて、以下のデバイスオプションを柔軟に選択・組み合わせることができます。
- シガーソケット型端末プラン
車両のシガーソケットに専用GPSデバイスを挿入するだけで、ドライバーの操作なしに位置情報と走行実績を自動取得するプランです。 - スマートフォンプラン
ドライバーが所持する業務端末にアプリ「MOVO Driver」をインストールして動態管理を行うプランです。荷役時間や荷量、伝票情報の入力管理にも対応します。 - コネクテッドトラック・ドライブレコーダー連携プラン
日野自動車などのコネクテッドトラックデータや通信型ドライブレコーダーと直接連携し、専用端末を後付けせず動態管理を行うプランです。
個別見積もりを依頼する際は、「対象となる車両台数(自社車・協力会社車)」「使用する端末種別(シガー型・スマホ・車載連携)」「配送計画オプションなどの有料機能の有無」「最低契約期間や機器の購入・レンタル条件」を事前に確認することが推奨されます。
導入の流れ・期間
MOVO Fleetの導入は、概ね以下のステップで進められます。具体的な導入期間やスケジュールは、導入台数や拠点数、連携オプションによって異なるため要問い合わせとなります。
- ステップ1:問い合わせ・ヒアリング
公式サイトの専用フォームまたは電話から問い合わせを行い、自社の車両台数、運行形態(自社便・傭車便)、解決したい課題(荷待ち把握、配送進捗共有など)を担当者に共有します。 - ステップ2:デモ・プラン提案・見積もり
実際の管理画面のデモンストレーションを確認し、業務要件に合ったデバイス構成(シガー型端末、スマホアプリ、コネクテッド連携など)およびオプション機能の見積もり提示を受けます。 - ステップ3:契約・デバイス手配
契約締結後、管理対象台数に応じた専用車載デバイスの手配やクラウド環境の初期アカウント発行が行われます。 - ステップ4:初期設定・マスタ登録
管理画面上で車両情報、ドライバー情報、配送先・荷受け拠点のジオフェンスエリア設定などの初期マスタ登録を実施します。 - ステップ5:端末装着・運用開始
車両へのデバイス装着(またはスマートフォンへのアプリインストールと初期ログイン)を行い、現場での動態把握・日報運用の稼働を開始します。専任スタッフによる定着支援サポートも提供されます。
導入事例・実績
- 株式会社日本陸送(ニッコンホールディングスグループ)
自動車部品輸送を中心に230台の車両を保有する同社では、自社開発の旧動態管理システムにおいて端末増加に伴う不具合や多大な保守コスト、操作の複雑さが課題となっていました。MOVO Fleetへ全面移行した結果、年間約200万円のランニングコスト削減に成功しました。さらにリアルタイムの位置把握により運行管理者への問い合わせ電話が半減したほか、突発的な道路障害発生時の指示スピード向上、CO2排出量可視化による荷主への付加価値提案を実現しています。 - 株式会社東北丸和ロジスティクス
食品物流ロジスティクスを展開する同社では、新設したBCP(事業継続計画)事業の強化と運行管理のデジタル化を目的にMOVO Fleetを導入しました。全車両の現在地をリアルタイムに把握可能となったことで、災害時のドライバー避難・待機指示体制を確立。さらに蓄積データの検証・分析によって配送ルートと高速道路利用の適正化を進め、車両台数を前年比月間5%抑制、高速料金を20%削減(月間30万円のコスト削減)する成果を上げています。 - 株式会社豊田自動織機
自動車関連の物流現場においてMOVO Fleetを導入し、運行実績情報収集のデジタル化を推進。毎月実施していた運行ダイヤの検証にかかる時間を半減させ、ダイヤ最適化に伴うドライバー残業代の低減および運行距離の圧縮を実現しています。
導入前に知っておきたいこと
- 荷待ち・荷役の厳密な区分には運用設計が必要
多角形ジオフェンスにより「地点への滞在時間」は自動算出されますが、「純粋な荷待ち(待機)」と「荷役(積み降ろし作業)」を厳密に区分して記録・分析したい場合、スマートフォンアプリ上でのドライバーによる作業ステータス打刻や、バース予約システム(MOVO Berth)との連携運用が必要となる場合があります。 - 通信環境や地下・トンネルでの一時的なデータ制約
GPSと携帯電話通信網を利用するテレマティクスサービスの特性上、山間部の一部不感地帯や地下駐車場、長大トンネル内などでは一時的にリアルタイム位置情報の取得が遅延・欠落する可能性があります。電波回復後にデータは再送・反映されますが、リアルタイム追跡時には留意が必要です。 - 協力会社(傭車)への導入時の説明と合意形成
下請け・協力会社の車両を管理対象に含める場合、シガーソケット型端末の貸与やドライバーのスマートフォンへのアプリ導入が必要となります。運行可視化の目的(待機時間の削減や問い合わせ電話の削減など、ドライバー側にもメリットがあること)を事前に周知し、心理的抵抗感を減らす運用ルールの設定が円滑な定着の鍵となります。
よくある質問(FAQ)
- ドライバー専用のスマートフォンアプリはありますか?対応OSは何ですか?
- ドライバー向けスマートフォンアプリ「MOVO Driver」が提供されています。iOSおよびAndroid端末に対応しており、専用の車載機を設置しない場合でもスマートフォン単体での動態管理や作業ステータス登録が可能です。
- 管理画面の推奨ブラウザ・動作環境は何ですか?
- 管理者向けクラウド画面はWebブラウザからアクセスして利用します。Google ChromeまたはMicrosoft Edgeの最新バージョンでの動作が確認されています。
- トライアルやデモ画面の確認は可能ですか?
- 導入検討時にオンラインでのデモンストレーション画面の案内やヒアリングに基づく提案が行われています。無料トライアルの提供条件や実施可否については、導入規模や時期によって異なるため、直接問い合わせてご確認ください。
- 1台のみの小規模な台数からでも契約・導入できますか?
- 公式サイトのFAQによると、最低契約台数は顧客の事業規模や状況に応じて柔軟に対応しており、1台からの相談も受け付けています。
- 車両への端末取り付けは自社で簡単に行えますか?
- シガーソケット型端末を採用する場合、車両のシガーソケットに端末を挿し込むだけで設置が完了するため、特別な配線工事や車両の稼働停止を伴わずに即日セットアップが可能です。
- 契約期間や途中解約の条件はどうなっていますか?
- 契約期間や解約条件、ハードウェアの買取・レンタル条件などの詳細は公開されていません。契約規模やプランにより規定が異なるため、見積もり・商談時にご確認ください。