t-Sortとは?
株式会社プラスオートメーションが提供する「t-Sort」は、物流センターや倉庫における仕分け作業の自動化を実現する小型の自律走行ロボット(AGV)型ソーティングシステムです。床面や架台に専用シートを敷くだけで走行環境を構築できるため、従来の大型固定式コンベアのような大規模な据付工事やアンカー打ちを必要としません。ロボットやソフトウェア、保守運用を初期費用ゼロの月額制で利用できるRaaS(Robotics as a Service)モデルを採用しており、物量変動に応じたロボット台数の増減やレイアウト変更に柔軟に対応できる点が特徴です。
主な機能
搬送・仕分けハードウェア機能
- 多様な荷姿に対応するモジュール型チルト・クロスベルト機構
荷物の形状や重量特性に合わせて、トレイを傾けて滑り落とすチルトトレイ型や、ベルト駆動で静かに滑り出し投入するクロスベルト型などを選択できます。アパレル製品、日用雑貨、化粧品、医薬品、小包、伝票類に加え、最大15kgから30kg程度までの重量物や大型リュックなどの非定型品にも対応します。 - アンカーレス設置とフレキシブルな間口設計
床面や専用架台の上にPVCシートを敷設し、2次元コードを読み取って自律走行するため、床面へのアンカー固定が不要です。仕分け間口のサイズや配置を現場の折りたたみコンテナや段ボールの寸法に合わせて自由にレイアウトでき、最短1日で設置・稼働を開始できます。 - 自律走行と自動充電マネジメント
各ロボットが作業ステーションから指定された仕分けシュートまで最適な経路を自律走行して荷物を搬送します。バッテリー残量が低下した際には自動で充電ステーションへ移動し短時間で急速充電を行うため、人の手を介さずに24時間連続稼働の現場にも対応します。
庫内実行・システム連携機能
- 独自庫内実行システム「+Hub」による一元制御
プラスオートメーションが開発したWES(倉庫実行システム)「+Hub」により、複数台のロボットの走行制御、配車、仕分けデータの割り振りを一括管理します。ロボットによる自動仕分けエリアだけでなく、サイズオーバー品などの手仕分け作業も同一システム上で統合管理することが可能です。 - 手軽なデータ連携(CSVインポート・WMS連携)
上位システムであるWMS(倉庫管理システム)とのAPI連携はもちろん、仕分け指示データをCSV形式で「+Hub」にアップロードするだけでも即座に運用を開始できます。ロジザードZEROなどのクラウドWMSとの標準的な連携実績もあり、大規模なシステム改修コストを抑えて導入可能です。
ピッキング・アソート拡張ソリューション
- 複合仕分けソリューション「t-Sort MAS(Multiple Assort System)」
DAS(デジタルアソートシステム)やGAS(ゲートアソートシステム)などの表示器付き仕分け棚とt-Sortを組み合わせたソリューションです。広域からバッチピッキングした複数オーダー分の荷物をt-Sortで各仕分けステーション前まで無人搬送し、最終的な間口への投入と丁寧な敷き詰めを人が行うことで、割れ物や食品などの品質維持と歩行レス化を両立します。 - オーダーピッキング搬送「t-Sort OPS(Order Picking System)」
WMSの出荷オーダー情報をロボットに割り当て、ピッキングステーションで作業員が搭載した商品を梱包工程まで無人搬送する仕組みです。仕分けだけでなくピッキング工程の搬送省力化にも活用領域を拡張できます。
こんな企業・現場に向いている/向いていない
向いている企業・現場
季節波動や荷主変更が多く、固定設備の導入リスクを避けたい3PL・EC事業者
- セール期と通常期で物量が数倍に変動し、作業員の確保が困難な現場
月額制のRaaSモデルにより、ロボット台数を繁忙期だけ一時的に増台し、閑散期には減台する運用が可能です。物量変動に合わせた柔軟なキャパシティ調整により、過剰な固定費を抱えずにピーク時の出荷遅延を抑えられます。 - 定期的な荷主入れ替えやレイアウト変更が発生する賃借倉庫
床にアンカーボルトを打たずに設置できるため、撤去時の原状回復工事が不要です。荷主の契約満了や取り扱い商材の変更に伴うレイアウトの組み替え、別フロア・別拠点への移設を数日単位で迅速に実施できます。
多店舗出荷やEC多頻度小口配送で、仕分け作業の歩行負担・ミスを削減したい物流拠点
- 作業員が段ボールや間口の間を歩き回って手仕分けしており、身体的負荷が大きい現場
作業員は定位置でバーコードをスキャンしてロボットに載せるだけで、ロボットが数百間口へ自動搬送して仕分けを完了します。歩行距離の大幅な削減と仕分けミスの防止を実現し、作業効率を大幅に向上させます。
向いていない企業・現場
極めて長期間にわたり物量や拠点が固定されている超大規模ハブセンター
- 10年以上のスパンで拠点移転や荷主変更がなく、1時間あたり数万点規模の仕分けを常時行う現場
一定以上の処理能力を恒常的に求める場合、初期投資が大きくても固定式の超高速コンベアソーター(クロスベルトソーター等)を資産購入して償却する方が、長期的な累積利用コストにおいて有利になるケースがあります。
パレット単位や超重量物、長尺・不定形重量物を中心に取り扱う現場
- 30kgを超える重量物やパレット単位の幹線輸送仕分けが中心の拠点
t-Sortの積載能力(標準で5kg〜30kg程度)を超える貨物や、トレイ・ベルトから大幅にはみ出す大型建材・長尺物の自動仕分けには単体では対応できません。フォークリフト型AGVや大型コンベアなど、別の搬送設備の検討が必要です。
類似ツールとの比較
| ツール名 | 特徴 | 料金 | 向いている企業 |
|---|---|---|---|
| t-Sort | 小型AGVによるモジュール型仕分けシステム。アンカー不要・最短1日導入、RaaSによる月額提供に対応 | 要問い合わせ(スタータープランは月額30万円〜) | 仕分け・アソートの自動化をスモールスタートしたい企業、物量変動が大きい現場 |
| AutoStore | 高密度ビン保管グリッド上をロボットが走行する超高密度自動倉庫システム(AS/RS) | 要問い合わせ | 倉庫の保管効率を極限まで高め、小口商品の自動ピッキングを実現したい企業 |
| Skypod | 3次元に自律走行するラック対応型立体自動倉庫システム。ラック・ロボットのモジュール拡張が可能 | 要問い合わせ | 天井高を有効活用した自動保管・出庫を行い、将来の拡張性を担保したい企業 |
| Rapyuta ASRS | クラウド協調制御を活用したモジュール式自動倉庫および協働ピッキングロボット(PA-AMR) | 要問い合わせ | 既存倉庫のレイアウトを活かしつつ保管・ピッキング工程を段階的に自動化したい企業 |
仕分け(ソーティング)工程の省人化・ミス削減を主目的とし、初期投資を抑えて短期間で導入したい場合は「t-Sort」が有力な選択肢となります。大がかりな建屋改修を行わずに既存の作業スペースをそのまま活用でき、RaaS形式で月額運用できる点が固有の強みです。
一方で、仕分け作業単体ではなく「高天井を活用した高密度な保管」や「保管場所からの自動出庫(Goods-to-Person)」を根本から見直したい場合は、AutoStoreやSkypodなどの立体型自動倉庫(AS/RS)を検討する方が目的に適しています。
また、保管ラック間を作業員と協働しながらピッキング搬送する運用を重視する場合は、協働型AMRを展開するRapyuta ASRSなどを比較対象として検討することが推奨されます。
料金・プラン・導入方法
t-Sortの基本料金モデルは、初期費用を抑えたサブスクリプション型サービス「RaaS(Robotics as a Service)」形式となっており、個別構成に応じた「要問い合わせ」です。
なお、小規模導入や検証向けとして一部パッケージプランの料金体系が公式に公表されています。
| プラン名 | 初期費用 | 月額費用 | 備考 |
|---|---|---|---|
| t-Sort スターターパック | 0円 | 30万円〜 | ロボット5台・周辺機器・ソフトウェア一式、契約期間3カ月〜、最短1日導入 |
| 個別カスタマイズ導入 | 要問い合わせ(標準仕様は初期0円) | 要問い合わせ | ロボット台数・シュート数・WMS個別連携要件に応じた見積もり |
個別見積もりを行う際は、以下のポイントを事前に確認しておくことが重要です。
- 取り扱い商材の寸法・重量と必要処理能力(ピース/時)
チルト型、クロスベルト型、大型フラップ型など適切な機体タイプと台数を選定します。 - 仕分け間口数とレイアウト設計
床置き式か架台設置か、またはDASなどと組み合わせるかによって構成機器が変動します。 - 契約期間と保守・サポート範囲
最短契約月数や繁忙期の増台オプション、24時間365日保守対応の適用範囲を確認します。
導入の流れ・期間
- 問い合わせ・現場ヒアリング
公式サイト等から現状の出荷物量、間口数、荷姿、課題、対象拠点の図面などを共有します。 - 実機見学・デモ検証(cube)
プラスオートメーションの研究開発・デモスペース「cube」等で自社商材を持ち込み、仕分け精度の事前検証を実施可能です。 - シミュレーション・プラン提案
物量データをもとにシミュレーションを行い、必要ロボット台数、レイアウト図、月額費用プランが提示されます。 - 契約・システム準備
RaaS利用契約を締結し、上位WMSとの連携方式(APIまたはCSVデータ連携)を設定します。 - 現場セットアップ・稼働開始
シート敷設、機体設定、走行テスト、作業者トレーニングを実施します。スターター構成などでは現場セットアップは最短1日で完了し、初回相談から本格稼働まで1〜2カ月程度で立ち上げが可能です。
導入事例・実績
- 株式会社アダストリア(常総物流センター)
9ブランドへの出荷を担う常総DCにおいて、1系統で120台の「t-Sort sd5」、約800間口の仕分けシステムを導入。店舗出荷仕分けの自動化により、作業時間を約60%削減し、出荷プロセス全体での生産性60%向上、キャパシティ40%向上を達成しました。 - 株式会社ベスト・ロジスティクス・パートナーズ(三菱食品グループ / 川崎夜光SDC)
スーパーマーケット向け専用物流センターの冷蔵倉庫に「t-Sort cb15」を50台導入。深夜帯の納入準備における人手不足と物量波動に対応し、1日あたり36人時の作業工数削減を実現しました。 - 共同物流サービス株式会社(仙台泉センター)
食品・酒類の3PL仕分け業務において「t-Sort cb15」を導入。配送先量販店約30社の多様な納品ルールに対応し、年間約5,300時間の作業工数削減を達成しました。 - SBSリコーロジスティクス株式会社(物流センター関東)
EC貨物(荷主:MonotaRO)の方面別仕分けにおいて、時間当たり1,800個を超える処理能力で仕分けを実施し、高性能スキャナと「+Hub」による通過情報管理を実装しました。
導入前に知っておきたいこと
- 長期間(数年以上)の固定運用におけるトータルコスト
RaaSモデルは初期投資ゼロで柔軟に運用できる利点がある一方、物量やオペレーション、拠点が3〜4年以上全く変わらない前提の場合、機器を資産購入して減価償却する方式と比較して累積支払額が高くなる場合があります。 - 割れ物や箱詰め時の荷扱いに関する留意点
ロボットがシュートへ商品を滑り落として仕分ける標準方式では、ガラス瓶などの極めて割れやすい商品や、出荷箱に隙間なくきれいに敷き詰める必要がある商品には単体で不向きな場合があります。そうした荷物を扱う現場では、DAS等のデジタル棚と組み合わせた「t-Sort MAS」のようなハイブリッド運用の検討が必要です。 - 据え付け型超高速ソーターとの処理能力の設計思想の違い
t-Sortはロボット台数と間口の調整でスケーラブルに拡張できますが、単一ラインで毎時1万点以上を極小面積で高速処理するような固定式コンベアソーターに比べると、必要能力に応じたレイアウト床面積の確保が必要となります。
よくある質問(FAQ)
- 操作端末や管理画面の対応環境はどうなっていますか?
- 上位制御システム「+Hub」はクラウド型で提供されており、現場での投入指示やピッキング確認にはタブレット端末やハンディスキャナ、PCブラウザ等が利用されます。詳細な対応OS・推奨ハードウェア構成は要問い合わせです。
- 導入前に実機の動作確認やデモを見ることはできますか?
- はい、プラスオートメーションが運営するR&D/デモ施設「cube」にて実機見学が可能です。自社の取り扱い荷物を持ち込んでの仕分け検証テストも実施されています。
- 冷蔵環境や特殊な温度帯の倉庫でも稼働できますか?
- はい、冷蔵倉庫での導入実績(ベスト・ロジスティクス・パートナーズ川崎夜光SDCなど)があり、低温環境下での仕分け搬送にも対応しています。
- 導入後の保守・メンテナンス体制はどうなっていますか?
- RaaSの月額サービス利用料にロボットの維持管理、定期点検、ソフトウェアアップデート、故障時の代替機手配などの保守サポートが含まれており、ワンストップで提供されます。
- 最低契約期間や解約条件はどのようになっていますか?
- パッケージプランの「スターターパック」では最低契約期間が3カ月から、「t-Sortライト」では6カ月から設定されています。一般的な個別カスタマイズ導入時の契約条件や解約規定については要問い合わせです。