トラック簿とは?
トラック簿は、ハコベル株式会社が提供するバース予約・ヤード管理(トラック予約受付)システムです。長時間の荷待ち・荷役作業や、紙ベースの煩雑な受付業務といった現場の課題を解決するため、トラックの受付からバース割当、実績分析までをワンストップで管理します。倉庫指定、配車マン予約、ドライバースマホ予約など多様な運用方式に対応しており、2024年11月に株式会社モノフルから事業承継され、ハコベルの物流DXソリューションの一つとして展開されています。
主な機能・特徴
- トラック予約機能(配車担当者・ドライバー予約)
運送会社の配車担当者からの事前予約に加え、ドライバー自身がスマートフォンから直接入場予約を行える「ドライバー予約機能」を搭載。当日変更が多い輸送現場でも柔軟な運用が可能です。 - 多様な受付方式(スマホ・タブレット・QRコード)
施設に到着したドライバーが、自身のスマホアプリや受付窓口に設置されたタブレット、またはQRコードを読み取ることで簡単に受付手続きを完了できます。 - ドライバー呼び出し通知機能
バースの準備が整った際、ドライバーの携帯電話へSMS、LINE、または自動音声電話(IVR)で直接呼び出し通知を送信。リフトマンや事務員がドライバーを探しに行く手間を省きます。 - 複数箇所積卸オプション(特許取得)
同一拠点内に複数の倉庫がある場合でも、各倉庫を回る車両の入退場や作業時間を正確にトレースし、待機時間を可視化できる独自の機能です。 - 実績データの蓄積と分析
荷待ち時間や荷役時間の実績データをシステム上に蓄積し、分析可能な形式で可視化することで、拠点ごとの業務改善や荷主企業との交渉に活用できます。 - 外部システム連携(API連携)
WMS(倉庫管理システム)やTMS(輸配送管理システム)などの外部システムとシームレスなAPI連携が可能です。
こんな企業・現場に向いている/向いていない
【向いている企業・現場】
企業規模や業種を問わず、製造業、卸売業、物流・倉庫業などで、長時間の待機列や荷待ち時間の削減(物流の2024年問題・2時間以内ルールへの対応)に取り組みたい現場に最適です。特に、敷地内に複数の倉庫が存在し、構内での車両の動きが複雑な拠点や、受付業務が紙ベースで事務員・リフトマンの負担が大きい現場、正確な待機時間の実態をデータとして把握・分析したい担当者に向いています。
【向いていない企業・現場】
携帯電話やスマートフォンを所持していないドライバーが大半を占める現場や、デジタルツールへの拒否反応が極めて強く、運用ルールの変更に対する現場サポート体制(操作案内など)が全く取れない企業には定着が難しい場合があります。また、汎用的なSaaSであるため、極端に自社独自の複雑なハウスルールをシステムに完全に組み込みたい場合は、フルスクラッチの別システムを検討した方がよいケースがあります。
料金・プラン・導入方法
料金や詳細なプランについては要問い合わせとなります。(公式発表では、事業所数や利用機能に応じた料金体系となっており、公式サイトのフォームから資料請求・見積もりの問い合わせが必要です)
導入事例・実績
- 凸版物流株式会社(関宿事業所・大阪物流センター)
遠隔受付機能の活用と庫内レイアウトの最適化により、待機・荷役時間を削減。大阪物流センターでは受付から荷卸しまでの時間が平均30分に短縮され、現場への定着も2週間で実現しました。 - アサヒロジ株式会社(明石支店)
敷地内に5つの倉庫を持つ同拠点に特許機能の「複数箇所積卸オプション」を導入。従来、紙書類と照合し最大360分/日かかっていたデータ集計時間が、導入後は10分/日へと大幅に短縮されました。 - 山九株式会社(福岡物流センター)
紙ベースの受付と無線でのドライバー呼び出し運用から脱却し、受付担当者とリフトマン双方の負担を大幅に改善。蓄積データをもとにした業務改善が進んでいます。 - 株式会社住友倉庫(南本牧第1倉庫)
AEO制度の承認を受けた保税倉庫において、デジタルな入構証として活用。入構手続きの簡素化によりペーパーレス運用を実現し、倉庫の残業時間を1時間短縮することに成功しました。 - トランコムEX東日本株式会社
受付スタッフの業務負荷軽減とスムーズなバース誘導を実現し、リフトマンがドライバーを直接呼び出せるようになったことでタイムロスを削減しました。
導入前に知っておきたいこと
トラック簿の導入にあたっては、ユーザーや導入企業から以下のような課題や注意点が報告されています。
- 現場への定着と初期サポートの苦労
導入当初は、スマートフォン操作に不慣れなドライバーや、デジタル化に抵抗を持つドライバーへの初期登録説明に苦労するケースが多く報告されています。住友倉庫の事例では「利用が浸透するまでに1年程度かかり、心が折れそうになった」との声もあり、タブレット操作のサポートや利用を促すチラシの配布など、地道な現場努力が必要です。 - 運用ルールの徹底に対するハードル
「携帯電話が無いと受付できない」というルールを敷く場合、それをドライバーに徹底させるまでの間、一時的に現場の混乱やクレームが生じる可能性があります。 - 自社独自ルールとのフィット感
SaaS型の汎用システムであるため、完全に自社の既存運用(ハウスルール)に合致しない部分が生じることがあり、システムに合わせて運用フローを見直す歩み寄りが求められます。
類似ツールとの違い・選び方
バース予約・ヤード管理カテゴリにおける代表的な類似ツールとしては、Hacobu社が提供するシェアNo.1の「MOVO Berth(ムーボ・バース)」などが挙げられます。MOVO Berthが広範な物流データ基盤としての強みを持つのに対し、トラック簿(シェア2位・成長率No.1)は直感的な使いやすさと、現場のハードルを下げる多様な受付手段(QRコード受付など)に定評があります。また、トラック簿は「複数箇所積卸オプション」の特許を取得しており、同一敷地内で複数の倉庫を回るような複雑な現場での実態把握に強みを持っています。さらに、事業承継によりハコベルの配車管理・動態管理システムと統合されたことで、輸配送から拠点管理までを一気通貫でデジタル化したい企業にとって有力な選択肢となります。
よくある質問(FAQ)
- トラック簿の導入に必要な期間はどれくらいですか?
- 受付・予約機能をご利用の場合は1〜2ヶ月、受付機能のみの場合は1週間程度が目安となります。
- 最低契約期間はありますか?
- 最低契約期間は1ヶ月です。
- ドライバーがスマートフォンを持っていなくても利用できますか?
- 拠点に設置された受付用タブレットを利用して手続きが可能です。また、呼び出しについては、通話可能なフィーチャーフォン(ガラケー)への自動音声電話(IVR)やSMS通知にも対応しているため、スマートフォンを持っていなくても運用可能です。
- 外部システムとの連携は可能ですか?
- はい、WMS(倉庫管理システム)やTMS(輸配送管理システム)などの外部システムとシームレスにAPI連携を行うことが可能です。