カメラ式トラック受付システムとは?車番認識とサイネージ連携による受付自動化とバース誘導の効率化を解説

高性能なカメラによる車番認識技術を活用し、車両の入退場手続きを自動化するシステムです。事前のバース予約情報と照合し、LEDサイネージでドライバーを自動誘導することで受付業務を大幅に省力化します。

公式サイト
https://www.eyetech.jp/
料金モデル
オンプレミス
対象規模
中堅〜大手向け
対象業界
業種問わず

カメラ式トラック受付システムとは?

アイテック株式会社が提供する「カメラ式トラック受付システム」は、物流施設や工場を運営する中堅〜大手企業におけるトラックの入退場手続きの混雑、守衛・誘導員の人手不足、および荷待ち・荷役時間の記録作業の負担といった現場特有の課題を、AIを搭載した高性能カメラによる車番認識技術を活用して自動的に解決する車両誘導・ヤード管理システムです。

車番認識エンジンのパイオニアとして全国7,000カ所以上の豊富な導入実績を誇る同社の独自のアルゴリズムを活用し、事前のバース予約情報と車両ナンバーを到着時に瞬時に照合します。これにより、無人でのゲート自動開閉やLEDサイネージ(電光掲示板)でのバース自動誘導を完結し、現場のオペレーション負荷を大幅に削減します。改正物流効率化法に準拠した正確な荷待ち・荷役時間データの自動収集も可能とし、ドライバーや物流拠点スタッフ双方の負担を最小限に抑える機能を提供します。

主な機能・特徴

アイテック株式会社の「カメラ式トラック受付システム」には、画像解析技術に強みを持つ同社ならではの専門的な機能が多数搭載されています。主要な機能と特徴は以下の通りです。

  • PCレス・サーバーレス構造による車番認識(LPR for ACAP)

    スウェーデンのAXIS Communications社製ネットワークカメラの内部で直接画像処理を行う「ACAP(AXIS Camera Application Platform)」技術を採用しています。車番認識処理をカメラ単体で処理できるため、従来型システムのように重い映像データを処理するためのパソコンやオンプレミスサーバーを現地に別途構築・設置する必要がありません。これにより、ネットワーク帯域の負荷を最小限に抑えつつ、導入工事の手軽さとイニシャルコストの削減、迅速な稼働開始を可能にします。

  • 主要なバース予約システムとのリアルタイム自動API連携

    国内シェアの高い「MOVO Berth(株式会社Hacobu)」や「トラック簿(ハコベル株式会社)」などのクラウド型バース予約システムとAPIを介してシームレスにデータ連携を行います。車両が到着してゲートを通過した瞬間に、読み取った車番を予約システム上のデータと照合し、「到着(受付完了)」のステータスを自動更新します。ドライバーが車から降りて受付用タブレットを操作したり、スマートフォンの画面を操作したりする手間を省き、現場の「打刻レス化」を実現します。

  • LEDサイネージ等と連携した車両の自動誘導制御

    カメラで読み取った車両の予約データをもとに、外部機器を動かす制御信号を出力します。特定のトラックが来場した際、予約ステータスが合致していれば入場バーゲートを自動で開閉させるほか、屋外用LEDサイネージに「1号バースへ進んでください」などの誘導情報をリアルタイムで表示させることができます。誘導員や守衛が直接口頭でドライバーに行き先を指示する必要がなくなり、ヤード全体の安全かつ円滑な車両動線を無人で構築できます。

  • 荷待ち・荷役時間の自動記録・計測(バースカメラ連携)

    入場ゲートだけでなく、各トラックバースの上部にも車番認識カメラ(バースカメラ)を設置することにより、特定の車両が何時何分に接車し、何時何分に離車したかというミクロな動線データを自動で取得します。手書きの台帳記入や自己申告による打刻漏れ、曖昧さを完全に排除し、改正物流効率化法(物流効率化法)で特定荷主に義務付けられた「荷待ち時間・荷役時間の集計および定期報告」にそのまま使える正確な客観データを最小の事務負担で蓄積することができます。

  • 時速60kmまでの走行車両を捉える独自のアルゴリズム

    アイテック社が長年にわたり培ってきた車番認識エンジン「EyeTech LPR」の技術を活かし、一般的なカメラ単体型システムでは認識が難しいとされる比較的高速な走行車両(最大時速60km)のナンバープレート捕捉を可能にしています。また、検知させたくない背景などを除外する「マスク機能」や、入出場の走行方向を見極める「方向検知機能」も備えており、敷地が狭くカメラの画角に制限がある物流拠点でも安定した車番認識を実現します。

こんな企業・現場に向いている/向いていない

システム特性や構成を考慮すると、カメラ式トラック受付システムの導入が適している企業と、別のツールを選択した方が良い企業の傾向が分かれます。

【向いている企業・現場】

  • 毎日数十台〜数百台の多数のトラックが来場する大規模な物流センター・工場

    入場手続きの待機によって周辺道路で渋滞が頻発している現場や、常に複数名の守衛や車両誘導員を配置せざるを得ない大規模なヤード。自動受付・自動誘導により、大幅な省人化とセキュリティ向上、渋滞解消を両立させたい場合に有用な候補となります。

  • すでに「MOVO Berth」や「トラック簿」を導入済み、または同時検討中の企業

    現在のクラウドSaaSを活用したバース予約・ヤード管理の運用から一歩進めて、ドライバーの打刻漏れやタブレット受付時の操作ミス、およびヤード滞留時刻の曖昧さを完全に解消したいと考えている企業。「カメラによる完全な自動打刻化」により、現場のオペレーション定着とデータ精度向上を同時に推し進められます。

  • 物流効率化法の定期報告に向けて客観的かつ正確な実績データが必要な特定荷主

    ドライバーの自己申告や手書き台帳による実績集計では信頼性に懸念がある、あるいはデータの突合・集計業務に余計な人手を割けない物流部門の管理者。通常運用に影響を与えず、カメラ設置のみで法対応レポート作成用データを蓄積したい場合に適しています。

【向いていない企業・現場】

  • 1日の来場台数が少なく、既存の受付方式で十分に運用が回る中小規模の拠点

    来場トラック数が少なく、手動の受付記録や簡単なスマートフォンの呼び出し通知だけで混雑が防げている現場。カメラや誘導用のサイネージといった物理機器の導入コスト、電気・通信の設置工事費用に対して、得られる省人化効果や時間削減効果の費用対効果(ROI)が十分に得られない可能性があります。

  • 物理的な設置・工事や、追加の初期投資(オンプレミス構築)を避けたい企業

    賃貸テナント契約などでヤード内にカメラ用ポールを建てられない、配線工事(電源・有線LANなど)が許可されていない物流施設。また、イニシャルコストを完全にゼロとし、クラウドの月額料金プラン(SaaS)のみでスモールスタートさせたい企業。その場合は、ハードウェア設置を必要としないアプリ型やGPSベースのシステムを第一候補にする方が無難です。

  • 急なスポット配送が全体の大部分を占め、かつ事前車番登録の徹底が不可能な現場

    事前の予約情報に含まれる「車番」と、実際に来場した「車番」が不一致になるケースが多発するヤード。予約情報と車番の一致照合が機能しないため、ゲート前でのエラーが発生しやすく、かえって現場での手動補正やインターホン対応などのイレギュラー処理が増えてしまう懸念があります。

料金・プラン・導入方法

アイテック株式会社の「カメラ式トラック受付システム」の導入費用や月額プランの金額は、公式サイトにおいて個別見積もりによる「要問い合わせ(応相談)」とされています。システムの構造上、現地にネットワークカメラやLEDサイネージ等のハードウェアを設置し、外部のバース予約システムとAPI連携する構築形態となるため、個別の現地状況に応じた積算が必要になります。

導入を検討する際の見積もり確認ポイントは以下の通りです。

  • ハードウェア機器構成:導入する車番認識カメラ(LPR for ACAP)の台数、LEDサイネージ(誘導表示板)、パトライトや制御用コントローラーなどの必要数量と機器費用。
  • 現地施工(工事)費用:カメラ設置用のポールの建柱、電源供給の引き込み、有線LANなど通信ネットワーク配線、および外部バーゲート設備との結線・制御に関わる電気工事代。
  • バース予約システム側のライセンス追加費用:連携先となる「MOVO Berth」または「ハコベル トラック簿」のAPI連携用の有償オプション契約、あるいは月額のAPI使用料が別途必要な場合の追加金額。
  • 保守・運用メンテナンス費用:機器故障、カメラの画角ズレ発生時における修理・復旧対応や、ナンバー認識アルゴリズムのアップデートを含めた年間保守サポート料。

導入の流れ・期間

カメラおよび関連機器の設置が必要となる「カメラ式トラック受付システム」の一般的な導入ステップは以下の流れに沿って進められます。

  1. 問い合わせ・ヒアリング

    公式サイト等のフォームより製品の導入相談を行います。自社の対象ヤードの規模(ゲート数、トラックバース数)、現在の来場台数、解決したい課題(守衛削減、渋滞緩和など)、および稼働中のバース予約システムの有無について共有します。

  2. 現地調査(ロケハン)

    アイテック社または代理店の技術スタッフが実際の現場を訪問し、車番認識カメラを最適に配置できる場所、照明(夜間の明るさ)や雨よけの要件、電気・通信ケーブルの配線ルート、既存のゲート設備との距離などを詳細に調査・検証します。

  3. システム設計・構成提案・見積りの提示

    現地調査をベースに、カメラのレンズ選定やサイネージの表示配置などの「システム構成図」を作成。必要な機器費・API設定費・設置施工工事費および年間運用コストを算出して見積もりを提示します。

  4. ご契約・連携設定の準備

    提案内容に合意後、正式な契約を締結し、機器の手配を開始します。同時に「MOVO Berth」や「トラック簿」など、すでに稼働させているバース予約システム側でAPI利用のための設定を並行して調整します。

  5. 設置施工工事・テスト稼働

    専門の工事業者によるポールの設置、カメラ、LEDサイネージ、積層信号灯などのハードウェアの取り付け、および各種配線工事を行います。その後、実際のトラックを用いて昼夜での車番認識・自動照合のテスト運転を繰り返します。

  6. 調整完了・実稼働の開始

    現場での認識率(アルゴリズムによる補正など)の画角微調整や、APIデータの送信タイミングに問題がないことを検証し、現場スタッフやドライバー向けの簡単な説明・マニュアル確認を経て、正式稼働を開始します。

※なお、カメラ式トラック受付システムは個別の施工・API連携要件を伴うため、全体の具体的な「導入期間」は現地環境によって異なります。詳細なスケジュールはアイテック株式会社へ直接の確認が必要です。

連携できるシステム・機器

検索を通じて本システムとの連携が公式に確認できたシステムおよび物理周辺機器は以下の通りです。

  • バース予約・ヤード管理システム(他社クラウドサービス)

    • 株式会社Hacobu 提供:「MOVO Berth(ムーボ・バース)」
    • ハコベル株式会社 提供:「トラック簿」
  • 車番認識AIカメラ・関連機器

    • AXIS Communications社製ネットワークカメラ(AI・ACAP対応モデル)
    • KOMOTO社製 高照度赤外線投光器(夜間や暗所における車番撮影の補助照明)
  • 外部制御・表示・警告機器

    • 屋外設置用LEDサイネージ・電光掲示板(ドライバー誘導用)
    • 入退場バーゲート制御装置(予約照合による自動ゲート開閉)
    • 積層信号灯・ストロボサイレンなどのパトライト(エラー時や特定の車両到着時の警告灯)

※上記以外のWMS(倉庫管理システム)やTMS(輸配送管理システム)、自社独自の基幹システム等との直接連携やAPIの公開可否に関する情報は、公開されているデータ上では確認できていません。連携要件がある場合は、事前にアイテック社とのシステム接続性の検討が必要です。

導入事例・実績

現在、アイテック株式会社が提供する「カメラ式トラック受付システム」を実際に導入し稼働させている具体的な「導入企業名」や「導入拠点数・導入効果の数値(例:荷待ち時間を◯%削減、◯人分の誘導員削減など)」を示す詳細な公式導入事例・プレスリリースは、確認できていません。

ただし、同システムにおいて基幹部分を担っている車番認識システム「ParkingEyes」および車番認識エンジン「EyeTech LPR」自体の実績としては、以下のデータが公式に公開されています。

  • 導入総数:ガソリンスタンド、カーディーラー、セキュリティの高い原子力発電所、ショッピングセンター、高速道路、清掃工場など、全国7,000カ所以上のライセンス発行・運用実績(2024年9月時点のデータに基づく)。
  • 他社サービスへの採用実績:クラウド録画サービス最大手のセーフィー株式会社が展開するAIクラウド「AI-App ナンバープレート認識」において、アイテック社の車番認識AIカメラ「LPR for ACAP」が車番認識処理用の標準エンジンとして正式採用されています。

このように、物流業界向けの連携パッケージ(カメラ式トラック受付システム)自体は新しい取り組みであるものの、その基盤を支える画像解析エンジンには非常に強固な市場実績が証明されています。

導入前に知っておきたいこと

本システムの導入を進める上で、現場への定着や失敗・不満を防ぐためにあらかじめ認識しておくべき注意点や課題を挙げておきます。

  • プレートの種類や物理環境による「車番読み取りミス」の考慮

    高精度なアルゴリズムを誇りますが、公式仕様において「点灯時の字光式ナンバープレート」や「プレートを覆う反射性の高いアクリルカバー」は認識対象外とされています。また、泥汚れによる文字の激しい汚損、積雪で完全にナンバー部分が覆い隠されているケースなど、物理的に文字パターンがカメラに写らない場合は認識が失敗します。そのため、読み取れなかった際にドライバーがインターホンで対応したり、別のタッチパネル等で手動受付を行ったりできる「リカバリー用の現場導線・手段」を用意しておく必要があります。

  • 運送会社・配車担当者の「事前車番入力ルール」の徹底

    事前のバース予約時に、実際に来場するトラックの正しい車両ナンバー情報がシステムに登録されていなければ、到着時の自動照合が機能しません。直前に配車変更があったにもかかわらず、ドライバーへの共有やシステムへの再登録が疎かになった場合、入場口での自動照合エラーにより渋滞が引き起こされる可能性があります。導入前には、主要な運送会社を対象としたルール徹底の説明会などの運用面での働きかけをしっかりと実施する必要があります。

  • 電気工事や施工を伴う「一定の初期費用・維持コスト」の発生

    本システムは、ハードウェアの配線や施工(オンプレミス)を伴う性質を持っています。クラウド完結型のSaaS型バース予約単体システムと比較すると、カメラの購入費、設置工事費、ゲート連携用の配線工事費、年間保守契約など、ある程度の初期投資とランニング費用が継続的に必要になります。自社の規模・来場台数の多さから得られる「人件費削減や時間短縮効果」と、これら設備投資のバランスをしっかりと試算・検証しておくことが求められます。

類似ツールとの比較

「カメラ式トラック受付システム」を導入すべきか検討するにあたり、LogiShiftサイト内で紹介している国内の主要な類似バース予約・ヤード管理システムと比較して整理します。

ツール名 特徴 料金モデル 向いている企業
カメラ式トラック受付システム(提供元:アイテック株式会社) AIカメラ単体(LPR for ACAP)で車番認識・突合・ゲート外部出力を完結。MOVO Berthやトラック簿とAPIで直結して打刻を完全自動化。 要問い合わせ(オンプレミス構築を含む) 既にMOVO Berthやトラック簿などを導入・検討しており、受付・打刻業務の完全な「無人化・省人化」を徹底したい中堅〜大手企業。
MOVO Berth(提供元:Hacobu株式会社) 国内シェアNo.1のクラウド型バース予約・ヤード管理システム。荷主、運送会社、倉庫が同じ予約枠で連携し、全体の効率化や平準化を強力に支援。 要問い合わせ(クラウドSaaS型) 多数の倉庫・拠点を運営しており、運送会社を広く巻き込んだ予約プラットフォームとしてのデータ活用や標準化を進めたい企業。
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