クラウドトーマスとは?
クラウドトーマスは、倉庫管理における在庫差異、誤出荷、作業の属人化に悩むEC通販事業者、小売・卸売業者、物流・倉庫業者の課題を解決するためのクラウド型倉庫管理システム(WMS)です。東証グロース上場企業であり、自社の物流センターで年間1,300万個以上の出荷実績を持つ物流会社「株式会社関通」が自ら開発・提供しています。システム会社が作成したシステムとは異なり、関通が30年以上にわたり培ってきた物流現場の改善ノウハウを詰め込んでいる点が大きな特徴です。現場に「導入する(入れる)」ことではなく、実際の作業スタッフが本当に「使える」ことに軸を置いて設計されており、直感的なインターフェースにより、未経験者やパート・アルバイトでもすぐに使いこなせる環境づくりを支援します。
主な機能・特徴
- リアルタイム在庫管理・入出庫管理
商品の入荷・入庫から出荷、さらには棚卸にいたるまで、庫内のすべての荷物の動きをリアルタイムにトラッキングできます。過小入庫や過剰入庫といったミスをシステム上でチェックし、実在庫とデータ上の在庫のズレをなくします。 - スマホとリングスキャナを用いたハンズフリー運用
従来のWMSのような高価で重い専用のハンディターミナルを不要とし、Androidスマートフォンと、指に装着する「リングスキャナ」を組み合わせた運用を標準としています。これにより、作業スタッフは両手を塞がずに(ハンズフリーで)ピッキングや検品、仕分け等の作業を効率的に行うことができます。 - SIMカードによるLTE通信対応(Wi-Fi工事不要)
SIMカードを搭載したスマートフォン端末で運用できるため、広大な倉庫内に高額な費用をかけてWi-Fi環境を新設工事する必要がありません。初期のインフラ設備投資を大幅に削減し、素早くスムーズに運用を開始することが可能です。 - 賞味期限・ロット・セット品・返品管理
食品や化粧品、医薬品などで必須となる「賞味期限の管理(先入れ先出しの徹底や逆転防止のアラート機能)」、製造番号ごとの追跡を行う「ロット管理」、複数の商品をアソートする「セット品管理」、ならびに「返品管理」などの高度な機能を標準装備しています。 - 大規模・ロボット連携に対応する「クラウドトーマスPro」
複数倉庫の一元管理や、自社固有の特殊な運用に合わせた独自カスタマイズが可能な上位プランです。Syrius AMR(協働型ピッキングロボット)やt-Sort(自動仕分けロボット)、GAS/SAS(ゲート/シャッターアソートシステム)といった各種物流ロボット・マテハン機器ともシームレスに連携でき、自動化・省人化を推進できます。
こんな企業・現場に向いている/向いていない
【向いている企業・現場】
- 未経験やパート・アルバイトが多く、作業の平準化を求める現場
直感的でシンプルな操作画面により、新人教育の手間やコストを削減し、誰が作業しても同じ品質・スピードを保てるように標準化したい現場に向いています。 - インフラの初期投資を抑えて素早く導入したい企業
Wi-Fiの環境構築工事を行うのが難しい倉庫や、機器の初期コストをできるだけ抑えたい場合に向いています。スマホ+リングスキャナとSIM(LTE回線)の組み合わせにより、低コストかつスピーディな立ち上げが可能です。 - BtoC(EC)とBtoB(卸)を同じ倉庫で一括管理したい企業
EC通販と店舗向け・卸向けの在庫管理や出荷業務が混在しており、従来は別々で二重管理していたため在庫差異や出荷ミスが多発していたような現場の統合運用に向いています。 - 賞味期限やロットの厳格な追跡が必要な食品・化粧品等の事業者
手書きやExcelでの管理により、賞味期限の逆転出荷やロット間違いの出荷トラブルを発生させてしまっている担当者に向いています。
【向いていない企業・現場】
- 社内のスマート端末をiOS(iPhone/iPad)で統一したい現場
クラウドトーマスの端末用アプリケーションはAndroid OSに限定されて対応しているため、既存のiOS端末を流用したい現場にはミスマッチとなる可能性があります。 - 月間の出荷件数が極めて少なく、低予算での運用を望む事業者
基本の利用料金が「月額90,000円〜(税抜、1〜5アカウント含む)」で固定設定されているため、月間の出荷件数がごくわずかで、月額数千円〜数万円程度の低予算でWMSを導入したい小規模な事業者には、他社の簡易的な従量課金システムの方が適している場合があります。 - 完全にデータを自社管理したいオンプレミス限定の企業
セキュリティポリシーなどにより、パブリッククラウドのサーバーに在庫データを置くことが一切禁止されている場合、SaaS型のクラウドトーマスは適していません。
料金・プラン・導入方法
クラウドトーマスの利用料金は、初期導入費用と、月額のシステム利用料(アカウントおよびオプション課金)で構成されています。以下に、公式情報として確認できる基本的な料金プランをまとめました。
| プラン名 | 初期導入費用 | 月額基本料金 | 備考 |
|---|---|---|---|
| クラウドトーマス(通常版) | 200,000円〜 | 90,000円(税抜)〜 | 1〜5アカウントまで基本料金に含む。追加1アカウントごとに月額5,000円。追加荷主は月額25,000円。 |
| クラウドトーマスPro | 200,000円〜 | 150,000円(税抜)〜 | 大規模物流現場、ロボット連携、個別カスタマイズなどに対応するプラン。 |
※アカウント数は、システムを利用する全従業員の人数ではなく、「実際に使用するスマート端末(スマートフォン等)の同時稼働台数」を指します。たとえば、倉庫に10名のスタッフがいても、現場で使う端末が5台であれば「5アカウント」としての契約が可能です。
※11アカウント以上の追加や、51アカウント以上の大規模センター向けプランを希望する場合には、別途サーバーの利用料や保守費用などの見積もりが必要となりますので、直接問い合わせでの確認を推奨します。
※システム料金のほか、現地調査を伴う場合(1,000坪以上の倉庫や複数拠点を運用している場合など)や、独自の導入支援、レイアウト・ロケーション作成サービスなどを利用する際は別途費用が発生しますので見積もり時に確認してください。
導入の流れ・期間
クラウドトーマスの導入は、単なるシステムの提供にとどまらず、プロによる物流現場の改善・レイアウト提案を伴うのが特徴です。以下のようなプロセスで導入が進められます。
- お問い合わせ・ご相談
公式サイトのフォーム、またはお電話から相談を行います。物流に関するお悩みをヒアリングし、解決策が提案されます。 - 詳細ヒアリング・商談
オンライン(Zoomなど)または訪問を通じて、現在の倉庫内の課題、取り扱い商材、出荷規模、運用フローなどの詳細についてヒアリングが行われます。 - 現地調査(倉庫坪数などに応じて実施)
必要に応じて専任の導入チームが実際の倉庫を現地調査し、業務フローやロケーション、動線に合わせたプランを診断します。 - プラン提案・お見積もり
ヒアリング内容や現地調査の結果に基づき、最適なプランと見積もりが提示されます。 - ご契約・基本設定
仕様に合意して契約を締結した後、ヒアリング内容に基づき関通側がシステム上の基本設定やマスター登録の設計を行います。 - 導入支援(対面レクチャー または オンラインキット)
「現地に直接関通の導入担当者が訪問してレクチャーやロケーション・導線レイアウトの構築までトータルで指導する現地サポート」か、「専用の導入支援キットを用いたオンライン指導によるサポート」のいずれかを選択して、稼働前の実地トレーニングを行います。 - 本稼働・アフターサポート
稼働開始後も、運用上で生じる課題やアカウント追加、新たなマテハン連携などの要望に応じて継続的なサポートが受けられます。
※クラウドトーマスが公式に開示している具体的な「最短・平均の導入期間」についての明確なスケジュール(「〇か月」など)は公開されていないため、導入規模や自社の現在の倉庫環境に合わせた実際の稼働可能時期については、問い合わせの際に確認してください。
連携できるシステム・機器
クラウドトーマスは、CSVデータのインポート・エクスポートによる連携のほか、各種APIによる自動データ連携にも幅広く対応しています。
- 受注管理システム(OMS)・EC一元管理ツール
- 「ネクストエンジン」(API自動連携 ※Pro版対応、もしくは通常版でも連携対応実績あり)
- 「CROSS MALL(クロスモール)」(API開発による、受注データ・出荷データ・在庫情報の完全自動データ連携に対応)
- 「BOSS」(EC受注出荷管理システム)
- 「カラーミーショップ」など各種カート・モール(CSV連携等)
- 基幹システム・販売・在庫管理システム
「アラジンオフィス」など、国内・海外のさまざまな自社専用基幹システム、販売・在庫管理システムとのAPI/CSVでの連携実績が豊富にあります。 - 物流ロボット・マテハン機器(※クラウドトーマスProで対応可能)
「Syrius AMR(自律協働型ピッキングロボット)」、「t-Sort(自律走行型自動仕分けロボット)」、ならびにデジタルピッキングシステムの「GAS/SAS(ゲート/シャッターアソートシステム)」との標準的な制御連携が可能です。 - 対応スマート機器
- Androidスマートフォン、Androidタブレット(Android 5.0.2以上の環境が必要。Windows OS、iOSは動作対象外)
- スマートフォンとBluetoothなどで接続して使用する各種リングスキャナ
- ハンディターミナル(クラウドトーマスProや希望する一部現場での専用端末運用に対応)
導入事例・実績
- 株式会社オーレック(農業機械メーカー、開発・販売・製造)
- 課題:ベテラン社員の知識に依存した倉庫内作業の属人化、在庫管理の不備に起因する誤出荷や積み残し、繁忙期における常態化した最大1日3時間の残業。
- 効果:クラウドトーマスの導入後、誰でも正確にピッキングできる環境になり、倉庫全体で残業時間を大幅に削減(最大300時間の削減を達成)。出荷件数は最大1.5倍に増加し、かつ誤出荷やクレームは従来の1/4にまで減少しました。
- 株式会社豊中食品(業務用卸、おせち料理・介護食品製造)
- 課題:出荷した製品数に対して、実際の倉庫内に残っている商品の数が合わず、在庫照合に苦労していた。
- 効果:万一実在庫との差異が発生しても、システムによって即時に原因を追求・特定できるようになりました。毎日迅速にデータ確認を行えるようになり、作業全体の効率が向上したことで、終業時間が毎日1時間ほど早くなり生産性が大幅に高まりました。
- 株式会社三好漆器(漆器のEC販売)
- 課題:特定の人にのみ作業ノウハウが偏る「人依存(属人化)」や、棚のロケーション管理ができていないことによるピッキング効率の低下。
- 効果:出荷ミスの大幅な削減に加え、人依存が解消され新しいスタッフの教育時間も削減。セールの繁忙期であっても2時間の残業削減を実現し、定時での出荷作業完了が可能となりました。従来は1日の出荷件数が1,000件を超えると業務が逼迫していましたが、導入後は最大1,500件の出荷量を余裕をもってこなせる体制になりました。
- 株式会社ネイルセレクト(ネイル商材の卸)
- 課題:出荷時のピッキングミスが多く発生しており、かつ出荷完了までの生産性向上が急務となっていた。
- 効果:ピッキングミスが解消されるとともに、ピッキングから梱包までのスピードが劇的に向上し、一連の出荷に関わる時間短縮を達成しました。
導入前に知っておきたいこと
- 対応端末OSがAndroidのみである点に注意
スマートデバイスでクラウドトーマスを利用する際、対応しているOS環境は「Android(Android 5.0.2以上)」に限られます。iPhoneやiPadなどのiOS端末や、Windows OSを搭載したタブレットやPCからはシステムアプリが動作しないため、既に自社で保有しているiOS機器をそのままハンディ検品端末として流用することはできません。 - 5アカウント未満の規模であっても月額90,000円から
クラウドトーマスの通常版プランは「1〜5アカウントまで一律月額90,000円〜(税抜)」という固定の月額基本料金が設定されています。利用するスマート端末の数が1台や2台といった極小規模な倉庫運用の場合であっても、5台分としての月額料金が固定で発生するため、他社の提供する数千円から利用可能な格安のWMSと比べて固定費のコストが割高になる場合があります。 - ショップ数・荷主の追加や端末数増加にともなう追加費用
運用するネットショップ数や管理荷主数を増やす場合には、追加ショップ・荷主料として「月額25,000円」の追加費用が発生します。また、利用端末が6台以上になると1アカウント増えるごとに月額5,000円が追加され、11アカウント以上になると別途サーバー利用料や保守費用が発生するスキームになっています。将来的な倉庫の拡張時や、管理対象の複数荷主が増えることを見越したうえで、事前に入念なコストシミュレーションをすることが大切です。
類似ツールとの比較
クラウド型WMS(倉庫管理システム)は、各社により機能やサポート体制、対応領域にさまざまな特性があります。自社の要件に最も合致するシステムを選ぶため、クラウドトーマスを含む主要な類似ツールと機能・料金等を比較しました。
| ツール名 | 特徴 | 料金 | 向いている企業 |
|---|---|---|---|
| クラウドトーマス | 物流会社である関通が自社開発。SIM運用によるWi-Fi工事不要、スマホ・リングスキャナのハンズフリーが特徴。 | 初期:200,000円〜 月額:90,000円〜(税抜) |
パート・アルバイト作業が多く、ミス削減・標準化をインフラ工事なしで安価にスマホ導入したい現場。 |
| ロジザードZERO | アパレルや化粧品等で導入実績トップシェアのWMS。365日対応の徹底したサポート体制。 | 要問い合わせ (個別見積もり) |
SKUの多いアパレル、コスメ等で、365日常駐の手厚いサポートを受けながら確実に運用したい企業。 |
| COOOLa | システム開発会社ブライセンが開発。個別フローに合わせたカスタマイズや各種マテハン・ロボット等との連携対応が得意。 | 要問い合わせ (個別見積もり) |
自社固有の特殊な出荷運用フローがあり、柔軟なカスタマイズ改修やマテハン連携を行いたい企業。 |
| LOGILESS | EC自動出荷システム。受注管理(OMS)と倉庫管理(WMS)が一体。EC事業者と倉庫間でデータを即時自動連携。 | 初期:0円 月額:20,000円〜(税抜、従量課金) |
ECをメインとし、受注データと倉庫の発送指示データ間の手動連携や二重管理を排除して自動化したい事業者。 |
| SLIMS | セイノー情報サービス提供。メーカー・小売・卸売など400社以上の実績。クラウド型とオンプレ型を両提供。 | 初期:20万円/ユニット〜 月額:37,500円/ユニット〜(※ライト版の場合) |
製造業や大手卸売などで、リアルタイムな進捗管理や人時生産性の可視化・分析を重視する企業。 |
【クラウドトーマスを選ぶべき条件】
倉庫内のWi-Fiインフラ工事を避けたい、あるいは安価なAndroidスマートフォンを端末に流用して初期投資を徹底的に抑えて立ち上げたいという場合は、LTE回線のSIM運用が可能なクラウドトーマスが最適な候補になります。また、物流のプロである関通が現地にて直接ロケーション設計や業務フロー構築まで伴走してくれる本気の導入支援サポートを頼りにしたい現場にも適しています。将来的に、協働ロボット(AMR)や自動仕分けマテハン機器などを段階的に活用してピッキングをスマートに無人化・自動化していきたい大規模案件にも、「クラウドトーマスPro」への拡張性を備える同システムが有効に作用します。
【別ツールを検討すべき条件】
一方で、ECの多モール・カート展開をしており、OMS(受注管理システム)とWMSのデータのやり取りを手動で行う手間から完全に脱却したいEC事業者であれば、一体型のクラウドサービスである「LOGILESS」を優先検討することが推奨されます。また、アパレルや靴・コスメなどの複雑なSKU管理を要し、トラブル時にも安心できる「365日対応の夜間緊急窓口などのサポート力」を最重要視するならば、同分野のトップシェアである「ロジザードZERO」が有力です。さらに、自社の倉庫業務プロセスが極めてユニークで、WMS自体のコード・機能レベルでのカスタマイズ改修が必須な場合は、開発会社が元請けとなってシステムを適応させる「COOOLa」、ないしオンプレミス対応も可能な「SLIMS」を検討すべきケースといえます。
よくある質問(FAQ)
- スマートフォン以外の端末でも利用できますか?対応OSは?
- クラウドトーマスは、Android OSに対応したアプリケーションとして設計されています。Android 5.0.2以上の要件を満たすスマートフォンやタブレットであれば問題なく利用が可能です。なお、iOS(iPhone、iPad)やWindows OSのデバイスには対応しておりませんのでご注意ください。
- 無料の体験デモや、お試しトライアルは可能ですか?
- システム導入前の問い合わせやデモ操作、個別相談などは無料で行っています。自社倉庫で長期間にわたって実機を使って試すことができるかどうか(お試しプラン・トライアル環境の有無や条件)については、問い合わせ時に直接ご相談ください。
- 契約期間や、途中で解約する場合の条件を教えてください。
- 公式情報としての基本的な利用規約における「最低利用期間」の明確な規定や、解約に伴う違約金等については公表されておらず「要問い合わせ」となっています。契約を検討される商談時に、最低利用期間や解約通知の期限、解約時のデータ返却ルール等について必ずご確認ください。
- 現在、倉庫内にWi-Fi環境がありませんが導入できますか?
- はい、導入可能です。クラウドトーマスはLTE対応のSIMカードを用いたモバイル回線運用を標準でサポートしているため、Wi-Fiの新設や工事を行うことなくすぐにシステムを稼働させることができます。もちろん、すでに倉庫内に設置されている自社のWi-Fi回線を利用して運用することも可能です。
- 1つの契約で、複数の異なる倉庫や複数の荷主の在庫を管理できますか?
- はい、複数の倉庫や複数荷主(マルチテナント)の運用も対応しています。ただし、通常版のクラウドトーマスでは「ショップ・荷主の追加」を1件追加するごとに、月額25,000円(税抜)の追加ライセンス費用が発生します。多数の倉庫をリアルタイムで一元管理したり、特殊な医薬品や食品のロット管理を一括で行いたい場合は、大規模対応向けの「クラウドトーマスPro」での運用が必要になる場合があります。
- 問い合わせや、稼働開始後のトラブル時のサポート体制はどうなっていますか?
- 導入時には、現地にスタッフが伺う「現地サポート」や、オンラインの「導入支援キット」を介した専門スタッフの伴走サポートを受けることができます。導入後の日常のお問い合わせは、WEBフォームのほか、お電話(平日の月〜土曜日、9:00〜18:00対応)などの窓口が用意されています。