HaiPickとは?ケース搬送型ロボット(ACR)による高密度保管・ピッキング効率化の特徴と導入メリット

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ケース単位のピッキングや保管に特化した自律型ケースハンドリングロボット(ACR)システムです。10m以上の高層棚にアクセスして複数の専用トートを同時に運搬でき、高密度な保管と効率的なピッキングを実現します。

料金モデル
要問い合わせ
対象規模
中堅〜大手向け
対象業界
物流・倉庫業 EC・通販 製造業 医薬品・医療

HaiPickとは?

HaiPick(ハイピック)は、ケース・オリコン単位での保管やピッキング作業の省人化と保管効率向上を同時に実現したい物流・製造現場の課題を解決する自律型ケースハンドリングロボット(ACR)システムです。株式会社HAI ROBOTICS JAPANが提供しており、最大10m以上の高層ラックに対応する昇降機能と、1回の走行で複数の専用トートや段ボールを同時搬送できるマルチハンドリング機能を備えています。従来の定置式自動倉庫に比べて柔軟なレイアウト設計が可能であり、Goods-to-Person(GTP)型のオペレーションによって作業員の歩行時間を大幅に削減します。

主な機能

高層保管・自律搬送ハードウェア機能

  • マルチケース同時ハンドリング
    ロボット本体に複数段のトレイを搭載しており、1回の走行で最大8〜9個のケースを同時にピッキング・搬送できます。往復移動の回数を最小限に抑えることで、入出庫の搬送効率を大幅に引き上げます。
  • マスト昇降・高層ラックアクセス
    伸縮マスト機構を備えており、天井高を活かして地上最大10m以上の高層棚へ自在にアクセスできます。倉庫の上部空間を有効活用することで、限られた床面積でも保管密度を最大化します。
  • 段ボール・オリコン両対応ピック機能
    フォーク幅の自動調整機構や3Dビジュアル認識技術を搭載したモデルにより、樹脂製トートだけでなく規格の異なる段ボールケースの取り扱いにも対応します。梱包資材の移し替え工数を削減し、多様な荷姿の混在運用を可能にします。

作業ステーション・ピッキング連携機能

  • HAIPORT多機能ワークステーション
    ロボットからケースを自動で受け渡しする専用ステーションで、コンベアや昇降機と連動して高速な積卸しを行います。ロボットの荷降ろし待ち時間を短縮し、ピッキングエリアへの連続供給を実現します。
  • デジタルピッキング・プットウォール連携
    作業者側のピッキングステーションにおいて、表示器(PTL)やモニターと連動して取り出すべき商品と投入先を明確に指示します。作業者の迷いや誤ピッキングを防止し、作業精度の安定化に寄与します。

統合制御・知能化ソフトウェア機能

  • HAIQ知能化制御プラットフォーム
    ロボット群のフリートマネジメント、走行ルートの最適化、充電管理、タスクスケジューリングをAIアルゴリズムで一元管理します。搬送渋滞を回避しながら全体の処理能力を最適化します。
  • 在庫ロケーション最適化・上位システム連携
    出荷頻度(ABC分析)に基づいた動的な棚配置の変更や、既存のWMS(倉庫管理システム)・WES(倉庫実行システム)との柔軟なAPI・データ連携に対応します。入出庫実績のリアルタイム反映により、在庫管理の精度を担保します。

こんな企業・現場に向いている/向いていない

向いている企業・現場

保管スペースの不足とピッキングの歩行ロスに悩む多SKU取扱事業者

  • 天井高を活かせず平置きや中低層棚で床面が逼迫している
    最大10m以上のラックに対応するACRを活用することで、垂直方向の空間を余すことなく使い切り、従来の平置き運用と比較して保管密度を大幅に向上させられます。
  • 作業員が広大な倉庫内を歩き回ってピッキングしており効率が上がらない
    ロボットが対象ケースを作業ステーションまで自動搬送するGTP方式に転換することで、ピッキング作業員の移動時間をゼロに近づけ、時間あたりの処理能力を飛躍的に向上させられます。

将来の物量増や取り扱い品目変更に柔軟に対応したい成長企業

  • 事業成長に伴う拡張性を確保しつつ初期投資を抑えたい
    定置式の大型スタッカークレーン型自動倉庫とは異なり、ラックとロボット台数を段階的に追加できるモジュール構造のため、事業フェーズに合わせたスモールスタートと柔軟な拡張が可能です。
  • トートだけでなく段ボールのまま保管・搬送を行いたい
    マルチケース対応モデルを選択することで、入荷した段ボールをそのまま格納でき、専用コンテナへの詰め替えにかかる初期工数と資材コストを削減できます。

向いていない企業・現場

パレット単位での保管・出荷が中心となる重量物取扱現場

  • ケースやピース単位ではなくパレット単位での大量入出庫が主業務である
    HaiPickはケース・オリコン単位の搬送に特化しているため、パレット単位の重量物ハンドリングが中心の拠点では、パレット専用の自動倉庫(AS/RS)やフォークリフト型AGVを検討する方が適しています。

天井高が低く垂直空間のメリットを出しにくい小規模拠点

  • 有効天井高が3m未満など低層で高密度保管の恩恵が薄い
    ACRの強みである高層空間の有効活用が活かせず、設備投資に対する費用対効果が得にくいため、小型の棚搬送型ロボット(AGV)やピッキング支援台車などの簡易ツールの導入が推奨されます。

類似ツールとの比較

ツール名 特徴 料金 向いている企業
HaiPick 最大10m以上のラックに対応し、自律型ACRが複数ケースを同時にピッキング・搬送するモジュール型システム。 要問い合わせ 天井高を活用して高密度保管とケース搬送の自動化を両立したい中堅〜大手企業
AutoStore 格子状グリッド内にビンを高密度に隙間なく敷き詰め、上部を走行するロボットが垂直に出し入れする超高密度自動倉庫。 要問い合わせ 設置面積あたりの保管効率を極限まで高めたい高頻度小ロットピッキング拠点
Skypod ラック内を立体的に昇降・自律走行し、最高速度秒速4メートルの高速移動でステーションへ商品を運ぶ3次元走行AS/RS。 要問い合わせ 高い天井高を活かした高速出庫と需要に応じた柔軟なラック拡張を重視する企業
Rapyuta ASRS 標準化されたブロック構造ラックと自律型ロボットを組み合わせ、既存建屋への容易な導入を可能にするモジュール式ASRS。 要問い合わせ 倉庫の形状に制約があり、短工期・スモールスタートでの自動倉庫導入を目指す現場

保管効率と柔軟性のバランスをどう取るかが選定の要点です。超高密度な保管を最優先とし、床面スペースを極限まで削減したい場合は、グリッド内にビンを密密集積するAutoStoreが有力な選択肢となります。一方で、AutoStoreはグリッド構造のため既存レイアウトに合わせた柔軟な通路確保や段ボールの直接搬送には制約があります。

これに対しHaiPickは、既存のラック構造に近い形で導入でき、通路幅を抑えつつ最大10m以上の高層棚を活用できる点が強みです。また、1台のロボットが複数ケースを同時に運べるバッチ搬送能力や、段ボールとオリコンの混在運用に対応できる柔軟性を備えています。高密度保管を追求しながらも、将来的なレイアウト変更や段階的な拡張性を確保したい現場にはHaiPickが適しています。

料金・プラン・導入方法

HaiPickの導入費用は、保管規模、導入するロボット(ACR)の台数、ラックの高さ・列数、ワークステーション(HAIPORT等)の設置数、および上位WMS/WESとの連携開発範囲に応じて個別に算出されるため、公式には「要問い合わせ」となっています。

見積もりを依頼する際は、以下のポイントを明確にして確認することが推奨されます。

  • ハードウェア・設備構成費
    必要な保管容量(総ケース数・SKU数)と要求スループット(時間あたり出庫ケース数)から算出されるロボット台数・ラック資材・充電設備の費用構成。
  • ソフトウェアライセンス・インテグレーション費
    フリート制御システム(HAIQ)のライセンス費用、既存WMSとのインターフェース開発費、現場への初期セッティング費用。
  • 保守運用・サポート体制
    稼働後の定期点検、パーツ交換費用、24時間対応の遠隔保守サポートなどのランニングコスト。

導入の流れ・期間

HaiPickの一般的な導入ステップは以下の流れで進行します。具体的な導入期間は要問い合わせとなりますが、大型の固定式自動倉庫と比較して工期が短い傾向にあります。

  1. ヒアリング・現状分析
    倉庫の図面(天井高・柱位置・床面仕様)、取り扱い商材の寸法・重量、SKU数、日別・時間別の入出荷データ(波動)を提示し、自動化要件を整理します。
  2. レイアウト設計・シミュレーション
    収集データをもとにラック配置、ロボット稼働台数、搬送ルートを設計し、3Dシミュレーションで要求スループットの充足可否を検証します。
  3. 実機デモ・要件確定
    テクニカルセンター等で実機動作を確認し、ワークステーションの仕様や運用フローを確定させたうえで正式な見積もり・契約を締結します。
  4. ラック・設備の設置およびシステム連携
    現地への高層ラック設置、充電ステーション・HAIPORTの敷設、HAIQプラットフォームと既存WMSとの連携テストを実施します。
  5. 試運転・オペレーショントレーニング
    実荷物を用いた走行・ピッキングテスト、現場オペレーターへの操作教育、非常時対応手順の確認を行います。
  6. 本稼働・アフターフォロー
    本番稼働を開始し、初期安定化のサポートや定期点検・稼働監視体制へ移行します。

導入事例・実績

HaiPickは、国内外の物流倉庫や製造現場で導入実績が公開されています。

  • コクヨ株式会社(東北IDC)
    オフィス通販「カウネット」等の物流基盤として新設された「東北IDC」において、GTPソリューション「HaiPick Climb System」を国内初本格導入。日立製作所の物流制御システム(ユニバーサルWCS/LogiRiSM)と連携し、最大27万SKUの高密度保管と主要拠点平均比で生産性約40%向上、棚卸業務工数の50〜70%削減を見込む次世代モデルを構築しています。
  • 株式会社ビームス(ビームス ウエアステーション)
    マルチテナント型物流施設「DPL江東深川」内の拠点において、高さ約4.7mのラックを活用した「HaiPick SYSTEM」を導入。入庫・保管・出庫の一連業務を自動化し、作業員の歩行移動距離を大幅に削減するとともに、人手で行っていたロケーション管理のシステム化を実現しています。
  • NEPA統合物流センター(韓国)
    アパレルブランドの統合拠点において「HaiPickシステム3」を導入。46台のACRと108台のAMR、HAIQ管理プラットフォームを組み合わせることで垂直・水平搬送を統合し、従来35人配置を想定していた倉庫運営を約17人で実現し、人件費を約50%削減しています。

導入前に知っておきたいこと

HaiPickの導入を検討する際は、以下の現場環境や運用上の注意点を事前に確認しておく必要があります。

  • 床面の平坦度・耐荷重の事前確認
    最大10m級の高層ラック間でACRが高速かつ高精度に自律走行するため、床面の傾斜や凹凸(平坦度スペック)および積載荷重に耐えうる床強度の確認が必須です。床面状態によっては下地調整や補修工事が必要になる場合があります。
  • 使用ケース・コンテナの規格管理
    マルチケース対応モデルであっても、ロボットのハンドリング機構(フォーク・グラップル等)に適合するケースの寸法・重量・材質基準が定められています。既存の通い箱や段ボールをそのまま流用できるか、事前テストによる検証が推奨されます。
  • 障害発生時のリカバリー体制と保守動線
    通路幅を狭めて高密度保管を行う構造上、ラック間でのロボット停止やケース落下などのトラブル発生時に、作業員が安全に入退場して復旧できる保守通路や安全インターロックの運用設計が重要になります。

よくある質問(FAQ)

操作画面や管理環境はどのような環境に対応していますか?
HAIQソフトウェアプラットフォームはPCブラウザ等から直感的に操作できる管理ダッシュボードを備えており、稼働状況や在庫ステータスのリアルタイム監視が可能です。作業ステーション側にはタッチパネルディスプレイやピッキング表示器が配置されます。
導入前に実機の動作を確認できるデモ拠点はありますか?
HAI ROBOTICS JAPANは東京都大田区の東京流通センター(TRC)内にデモセンターを開設しており、HaiPickの実機動作やワークステーションとの連携オペレーションを見学・体験できます(事前予約制)。
既存のWMS(倉庫管理システム)と連携できますか?
可能です。HAIQは上位システム(WMS/WES/WCS)と接続するための標準APIやインターフェースプロトコルを備えており、入出庫指示の受信や実績データのリアルタイム連携に対応しています。
万が一の停電やシステムトラブル時の対応はどうなっていますか?
ロボットは自己位置情報や搬送タスクの状態をメモリに保持しており、電源復旧後に安全確認を行ったうえでタスクを再開する仕組みが備わっています。また、手動でのケース取り出しが可能な設計がなされています。
契約形態や支払いプランにサブスクリプションはありますか?
導入規模やインテグレーター(パートナー企業)経由の提供形態によって、一括購入だけでなく月額利用型のサブスクリプションプランが用意されている場合があります。詳細は見積もり時にご確認ください。

参照・出典

他の自動倉庫・倉庫自動化システムと比較する

HaiPickの特徴を含む自動倉庫・倉庫自動化システムの12製品を、料金・機能・対象規模で比較できます。

自動倉庫・倉庫自動化システム比較12選