HaiPickとは?
「HaiPick(ハイピック)」は、株式会社HAI ROBOTICS JAPANが提供する倉庫自動化・ロボット制御カテゴリの自律型ケースハンドリングロボット(ACR)システムです。最大12mの高層ラックにアクセスし、複数の専用トートや段ボールを同時に運搬することで、倉庫の空間を最大限に活かした高密度保管を実現します。慢性的な人手不足やピッキング作業の効率化、倉庫の省スペース化といった現代の物流業界が抱える課題を解決に導きます。
主な機能・特徴
- 高密度保管による空間の有効活用:最大12mのラックに対応し、限られた倉庫の天井高をフル活用できます。また、最新機種の「HaiPick Climb」などでは、ラックの奥行き2層にアプローチできる「ダブルディープ保管」機能を実装し、保管密度をさらに飛躍させています。
- 高いピッキング効率と正確性:1回の走行で最大9つのコンテナを同時にワークステーションへ搬送でき、ピッキングの正確率は99%以上を誇ります。作業効率の大幅な向上により、労働コストの削減に寄与します。
- マルチサイズのコンテナ・段ボール対応:専用のトートコンテナだけでなく、さまざまなサイズのオリコンや一般的な段ボール箱の直接保管・ピッキングにも柔軟に対応可能です。
- 柔軟な拡張性と導入しやすさ:モジュール式システムを採用しており、導入後であっても物量やスループットの増加に合わせてロボットやラックを段階的に拡張・調整することができます。
こんな企業・現場に向いている/向いていない
【向いている企業・現場】
中堅から大手企業で、倉庫の天井高(5.5m〜12mなど)を活かして保管密度を劇的に高めたい現場に最適です。特に、SKU数が多く季節ごとの需要変動が大きい「アパレル業」や、スピーディーな出荷が求められる「EC・通販」、多種多様な部品を扱う「製造業」や「医薬品」の現場に向いています。まずは小規模から導入し、事業計画の進捗に合わせて後からシステムを柔軟に拡張していきたいと考えている担当者におすすめです。
【向いていない企業・現場】
現時点では「0度未満の冷凍環境」には対応していないため(0度以上での利用が可能)、冷凍倉庫での自動化を検討している企業には向いていません。また、導入時にはシステム専用の指定ラックを設置する必要があるため、「既存の棚をそのまま流用して自動化したい」という現場にも不向きです。さらに、極端に天井が低い倉庫の場合、高さを活かした高密度保管というツールの最大の強みを発揮しにくいため、平面を走行する別のAMR(自律走行搬送ロボット)システムなどを検討した方がよいでしょう。
料金・プラン・導入方法
公式の料金体系は非公開となっており、「要問い合わせ」です。導入規模やロボットの台数、ラックの構成などによって費用が変動するため、詳細は提供元への見積もり依頼が必要です。(※一部の販売パートナー企業経由では、ハードウェア・ソフトウェア・保守が込みになった月額制サブスクリプションプランが提供されているケースもあります)
導入事例・実績
- 株式会社ビームス(アパレル):東日本をカバーする新物流拠点「ビームス ウエアステーション」に国内最大級となる57台のACR(HaiPick System)を導入。EC商品や店舗向け商品の高密度保管と、効率的なピッキング体制を実現しました。
- NEPA(韓国・アパレル):46台のACRと108台のAMR(自律走行搬送ロボット)を連携させ、従来の手動作業に代わる垂直・水平方向のリレー搬送による高度な自動化を達成しています。
- 艾莱依(ERAL・中国アパレル):安徽省六安の倉庫に「HaiPick システム3」を導入。先進的な超高密度のスマートピッキングモードにより、倉庫の保管容量の大幅な最適化と運営効率の向上を実現しました。
導入前に知っておきたいこと
導入企業やユーザーの運用面に関する情報から、以下の留意点・課題が確認されています。
- 既存の棚の流用が不可:システム稼働にあたっては指定のラック・棚を使用しなければならないため、既存の倉庫に導入する場合はラックの入れ替えやレイアウト変更の工数が発生します。
- 使用環境温度の制限:システムは0度以上の環境での利用が前提となっており、冷凍倉庫では現時点では運用できないという仕様上の制約があります。
- 地震等の振動発生時の手動復旧:大きな地震などの振動によってラック上のコンテナがずれてしまった場合、リフト等を用いてロボットが読み取れる正確な位置にコンテナを手作業で戻す必要があります。
- 高所での緊急停止時への懸念対応:高層ラックへ昇降中にロボットが緊急停止してしまった場合のリスクが懸念されやすいですが、停止後は自動でゆっくりと降下する安全機能が搭載されており、安全対策が講じられています。
類似ツールとの違い・選び方
平面を走行する一般的なAMR(自律走行搬送ロボット)と比較すると、HaiPickのようなACRは高さを最大限に活かした「立体的な高密度保管」に特化している点が最大の違いです。また、天井まで届くスタッカークレーンを活用した従来の自動倉庫(AS/RS)と比較すると、HaiPickは「後からロボットの台数を増減できる柔軟な拡張性」や、「メンテナンス時にもシステム全体が停止しにくいというBCP(事業継続計画)への強さ」に優れています。さらに、床の平坦性やラックの設置精度に対する要件が従来のAS/RSよりも緩和されているため、既存倉庫のアップグレードにも迅速に対応できるのが強みです。
よくある質問(FAQ)
- 既存の棚をそのまま使って運用することは可能ですか?
- いいえ、HaiPickを稼働させるには専用の指定棚をご使用いただく必要があります。
- 冷凍倉庫での使用はできますか?
- 現時点では冷凍環境には対応しておらず、0度以上の環境でのご利用となります。
- 段ボール箱のピッキングも可能ですか?
- はい、専用のコンテナだけでなく、マルチサイズのオリコンや一般的な段ボール箱のハンドリングにも対応しています。
- 導入後にロボットの台数や棚の規模を拡張することはできますか?
- はい、非常に拡張性に優れたシステムであり、最初は小規模からスタートし、必要なスループットに合わせて後からロボットやラックを増やすことが可能です。