Skypodとは?3次元走行ロボットによる自動倉庫の特長や導入効果を解説

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ラック間を3次元に自律走行するロボットを活用した立体型自動倉庫システム(AS/RS)です。モジュール式で拡張性に優れ、柔軟にロボットやラックを追加できるため、需要の変動に合わせた運用が可能です。

料金モデル
要問い合わせ
対象規模
中堅〜大手向け
対象業界
EC・通販 小売・卸売業 物流・倉庫業

ロジシフト編集部による最新動向サマリ

  • トラスコ中山が「プラネット愛知」にロボット37台・約3.2万ビン規模で本格導入し、将来的な在庫100万アイテムの即納を支える自動化基盤を構築しました。
  • 三菱食品が食品卸業界で国内初となる導入を「草加FSDC」で実現し、ロボット44台を活用して常温エリアの歩行・探索作業をゼロにしています。
  • スイスのDosenbach-Ochsner社では、100台のロボットを用いて店舗補充とEC出荷を同一システムで完遂するオムニチャネル統合運用を行っています。
  • Lyrecoやバリューブックスの現場では、出庫順序を制御する「シーケンシング(順立て)」機能を活用し、後工程の仕分け作業を完全に排除しています。

(ロジシフト掲載10記事をもとに自動生成・2026年8月17日更新)

Skypodとは?

Skypod(スカイポッド)は、Exotec Nihon株式会社が提供する、物流倉庫でのピッキングや保管業務を自動化・効率化する立体型自動倉庫システム(AS/RS)です。商品が入ったコンテナを専用ラックから取り出し、作業者の手元まで搬送する「Goods to Person(GTP)」方式を採用し、現場の移動歩行コストや仕分けミス削減の課題を解決します。立体的に自律走行するロボットと高密度ラック、バッファー・順立て機能を統合したモジュール設計により、オーダーから箱詰めまで2分という処理速度を実現。小売り、EC・通販、製造業、3PLなど幅広い業界で、需要変動や事業成長に応じた柔軟な自動化基盤を提供します。

主な機能

Skypodは、単なるピッキング作業の省力化にとどまらず、入庫から保管、順立て、出荷までの一体型自動化を実現するための多様なコンポーネントと制御機能を備えています。現場の目的や運用形態に合わせて構成される主な機能は以下の通りです。

立体走行搬送・ピッキング機能(Goods to Person)

  • 3次元自律走行ロボット(Skypodロボット)
    床面を前後左右に自律走行するだけでなく、高密度ラックを垂直方向にも直接昇降してコンテナを取り出す3次元走行に対応しています。最高速度秒速4メートルの高速走行により、コンテナをわずか2分以内で作業者のもとへ運搬可能です。これにより、各ピッキングステーションにおいて1時間あたり最大600行という優れた処理性能を発揮します。
  • 人間工学に基づいたワークステーション
    作業員がその場から動かずに商品を取り出せるGoods to Person(GTP)環境を構築します。ステーションの高さをオペレーターの体格に合わせて個別に調整可能な設計を採用しており、身体的負担や疲労を軽減することで、作業効率と労働環境の改善を両立させます。
  • 全自動ピッキングアーム(Skypicker)
    多関節アームを備えた全自動ロボットピッカーを選択して組み込むことが可能です。指定された商品をコンテナからピッキングして出荷用コンテナへ移し替える工程を完全自動化し、夜間稼働や省人化オペレーションを推進します。

高密度保管・仕分け・バッファー機能

  • 立体型高密度ラック(シングル/ダブルディープ)
    倉庫の天井高を活用した立体的なラック構成(シングルディープおよび保管密度を約30%向上させるダブルディープ)を採用しています。人とロボットの作業領域を完全に隔離する構造により、従来の倉庫で通路として必要だったスペースも収納エリアに変えることができ、保管容量を飛躍的に高めます。
  • 自動バッファー・順立て機能
    注文の受発注タイミングや配送ルートに応じた出庫順序を自動で整理・待機させるバッファー機能および自動順立て機能を標準装備しています。商材のサイズを事前計測するPrecubing(プリキュービング)や重量測定機能と組み合わせることで、出荷用コンテナ内での最適な重ね順や店舗別の順立てを出荷直前に自動実行します。
  • オーダームーバーおよびSkypathコンベアー
    オーダームーバーや、Skypathコンベアー、エクスチェンジャーとの連携により、倉庫内の他設備や既存のコンベアーラインとスムーズに接続し、全体のスループットを最大化します。

システム制御・ソフトウェア機能

  • 倉庫制御ソフトウェア(Deepsky)
    システム全体を統合管理するWMS/WCS接続対応の制御ソフトウェア「Deepsky」により、在庫データやロボットの稼働状態をリアルタイムで追跡・最適化します。ピッキングの優先順位決定や出庫順序の制御を一括で行い、24時間365日安定したオペレーションを支えます。

こんな企業・現場に向いている/向いていない

向いている企業・現場

物量の急増や事業拡大に合わせて段階的に設備を拡張したいEC・小売・卸売企業

  • 季節変動や成長に伴う保管不足を既存オペレーションを止めずに解消したい
    モジュール式の構成により、倉庫全体の稼働を停止させることなくラックの増設やロボット台数の追加が可能です。フランスの大手スーパーE.Leclerc(ルクレール)社では、年率+30%の事業成長に伴う保管スペース不足に対し、稼働率への影響を最小限に抑えながら3度にわたるシステム増設を実施した実績があります。
  • 受注から出荷までのリードタイムを短縮したい
    オーダーから箱詰めまで2分という処理スピードを備え、ピーク時の即日発送・短時間配送ニーズに対応できます。カルフール(Carrefour)社の事例では、受注後2時間以内の配送体制と99%以上の注文処理信頼度を達成しています。

取扱SKU数が多く、作業員の歩行負担や出荷順立ての手間が課題となっている物流拠点・3PL

  • 多品種小ロット商品のピッキング作業における移動負担や誤ピックを排除したい
    Goods to Person方式により作業者の歩行距離を大幅に削減すると同時に、画面指示等と連携したピッキングステーションにより熟練度に依存しない作業精度を確保できます。トラスコ中山株式会社の「プラネット愛知」では、多品種にわたるプロツールのピッキングに採用され、作業負担の軽減と即納体制の強化に寄与しています。
  • 配送先・店舗ごとの出荷順立て作業にかかる手作業時間を削減したい
    バッファー機能とPrecubing、重量測定を連携させた自動順立て機能により、出庫時に人の手を介した仕分け作業を行わずに最適な順序でコンテナを搬出できます。店舗配送やコース別配送の事前準備にかかる工数を削減します。

向いていない企業・現場

天井高が低く立体空間を活用できない施設や、小規模な手作業メインの現場

  • 保管ラックの垂直方向の高さを確保できない平屋倉庫での運用
    Skypodは高密度な立体ラックとロボットの垂直昇降を活用して保管効率とスループットを飛躍的に向上させるシステムです。天井高が低く立体走行のメリットが得られない現場では、費用対効果の最適化が難しくなるため、平面型のAMRや小型の自動倉庫システムの検討が推奨されます。
  • 取扱物量が少なくロボット複数台規模の設備投資が必要とされない現場
    Skypodは最大300台のロボットや最大24のピッキングステーションまで設置可能な中堅〜大手規模の物流向けシステムです。非常に限定的な取扱量であり、大規模な自動化・統合管理を必要としない場合は、初期投資費用と稼働率のバランスから要問い合わせの自動倉庫製品以外の簡易マテハン機器が適している場合があります。

類似ツールとの比較

倉庫自動化システム(AS/RS)やロボットソリューションを選択する際は、自社の倉庫環境(天井高、床面の状態)、保管効率の優先度、および出荷特性(処理スピードや仕分け方法)を踏まえた比較検討が不可欠です。以下に代表的な類似ツールとの比較を整理しました。

ツール名 特徴 料金 向いている企業
Skypod ラック間を3次元走行するロボットを活用。自動順立て・バッファー機能を標準装備し、高速なピッキングと高密度保管を両立。 要問い合わせ 出荷スピード、柔軟な拡張性、順立てを含めた工程全体の効率化を求める中堅〜大手企業
AutoStore 専用ビンをグリッド状に隙間なく積み上げ、上部をロボットが走行。超高密度保管を実現。 要問い合わせ 倉庫の坪効率(保管密度)を最優先とし、コンパクトなスペースで大量保管を行いたい現場
Rapyuta ASRS アンカー打ち不要の据え置き型ブロック構造。変形スペースや歪なレイアウトにも柔軟に設置可能。 要問い合わせ 賃貸倉庫や将来的なレイアウト変更・他拠点移設の可能性がある現場
t-Sort 小型自律走行ロボットによるモジュール型仕分けシステム。固定コンベア不要でRaaS形式による導入が可能。 要問い合わせ 仕分け(ソーティング)工程に特化し、初期投資を抑えて柔軟に運用したい企業

保管効率(空間の隙間を排除した収納密度)を最優先とする場合は、ビンを最密充填で積み重ねるAutoStoreが有力な選択肢となります。一方で、賃貸物件などで床へのアンカー工事が禁止されている場合や、倉庫内の柱や変形レイアウトを回避して設置したい場合はRapyuta ASRSのブロック構造が適しています。また、ピッキングや保管ではなく、仕分け工程のみを柔軟に自動化したい場合にはt-SortのようなRaaS形式のソーターが適しています。

これらに対し、Skypodは「高速な商品搬送(Goods to Person)」「出庫時の自動バッファー・順立て機能」「モジュール構造による段階的な増設対応」をハイレベルで兼ね備えている点が特長です。単なる保管庫としての自動倉庫ではなく、オーダー受付から箱詰め・順立て出庫までの工程全体を一体化してスルー プットを向上させたい場合に選ばれるソリューションと言えます。

料金・プラン・導入方法

Skypodの導入料金および各種プランは、利用企業の倉庫規模、設計スルー プット、配置するSkypodロボットの台数、ラックの高さ・設置列数、ワークステーションの個数などによってカスタマイズされるため、要問い合わせ(個別の見積もり対応)となっています。

見積もり取得時に確認しておくべき実務的なポイントは以下の通りです。

  • 構成ハードウェアの設計範囲
    導入予定のSKU数や保管コンテナ数に応じたラック仕様(シングルディープ/ダブルディープ)、ロボット台数、ワークステーション数、およびオプション機器(全自動ピッカーSkypickerやSkypathコンベアーなど)の範囲。
  • システム連携費用とソフトウェア費用
    倉庫制御ソフトウェア(Deepsky)の導入設定費、および既存の倉庫管理システム(WMS)や基幹システムとの連携インターフェース構築費用。
  • 保守サポートおよび運用維持費
    定期点検や緊急保守対応のサポート範囲、ソフトウェアのアップデート費用、将来的なシステム拡張時の追加設計条件。

導入の流れ・期間

Skypodシステムの導入は、事前のデータ分析・現地調査から実機でのデモ検証、施工、立ち上げまで計画的に進められます。具体的な導入手順は以下の通りです。

  • 1. 問い合わせ・事前コンサルティング
    現状の倉庫オペレーションの課題、取扱SKU数、出荷波動、将来の成長予測などをヒアリングし、自動化の目的を明確化します。
  • 2. 新木場「東京デモセンター」での実機検証・デモ体験
    東京都江東区新木場にある都市型ショールーム「東京デモセンター」にて、実機による3次元走行やピッキングステーションの操作性、イマーシブスペースでの設置イメージを確認できます。自社の商材を持ち込んでのピッキングテストも可能です。
  • 3. システム設計・シミュレーション・見積もり提出
    倉庫レイアウトの3Dデータ化やロボット走行シミュレーションを行い、必要なラック数、ロボット台数、処理能力を策定して見積もりと提案を受けます。
  • 4. ご契約・詳細設計
    仕様確定後、正式契約を締結し、ハードウェア製造およびソフトウェアの連携設計を進めます。
  • 5. ラック施工・システム設置・テスト稼働
    倉庫内への専用ラックの組み立て、ロボットの搬入、Deepskyソフトウェアのセットアップを実施します。モジュール構造であるため、条件によっては既存オペレーションを停止させずに段階的な設置を進めることが可能です。
  • 6. WMS連携・運用トレーニング・本格稼働
    上位WMSとのデータ連携確認やオペレーター向けトレーニングを実施した上で、本格稼働を開始します。稼働後も遠隔監視やアフターサポートが提供されます。

※Skypodの具体的な納入までのリードタイムや構築期間は、設置規模や施工条件によって異なるため要問い合わせとなります。

導入事例・実績

Skypodはグローバルでの豊富な実績を有しており、日本国内においても大手EC、小売、製造、3PL業態で導入が進んでいます。

  • E.Leclerc(ルクレール社 / フランス)
    フランス最大級のスーパーマーケットチェーン。ホリデーシーズンの保管スペース不足と年率+30%の成長に対応するため、5,000m²に分散していた作業スペースを3,000m²のSkypodストレージへ集約。生産性が4倍向上したほか、単一・複数SKUの同一ビン収納により収納密度が60%向上しました。また、全自動ピッカーSkypickerの導入により、注文の50%を自動ピッキング化することに成功しています。
  • Carrefour(カルフール社 / フランス)
    大手多国籍小売企業。イル・ド・フランス南部にあるeコマース・ドライブスルー配送ハブの改修において導入。15,000以上のSKUのスループットを4倍に向上させ、受注後2時間以内の配送と注文処理信頼度99%以上を達成。1日に最大4,000件(20万アイテム)の注文を迅速に処理しています。
  • トラスコ中山株式会社(プラネット愛知 / 日本)
    プロツール(工場用副資材)卸売大手の国内最大拠点「プラネット愛知」にて本格運用を開始。多品種・高頻度出荷が求められる現場で、Skypodの導入により作業者の歩行負担や探索時間を大幅に軽減し、強みである即納体制のさらなる強化を実現しています。
  • 日本通運株式会社(NX西京極倉庫 / 日本)
    自動車部品や精密機械部品を扱うパーツセンターにおいて、従来の手作業依存による人手不足解消を目的に導入。作業コストの削減と安定した作業品質を達成し、保管効率と入出庫能力の向上を実現しました。
  • 三井不動産株式会社(MFLP船橋Ⅲ / 日本)
    「MFLP船橋Ⅲ」内のEC自動化物流センターに導入され、EC事業者向けのシェアリングサービス「MFLP &LOGI Sharing」の基盤として活用されています。自社ECサイト「&mall」の運営に加え、他社事業者の繁忙期対応や自動化検証を支援しています。

導入前に知っておきたいこと

Skypodシステムの導入を検討する際は、その特性や前提条件を正しく把握しておく必要があります。

  • 倉庫の垂直高さを有効活用できる環境が必要
    Skypodは高密度ラックを垂直方向に昇降走行することで保管密度とスループットを高める設計です。天井高が低い倉庫物件では、空間利用の優位性や投資回収効果(ROI)が限定的になる場合があります。
  • 既存保管棚の転用不可と専用ラック・架台の施工
    ロボットが正確に昇降走行を行うための専用ラック構造を新たに設置する必要があります。既存のネステナーや固定棚を転用することはできないため、初期設置工事の施工計画や床面強度の確認が必要です。
  • 公開評価・不満点について
    現時点では、導入企業から公表された重大なトラブルや評価不満に関する具体的な課題報告は確認できていません。システム全体の導入検討にあたっては、東京デモセンターでの事前テストや運用シミュレーションを通じた検証を行うことが推奨されます。

よくある質問(FAQ)

稼働後のシステム拡張やロボットの追加は簡単に行えますか?
はい、可能です。Skypodはモジュール式システムとして設計されているため、倉庫の業務を停止させることなく、事業の成長や需要ピーク(セール時期など)に合わせてラックの増設やロボットの段階的追加を行えます。
システムの管理や遠隔での状況確認は可能ですか?
Exotecが提供するシステム制御ソフトウェア「Deepsky」により、ロボットの稼働状況や在庫データをリアルタイムに統合管理できます。Webベースのインターフェースや監視システムを通じて運用状況を把握することが可能です。対応端末やセキュリティ環境の詳細は要問い合わせとなります。
導入前に実機の動作確認やピッキングテストを行うことはできますか?
はい、東京都江東区新木場にある「東京デモセンター」で実機(Skypodロボット、専用ラック、ピッキングステーション、Skypickerなど)の動作デモを常設展示しています。予約により自社の持ち込み商材を使ったピッキングテストや操作体験が可能です。
どのような形状・種類の商材に対応していますか?
配送用コンテナや専用トレイに収まるサイズであれば、アパレル、日用品、食品(常温・冷蔵)、電子部品、プロツールなど多岐にわたる商材に対応できます。事前計測(Precubing)や重量測定機能により、最適な収納や出荷順立てが行われます。
無料トライアルやレンタルプランはありますか?
原則として専用ラックおよびシステムの個別設計・施工が必要なため、簡易的な無料トライアル制度は公表されていません。実際の運用イメージや動作検証については、東京デモセンターでのデモ体験およびコンサルティングを通して確認する形となります。
問い合わせ窓口やサポート体制はどこになりますか?
日本国内では、提供元であるExotec Nihon株式会社(東京都港区)およびパートナー企業(IHI物流産業システム等)が施工からアフター保守までを一貫してサポートしています。公式サイトのお問い合わせフォームや担当窓口(marketing.japan@exotec.com)から相談できます。

参照・出典

他の自動倉庫・倉庫自動化システムと比較する

Skypodの特徴を含む自動倉庫・倉庫自動化システムの12製品を、料金・機能・対象規模で比較できます。

自動倉庫・倉庫自動化システム比較12選