TCloud for SCMとは?
都築電気株式会社が提供する「TCloud for SCM」は、スマートフォンを活用して車両の位置情報・作業進捗・温度データなどをリアルタイムに一元管理できるクラウド型動態管理・配送管理SaaSです。専用の車載器取付け工事や大規模な初期システム構築が不要で、スマホ1台から手軽に運用を開始できる点が特徴です。長年にわたり500社・4万台以上の輸配送システムを手掛けてきた都築電気の豊富な業界ノウハウが凝縮されており、自社車両だけでなく協力会社や傭車の動態把握、荷待ち・作業時間の可視化、配送品質向上をワンストップで支援します。
主な機能
TCloud for SCMの機能は、現場の業務効率化から本社・管理者側のデータ活用まで多岐にわたります。主な機能を3つのカテゴリに分けて解説します。
動態管理・運行予実管理機能
- リアルタイム動態管理・マップ表示
車両の位置情報や作業進捗をリアルタイムで地図上に一覧表示します。車両アイコンの色によって作業状態(走行・待機・荷卸など)がひと目で判別でき、予定に対する遅延や早配の状況も視覚的に把握可能です。 - 出発・到着の自動判定
GPSによる指定エリアへの出入りやエリア内滞在時間に基づき、ドライバーの手動操作なしで拠点や納品先への到着・出発を自動記録します。判定範囲は地点ごとに最小5m単位で設定でき、同一駐車場所から複数店舗へ納品する複雑な運用にも対応します。 - 渋滞・車両制限を考慮した到着時刻予測
リアルタイムのVICS渋滞情報や通行止め情報、さらにトラックの車両条件(車高・車幅・車重)や各納品先での想定作業時間を加味して、高精度な到着予測時刻を自動算出します。 - 自動運転日報作成・データ出力
運行中の位置・作業実績データから、拘束時間・運行時間・作業時間・走行距離・予実差異などを網羅した運転日報を自動生成します。PDF形式やCSV形式での出力、API連携が可能です。
ドライバー支援・現場作業機能
- 配送先ナビゲーション(スグロジ連携対応)
事前に登録された配送先住所をもとに、ドライバーが住所入力することなくワンタップで目的地へのナビゲーションを開始できます。オプションでトラック専用ナビ「スグロジ」を選択すれば、大型車の通行規制を考慮した安全なルート案内が可能です。 - 納品先カルテ(軒先条件・注意点共有)
納品先ごとの搬入口の位置、駐車禁止エリア、手降ろしなどの作業条件、過去のクレームや注意点を画像・音声・テキストで蓄積・表示できます。初めて訪問するドライバーでも高品質な納品を行えます。 - 画像・メッセージ送受信
遅延発生や配送トラブル時に、現場の写真やテンプレートメッセージを管理者と即座に共有できます。送信位置情報や車両情報が自動的に付与されるため、電話対応の手間や誤認リスクを削減できます。 - 荷積・荷卸検品(オプション)
スマートフォン装着型のバーコードリーダーやハンディターミナルと連携し、動態管理アプリ上で荷積・荷卸の検品作業を行えます。配送ステータスと検品結果を一元管理できます。
データ分析・外部連携機能
- リアルタイム温度管理(オプション)
Bluetooth対応の温度センサーを荷室に設置することで、輸送中の温度推移をリアルタイムで計測・記録します。設定温度を超過した場合はドライバーと管理者に即座にアラート通知が届きます。 - 荷主・納品先向け運行状況公開(オプション)
配送状況や到着予測時間を納品先や荷主へWeb上で公開できます。非公開にしたい他顧客の情報はマスキング制御が可能なため、安心かつ透明性の高い情報開示が実現します。 - 分析ダッシュボード
収集された運行実績データをもとに、納品先ごとの作業時間分布、コースごとの待機発生率、予実差異時間などを可視化します。荷主との待機時間交渉や配送ルートの見直しに活用できます。 - 外部システム連携用API(OPEN API)
配車計画システム、WMS(倉庫管理システム)、基幹運送システム、バース予約システムなどとAPIを通じてスムーズにデータ連携できます。
こんな企業・現場に向いている/向いていない
向いている企業・現場
傭車や臨時便の利用が多く、専用車載器の工事が難しい運送・物流企業
- 委託車両や傭車の位置情報・配送進捗が把握できず問い合わせ対応に追われている
専用機器の取付け工事が不要で、スマートフォンを持参・配布するだけで運用を開始できるため、傭車や繁忙期の臨時便でも即座に動態管理が可能です。自社便と傭車を同一画面上で一元把握できます。 - 荷主や納品先からの「いまどこにいるか」という問合せ電話を削減したい
VICS情報とトラック車両制限を考慮した高精度な到着時刻予測機能に加え、荷主・納品先向けの状況公開機能を備えており、自動的に正確な進捗を共有して問合せ対応を大幅に削減できます。
食品・医薬品・精密機器など厳格な品質管理と店舗納品品質が求められる事業者
- 配送中の温度管理を手書きで記録しており、リアルタイムな温度検知やトレースができていない
配線工事不要のBluetooth温度センサーと連携し、荷室内温度をリアルタイム計測できます。規定温度から外れた際のアラート通知により、輸送トラブルを未然に防止可能です。 - ドライバーごとの納品先対応にばらつきがあり、クレームや誤納品が発生している
納品先カルテ機能により、軒先条件や搬入口の注意事項、過去のクレーム情報を画像付きで事前確認できるため、属人化を防ぎ現場の配送品質を標準化できます。
向いていない企業・現場
AIドライブレコーダーによる危険運転映像の自動解析や安全運転スコアリングを最優先したい企業
- 脇見運転や一時不停止などの危険挙動をインカメラ映像で自動検出・指導したい
TCloud for SCMは位置情報・作業ステータス・温度管理・配送予実管理に特化した動態管理SaaSです。リアルタイム映像解析やドライバーの危険運転自動スコアリング機能をメインで求める場合は、AIドラレコ専用ツールとの併用や比較検討が必要です。
類似ツールとの比較
| ツール名 | 特徴 | 料金 | 向いている企業 |
|---|---|---|---|
| TCloud for SCM | スマホのみで工事不要導入。高精度な到着予測、納品先カルテ、温度管理、検品など輸配送業務を幅広くカバー。 | 初期費用0円~ 月額2,950円/台~(端末・通信・サポート込) |
傭車管理、食品・医薬品輸送、納品品質の平準化を図りたい企業 |
| MOVO Fleet | GPS車載器またはスマホでリアルタイム動態把握。バース予約システム(MOVO Berth)等との一貫連携に強み。 | 月額1,300円/台~(税抜) | 拠点・バース管理を含めた物流プロセス全体のデジタル化を目指す企業 |
| Cariot | シガーソケット・ドライブレコーダー・スマホからデバイスを選べる。デジタル運転日報やアルコールチェック管理を一元化。 | 要問い合わせ | 手軽な機器設置でリアルタイム動態管理や安全運転管理を行いたい企業 |
| SmartDrive Fleet | シガー挿入型デバイスやドラレコで導入容易。安全運転診断や走行履歴、日報の自動作成に対応。 | 要問い合わせ | 営業車から配送車まで安全運転診断と車両管理を総合的に行いたい企業 |
ツール選定時の判断基準として、協力会社や傭車を含めた柔軟な運用を行いつつ、納品先ごとの作業条件共有(カルテ機能)や荷室内温度管理まで統合したい場合は、機能の網羅性が高いTCloud for SCMが有力な選択肢になります。一方で、倉庫側のバース予約管理との深密な連携を軸とする場合はMOVO Fleet、安全運転診断や幅広いデバイス選択肢を求める場合はCariotやSmartDrive Fleetを併せて検討すると良いでしょう。
料金・プラン・導入方法
TCloud for SCMは、専用車載器の取付け工事費が不要なため、初期費用を抑えてスタートできるSaaS型の料金モデルを採用しています。
| 項目 | 費用形態 | 金額・価格目安 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 初期費用 | 初期導入コスト | 0円~ | 専用車載器の工事が不要なため初期費用を抑制可能 |
| 月額費用(標準パック) | 月額課金(SaaS) | 2,950円 / 台~(税抜) | 法人用スマートフォン本体・通信費・クラウド利用料・サポート窓口を含む |
| オプション機能 | 従量/月額追加 | 要問い合わせ | 温度センサー、検品端末、トラック版ナビ「スグロジ」連携など |
見積もり時には、運用対象となる車両台数(自社便・傭車の内訳)、使用するスマートフォン端末の準備形態(レンタル手配または自社端末持ち込み)、温度管理・検品などの各種オプション機能の要否を確認することが推奨されます。
導入の流れ・期間
TCloud for SCMの標準的な導入手順は以下の通りです。
- お問い合わせ・要件ヒアリング
公式サイトのフォーム等から問い合わせを行い、自社の輸配送課題や管理対象の車両台数、必要なオプション機能(温度管理・検品等)を整理します。 - デモ・無料トライアル
実際の管理画面やスマートフォンアプリの操作感を体験できるデモ・トライアルを実施し、現場のドライバーや管理者の操作性を確認します。 - お見積り・ご契約
台数やオプションに応じたプランを確定し、契約手続きを行います。 - マスタ設定・初期構築
拠点情報、配送ルート、乗務員・車両情報、納品先カルテなどの初期マスタデータを登録します。既存システムがある場合はAPIやCSV連携の設定を行います。 - 端末準備・運用トレーニング
スマートフォン端末のキッティング(アプリ設定)を行い、管理者およびドライバー向けの運用レクチャーを実施します。 - 本番稼働・サポート開始
本番運用を開始します。稼働後も都築電気のサポート窓口やヘルプデスクによる継続的なバックアップを受けられます。
※導入決定から本番稼働までの具体的な期間は、車両規模や既存基幹システムとの連携有無によって異なるため、問い合わせ時の確認が必要です。
導入事例・実績
TCloud for SCMは、大手チェーンストアから救急医療、物流事業者まで幅広い領域で導入実績があります。
- 株式会社ローソン(大手コンビニエンスストア)
全国約14,600店舗の店舗配送業務において、従来のデジタルタコグラフ(デジタコ)主体の運行管理から「TCloud for SCM」へ切り替えを実施。専用車載器が不要なスマホ運用により設備投資・保守コストを削減したほか、店舗ごとの納品条件を共有する「店舗カルテ」機能や温度管理連携を活用し、配送品質の向上と柔軟な運送体制を構築しています。 - 医療法人社団 誠馨会 新東京病院(急性期医療機関)
年間約5,000件の救急搬送を行う新東京病院では、物流領域向けの「TCloud for SCM」を応用し、救急車両および救急救命士のリアルタイムな活動共有に活用。従来行っていた電話での情報連絡や手書き記録の負担を削減し、医療対応に集中できる環境整備を実現しています。 - ブックオフコーポレーション株式会社(リユース事業)
配送業務において基幹システムとのデータ連携および現場作業の改善を目的に「TCloud for SCM」を導入。スムーズなシステム連携と現場オペレーションの効率化を実現しています。
導入前に知っておきたいこと
公開情報および製品特性から確認できる注意点・検討ポイントは以下の通りです。
- スマートフォンのバッテリー管理・通信環境
GPSを常時起動して動態管理を行うため、スマートフォンのバッテリー消費に留意する必要があります。車載充電器の配備が推奨されます。なお、通信圏外となった場合でも端末内に一時保存し、復帰後に自動送信するオフライン対応機能を備えています。 - 車両センサー情報の完全自動取得について
スマートフォンアプリ型の動態管理ツールであるため、エンジンの回転数や燃料消費量といった詳細な車両内生データを取得するには、デジタコ連携オプションや対応車載機との組み合わせが必要となる場合があります。
よくある質問(FAQ)
- ドライバーが持っている既存のスマートフォンでも利用できますか?
- 対応するOS環境(Android等)を満たしていれば利用可能です。都築電気からスマートフォン本体と通信回線をセットで用意するプラン(月額2,950円/台~)も提供されています。
- 傭車や協力会社のトラックでもすぐに使えますか?
- 車両への機器取付け工事が不要なため、アプリをインストールしたスマートフォンを渡すだけですぐに運用を開始できます。繁忙期の臨時車両管理にも適しています。
- 無料トライアルやデモ体験は可能ですか?
- 事前に実際の管理画面やアプリを体験できるトライアルやデモが提供されています。詳細は公式サイトより問い合わせが可能です。
- 冷凍・冷蔵車の温度管理も一緒にできますか?
- オプションのBluetooth対応温度センサーを荷室に配置することで、リアルタイムに温度推移を記録・監視し、規定温度を超過した際のアラート通知が可能です。
- 既存の配車計画システムやWMS(倉庫管理システム)と連携できますか?
- OPEN APIを提供しているため、外部の配車システムや基幹システム、バース予約システムなどとスムーズにデータ連携できます。
- 導入後のサポート体制はどうなっていますか?
- 24時間365日対応のコールセンターサポートを提供しており、アプリのQA対応だけでなく、ハードウェアトラブル時の代替機発送など充実したサポート体制が整っています。