TradeWaltzとは?
TradeWaltzは、輸出入者・物流会社・金融機関・保険会社など、多様なステークホルダーが関わる貿易業務において、紙やPDF中心のアナログな情報伝達による業務遅延や多重入力ミスを解決する貿易情報連携プラットフォームです。株式会社トレードワルツが提供しており、ブロックチェーン技術を活用することで電子データの原本性と改ざん防止を担保しながら、産業横断で貿易関連書類・データを一元管理します。関係者間でのタイムリーな情報共有と進捗可視化を実現し、貿易現場の業務効率化やペーパーレス化、リモートワーク推進を支援します。
主な機能
貿易書類・データの一元管理機能
- 構造化データおよび帳票データ管理
インボイスやパッキングリスト、船荷証券(B/L)などの貿易書類をPDF形式で保管するだけでなく、再利用可能な構造化データとしてシステム内に保持できます。これにより、関係各社間での多重入力や転記作業の手間が削減され、入力ミスに起因する書類修正リスクを低減させます。 - ブロックチェーンによる原本性保証
分散型台帳技術を活用し、プラットフォーム上でやり取りされる電子文書の真正性と権利移転を担保します。改ざん耐性の高い基盤上でやり取りが行われるため、金融機関や保険会社、行政機関との間でも信頼性の高い電子データの授受が可能になります。 - AI-OCRおよび書類自動照合
AI-OCR技術を活用し、紙やPDF形式で受領したインボイスなどの帳票から項目を自動抽出してデータ化します。さらに複数書類間の差分や整合性を自動照合する機能も備えており、従来は目視や手作業の突合に割かれていた膨大な確認工数を圧縮します。
ステークホルダー間コラボレーション・進捗可視化機能
- 船積みごとの進捗ステータス管理
案件(船積み)単位で業務プロセスや現在の対応ステータスを可視化します。部署や課などの組織単位、あるいは社外パートナーと進捗状況をリアルタイムで共有できるため、業務の属人化を防ぎ、手続きの滞留や申請漏れを早期に検知できます。 - 案件紐付け型コミュニケーション
船積みごとに関連する輸出入者や通関・物流会社などの関係者を設定し、案件に紐づく形でコメントやメッセージのやり取りを行えます。連絡履歴が時系列で記録として残るため、メールや電話でのやり取りによる「言った・言わない」のトラブルや宛先間違いの発生を抑えます。 - 貨物トラッキング連携
外部システムとの連携により、業務プロセスの可視化と合わせて船や貨物の位置情報を把握できます。貨物の動静確認にかかる問い合わせ業務を減らし、関係者間での到着予測の共有をスムーズにします。
外部システム・国際プラットフォーム連携機能
- APIおよびファイル連携(EAI連携)
自社の基幹システム(ERP)や貿易管理システムとAPIやファイル取込・出力形式でデータを連携させることができます。既存の業務システムで入力したデータをTradeWaltzへ自動反映させたり、TradeWaltz内の取引データを自社システムへ取り込んだりすることが可能です。 - 公共インフラ・海外プラットフォーム接続
国内の港湾関連情報システム(Cyber Port等)や海外の貿易プラットフォームとの接続実証・連携が進められています。国境を越えたサプライチェーン間でもデータ連携の枠組みを広げることで、将来的な国際間ペーパーレス取引の拡張を支援します。
こんな企業・現場に向いている/向いていない
向いている企業・現場
関係者が多く、紙書類のやり取りや多重入力によるミス・遅延に悩む中堅〜大手企業
- 関係先ごとにメール添付やFAXで書類を送付し、転記作業や突合作業が頻発している
TradeWaltzの構造化データ管理とAI照合機能を活用することで、一度登録されたデータを関係者間で共有・流用可能になります。書類作成・突合の工数を削減し、転記ミスによる手戻りを防止できます。 - 原本書類の郵送や回収待ちによって手続きのリードタイムが長期化している
ブロックチェーンによる原本性保証と電子データでの共有基盤を用いることで、紙書類の回覧や郵送にかかる日数を短縮できます。案件ごとのステータスも画面上でリアルタイムに把握でき、申請や承認の滞留を防止できます。
グループ内や取引先との業務フローを標準化し、リモートワークを推進したい企業
- 紙書類の確認や捺印、原本保管のために出社を余儀なくされている
クラウド上での文書電子化と真正性の担保により、出社せずとも貿易書類の作成・確認・共有が完結します。実際に導入企業では出社頻度の削減や残業時間の短縮といった定量的な効果が確認されています。 - 担当者ごとに手続きの進め方や連絡手段が異なり、業務が属人化している
船積み単位で業務プロセスを設定・管理できるため、社内ルールや取引先に応じた業務手順を定型化し、新任担当者でも迷わず業務を遂行できる環境を整備できます。
向いていない企業・現場
年間の貿易取引件数が極めて少なく、社内単体での書類作成効率化のみを目的とする企業
- 自社内で完結するインボイス作成や帳票出力のみを安価に行いたい
TradeWaltzは関係者間を跨ぐデータ連携プラットフォームとしての価値が大きいため、社内単体での書類作成・帳票出力のみが目的である場合、機能や導入体制が過剰になる可能性があります。自社完結型の小規模向け貿易管理ソフトやスタンドアロン型ツールの導入を検討した方が費用対効果が高くなる場合があります。 - 取引先やフォワーダーとの連携を行わず、スタンドアロンで即日運用開始したい
外部ステークホルダーとの協調利用によってメリットが最大化される設計のため、自社単独で即座に設定して運用を開始したい現場や、取引先をシステムに巻き込む調整が難しい環境では、導入効果が限定的になる場合があります。
類似ツールとの比較
| ツール名 | 特徴 | 料金 | 向いている企業 |
|---|---|---|---|
| TradeWaltz | ブロックチェーン技術を活用し、産業横断で貿易関係者間の文書・データを電子化し原本性を保証する連携プラットフォーム | 要問い合わせ(SaaS・月額/従量課金プランあり) | 荷主・物流・金融など複数関係者間のデータ連携と業務電子化を進めたい中堅〜大手企業 |
| Zenport | グローバルなサプライチェーンデータを一元管理し、受発注残や船積スケジュールをリアルタイムに可視化するクラウドシステム | 要問い合わせ | 国内外サプライチェーンの受発注残管理や納期・進捗の可視化を重視する企業 |
| TOSS-SP | 国内でトップクラスのシェアを誇る貿易管理・通関業務システム。帳票自動作成やNACCS連携、為替・外貨管理に幅広く対応 | 要問い合わせ | 自社内の貿易事務(書類作成・受発注・通関手配・外貨計算)を包括的に効率化したい企業 |
| TradeWise | NACCSからの輸出入許可通知情報を自動でデータベース化し、関税帳簿作成や電帳法対応を支援する貿易業務管理ソリューション | 要問い合わせ | NACCS許可通知データの蓄積・電子保管や関税帳簿作成の自動化を急ぐ企業 |
貿易関連のITツールを選定する際は、「自社内の貿易事務処理(書類作成・外貨計算・通関申請)を完結させたいのか」、それとも「関係企業間(荷主・フォワーダー・銀行・保険など)のデータ連携・ペーパーレス化を実現したいのか」という目的の切り分けが重要になります。
自社内の貿易書類作成や為替管理、基幹業務の一括管理を主目的とする場合は、国内で豊富な導入実績を持つTOSS-SPやPORTNeTのような自社完結型の貿易管理システムが適しています。また、通関後の許可通知データの自動蓄積や電帳法対応をピンポイントで強化したい場合はTradeWiseが有力な選択肢となります。
一方で、サプライチェーン全体の受発注残やステータスを可視化したい場合はZenportが候補になります。そして、取引先や物流会社、金融機関との間で紙書類やPDFのやり取りそのものを廃止し、原本性を担保した電子データ共有ネットワークを構築したい場合には、TradeWaltzが適した選択肢となります。
料金・プラン・導入方法
TradeWaltzの具体的な料金プランおよび月額利用料は、公式サイト上では公開されておらず、要問い合わせとなっています。
料金体系としては、標準的な定額プランのほか、年間取引件数が一定規模以下の現場やAPI連携なしで利用を開始する企業向けに、取引件数に応じたスモールスタートプラン(従量課金モデル)が用意されています。導入検討時に見積もりを取得する際は、以下のポイントを確認することが推奨されます。
- 想定される月間・年間の輸出入取引件数
従量課金または標準プランのどちらが自社の取扱量に適しているかを確認します。 - 利用アカウント数および権限設定範囲
自社内の利用ユーザー数に加え、社外パートナー(物流会社等)との接続アカウント要件を整理します。 - 自社システム(ERP・貿易システム等)とのAPI・ファイル連携の要否
API連携を行う場合の初期設定費用や連携基盤(EAI等)の要件を確認します。
導入の流れ・期間
TradeWaltzを導入する際の一般的な流れは以下のとおりです。具体的な導入期間は企業の取引規模やシステム連携の有無によって異なるため、要問い合わせとなります。
- 問い合わせ・ヒアリング
公式サイトのフォーム等から問い合わせを行い、自社の貿易業務フロー、取扱品目、取引先との連絡体制などの現状課題をヒアリングします。 - デモ・トライアル環境の確認
実際の管理画面や機能のデモンストレーションを通じて、現場の業務プロセスに適合するか検証します。 - 要件定義・見積もり・契約
対象とする貿易取引の範囲(輸出/輸入、特定航路など)やAPI連携要件を定め、プラン見積もりを確認したうえで契約を締結します。 - 初期設定・アカウント発行・取引先連携調整
業務プロセスや帳票フォーマットの設定を行い、関係者(社内部署および取引先のフォワーダー等)のアカウント登録や利用調整を進めます。 - 運用開始・オンボーディング
関係者への操作説明を実施し、実際の案件登録からデータ連携の運用を開始します。
導入事例・実績
TradeWaltzは、総合商社、製造メーカー、物流企業など幅広い企業で導入・利用実績が公開されています。また、2024年度にはプラットフォーム全体の年間トランザクション数が10万件を突破したことが公式発表されています。
- コベルコ建機株式会社
輸出関連業務における情報連携にTradeWaltzを活用し、グループ全体で残業時間を44時間短縮するなど大幅な業務削減効果を実現しています。 - 富士フイルムロジスティクス株式会社
自社基幹システムとの連携を含めて導入を推進。物流プロセスのシンプル化と社外パートナーとの情報連携を図り、業務改革と業務効率化を推進しています。 - 豊田通商株式会社
TradeWaltz上でペーパーレス化した書類データを活用し、一般原産地証明書のオンライン発給申請を実現。マニュアルでの手入力をなくし、申請業務の効率化を図っています。 - 三菱商事プラスチック株式会社 / 西日本鉄道株式会社
商社と物流会社間の情報連絡手段としてTradeWaltzを導入。メールで行っていた書類送付や確認業務をプラットフォーム上に集約し、双方の作業負担を軽減しています。
導入前に知っておきたいこと
TradeWaltzを導入・運用するにあたっては、以下の実務的な特性や検討事項を事前に把握しておく必要があります。
- 取引先(フォワーダー・荷主・銀行等)との足並みを揃える調整が必要
TradeWaltzは産業横断プラットフォームであるため、自社だけでなく取引先の物流会社や金融機関がプラットフォーム上で連携することで最大の業務削減効果が得られます。特定の取引先が紙やメールでのやり取りに固執する場合、業務フローが二重管理になる恐れがあるため、事前に連携先企業との協力体制や導入範囲を綿密に計画することが重要です。 - 取引件数や利用規模に応じた費用対効果の事前試算が推奨される
取引件数に応じた課金体系やシステム連携の内容によってランニングコストが変動します。自社の取引件数に対して、書類作成・チェック作業の削減時間や郵送費削減などの定量効果がどの程度見込めるか、事前に試算を行った上でプランを選択することが推奨されます。 - 既存基幹システムとの連携設計
画面上での手動登録運用から始めるか、既存のERPや貿易管理システムとAPI連携させるかによって、初期の導入期間や工数が異なります。自社のITリソースや改修スケジュールに合わせた段階的な導入計画を立てることが求められます。
よくある質問(FAQ)
- TradeWaltzはどのようなブラウザ・動作環境で利用できますか?
- クラウド型(SaaS)サービスとして提供されているため、一般的なWebブラウザ経由で利用可能です。詳細な推奨ブラウザやバージョン等の動作環境については公式サイトまたは担当窓口への確認を推奨します。
- スマートフォンやタブレットから利用できますか?
- 主な操作はPCのWebブラウザ環境が想定されていますが、最新のモバイル対応状況や閲覧専用機能の有無については要問い合わせとなります。
- 無料トライアルやデモ画面の確認は可能ですか?
- 公式サイトより資料請求や問い合わせを行うことで、機能説明やデモ画面の案内を受けることができます。トライアル利用の提供条件については個別相談となります。
- 既存の自社基幹システム(ERP)と連携することは可能ですか?
- API連携やファイル連携(CSV等)に対応しており、自社システムやEAIツールを介してTradeWaltzとデータを連携させることが可能です。
- 導入までの期間はどのくらいかかりますか?
- 標準的な画面利用によるスモールスタートか、自社システムとのAPI連携を伴うかによって導入期間は異なります。具体的なスケジュールは要問い合わせとなります。
- 解約条件や最低契約期間は定められていますか?
- 契約プラン(標準プランまたは従量課金スモールスタートプラン等)や契約形態によって諸条件が異なるため、見積もり・商談時に契約条項を確認することを推奨します。