Zenportとは?受発注残や船積進捗を一元管理し貿易業務を可視化するクラウドシステム

Zenportとは?受発注残や船積進捗を一元管理し貿易業務を可視化するクラウドシステム ロゴ・サービス画像

グローバルなサプライチェーンデータを一元管理するクラウド型貿易管理システム。企業・国境を越えたデータ自動連携により、受発注残や船積スケジュールをリアルタイムに可視化します。

公式サイト
https://zenport.io/
料金モデル
SaaS(月額)
対象規模
規模問わず
対象業界
製造業 小売・卸売業 EC・通販

Zenportとは?

株式会社Zenportが提供する「Zenport」は、海外サプライヤーやフォワーダー、社内関連部門に分散する貿易サプライチェーンデータを一元管理するクラウド型貿易管理システムです。紙やPDFの船積書類、Excel、メールなどに散在する非構造化データをAI技術で構造化・統合し、受発注残や船積スケジュール、洋上在庫をリアルタイムに可視化することで、国際物流における納期遅延リスクの早期把握や意思決定の迅速化を支援します。

主な機能

データ統合・AI連携機能

  • AI船積書類読み取り・明細突合(ZenRead)
    インボイス(INVOICE)や船荷証券(B/L)、注文書(PO)などの非構造化データをAIが読み取り、品目マスタや発注明細と自動突合します。取引先ごとに品名表記やフォーマットが異なる場合でも、取引実績や文脈データを照合して自社の品目コードへ自動で読み換えるため、手作業による転記作業や入力ミスの削減に貢献します。
  • 基幹システム自動マッピング(ZenMapping)
    AIが自社基幹システム(ERP)のマスタ構造を解析し、確定したオントロジー(意味体系)に基づいてデータ連携のマッピングを導出します。自社マスタや既存ERPに改修を加えることなく、CSVやAPI経由での迅速なデータ連携が可能となり、マスタ更新時にも連携定義を速やかに追従させることができます。
  • 外部システム連携基盤(ZenSync)
    ERPなどの基幹系システムや各種クラウドサービスとのシームレスなデータ連携を実現します。例えば、富士フイルムビジネスイノベーションの「FUJIFILM IWpro」との連携により、Zenport上でやり取りされる船積・通関関連書類を自動保存し、電子帳簿保存法や関税法の電子保存要件に対応した文書管理を実現します。

サプライチェーン可視化・ステータス管理機能

  • 受発注残・輸送進捗ダッシュボード
    発注(PO)単位および船積書類単位で、受発注残や生産・船積・輸送・通関・納品までの進捗状況をリアルタイムに集約・表示します。複数のエクセル帳票を照合することなく、各商品の配送状況や納期変更の有無を同一画面上で一覧把握できます。
  • 分納・洋上在庫トラッキング
    1つの発注に対して複数回に分かれて納品される分納案件や、輸送中の洋上在庫を明細単位で追跡します。会計や在庫管理の観点から必要となる「どの発注のどの商品が現在どの輸送フェーズにあるか」を正確に紐付けて管理できます。
  • 取引先別グループ管理・アクセス制御
    取引ごとにクローズドなグループを設定し、サプライヤーやフォワーダー、社内関係者など参加者ごとに閲覧・編集権限を柔軟に制御できます。すべての取引先がシステムを導入していなくても、自社完結のフェーズから段階的に外部関係者を巻き込んだ運用へ拡張可能です。

実務入力・操作支援機能

  • グリッドUIによる一括データ操作(SmartGrid/ZenGrid+)
    スプレッドシートのような操作感を持つ専用グリッド画面を提供し、大量の貿易データの確認や編集を直感的に行えます。AutofillやSmartFillによる入力支援機能、マルチセレクト機能などを備え、現場担当者の入力工数を削減します。
  • 非構造化データプレビュー・画像貼付
    Excelファイルのプレビュー機能やスクリーンショットの直接貼付機能を備えています。メールやチャットで個別に添付・送信していた補足情報や現場の状況をシステム上で直接共有でき、関係者間のコミュニケーションの往復を低減します。

こんな企業・現場に向いている/向いていない

向いている企業・現場

海外調達や輸入において、Excelやメールによる納期管理が限界を迎えている企業

  • サプライヤーごとに異なるフォーマットの書類転記に追われている
    Zenportの「ZenRead」がインボイスやB/LなどのPDF書類をAIで読み取り、自社の品目マスタやPO明細へ自動で読み換えるため、手作業による書類突合工数を大幅に削減できます。
  • 分納や船積スケジュールの変更が多く、最新の受発注残が即座に把握できない
    ダッシュボード上でPO明細単位の進捗と洋上在庫がリアルタイムに一覧化されるため、複数帳票の突き合わせを行わずに正確な入荷見込みを把握できます。
  • 取引先やフォワーダーとの連絡がメールや電話に依存し、情報が属人化している
    クラウド上で取引関係者とデータや書類を一元共有できる仕組みにより、問い合わせ対応や情報確認のコミュニケーション工数を約50%削減する効果が見込めます。

既存の基幹システム(ERP)を改修せずにサプライチェーン全体の可視化を進めたい企業

  • 大規模な基幹システム刷新には多額のコストと開発期間がかかる
    「ZenMapping」を活用することで、既存ERPのデータ構造を維持したままCSVやAPIで連携できるため、基幹側に手を加えず短期間での可視化立ち上げが可能です。
  • 海外拠点や外部取引先のシステム環境がバラバラで統一が難しい
    全関係者が同時に同一システムを利用しなくても、自社内の特定部門からスモールスタートし、段階的に取引先を招待して利用範囲を広げられます。

向いていない企業・現場

国内取引のみで完結しており、国際物流や貿易書類が発生しない企業

  • 国内配送の手配や車両管理のみを効率化したい
    Zenportは輸出入の受発注残管理や船積書類の読み換え、洋上在庫トラッキングに特化したプラットフォームであるため、国内トラックの動態管理や配車計画が主目的の場合は、国内向け輸配送管理システム(TMS)を検討した方が効果的です。

NACCSと直接連携した通関申告書の作成や自社通関業務の完全自動化を主目的とする企業

  • 自社内で通関申告業務を行い、NACCS直結の申告データ作成や為替差損益の自動計算を行いたい
    Zenportはサプライチェーン全体のデータ統合と進捗可視化に強みを持つシステムです。通関申告書の自動作成やNACCSとの専用電文送受信、厳密な外貨建て売掛・買掛管理を主たる目的とする場合は、通関業務専用システムや専用の貿易実務管理パッケージが適しています。

類似ツールとの比較

ツール名 特徴 料金 向いている企業
Zenport AIを活用して船積書類・メール・Excel等の非構造化データを構造化し、ERP無改修で受発注残・洋上在庫を可視化するSCMデータハブ。 要問い合わせ(SaaS月額課金) 海外サプライヤーからの輸入調達が多く、分納や納期遅延の管理、書類突合の工数削減と全体可視化を進めたい企業。
TradeWaltz ブロックチェーン技術を用い、荷主・フォワーダー・船社・銀行・保険・通関業者間の貿易書類を一気通貫で電子共有するプラットフォーム。 要問い合わせ(従量課金プラン等あり) サプライチェーンに関わる多様なステークホルダー間で、紙書類の受け渡しや原本郵送手続きを完全にペーパーレス化したい中堅・大企業。
TOSS-SP 国内導入実績が豊富な貿易管理・通関業務パッケージ。NACCS連携、インボイス等書類自動作成、多通貨為替管理を網羅。 要問い合わせ 通関書類作成から為替管理、NACCS連携まで、輸出入実務の定型処理を自社内で包括的にシステム化したい企業。
PORTNeT Excel管理からの脱却を目的とした貿易業務管理システム。輸出入の契約・分納管理、外貨建て売掛・買掛管理に対応。 要問い合わせ 貿易実務における契約・受発注・請求・支払の一連の管理を、自社の商慣習に合わせた柔軟な設計でデジタル化したい企業。

国際物流における「どの課題を優先して解決したいか」によって選定基準が分かれます。海外取引先ごとに書式が異なるインボイスやB/Lの突合に時間がかかっており、既存の基幹システムを改修せずに受発注残や洋上在庫のステータスを即座に可視化したい場合は、AIによる自動読み換えと柔軟なデータ連携機能を持つZenportが適しています。

一方で、自社通関を含む申告書作成やNACCS連携、多通貨の売掛・買掛計算など、バックオフィス実務の定型処理を包括的にシステム化したい場合はTOSS-SPPORTNeTが有力な選択肢となります。また、業界全体のサプライチェーン関係者間で電子原本の授受を行い、完全なペーパーレス化と業務横断連携を目指す場合はTradeWaltzの検討が適しています。

料金・プラン・導入方法

Zenportの利用料金は、月額課金制のSaaSモデルを採用していますが、具体的なプランおよび月額・初期費用の金額は公式に明示されておらず、要問い合わせとなっています。企業ごとのデータ連携規模、利用ユーザー数、管理する貿易案件のボリューム、AI機能(ZenRead/ZenMapping)の適用範囲などに応じて個別見積もりが行われます。

導入見積もりを依頼する際は、以下の点を確認することが推奨されます。

  • 課金単位の基準
    アカウント数に応じたユーザー課金か、取り扱う船積案件数・書類読み取り件数に応じた従量課金が含まれるか。
  • 基幹システム連携および初期設定費用
    既存ERPや外部システム(FUJIFILM IWpro等)との連携構築にあたり、初期設定費用や個別開発費用の有無。
  • PoC(概念実証)の条件と最低契約期間
    本格導入前に自社データを用いたAI読み換え精度の検証(PoC)が可能かどうか、および契約期間の縛り。

導入の流れ・期間

Zenportの導入は、最短4週間で初期可視化を行い、最短2〜3ヶ月程度で本格稼働させるパッケージ構成が用意されています。一般的な導入ステップは以下の通りです。

  • ステップ1:ヒアリングと要件確定(導入1週目)
    貴社の現行業務フロー、ERPのデータ構造、取引先から受領する船積書類(INVOICE、B/L、PO等)のフォーマットを確認し、連携要件を整理します。
  • ステップ2:データ連携構築と読み替えルール設計(導入2〜3週目)
    「ZenMapping」を活用して貴社ERPとの連携環境を構築し、取引先固有の品目やフォーマットを自社データへ読み換えるルールを設計します。
  • ステップ3:書類取り込みと初期可視化の開始(導入4週目)
    「ZenRead」によるPDF船積書類の取り込みを開始し、ダッシュボード上で取引全体の進捗や受発注残の初期可視化をスタートします。
  • ステップ4:運用調整と本格稼働(2〜3ヶ月目)
    POとINVOICEの紐付け精度を検証しながら運用調整を行い、案件単位の進捗トラッキングを本格稼働させます。その後、必要に応じて海外拠点や外部取引先への展開を進めます。

※導入企業のシステム環境や連携対象の規模によって導入期間は変動するため、具体的なスケジュールはベンダーへの確認が必要です。

導入事例・実績

Zenportは、アパレル、雑貨、食品などのBtoC分野から、機械・素材メーカー、総合商社などのBtoB分野まで、多様な規模の企業に導入されています。公開されている主な事例は以下の通りです。

  • 安田倉庫株式会社/ジョンソンヘルステック(物流・製造)
    安田倉庫およびその顧客企業であるフィットネスマシンメーカーのジョンソンヘルステックにおいて、従来メール、Excel、電話を駆使して行っていた輸入情報のやり取りをZenport上で一括共有する体制へ刷新。連絡系統がスムーズになったことで、貿易関連のやり取りにおけるメール本数が大幅に削減され、業務の見える化と工数削減を実現しました。
  • 菓子類アソート商品製造・販売企業(製造業)
    複数の菓子ピースを詰め合わせてアソート商品を製造・販売する企業において、Zenportを導入して調達業務とPSI(生産・販売・在庫)のデータを同期。メール、電話、Excelの作成・転記・再加工を含むコミュニケーション作業が約50%削減され、スケジュール変動への対応判断やルート変更などの意思決定の質が向上しました。

導入前に知っておきたいこと

Zenportを検討する際、把握しておくべき実務上のポイントや留意点は以下の通りです。

  • 外部取引先の巻き込みフェーズの設定
    サプライチェーン全体でリアルタイムなデータ共有を行うには、海外サプライヤーやフォワーダーの協力が有効です。ただし、取引先ごとにIT環境や運用ルールが異なるため、まずは自社内での書類読み取りとERP連携による可視化を先行させ、段階的に外部関係者を招待するステップ設計が重要になります。
  • AI読み取り結果の確認体制(Human in the Loop)
    ZenReadは高度なAI読み取りと品目マスタ突合機能を備えていますが、取引先の非定型な記載や例外的な取引については人の判断・確認が必要となる場面があります。AIによる自動処理と現場担当者による確定確認の役割分担を運用フローとしてあらかじめ定めておくことが求められます。
  • 公開ユーザーレビューの蓄積状況
    比較的一般的な業務SaaSと比較して、貿易特化型SaaSは導入社内でのクローズドな運用が多く、外部レビューサイト等におけるユーザー発信の口コミや不満点などの公開情報は現時点では限られています。導入判断においては、PoC(概念実証)を通じて自社の帳票やデータ構造に対する適合性を直接検証することが推奨されます。

よくある質問(FAQ)

既存のERPや基幹システムに変更・改修を加える必要はありますか?
原則として変更を加える必要はありません。ZenMappingが自社ERPのデータ構造を自動解析し、意味体系に基づいてマッピングを導出するため、既存の基幹システムやマスタ定義を変更することなく連携が可能です。
取引先によってインボイスやB/Lの品名・フォーマットが異なりますが、対応できますか?
対応可能です。AIエージェント「ZenRead」が書類の付帯情報や過去の取引実績データと照合し、取引先ごとの品名表記を自社の品目マスタやPO(発注)明細へ自動で読み換えて突合します。
すべての海外取引先やフォワーダーにZenportのアカウントを使ってもらう必要がありますか?
必ずしも全員が利用する必要はありません。まずは自社内(輸入部門、調達部門、生産管理部門等)だけでデータ連携と受発注残管理を開始し、その後必要に応じて特定の取引先やフォワーダーをグループに招待して利用を広げることができます。
スマートフォンやタブレットからも利用できますか?
Zenportはクラウド型のWebシステムとして提供されており、PCの主要Webブラウザから利用可能です。モバイル端末での閲覧可否や推奨動作環境の詳細については、ベンダーへの問い合わせを推奨します。
無料トライアルやデモ画面の確認は可能ですか?
公式サイトにて個別相談やトライアル(Book a free trial)の申し込みを受け付けています。自社の帳票サンプルを用いたデモやPoCの実施可否については、ベンダーへ直接ご相談ください。
入力した取引データや書類が他社のAI学習に使われる心配はありませんか?
Zenportに入力・連携されたデータや生成結果は他社から閲覧できないよう隔離管理されています。また、共用AIモデルの学習・改善に使用されない契約・設定のAIサービスが利用されており、利用企業の明示的な同意がない限りモデル学習に利用されることはありません。
契約期間や解約条件はどのようになっていますか?
SaaS形式の月額契約モデルですが、具体的な最低利用期間や解約時の通知期日などの契約条件はプランや導入形態により異なります。詳細な条件については見積もり時に確認が必要です。

参照・出典

他の貿易管理システムと比較する

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