B2B TradeCloudとは?
B2B TradeCloudは、株式会社NTTデータ関西が提供する、貿易手続き書類を荷主企業・フォワーダー・船社などの関連企業間で一元管理・共有できるSaaS型プラットフォームです。従来、FAXや電子メールに依存し分散していた船積依頼書(S/I)やインボイス、船荷証券(B/L)、NACCS連携による輸出入許可通知書などの貿易関係帳票をクラウド上で集約します。企業間連携の自動化と電子帳簿保存法要件への対応を同時に実現し、煩雑な貿易事務手続きの属人化解消と生産性向上を支援します。
主な機能
B2B TradeCloudは、荷主企業の基幹システムや税関システムとのデータ連携をベースに、書類作成・企業間共有・高度な検索管理を実現する機能を備えています。確認できた機能は大きく3つの分類に分かれます。
帳票自動作成・公的システム連携機能
- 基幹システム連携による帳票自動作成
荷主企業が運用するERPや基幹システムから輸出入に関する貿易データをB2B TradeCloudに取り込み、荷主企業が求める所定のレイアウトに合わせて各種貿易帳票を自動生成できます。手作業による帳票再入力や転記ミスを防止し、書類作成業務の効率化を図れます。 - NACCS自動連携・許可通知書自動保管
国内の税関システム(NACCS)と連携し、荷主名義で輸出入申告された通関許可情報をシステムが自動的に取得して保管します。取得した許可通知書はインボイス番号などの識別情報と自動で紐付けられるため、通関書類の回収漏れや手動での突合作業が不要になります。 - 改正電子帳簿保存法対応
電子帳簿保存法のスキャナ保存要件や電子取引要件などのシステム要件に準拠した形式で貿易関連データを電子保管できます。紙媒体での原本保管やファイリングにかかる保管コスト・管理工数を削減し、ペーパーレス運用への移行を支援します。
企業間データ共有・通知機能
- 貿易関係書類の一元管理
荷主企業が作成する商業送り状(Invoice)や梱包明細書(Packing List)、船積依頼書(S/I)に加え、フォワーダーや船社が発行するB/L(船荷証券)までを同一プラットフォーム上でまとめて管理できます。関係企業ごとに書類が分断される状態を防ぎ、案件ごとの最新ステータスを可視化します。 - 関連企業への自動メール通知
対象のファイルや帳票がB2B TradeCloud上にアップロード・更新されると、あらかじめ設定された取引先や担当者へ自動でメール通知が配信されます。個別の送付案内メール作成や電話連絡などの手間を省き、担当者間の属人的なやり取りを解消します。 - セキュアード・コミュニティ管理
安全性を担保した共有基盤上で関係企業ごとのアクセス権限を制御し、必要な関係者のみに適切な文書・イベント情報を開示します。機密性の高い貿易取引データを外部と安全にやり取りするためのセキュリティ基盤を提供します。
検索・監査対応機能
- 属性検索および全文検索
蓄積された貿易書類に対して、インボイス番号、船名、案件番号などの各種属性情報を用いた検索や、文書内テキストを対象とした全文検索を実行できます。膨大な過去書類の中から必要な案件情報を素早く抽出できます。 - 申告番号・インボイス番号紐付けによる一括照会
NACCSの申告番号やインボイス番号をキーとして、その取引に付随する関連書類(インボイス、パッキングリスト、B/L、許可通知書など)を一括でリストアップできます。税関事後調査や内部監査の際、該当案件の関連書類を即座に提示できる体制を整えられます。 - 国際標準準拠データ蓄積
共有・保管される貿易文書データは国際標準に準拠した形式で蓄積されるため、将来的な他社プラットフォームや外部サービスとのデータ接続・連携拡張に対応しやすい構造を備えています。
こんな企業・現場に向いている/向いていない
向いている企業・現場
取引フォワーダーや関連企業が多く、書類の授受と確認作業が煩雑化している中堅〜大手荷主企業
- 関係先ごとにメールやFAXで書類が届き、案件全体の進捗追跡が困難
荷主企業・フォワーダー・船社がB2B TradeCloudを共同利用することで、S/I、B/L、インボイスなどの書類を一元化されたクラウド上で共有・閲覧できます。ファイル登録時の自動メール通知により個別の送付確認業務が不要になり、情報連携のタイムラグや連絡漏れを削減できます。 - 通関許可書の回収やインボイスとの突合に多大な手作業が発生している
NACCSとの直接連携により通関許可通知書が自動取得され、インボイス番号に紐付いて保管されます。フォワーダーからの回収を待つ手間や紙書類のファイリング作業を省き、通関後処理を自動化できます。 - 税関検査や社内監査の書類準備に膨大な時間と労力がかかっている
インボイス番号やNACCS申告番号をキーにして関連するすべての書類を一括検索できるため、紙のバインダーを探し回ることなく迅速に監査証跡を抽出できます。電帳法対応と合わせて監査対応業務を大幅に簡素化できます。
基幹システムと連携させて帳票作成から保管までを標準化したい製造業・卸売企業
- ERPにデータはあるものの、取引先向けの帳票作成や二重入力に工数を割いている
社内基幹システムとデータ連携し、指定のレイアウトに沿った貿易帳票を自動作成できます。担当者による手作業作成を排し、入力ミスやフォーマットのばらつきを排除した標準的な業務フローを確立できます。
向いていない企業・現場
自社内で完結するフォワーディング基幹業務(配車・運賃計算・請求書発行等)のシステム化を主目的とする企業
- フォワーダー内部の輸送手配、詳細な収支管理、CFS作業管理までを単一システムでカバーしたい
B2B TradeCloudは主に荷主企業と関連企業間における「書類共有・帳票管理・NACCS通知書連携」に特化したプラットフォームです。フォワーダー業務全般のオペレーション基幹機能(精緻な運賃レート管理、コンテナ手配、配車計画、売掛買掛管理など)を包括的に求める場合は、国際物流基幹システムであるTOSS-LOGIPORTやForwarder-PRO、CargoWiseなどの導入を検討した方が適合しやすいといえます。
月間の貿易案件数が少なく、導入コストに対する費用対効果が見込めない小規模事業者
- 月数件程度の輸出入案件しかなく、初期投資や月額固定費を抑えたい
B2B TradeCloudは初期費用100万円(税抜)から、月額利用料10万円(税抜)からの価格帯となっており、一定規模以上の書類流通量がある中堅・大手企業を主な対象としています。取扱件数が極めて少ない場合は、コスト回収が難しくなるため、より安価な個別ツールや手動運用の継続を検討する方が現実的です。
類似ツールとの比較
| ツール名 | 特徴 | 料金 | 向いている企業 |
|---|---|---|---|
| B2B TradeCloud | 荷主企業とフォワーダー間の貿易書類共有に特化。NACCS自動連携による許可書自動保管、電帳法対応、基幹連携による帳票作成自動化が強み。 | 初期費用: 100万円〜 月額: 10万円〜(税抜) |
取引先フォワーダーが多く、書類共有や電帳法対応・通関書類管理を効率化したい荷主・物流企業 |
| Forwarder-PRO | 港湾物流・フォワーダー業界に特化したクラウド基幹システム。見積・手配・NACCS連携・請求管理まで基幹業務を包括管理。 | 要問い合わせ | 国際物流業務全般のオペレーションおよび収支・請求管理を一元化したい国内フォワーダー・乙仲企業 |
| Shippio Works | フォワーダー・NVOCC向けの貿易業務支援クラウド。貨物動静・書類・チャットコミュニケーションを一元化しオペレーションをDX化。 | 要問い合わせ | 顧客荷主とのコミュニケーションや本船動静追跡を含めたデジタル化を進めたいフォワーダー |
| CargoWise | グローバル対応の統合型国際物流プラットフォーム。フォワーディング、通関、倉庫、陸送管理を世界規模で一元管理。 | 要問い合わせ(従量課金等) | 海外拠点を含めたグローバルネットワーク全体でフォワーディング基幹システムを統一したい国際物流企業 |
各ツールは得意とする領域と主たる利用者が異なります。B2B TradeCloudは、荷主企業をハブとしてフォワーダーや船社と安全に書類を授受・共有し、NACCS許可通知書の自動取得や電帳法要件を満たした保管基盤を構築することに強みを持っています。「荷主企業主導で貿易関連帳票のペーパーレス化と監査対応環境を整えたい」という場合には有力な候補となります。
一方で、フォワーダー自身の基幹業務(詳細な手配管理、配車、運賃タリフ計算、請求書発行、自社オペレーションの収支管理)を刷新・効率化したい場合は、Forwarder-PROやTOSS-LOGIPORTのようなフォワーダー特化型基幹システムが適しています。また、国際的な自社拠点網を単一システムで統合管理したい大規模フォワーダーの場合はCargoWise、動静追跡や荷主とのチャット連携を強化したい場合はShippio Worksが適しています。
料金・プラン・導入方法
B2B TradeCloudはSaaSモデル(初期費用+月額課金)で提供されています。公式リリースで公開されている標準価格は以下の通りです。
| 項目 | 料金(税抜) | 備考 |
|---|---|---|
| 初期費用 | 100万円〜 | システム設定費用、環境構築等を含む |
| 月額利用料 | 10万円〜 | SaaS利用料。利用規模・アカウント数等に応じて変動 |
※実際の導入費用は、利用企業数・アカウント数、基幹システムとのデータ連携要件、帳票レイアウトのカスタマイズ範囲などによって個別見積もりとなります。見積もり検討時には以下のポイントをベンダーへ確認することを推奨します。
- 基幹システム(ERP)とのデータインターフェース構築費用
既存システムからB2B TradeCloudへデータを送受信するための連携仕様と、その開発・設定にかかる費用の有無。 - 接続する外部取引先(フォワーダー・サプライヤー)のアカウント体系
書類を共同利用する取引先企業側のアカウント追加費用や利用制限の有無。 - NACCS連携の設定条件
自社名義の申告情報をNACCSから自動取得する際の設定要件および回線・認証手続きの範囲。
導入の流れ・期間
B2B TradeCloudの具体的な導入期間はシステム連携要件によって異なるため要問い合わせですが、一般的なSaaS型貿易プラットフォームの導入手順は以下の通りです。
- 問い合わせ・ヒアリング
公式サイト等から問い合わせを行い、現状の貿易書類管理の課題、関係企業とのやり取りフロー、連携対象としたい帳票の種類などをベンダーと共有します。 - デモ・お試しトライアルの実施
実際の管理画面や帳票自動作成機能のデモを確認します。必要に応じて用意されているお試しトライアルを活用し、自社業務との適合性を検証します。 - システム連携・運用設計の確定と見積もり
基幹システムとのデータ連携方式、NACCS連携の設定、利用ユーザーや取引先企業の範囲を整理し、見積もりと導入計画を確定します。 - 契約・初期設定
利用契約の締結後、環境構築、荷主指定の帳票レイアウト設定、ユーザー権限設定、NACCS連携設定を実施します。 - 取引先への案内・テスト運用
書類を共有するフォワーダーや船社などの関係企業へ利用案内を行い、データ連携や通知機能の動作確認を行います。 - 本番稼働
実際の貿易案件での運用を開始し、書類の自動連携・一元保管へ移行します。
導入事例・実績
B2B TradeCloudの企業名や具体的な削減数値を伴う公開導入事例は現時点では確認できていません。一般社団法人クラウドサービス推進機構の認定や紹介動画等のメディア掲載は確認されていますが、最新の導入事例や他社実績の詳細については公式サイトよりお問い合わせください。
導入前に知っておきたいこと
B2B TradeCloudの導入を検討する際は、以下の実務的留意点を把握しておく必要があります(※現時点では公開されたユーザー評価・課題報告は確認できていません)。
- 取引先企業(フォワーダー・船社)の協力体制の確保
プラットフォーム上で書類を一元管理・共有するためには、自社だけでなく取引先フォワーダー等にもシステムへのファイル登録や確認を行ってもらう必要があります。事前に主要な取引先へ運用方針を説明し、運用協力が得られるかを確認しておくことが重要です。 - 自社基幹システムとのデータ連携仕様の確認
帳票自動作成のメリットを最大限に引き出すには、自社ERP等のデータをシステムへ連携させる必要があります。社内情シス部門やERPベンダーとの調整、データ出力形式(CSV・API等)の確認が事前に必要となります。 - フォワーダー単体業務のシステム化との切り分け
自社がフォワーダーであり、自社内の配車手配や運賃計算・収支管理といった基幹オペレーションのシステム化を求めている場合は、書類共有プラットフォームである本システム単体ではカバーできない業務範囲があるため、基幹システムとの併用または他社製品の検討が必要です。
よくある質問(FAQ)
- 利用にあたって専用ソフトウェアのインストールは必要ですか?動作環境はどうなっていますか?
- SaaS型プラットフォームのため、Webブラウザ経由で利用可能です。PC環境(Microsoft Edge等)のほか、ChromeやSafariを搭載したモバイルブラウザにも対応しています。また、帳票の閲覧・編集等のためAdobe Acrobat ReaderやOffice環境(Excel、Word)が必要となります。
- 導入前にデモやトライアルを利用することはできますか?
- お試しトライアルが用意されており、ベンダーへの問い合わせを通じて利用を相談できます。画面の操作性や帳票作成イメージを事前に確認した上で導入を検討できます。
- NACCS連携はどのように行われますか?
- 荷主名義で輸出入された通関許可情報をNACCSから自動的に全量取得し、インボイス番号などに紐づけてシステム内へ自動保管する仕組みを備えています。
- 取引先フォワーダーが複数社あっても対応できますか?
- 対応可能です。荷主企業を中心として複数のサプライヤー、フォワーダー、船社などの関係企業間でデータを共有し、アクセス制御により適切な関係者間で書類を閲覧・共有できる構成となっています。
- 最低契約期間や解約条件はどうなっていますか?
- 契約期間や解約条件に関する公開情報は確認できていません。詳細な契約条件については個別見積もり時にNTTデータ関西へ直接ご確認ください。