KBXとは?
KBXは、鴻池運輸株式会社が提供するフォワーディング管理(デジタルフォワーディング)に特化したクラウドサービスです。見積もりから手配、進捗確認といった輸出入に関わる一連の業務をオンライン上で一元管理・可視化します。
国際物流の現場では、多くの関係者が介在するため、電話やメール、紙ベースの書類を用いた煩雑なコミュニケーションが長年の課題となっていました。KBXはこうした情報の分断を解消し、業務工数の削減と情報共有のスムーズ化を図ることで、国際物流業務のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援します。
主な機能・特徴
- オンラインでの見積もり・WEB手配
画面上の必要な項目を埋めるだけで見積もり依頼が完了し、鴻池運輸の担当者から最適なプランが提示されます。回答後はボタン一つで手配依頼に進むことが可能です。 - 書類・データの一元管理
見積書やインボイス、仕様書といった関連データを案件ごとにクラウドへ保存します。共有フォルダとして機能し、パソコン内でデータが迷子になるのを防ぎます。 - 案件ごとのチャット・やり取り可視化
案件ごとにチャットや問い合わせ履歴を管理します。大量のメールから目当ての案件に関するやり取りを探す手間を省き、メール作成時間を約60%削減した実績があります。 - 本船動静のトラッキング
海上輸送において、本船の動静やスケジュールに変更があった際に通知を受け取ることができるため、状況確認のために毎日問い合わせる必要がなくなります(年間約190.5時間の確認作業削減効果が報告されています)。 - 操作ガイダンス・自動入力サポート
デジタルアダプションプラットフォーム「テックタッチ」を採用しており、画面上に入力手順や入力例などのガイドが表示されます。初めてシステムを利用する担当者でも迷わず操作でき、入力データの抜け漏れを防ぎます。 - 外部システム連携とグローバル対応
2025年2月より港湾物流プラットフォーム「Cyber Port(サイバーポート)」と連携し、通関等のデータ一元化を進めています。また、海外拠点からの手配が可能なグローバル版も提供されています。
こんな企業・現場に向いている/向いていない
向いている企業・現場
企業規模を問わず、製造業、小売・卸売業などで日常的に輸出入業務を行っており、フォワーディング業務を鴻池運輸に委託している、または丸ごと委託したいと考えている企業に最適です。
現場の課題としては、「複数人の担当者間で1日数百件のメールが飛び交い、情報共有が漏れている」「過去の見積もりや書類を探すのに時間がかかっている」「自社に貿易実務の専門的な知見が不足しているため、プロに手配を任せつつ進捗は可視化しておきたい」といったケースに強く推奨されます。
向いていない企業・現場
KBXは「鴻池運輸とのフォワーディングの取り組み時にのみ使用できる専用ツール」です。そのため、すでに他社のフォワーダー(海貨業者)をメインに起用しており、鴻池運輸を利用する予定がない企業には導入できません。
また、自社で複数のフォワーダーを手配・相見積もりしており、それらの業者を横断的に一つのシステムで一元管理したいという運用スタイルの場合もミスマッチとなります。そうした要件を求める現場は、中立的な貿易情報管理SaaSや独立系のデジタルフォワーディングプラットフォームを検討した方がよいでしょう。
料金・プラン・導入方法
料金モデル:無料
KBXのシステム自体の利用料金は無料で、初期費用等もかかりません。クラウドサービスのため専用ソフトのインストールも不要です(※実際のフォワーディング輸送手配に係る実費等は別途発生します)。
導入は、公式サイトの「無料相談・資料請求フォーム」から問い合わせを行います。その後、担当者によるヒアリングと最適なプランの提案を経て契約となり、アカウントが発行されて利用開始となる流れです。
導入事例・実績
鴻池運輸の公式情報において、以下のような導入実績が公開されています。
- 輸出者の場合(メーカー)
国内倉庫業務とフォワーディング業務を組み合わせて利用している事例です。全世界向けに機器を輸出しており、複数担当者が関わるため日々のメール送受信が200件を超えていました。KBX導入後は、案件ごとに同じ画面で業務進捗を共有できるようになり、情報の属人化とメール業務の負担が解消されました。 - 輸入者の場合(アパレル等)
アパレル製品などの輸入では多種多様な書類(仕様書など)が必要となります。従来は都度メールで送付していましたが、KBX上の共有フォルダにアップロードする運用へ切り替えました。ファイル名にルール付けを行うことでデータ検索も容易になり、ファイル送付と確認の手間が大幅に削減されました。
導入前に知っておきたいこと
KBXの導入にあたって、過去のユーザー評価やシステム改修の経緯から以下の点に留意しておく必要があります。
- 運用プロセス変化に対する現場の心理的ハードル
従来、電話やメール、FAXなどのアナログ手法に慣れ親しんでいた現場がシステムへ移行する際、操作への不慣れや入力データの抜け漏れといった課題が初期に発生していました。この課題を重く見た鴻池運輸は、2024年10月にシステム上に「操作ガイダンス」を追加実装し、操作を支援する仕組みを導入してユーザビリティの改善を図っています。 - 他社フォワーダーとの手配には利用不可
繰り返しになりますが、本ツールは鴻池運輸専用のポータルです。自社で起用する複数の物流事業者をまたいで管理することはできないため、自社の物流戦略(特定業者への集約か、複数業者の分散化か)を整理した上で導入を決める必要があります。
類似ツールとの違い・選び方
デジタルフォワーディングや貿易業務管理ツールは近年増加傾向にあります。同カテゴリの他社ツールとの最大の違いは、KBXが「実物流の豊富なノウハウとインフラを持つ総合物流企業(鴻池運輸)が提供する、自社サービス連携専用のシステム」である点です。
他社の独立系SaaSは、複数フォワーダーを横断して比較・管理するオープンなプラットフォーム志向が強いのに対し、KBXは「実務の煩雑な部分はプロ(鴻池運輸)に丸ごと任せ、荷主側はスマートな画面で結果と進捗だけを管理する」という運用スタイルに直結しています。フォワーディング業務を特定パートナーへ集約し、強力な実物流のバックアップを受けながら業務工数を劇的に減らしたいと考える企業にとっては、非常に有効な選択肢となります。
よくある質問(FAQ)
- KBXを利用するためにシステム利用料はかかりますか?
- いいえ、無料で使用できます。インストールも不要で、Webブラウザやスマートフォンからアクセス可能です。
- 鴻池運輸以外のフォワーダーを利用する場合でもKBXを使えますか?
- いいえ、利用できません。KBXは鴻池運輸とのフォワーディング取引においてのみ使用可能なツールです。
- 航空輸送の手配にも対応していますか?
- はい。2022年のリリース当初は海上輸出入業務向けでしたが、その後機能が拡充され、航空輸送の対象化や見積もり機能の追加が行われています。
- 海外拠点からの輸送手配にも使えますか?
- はい、可能です。KBXはグローバルに対応しており、鴻池運輸の海外ネットワークを活用して、現地拠点での柔軟なフォワーディング手配と連携ができるようになっています。