booost Sustainabilityとは?
「booost Sustainability」は、Booost株式会社(旧booost technologies株式会社)が提供する、大企業向けの統合型カーボンマネジメントプラットフォーム(サステナビリティERP)です。CO2排出量・カーボン管理カテゴリに位置し、Scope1からScope3、さらにカテゴリ1~15までの温室効果ガス(GHG)排出量の算定から報告までを一元管理できます。
物流業界や製造業において課題となる複雑なサプライチェーン全体のサステナビリティ情報を統合し、有価証券報告書での非財務情報開示(SSBJ基準など)や第三者保証の取得といった高度な要求に対応することで、企業の脱炭素経営と企業価値の向上を強力に支援します。
主な機能・特徴
- Scope1〜3の精緻な排出量算定・可視化
各拠点や製品・サービス単位での詳細な一次データ収集により、GHGプロトコルに準拠したカテゴリ1〜15のCO2排出量を自動的かつ網羅的に算定・可視化します。 - 最大15階層の承認ワークフローによる内部統制
データの正確性を担保するため、最大15階層まで設定可能な承認ワークフロー機能を搭載しています。これにより監査対応が効率化され、第三者保証取得にかかるコストと手間の大幅な削減が可能です。 - 多言語対応によるグローバルデータ収集
英語、中国語、ベトナム語など25カ国語に対応したUIを備えており、海外の物流拠点や関連工場からもスムーズかつ正確に環境データを収集できます。 - 国際基準に準拠した開示レポートの自動作成
SSBJ、CSRD、ISSB、TCFD、SBT、温対法などの各種報告レポートを自動作成・マルチレポーティングする機能があり、非財務情報の開示業務を大幅に効率化します。 - ESG全般の統合データ管理(サステナビリティERP)
CO2排出量だけでなく、水・廃棄物といった環境データ、さらには人的資本やガバナンス情報に至るまで、広範なESG関連情報をワンプラットフォームで一元化します。 - SBT整合の目標立案とオフセット管理
SBT(Science Based Targets)と整合する削減目標の策定支援に加え、再生可能エネルギーへの切り替えや非化石証書の購入によるオフセットの実行と予実管理もシステム上で対応可能です。
こんな企業・現場に向いている/向いていない
【向いている企業・現場】
- 国内外に多数の拠点を持つ大企業・グループ企業
国内外に数百から数千の倉庫・物流センターや工場を展開しており、グループ全体でのデータ集約と統合管理に膨大な工数がかかっている企業に最適です。 - サステナビリティ情報の開示義務化に対応するプライム上場企業
有価証券報告書における非財務情報の開示(SSBJ基準など)や、監査法人による第三者保証の取得が求められる経営企画・サステナビリティ推進担当者に向いています。 - サプライチェーン全体の可視化を目指す物流・製造業
多言語UIを活かし、海外サプライヤーや委託先物流企業からの一次データ収集をシステム化・標準化したい現場に非常に適しています。
【向いていない企業・現場】
- これから簡易的にCO2算定を始めたい中小企業
大規模なデータ管理や高度な内部統制(多階層承認ワークフローなど)を前提としたエンタープライズ向けシステムであるため、拠点数が少なく、とりあえず現状の排出量目安だけを知りたい企業にはオーバースペックとなる可能性があります。 - 低コストで算定ツールを導入したい現場
大企業向けの統合型ERP(経営OS)としての位置づけであるため、無料で使える簡易ツールや中小規模向けの安価なSaaSを探している場合は、別のシステムを検討した方がよいでしょう。
料金・プラン・導入方法
SaaS(月額課金)モデルで提供されていますが、具体的な初期費用および月額料金などの金額は公式に明示されておらず「要問い合わせ」となっています。企業の規模や連携する拠点数、利用するモジュール(自社排出量の可視化、サプライヤー管理、財務的影響の算定など)によって、目的別に適した柔軟なプラン提案と導入支援が行われます。
導入事例・実績
booost Sustainabilityは、年商5,000億円以上の企業におけるサステナビリティ情報管理ツール市場でシェアを獲得しており、累計95カ国以上・約6,500社・197,000拠点以上(2025年12月時点)での導入実績があります。公式に公開されている主な導入事例は以下の通りです。
- 伊藤忠商事株式会社
グローバルに展開するグループ会社約600拠点からの環境データ収集を課題としていましたが、システムの導入により多階層の承認プロセスを含むガバナンス強化と、海外拠点を含む大規模データの統合管理を実現しました。 - 日本ハム株式会社
国内食肉業界大手のニッポンハムグループ全体の環境データをマネジメントするための統合型SXプラットフォームとして採用されました。 - 株式会社ダスキン
社内のインフラシステムの老朽化への対応と業務効率化を目的として、Scope1〜3および水・廃棄物などの環境関連項目の管理基盤として導入。SSBJ基準へのスムーズな移行を目指しています。 - ラッシュジャパン合同会社
環境経営を掲げるグローバルカンパニーのGX(グリーントランスフォーメーション)推進パートナーとして、booost Sustainabilityが導入されました。
導入前に知っておきたいこと
現時点では公開されたユーザーからの不満、デメリットなどの具体的な課題報告は確認できていません。
ただし、ツール提供元の代表者へのメディアインタビューにおいて、業界全体が直面する課題として「国境をまたいでCO2関連データをシームレスに流通させる世界的な仕組み(PACTなど)の完全な実現には、まだ5〜10年程度の時間がかかる可能性がある」との見解が示されています。そのため、導入企業はまず「自社および垂直型バリューチェーン(直接的な取引先・サプライヤー)の排出量算定をシステムで確実に集約すること」から段階的に取り組む運用計画を立てておくことが推奨されます。
類似ツールとの違い・選び方
- 「算定ツール」から「サステナビリティERP」への拡張性
類似のCO2可視化ツールが「温室効果ガスの計算」に特化しているのに対し、booost Sustainabilityは、人的資本、ガバナンス、水資源、廃棄物などESGデータ全般を財務情報と統合管理できる「ERP(経営OS)」として設計されている点が最大の違いです。 - 第三者保証と監査対応に強いシステム統制
単なる数値の集計だけでなく、最大15階層の承認フローや内部統制機能が充実しており、プライム企業が直面する「監査コストの低減」と「データの信頼性担保」に強みを持っています。 - 圧倒的なグローバル対応力
多言語(25カ国語)対応により、国内外に広く拠点を持ち、国境を越えたサプライチェーンを構築している物流業・製造業・商社において、現場レベルでの入力業務を標準化しやすい設計となっています。
よくある質問(FAQ)
- 中小企業や単一拠点の物流現場でも導入可能ですか?
- 導入自体は可能ですが、本ツールは主に多拠点展開する大企業やグループ企業向けに設計された多機能プラットフォームです。そのため、費用対効果や必要な機能要件が自社の規模に見合うか、事前に提供元へ確認することをおすすめします。
- 海外の委託倉庫や関連会社にも入力を依頼できますか?
- はい、可能です。英語や中国語をはじめとする25カ国語に対応したユーザーインターフェースを提供しているため、海外拠点の担当者も現地の言語で迷わず一次データを入力できます。
- 最新の開示義務化(SSBJ基準など)に対応していますか?
- はい、対応しています。SSBJ基準をはじめ、CSRD、ISSB、TCFD、SBTなど最新の国際的な開示基準に準拠しており、報告形式に合わせたカスタムレポートの出力が可能です。