EcoLogiPortalとは?輸配送のCO2排出量を算定・可視化し、輸送モードや拠点別の詳細分析を実現するソリューション

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サプライチェーン上の輸配送領域におけるCO2排出量をスピーディーかつ高精度に算定・可視化するソリューション。輸送モード別や拠点別の詳細な分析が可能です。

料金モデル
SaaS(月額)
対象規模
中堅〜大手向け
対象業界
物流・倉庫業 製造業 小売・卸売業 EC・通販

EcoLogiPortalとは?

EcoLogiPortal(エコロジポータル)は、サプライチェーン上の輸配送領域(Scope 3)におけるCO2排出量の算定・可視化に課題を抱える中堅〜大手企業に向けて、ロジスティード株式会社が提供するクラウド型のカーボン管理ソリューションです。荷主企業の取引データ(いつ・誰に・何をどれだけ配送したか)や、出荷明細、運行実績などのデータを活用し、高精度かつスピーディーなCO2算出・可視化を可能にします。3PL(サードパーティ・ロジスティクス)を主軸とする同社ならではの物流ノウハウが凝縮されており、可視化されたデータから積載率の向上、輸送ルートの最適化、共同配送、モーダルシフトといった具体的な物流効率化とCO2排出量削減アクションへの展開までシームレスに支援できる点が、最大の差別化要因となっています。

主な機能・特徴

EcoLogiPortalには、物流現場の実務と脱炭素推進の双方を支えるいくつかの主要な機能と特徴があります。以下に、その詳細を解説します。

  • 「改良トンキロ法」に対応した高精度な算定機能
    単に一律の係数を掛け合わせるだけでなく、輸送重量や輸送距離、そして積載率の加味を考慮する「改良トンキロ法」を用いたCO2排出量計算に対応しています。これにより、環境省などが提示する一般的な平均値・業界統計値に依存しない、自社物流の実態に即した高精度な一次データベースの算出が実現します。
  • クラウド型データ活用プラットフォーム「Domo」をベースとしたダッシュボード機能
    Domoを分析基盤として採用しており、ユーザーは輸送モード別(トラック、鉄道、船舶など)、拠点別、地域別、取引先別、商品カテゴリ別、部門別など、柔軟かつ多様な切り口で排出量をダッシュボードに可視化できます。直感的なビジュアルにより、社内の課題や排出のボトルネックとなっているルート・拠点がどこにあるのかを瞬時に特定できます。
  • 自動データ収集とクレンジングによる集計作業の迅速化
    出荷情報や運行情報等のCSVなどのデータを自動収集・加工するETL機能を有しており、表記ゆれが多い住所情報などのクリーニング作業もシステム内で自動的に処理されます。Domoの自動化処理により、企業からデータサンプルを受領後、排出状況の全体像を把握するまでに要する時間を、手作業のプロセスと比較して最大97%(従来は約2ヶ月を要した工程を最短2日〜1週間程度へ)短縮することに成功しています。
  • 外部連携に耐える第三者機関による適合性評価の取得
    EcoLogiPortalが採用するCO2排出量の算定ロジックは、第三者機関による適合性評価を受けており、算定精度と対外的な信頼性が担保されています。また、欧州でデファクトスタンダードとなっている「GLEC(Global Logistics Emissions Council)フレームワーク」にも準拠しており、グローバルなサプライチェーンを展開する企業での国際輸送領域の排出量可視化にも十分対応できます。

こんな企業・現場に向いている/向いていない

EcoLogiPortalの導入にあたっては、その強力な分析機能が自社の物流体制や課題に適しているかを見極めることが重要です。

【向いている企業・現場】

  • 全国やグローバルに複雑なサプライチェーンを持つ中堅〜大手企業
    多くの拠点や複数企業の配送網を活用しており、輸送モードが多岐にわたる企業に向いています。特に、製造業、小売・卸売業、EC・通販などの分野で、Scope 3に占める輸配送関連の排出割合が大きく、精緻な管理を求められる荷主に適しています。
  • 可視化の「その先」の具体的な物流改善・コスト削減を目的とする企業
    単に数字をレポートするだけでなく、「積載率を向上させて輸送台数を減らしたい」「モーダルシフトや共同配送によってCO2削減と2024年問題(ドライバー不足)への対策を同時に進めたい」といった実務的なアクションまで物流知見を持つベンダーと協創・検討したい企業に最適です。
  • 外部システムやサステナビリティ管理ツールとのデータ統合を考えている企業
    「SAP Sustainability Control Tower」や「ASUENE(アスエネ)」などの総合的な環境・経営管理ツールを既に導入、もしくは導入予定であり、物流領域のデータをシームレスに流し込んで一元管理したい現場に合致しています。

【向いていない企業・現場】

  • 自社での配送プロセスが極めてシンプルである企業
    拠点数が少なく、配送先も近隣の一定ルートのみで構成されているような小規模事業者や、物流の手配・管理を完全に他社に一任しており分析用データを手配できない企業には、Domoを基盤とした高度な分析機能が過剰スペックとなり、費用対効果が見合わない可能性があります。
  • 物流データが完全にアナログ管理であり、データの整備が困難な現場
    運賃情報、出荷明細、発着地住所などの物流実績データがデジタル(CSVやExcel、システム間連携)として一切管理されておらず、手入力の負荷が高すぎる現場では、自動化のメリットを享受しにくくなります。
  • Scope 1やScope 2の可視化が主要目的である企業
    EcoLogiPortalは「輸配送領域(Scope 3)」に特化したソリューションであるため、全社的な電気代・オフィスのエネルギー消費量などの算定を主たる目的とする場合は、物流にフォーカスする本ツールではなく、汎用的な排出量算定クラウドを優先して検討すべきです。

料金・プラン・導入方法

EcoLogiPortalは、SaaS(月額課金)モデルにて提供されています。具体的なプラン名や初期費用、月額費用などの料金体系は公式サイトやニュースリリースでは公開されておらず、個々の企業規模、輸送量、データの接続仕様等に合わせた個別見積もりとなります(要問い合わせ)。

検討にあたり、見積もり時に確認しておくべきポイントは以下の通りです。

  • 課金単位の仕組み:取り扱う出荷伝票数や配送データ数に応じた従量課金なのか、アクセス可能なアカウント数や管理する拠点数ベースなのか。
  • 初期のデータ連携・システム構築費用:既存の基盤(ERPやTMS/WMSなど)とのデータ接続設定や、住所などのクレンジングロジックの実装に伴う初期費用の有無およびその価格。
  • コンサルティングや施策提案のサポート範囲:月額費用の中に、ロジスティードグループによる物流削減シミュレーションやアクション立案などのコンサルティング的なサポートが含まれているのか、あるいは別料金枠になるのか。

導入の流れ・期間

EcoLogiPortalの具体的な導入までのステップは、概ね以下のようになります。

  1. 問い合わせ・ヒアリング:公式サイトなどから問い合わせを行い、自社のサプライチェーン体制や物流上の課題、保有しているデータの形式についてヒアリングを受けます。
  2. サンプルデータでの検証・シミュレーション:企業が保有している出荷情報や配送実績のサンプルデータを提供します。Domoの機能を活かし、最短2日〜1週間程度で排出量の仮算定結果や分析ダッシュボードのデモが提案されます。
  3. データ受領モデルの作成・提案:どのシステムからどのような方法で自動、または手動でデータを吸い上げるかという「データ受領・連携モデル」が作成され、提案されます。
  4. 契約および利用開始:提案内容に合意したのち、正式な契約を締結し、システム導入作業に入ります。

公式リリース等の情報によると、最初の課題ヒアリングからデータ受領モデルの作成・検証、提案を経て、契約にいたるまでの期間は最短2ヶ月程度が目安となります。EcoLogiPortalとしての具体的なシステム稼働までの構築期間や最終的な導入全体の期間については、連携する基幹システム等の難易度により変動するため、要問い合わせとなります。

連携できるシステム・機器

EcoLogiPortalは、サプライチェーン領域におけるデータ自動収集と、算定データの統合管理を目的に、多様なシステムとのシームレスなデータ連携が可能な仕様となっています。

  • ASUENE(アスエネ株式会社):企業・自治体向けのCO2排出量見える化・削減クラウド「ASUENE」と直接データ連携が可能です。アスエネが提供するサステナビリティ・ソリューションのマーケットプレイス「アスエネストア」へEcoLogiPortalが追加されたことで、連携による脱炭素管理の一元化がより進めやすくなりました。
  • SAP Sustainabilityソリューション:SAP社の統合基幹システム(ERP)とスムーズにデータ接続するための連携機能を持っています。SAPの公式アプリストア「SAPストア」においてEcoLogiPortalが掲載されており、「SAP® Sustainability Control Tower」や「SAP® Sustainability Footprint Management」との連携により、EcoLogiPortalで算定したScope 3データをSAPのダッシュボードに統合することが可能です。
  • その他基幹システム(WMS/TMS等):ロジスティードが構築したITプラットフォームの技術を用い、ユーザー企業の倉庫管理システム(WMS)、運行管理システム(TMS)、自社構築の基幹システム等とAPIや連携用インターフェースを通じた自動連携が行えます。

なお、ハンディターミナルなどのエッジ機器、特定のセンシングデバイスとの直接的な通信連携に関する公式情報は現在公開されていません。現場のデバイス・センサーデータを活用した算定連携を希望する場合は、システム設計の打ち合わせ時に確認が必要です。

導入事例・実績

EcoLogiPortalは2022年の提供開始以来、大手荷主企業や特定事業者などを中心に、現時点で40社を超える企業への導入・活用実績があります。その具体的な導入事例として公式に公表されているのが、軸受などの製造メーカーである「日本トムソン株式会社」です。

日本トムソン株式会社(ベアリング・直動案内機器メーカー)の事例

  • 導入背景と課題
    従業員数2,400名を超える精密機器メーカーである同社では、環境経営やカーボンニュートラルへの取り組みを推進。しかし、物流領域におけるCO2排出量の算出や管理が手作業に依存しており、データの集計やレポート作成に莫大な工数と時間がかかっていることが大きな負担になっていました。また、業界平均値を用いた算出ではなく、実際の輸送実績に基づく実態の把握が求められていました。
  • 導入効果・変化
    EcoLogiPortalの導入により、環境省等の一般平均値ではなく、輸送重量と距離、積載率の実測データを踏まえた「改良トンキロ法」に基づく、実態に則した精緻な排出量データの自動算定が実現。算出作業の工数が劇的に効率化されました。さらに、同ツール内の「排出量が多い納品先」と「積載率」を同時にクロス分析できるダッシュボード機能を活用。積載率が低い状態で運行されていた一部の納品先ルートを発見し、従来の大型トラック1台での少量配送を見直して、小型トラックによる他貨物との混載配送(ルートおよびモード最適化)に変更しました。これにより、CO2排出量削減だけでなく、物流コスト削減やドライバーの拘束時間の適正化(2024年問題への対応)を同時に達成する物流改善アクションへと展開できるようになりました。

また、EcoLogiPortalを提供するロジスティードおよび共同開発元のロジスティードソリューションズは、この一連のCO2排出量可視化サービスの有用性と実績が高く評価され、2023年6月に一般社団法人日本物流団体連合会が主催する「第24回物流環境大賞」において、「特別賞」を受賞しています。さらに、「グリーンロジクレジット」としてJ-クレジット制度のプロジェクトにおいて、共同配送などの削減モニタリング管理システムとしてEcoLogiPortalがプログラム計画書内に採用されるなど、国内の公共制度や排出量評価の枠組みにおいても確かな信頼性を有しています。

導入前に知っておきたいこと

EcoLogiPortalを導入、もしくは比較検討する上で事前に把握しておくべき考慮点や特性について解説します。

  • 一般のユーザーレビューや批判的な評価の有無
    一般的なSaaSレビューサイトやSNS、口コミプラットフォーム等を調査した範囲では、EcoLogiPortalに対する目立ったシステム不満、デメリットに関するユーザーの具体的な批判的口コミは現時点では確認されていません。
  • 導入成功の鍵は「元データ」のデジタル化レベルに依存する
    本ツールは、出荷元住所・納品先住所・輸送料・出荷重量といった荷主側のデータをインプットとします。Domoの強力なETL処理による自動の住所表記ゆれクレンジングなどは用意されているものの、根本的にデータのデジタル化が進んでいない、あるいは運送会社から受領する紙ベースのデータが多すぎる状態のままでは、データ連携モデルをスムーズに構築することが難しくなります。自社が算定に必要なデータを安定的にデジタル出力できる環境にあるかを、あらかじめ精査する必要があります。
  • Scope 1やScope 2の算定は範囲外
    本ソリューションは「サプライチェーンにおける輸送中の排出(Scope 3)」に特化した専門のツールです。もし企業としての最初の脱炭素ステップが「全社的な電気消費量や熱源(Scope 1・Scope 2)の管理」である場合、本ツールだけではカバーできないため、総合的なカーボンマネジメントツールを他軸で用意した上で、EcoLogiPortalをアドオンで組み合わせるか、データ連携を図る形での運用計画が必須となります。

類似ツールとの比較

企業のカーボンニュートラル対応に向け、市場には多くのCO2排出量算定ツールが展開されています。その中から「LogiShift」に詳細が掲載されている代表的なツールと比較を行います。

ツール名 特徴 料金 向いている企業
EcoLogiPortal 物流・輸配送領域のScope 3に特化。積載率や輸送ルート、3PLの知見を踏まえた実務改善(モーダルシフト等)のアクション推進に強力。 要問い合わせ
(SaaS型月額制)
輸送網が複雑な荷主企業、物流に強みを持つ中堅〜大手企業
ASUENE Scope1〜3の全方位の自動算定に対応する総合クラウド。各種サステナビリティ・SXコンサルも提供し、EcoLogiPortalとも公式データ連携。 要問い合わせ 全社的なScope1〜3一元化を重視する企業、報告書作成を自動化したい企業
Zeroboard 温室効果ガスの精緻なScope1〜3算定からCFP(製品単位の足跡)算定に強み。物流大手との実証・連携実績も豊富。 要問い合わせ サプライチェーン全体の可視化や海外規制対応・CFP開示を求める中堅〜グローバル企業
CAMOTSU 輸送事業者(運送会社)と荷主の間でデータを直接つなぎ、改正物確法や特定荷主の定期報告書作成を主目的として共有・可視化することに特化。 要問い合わせ 改正物確法の規制対象となる特定荷主、下請け運送会社とリアルタイムにデータ接続したい企業

どのツールを選ぶべきか?判断基準のポイント

自社の削減アプローチが、「全社のサステナビリティ開示の効率化」にあるのか、「具体的な物流施策・現場のオペレーション改革」にあるのかによって検討先は分かれます。

全社ベースでの排出量削減計画や、統合報告書、SBTi・CDPなどの報告要件を最優先とする場合、またはScope 1, 2, 3までを同一のダッシュボードで手軽に管理したい場合は、ASUENEZeroboardといった、機能範囲が広くサステナビリティ開示の支援機能に定評のある総合的なクラウドサービスをメインに選択するのが有力な候補です。これらのツールは外部連携に優れており、物流領域のデータを他のシステムから取り込む運用とも相性が良いです。

一方で、日本トムソンの導入事例のように、「輸送中のCO2排出量を精緻に把握した上で、そのデータをもとにトラックの積載率や配送ルートを見直し、共同配送への移行やモーダルシフト、ひいては3PLによる物流費削減や2024年問題への対策まで具体的な物流現場の改善アクションを連動させたい」と考える場合、EcoLogiPortalを最有力候補に置くべきです。ロジスティードグループの強力な3PLノウハウや分析プラットフォーム(Domo)を通じた拠点別・納品先別の微視的(マイクロ)なボトルネック分析機能は、物流を事業の要とする荷主企業にとって実利を生む鍵となります。全社総合管理ツールとEcoLogiPortalをAPIデータ連携等で「併用・使い分け」する選択も推奨されます。

よくある質問(FAQ)

導入にあたり、無料トライアルや事前にサービスを検証することはできますか?
EcoLogiPortal自体には全自動の無料オンラインお試し期間はありませんが、検討段階で「自社出荷情報のサンプルデータを提供」することにより、実機画面を使った分析シミュレーションや、最短2日〜1週間程度でデモデータ可視化ダッシュボードの提案を受ける検証ステップが用意されています。日本トムソン様の事例でも「試用トライアル期間を設けてもらえたこと」が選定理由の1つとして言及されています。
モバイル向けのスマートフォンアプリは提供されていますか?
現在、EcoLogiPortal専用のスマートフォンアプリの提供は確認されていません。本サービスはクラウド型(SaaS)のWebアプリケーションであるため、PCやタブレット等の標準的なWebブラウザからアクセスしてすべての機能・ダッシュボードを利用します。
他社への外注トラックや国際輸送、海外の子会社等のルートでの算定にも対応できますか?
対応可能です。EcoLogiPortalは発着地情報と出荷明細などがあれば、国際輸送を含む全体像を把握できます。また、グローバル企業のニーズに対応して、GLECフレームワークに準拠した国際輸送領域の排出量可視化にも対応。既にマレーシア、インドネシア、オーストラリアやトルコなどの海外現地・グループ企業での導入実績もあります。
「改良トンキロ法」とは何ですか?一般的な「燃料法」などと何が違いますか?
改良トンキロ法は、輸送する貨物の「重量(トン)」と「輸送距離(キロメートル)」を掛け合わせた「輸送トンキロ」に、車種や積載率などの要素を考慮した国交省指定の原単位(排出係数)を乗じて計算する手法です。実際の運行トラックの積載状況(スカスカか、満載か)を算定に加味できるため、単なる走行距離ベースや平均的な業界原単位よりも実態に即した高精度なCO2削減努力(混載化や大型化などの改善効果)が直接、算定数値として現れるメリットがあります。
システム導入後の解約条件や最低契約期間などの制約はありますか?
公式サイトや一般向け公開資料には、最低契約期間、違約金の有無、解約における数ヶ月前予告などの条件は一切明示されていません。これらはSaaSの利用契約条件として、企業の規模やカスタマイズ度合いなどにより個別設定される可能性があるため、商談・見積もり時に直接ご確認ください。

参照・出典

他のCO2排出量管理システムと比較する

EcoLogiPortalの特徴を含むCO2排出量・カーボン管理の12製品を、料金・機能・対象規模で比較できます。

CO2排出量管理システム比較12選