SustainaLinkとは?国際規格に対応した物流GHG排出量の精緻な算定機能と導入メリットを解説

物流が抱える環境・労働力等のリスクに対応するソリューションで、国際輸送を含む精緻な物流GHG排出量算定サービスを提供します。ISO14083規格にも対応しています。

料金モデル
要問い合わせ
対象規模
大企業向け
対象業界
物流・倉庫業 製造業 自動車・部品 医薬品・医療

SustainaLinkとは?

SustainaLink(サステナリンク)は、三井倉庫ホールディングス株式会社が提供する、荷主企業やグループ企業のサプライチェーンが抱える環境・労働力・災害(BCP)の3大リスクに対応し、持続可能な物流網の構築を総合的に支援するソリューションです。物流の知見と実績を活かした精緻な物流GHG排出量算定に加え、実際の物流オペレーションを通じた排出削減やレジリエンス向上までを一気通貫で提供します。国際的な業界ガイドライン「GLEC Framework」や、物流CO2排出量に関する国際規格「ISO14083:2023」にも準拠しており、国内外におよぶ広範な物流データを正確に評価・管理したい企業の課題を解決します。

主な機能・特徴

SustainaLinkは、単なる可視化ツールに留まらず、物流専業企業ならではの「実行力」を伴う多様な機能を備えています。主に以下の5つの特徴的な機能や支援体制を有しています。

  • CO2排出量一括算定サービス「MS CO2 Analyzer」
    顧客から提供された物流データ(輸送重量、輸送モード、発着地など)をもとに、高精度かつ詳細なCO2排出量を一括で算定するサービスです。算定にあたって顧客側に高度な事前知識やデータの前処理が求められないため、導入初期の現場への工数負荷を抑えながら迅速に算定を開始できる特徴があります。
  • 簡易算定ツール「MS CO2 Navigator」(特許取得技術)
    ウェブブラウザ上で国内外の輸送に伴うCO2排出量を無料で簡易算定できるツールです。入力情報を「貨物重量」「輸送手段」「出発/到着地」の3点に限定し、サジェスト機能や直感的な地図選択機能を備えることで専門知識がなくても容易に扱えます。異なる輸送モードを切り替えて結果を即座に比較できるため、輸送ルート選定のシミュレーションにも適しています。
  • 物流分野の国際規格・ガイドラインへの準拠
    CDP(カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト)やSBT(Science Based Targets)などのイニシアチブから推奨されるグローバル業界ガイドライン「GLEC Framework」および、国際規格「ISO14083:2023」が求める算定プロセスに準拠しています。これにより、海外調達や国際一貫輸送といったグローバルなScope3算定においても、非財務情報開示の信頼性を担保することが可能です。
  • 物流に潜む「環境」「労働力」「災害」の3大リスク分析
    カーボンニュートラルへの対応を目的とした「環境リスク」だけでなく、少子高齢化や物流2024年問題に伴うドライバー・現場スタッフの「労働力リスク」、自然災害などの激甚化に伴う「災害リスク(BCP)」の3つの切り口から、現状の物流網の脆弱性を包括的に分析する機能を持ちます。
  • 実務に根ざした「改善策」の提案・実行力
    算定結果をもとにしたボトルネックの特定に留まらず、モーダルシフト、共同配送、ミルクラン、コンテナラウンドユース、インランドコンテナデポ(ICD)の活用、倉庫拠点の最適配置など、実際の物理的な物流網を変更・構築する施策までを提案し、三井倉庫グループのアセットを活かして直接実行までサポートします。

こんな企業・現場に向いている/向いていない

【向いている企業・現場】

  • 国際輸送を含む広範なサプライチェーンを持つ大企業・グループ企業
    海運や航空など、国境をまたぐ複雑な輸送ルートのCO2排出量を国際的な基準(ISO14083など)で精緻に算定し、有価証券報告書や国際NGOへのレポートに活用したい企業に適しています。
  • 可視化されたデータをもとに、具体的な物流オペレーションの改善を実行したい現場
    単にCO2の数字を可視化するだけでなく、「どの輸送レーンをモーダルシフトすべきか」「どこの中継拠点を強化すべきか」といった、物理的な物流構造そのものの再設計やドライバーの負荷軽減までをワンストップで進めたい物流・SCM部門に向いています。
  • 物流データの整理や前処理、算定ノウハウが社内に不足している企業
    実務上の伝票データには、港での乗換地や暗黙知となる拠点情報など、単純なシステム処理では正確に判別しにくい要素が含まれるケースがあります。SustainaLinkでは専門チームがデータのクレンジングや補完を行うため、リソースを抑えて高品質な非財務情報の開示を進めたい担当者にとって有力な選択肢となります。

【向いていない企業・現場】

  • 自社完結型のクラウドSaaS上で、すべてをセルフ運用したい企業
    SustainaLink(MS CO2 Analyzer)は、三井倉庫側の専門スタッフがデータ提供を受けて一括詳細算定を行う受託型の要素を内包するサービスです。全社で導入したSaaSシステムの画面上で、担当者がデータを直接リアルタイムに入力・連携して完全に自動管理・自動算定を完結させたい場合は、別のクラウド完結型ツールを検討した方がよいでしょう。
  • 国内における一部の特定ルート輸送のみで、物流体制が固定化されている小規模企業
    国際輸送や多様な物流アセットを駆使したモーダルシフト、あるいは複雑なScope3カテゴリ4・9等の算定を必要としない場合、SustainaLinkが持つ強みを十分に活かしきれない可能性があります。こうしたケースでは、シンプルな国内物流向けCO2算定機能に特化した軽量なツールの方がコストや手間の観点で適している場合があります。

料金・プラン・導入方法

SustainaLinkの「MS CO2 Analyzer」による詳細・一括算定や、それに伴う物流リスク削減サービスの料金モデルは、顧客ごとの輸送ボリュームや対象範囲、改善プロジェクトの規模に応じた個別見積もりとなっており、要問い合わせです。見積もり時や検討時には、以下のポイントを確認することが推奨されます。

  • 課金対象・算定単位:算定対象となる「拠点数」や「輸送データ件数(トランザクション数)」、あるいは「対象企業数(グループ企業・サプライヤー数)」のいずれに基づいてコストが設計されるか。
  • 初期費用と月次(またはプロジェクト単位)運用の内訳:初期の物流データのクレンジングおよび算定基盤の構築にかかる初期費用と、定期報告(月次、四半期、年次等)に向けた算定サービスにかかる継続費用。
  • 物流改善コンサルティング費用の有無:CO2削減に向けた実際の物流オペレーション変更提案(モーダルシフトや共同配送計画など)にかかる支援が、基本プランに含まれるか、オプション扱いとなるか。

なお、ウェブ上で提供されている国内外の輸送に関する簡易算定ツール「MS CO2 Navigator」は、アカウントを作成することで誰でも無料で利用が可能です。

導入の流れ・期間

SustainaLinkの一括・詳細算定サービスを導入する場合、以下の流れで進みます。具体的な全体の導入期間は、輸送データの規模やクレンジングの難易度によるため要問い合わせとなっています。

  1. お問い合わせ・ご相談
    公式サイトの問い合わせ窓口から、現在の課題(CO2算定の国際対応、削減施策、非財務情報の開示など)を入力して相談を行います。
  2. 無料算定トライアル・ヒアリング
    MS CO2 Analyzerの無料トライアルを活用可能です。顧客から提示されたサンプル物流データをもとに、専門スタッフが要件をヒアリングし、初回限定で実際にCO2排出量の算出を行います。これにより、自社データからどのような形式で分析結果が出力されるかを確認できます。
  3. 見積もり・ご提案
    トライアルの結果や、算定の対象とするサプライチェーンの範囲、具体的な改善提案を求めるかどうかなどの要件に基づき、個別契約の条件と見積もりが提示されます。
  4. 本契約・初期設定(データ提供体制の構築)
    契約合意後、本格的な算定に向けたデータのやり取り手順(提供フォーマットや頻度)を設定します。
  5. データ抽出・クレンジング・一括算定の開始
    顧客企業から物流データを提供し、SustainaLinkチームが「港・路線の自動補完」を含む独自のクレンジングを施しながら正確なCO2排出量を算出・分析します。
  6. 改善フェーズ(随時対応)
    算定されたボトルネックを元に、モーダルシフト、共同配送、あるいは物流拠点の見直しといった、実質的な削減施策の実施へと移ります。

連携できるシステム・機器

SustainaLinkとWMS(倉庫管理システム)、TMS(配送管理システム)、基幹システム等との自動データ連携(API連携)に関する公式情報は、現時点で確認されていません。連携要件がある場合は、問い合わせ時に三井倉庫グループ担当者へ確認してください。現状では、顧客企業側がシステムからCSVなどの形式でエクスポートした輸送実績情報(重量、モード、発着地等)を同サービスに引き渡すことで、データクレンジング・一括算定が行われる形が一般的です。

導入事例・実績

SustainaLinkは、多様な業界における大企業の非財務開示や、実際の物流改善において以下のような導入実績を有しています。

  • フォスター電機株式会社様(音響機器製造・販売)
    グローバルな温室効果ガス(GHG)排出削減に取り組む中で、排出量の算定作業に関わる負荷や、国際的に算出されたデータの「妥当性」の担保に課題を抱えていました。SustainaLinkの導入により、業務効率化と国際基準(ISO14083:2023等)に則った確実な算定・データ提供体制の構築を両立させています。
  • 大手メーカー F社様
    有価証券報告書におけるサステナビリティに関する高度な情報開示を進めるにあたり導入。従来、輸送コストをベースにした簡易的な「料金法」を用いていたため、正確性に限界を感じていました。同サービスが提供する「MS CO2 Analyzer」の活用により、客観的かつ正確、迅速な開示データを作成できる環境を整備しました。
  • 建設機械メーカー E社様
    物流CO2の削減と、長距離トラックドライバーの負担軽減(労働力リスク対応)を目的として導入。内航船を用いた乗り継ぎ輸送による「モーダルシフト」への移行を三井倉庫グループとの協働により実現し、特殊な貨物特性を持つ建設機械においても効率的な長距離輸送を実現しました。
  • 音響機器製造業 D社様
    サステナブルな部品物流の構築に向け、国際一貫物流スキームの見直しを実施。サプライチェーンの再構築を通じて自動車部品の輸送を効率化し、CO2排出量および物流コストの双方を削減しました。
  • 化学品メーカー B社様 / 自動車メーカー C社様
    工場から輸出用港湾への輸送効率化に向け、インランドコンテナデポ(ICD:内陸輸送中継地)を共同活用するスキームを構築。これにより、CO2排出量の削減とトラックドライバーの拘束時間を大幅に短縮する効果を得ています。
  • 清涼飲料の製造・販売業 A社様
    持続可能な原材料調達物流を目指し、製造工場の近くに「門前倉庫」を設置する体制へ物流構造を刷新。原材料のジャストインタイム配送と、そこに至るトラック輸送の効率化によって、調達時におけるCO2排出量の可視化と削減に寄与しました。

導入前に知っておきたいこと

SustainaLinkの検討に際しては、以下の仕様や運用の実務に関する側面を事前に理解しておく必要があります。

  • 「ユーザーからの評価・課題報告について」
    現時点では、Web上およびSNS上で一般に公開されたユーザーからの不満、システム不具合といった具体的な課題報告や、否定的な口コミは確認できていません。
  • 「データの準備・クレンジング作業に関する役割」
    MS CO2 Analyzerによる精緻な一括算定を行う場合、自社で蓄積された複雑な物流データを抽出して提供する必要があります。三井倉庫側で「東京-シカゴ等の港補完」といった物流の専門知識に基づいたクレンジング処理を代行してくれる強みはあるものの、元となる基幹システム等からの正確な実績データの抽出・取りまとめ作業には、初期段階で自社担当者の工数が一定程度かかることを考慮しておくべきです。
  • 「簡易算定ツールと一括詳細算定サービスの位置づけの違い」
    無料で公開されている簡易算定ツール「MS CO2 Navigator」は、入力工数を下げるために項目を「重量・手段・発着地」の3点に敢えて絞り込んだ設計となっています。そのため、企業としてのサプライチェーン全体のScope3カテゴリ4・9を漏れなく網羅し、定期的な非財務監査に耐えうる詳細な算定結果レポートをシステム的に維持するには、有償の個別一括詳細サービス(MS CO2 Analyzer)の利用が実質的に必須となる点に留意してください。

類似ツールとの比較

物流CO2排出量の算定・削減や、サプライチェーンのサステナビリティ向上を目的とした類似サービスと、SustainaLinkの比較です。

ツール名 特徴 料金 向いている企業
SustainaLink(三井倉庫HD) 物流専業ならではの精緻なデータクレンジングと、モーダルシフト等の「実際の物理的物流改善・実行」まで一気通貫で提供。 要問い合わせ(無料簡易版および無料トライアルあり) 国際輸送が豊富で精緻に算定したい企業、物流インフラそのものの実質的な見直し・削減を望む大企業
ASUENE(アスエネ) 企業全体のScope1〜3の排出量を自動で算定・可視化するクラウド。調達先からエネルギー消費まで幅広くカバー。 要問い合わせ 全社的なGHG算定・管理を手軽にクラウド上で行いたい企業、削減計画全体の支援を求める企業
Zeroboard(ゼロボード) GHG排出量算定を支援するクラウド。物流部門の可視化強化や、大手物流事業者と連携した算定に注力。 要問い合わせ サプライチェーン全体や自社の各拠点データを、クラウド上でシームレスに一元管理したい企業
e-dash(e-dash) 電気や燃料などの請求書をアップロードするだけで手軽に自動算定。製品単位(CFP)の算定や物流Scope3にも対応。 要問い合わせ データ集計の工数を最小限に抑え、手軽に算定フローをスタート・維持したい企業

【判断の基準】

物流(国内外の輸送・保管・梱包等)に特化した最高精度の算定を行いたい、かつ算定した結果から実際の物理的なモーダルシフトや中継拠点の再設計などの「物流オペレーション改善自体」を同じベンダーに実行してほしい場合は、物流大手として豊富な輸送インフラや改善ノウハウを有する三井倉庫グループのSustainaLinkが有力な選択肢となります。

一方で、物流分野に特化した物理的アセットの変更までは求めておらず、まずは企業活動全体の「Scope1・2およびサプライチェーン(Scope3)全体の排出量」を、各種の請求書スキャンやエネルギー消費データ連携をベースにクラウド上で効率的かつセルフで管理したい場合には、ASUENEe-dashなどのクラウド完結型SaaSの利用を検討する方が、運用スタイルや全社的な開示の目的に適している可能性があります。

よくある質問(FAQ)

簡易ツール(MS CO2 Navigator)の無料利用には何か制限はありますか?
ウェブブラウザ上で無料で使用できますが、入力項目が「貨物重量」「輸送モード」「出発/到着地」に限定されており、特定の単発の輸送ルートにおけるシミュレーション向けの仕様となっています。企業として大量の輸送データから一括で長期間・高精度な算定を行いたい場合は、有償の詳細算定サービス「MS CO2 Analyzer」の検討を推奨します。
無料のデモや、お試し算定のような制度はありますか?
はい、CO2排出量一括算定サービス「MS CO2 Analyzer」において「無料算定トライアル」が提供されています。自社で保有している物流データを一部提供することで、初回に限り無料でCO2排出量を算出し、どのようなレポートや分析が得られるかを確認できます。
スマートフォン用の専用アプリはありますか?
SustainaLinkをスマートフォンから操作するための専用のモバイルアプリの存在は、公式には確認されていません。簡易算定ツール「MS CO2 Navigator」などは、一般的なPCやスマートフォンのウェブブラウザからアクセスして利用するWeb型ツールです。
自社の物流業務を三井倉庫以外の会社に委託している場合でも、算定や改善支援を依頼できますか?
はい、対応可能です。SustainaLinkは、他社に物流を委託している荷主企業への導入事例も豊富です。提供された実績データをもとに算定を行い、物流網のボトルネックを評価した上で、中立的な削減施策や新たなモーダルシフト航路等の提案を受けることができます。
導入までの平均的な期間や契約条件(契約年数など)はどうなっていますか?
公式には一律の導入期間や最低契約期間、料金プラン等の基本条件は開示されていません。提供される物流データの形式(クレンジングの必要性)や算定する範囲に応じて個別の要件定義および見積もりとなるため、要問い合わせとなっています。
連携できるWMS(倉庫システム)やAPI情報は公開されていますか?
公式サイトやプレスリリースにおいて、標準連携可能な特定のWMS/TMSの銘柄や、公開されているAPI仕様の詳細は確認されていません。詳細なシステム連携が必要な場合は、問い合わせ時に三井倉庫グループに要件を相談する必要があります。

参照・出典

他のCO2排出量管理システムと比較する

SustainaLinkの特徴を含むCO2排出量・カーボン管理の12製品を、料金・機能・対象規模で比較できます。

CO2排出量管理システム比較12選