CAMOTSUとは?輸送事業者と荷主間でCO2排出量を算定・可視化し定期報告書の作成を支援するクラウド

輸送事業者と荷主間でCO2排出量の算定結果を共有・可視化するクラウド型マネジメントサービス。改正物流効率化法や特定荷主の定期報告書の作成支援に特化しています。

公式サイト
https://added.co.jp
料金モデル
SaaS(月額)
対象規模
中堅〜大手向け
対象業界
物流・倉庫業 製造業 小売・卸売業

CAMOTSUとは?

CAMOTSU(カモツ)は、改正物流効率化法への対応やScope 3(カテゴリー4・9)の算定に課題を抱える荷主企業と、輸送データの集計・報告業務の効率化を目指す輸送事業者の双方に向け、物流由来のCO2排出量を自動で算定・可視化・共有できるクラウド型マネジメントサービスです。2025年11月に株式会社Addedから株式会社ゼロボードへ事業譲受され、同社の「Zeroboard」サービス群に統合されました。特許取得済みの企業間データ共有技術や、省エネ法に基づく特定荷主向けの定期報告書自動作成機能を備えており、信頼性の高い環境データマネジメントを効率的に実現します。

主な機能・特徴

  • 輸送実績データとの連携によるCO2自動計算機能

    輸送事業者が保有する既存の基幹システムや配車支援システム(TMS)などから、輸送ルート、輸送距離、積載重量、燃料使用量などの実績データをCSV等の形式で取り込むことで、CO2排出量を自動的に算出します。従来、多くの事業者が手作業で行っていたExcelへのデータ転記や実績計算の工数を削減し、転記ミスや計算ミスのリスクを大幅に低減します。

  • 特許技術に基づく精緻な排出量分析(特許第7203470号)

    自社の輸送実績データをベースに、発注主(取引先荷主)ごと、商品(荷物)単位ごと、および発着地(輸送ルート)ごとといった非常に細かい粒度で、エネルギー使用量およびCO2排出量を切り分けて自動算定できる特許技術を搭載しています。他社共有に関しても特許を取得しており、各取引先に適したデータを正確に抽出し、企業間での環境マネジメント連携に活用可能です。

  • 政府機関向け定期報告書の自動作成支援

    経済産業省が定める省エネ法(エネルギーの使用の合理化等に関する法律)に基づき、特定荷主や特定輸送事業者が毎年提出する必要がある「定期報告書」を自動で作成する機能を備えています。省エネ法で規定されているすべての算定方法(トンキロ法、燃料法、燃費法)に対応しており、システムで算出した結果を記入項目へ自動入力するため、報告書作成業務を大幅に省力化できます。政府の「EEGS(エネルギー等排出量管理システム)」への連携にも対応しています。

  • サプライチェーン上の企業間データ共有機能

    輸送事業者が算定した実データを、CAMOTSUのクラウドダッシュボードを通じて連携している複数の荷主(外部企業)へシームレスに共有できます。荷主側は自社専用の画面から、輸送事業者から直接連携されたルート単位や商品単位での排出量算定結果をリアルタイムに閲覧することが可能です。メールやExcelを用いた事業者間でのデータ収集にかかるコミュニケーションコストを削減し、Scope 3カテゴリー4および9の管理フローを劇的に効率化します。

  • 第三者機関によるISO14065妥当性評価の取得

    企業間の輸送に関するエネルギーおよびCO2排出量算定システムとして、ISO14065に基づいたGHG排出量第三者検証機関から、GHG算定ルールに基づく妥当性評価(限定的保証)を取得しています。システムから算出されたデータは客観的な信頼性が第三者により担保されているため、対外的なサステナビリティ情報の開示や、各種サステナビリティ開示基準に沿った法定監査などにも耐えうるデータとして安心して利用できます。

こんな企業・現場に向いている/向いていない

【向いている企業・現場】

  • 改正物流効率化法や省エネ法の定期報告義務がある中堅〜大手の荷主・輸送事業者

    改正物流効率化法の施行に伴い、CO2排出量の定期的なデータ管理や削減努力が義務化されている特定荷主や特定輸送事業者に最適です。年間を通じて提出しなければならない行政向けの各種定期報告書(省エネ法等)の作成にかかる手間を数秒にまで短縮し、業務の効率化を図りたい現場に向いています。

  • 複数の輸送事業者を委託先として抱え、Scope 3データの収集に限界を感じている荷主

    サプライチェーン上の間接排出(Scope 3 カテゴリー4・9)の割合が高く、委託先事業者からのデータ回収作業がバラバラでデータ精度にばらつきが生じている企業の担当者に適しています。取引先の輸送事業者にCAMOTSUを導入してもらうことで、プラットフォーム経由で自動的に信頼性の高い一次データを共有・合算して受け取りたい現場に推奨されます。

  • 商品ごとやルートごとの詳細なCO2削減シミュレーションを行いたい企業

    大まかな概算値ではなく、特許技術を活かした商品単位や配送ルート単位の精緻な排出量データを基に、モーダルシフトや車両のEV・水素化といった具体的な削減施策の効果シミュレーションを行い、環境マネジメントを本格化したい企業に向いています。

【向いていない企業・現場】

  • 輸送実績や配車計画の管理を、紙の伝票やExcelでの完全手入力といったアナログ運用で行っている小規模な事業者

    CAMOTSUは、基幹システムや配車支援システム(TMS)などの保有するデジタルデータとシステム連携させることで、自動化・省力化のメリットを最大化するツールです。社内の情報システム環境やデータ管理体制が整っておらず、すべてを手作業で取り込む必要がある環境では、導入しても作業負担が軽減しにくい可能性があります。まずは配車管理や運行情報のデジタル化(DX)から優先して進めるべきです。

  • 取引先との連携ニーズがなく、自社のScope 1・2の簡易算定のみを安価に行いたい企業

    CAMOTSUは輸送事業者と複数の外部荷主(またはその逆)を巻き込んだ、サプライチェーン間のデータ連携や詳細な個別算定に大きな強みを持っています。自社単体の活動(自社車両の燃料代やオフィス・倉庫の電気代)のみを簡易的に把握することが目的で、他社連携や高度なルート別算定が不要な場合、本システムは機能過多となる可能性が高いです。そのような場合は、初期費用ゼロや拠点数に応じた簡易算定に特化した他社の安価なプランや、無料の簡易算定システムを検討したほうが適しています。

料金・プラン・導入方法

CAMOTSUの具体的な初期費用、基本料、月額利用料といった価格プランは公式には公開されていません。基本的にはSaaS(月額課金)モデルとなっており、個別に見積もりを依頼する「要問い合わせ」となっています。

ただし、旧提供元である株式会社Addedの案内によれば、導入前の検討段階においては「そもそもなぜ排出量の集計が必要なのか」といった漠然とした前提知識の相談や、導入企業の物流体制・蓄積された既存データに応じたCAMOTSUの活用方法の提案、導入までの流れ全体のすり合わせなどを無償でサポートするとしています。企業ごとに課題を議論・整理したうえで、最も適切なプランや費用が提示される仕組みです。

導入を検討する際や、見積もりを依頼するにあたって確認すべき具体的な実務ポイントは以下の通りです。

  • データ連携にかかる初期カスタマイズ費用の有無:自社で現在運用している基幹システムや配車支援システム(TMS)の仕様(CSVのフォーマット形式等)とCAMOTSUを接続するための初期設定・開発費用の要否。
  • 月額費用の決定ロジック:利用するIDアカウント数に依存するのか、接続する輸送事業者(協力会社)や共有先の荷主数、あるいは処理する輸送実績データのレコード件数に依存する課金形態か。
  • 最低契約期間と解約の条件:契約における最低利用期間の設定の有無(一般的には1年単位の契約が多い)および中途解約時のルール。
  • サポートの範囲:利用時の操作トレーニングやマニュアルの提供、取引先(荷主や下請け運送会社)への説明・データ連携依頼を支援するサポートプランが料金に含まれるか、または別料金か。

導入の流れ・期間

CAMOTSUの具体的な導入スケジュール(例:〇ヶ月で稼働など)や、独自のステップについて公式情報は開示されていません。そのため、一般的な物流特化型CO2算定SaaSの導入フローに基づいて以下のように進められるものと考えられます。具体的な所要期間はシステム連携の規模によって変動するため、要問い合わせとなります。

  1. 問い合わせ・課題整理(無償サポート対応)

    問い合わせフォームより相談を行い、現在の社内物流体制、省エネ法や改正物流効率化法等の法対応要件、現在のシステムに蓄積されているデータの形式を確認し、導入の目的を整理します。

  2. デモ画面による動作確認

    CAMOTSUの実際のデモ画面やダッシュボードを確認し、どのように輸送データが取り込まれ、荷主間でどのようにデータが共有されるのか、具体的なシステム上の運用手順を確認します。

  3. 要件定義・システム接続の検討

    自社あるいは輸送事業者が保有している実績データの項目(配送ルート、積載重量、走行距離、車両種別など)を抽出し、CSV取り込みなどのシステムデータ連携がスムーズに行えるかの技術的な接続検証を行います。

  4. プラン選定・見積もりと契約

    システム連携の難易度や運用規模に合わせて決定されたプランの見積もりが提示され、合意に至った段階で正式な利用契約(SaaSライセンス契約)を締結します。

  5. 初期設定・データインポートテスト

    マスタデータ(拠点情報、車両情報、連携先取引先情報など)の初期登録や、基幹システム等とのデータ連携テストを行います。テストデータをCAMOTSUに取り込み、省エネ法の算定ルール等に則って正しく排出量が自動算出・反映されるかを確認します。

  6. 本稼働・実運用開始

    実際の輸送データを取り込み、継続的なCO2排出量の自動算出、荷主側へのリアルタイム共有、EEGSなどと連携させた定期報告書自動作成機能の利用を開始します。

連携できるシステム・機器

CAMOTSUが公式に連携・自動連携が可能であると明記しているシステムおよび政府機関システムは以下の通りです。

  • 輸送事業者の基幹システム / 配車支援システム(TMS): 輸送実績データ(距離、重量、燃費等)を自動計算処理させるため、各社のシステムとデータ連携が可能です。
  • EEGS(エネルギー等排出量管理システム): 省エネ法における特定荷主や特定輸送事業者が、毎年国へ提出する必要がある定期報告データをスムーズに送信・反映できるよう、EEGS連携への対応を行っています。

※なお、WMS(倉庫管理システム)などの具体的な個別他社パッケージ名や、詳細なAPIの技術仕様、ハンディターミナルをはじめとする現場端末機器などとの自動連携に関する情報は、公式には確認されていません。詳細なシステム連携の要件や要望がある場合は、商談時および問い合わせの段階において個別に確認・相談してください。

導入事例・実績

信頼できる公式情報から、以下の詳細な導入事例が確認できています。

  • SBSホールディングス株式会社(SBSグループ)

    導入時期:2025年3月(発表日:2025年2月28日)

    背景と目的:

    SBSグループは、連結子会社40社以上、国内外に700以上の拠点を抱える国内大手の総合物流グループです。同グループは「サステナビリティ経営基盤の強化」を経営戦略の根幹の一つに位置付け、グループ活動全体での環境負荷低減に取り組んでいました。しかし、M&Aを通じて多様な組織がグループ内に多く存在しており、実務において複雑な組織体系に対応しつつ、効率的にかつ精緻に温室効果ガス(GHG)排出量を算定・管理することが課題となっていました。

    導入ソリューションの構成:

    自社企業全体として開示が求められるサプライチェーン全体の排出量(Scope 1、Scope 2、Scope 3全体の算定・可視化)には、ゼロボード社が提供する「Zeroboard」を導入しました。これに加え、物流事業者(輸送サービス提供者)としての立場から、荷主に対して報告を求められる「輸送における排出量」の精緻な算定とデータ連携(他社共有)を効率化させるために、Added社(当時)が提供する「CAMOTSU」を組み合わせて採用しました。

    導入の効果・評価ポイント:

    グループ各社の多種多様な組織構造を正確に反映・管理できる「Zeroboard」の実務的な組織管理機能を高く評価したこと、そして今後施行を控えていた改正物流効率化法へのスムーズな法対応を見据え、データの集計、算定、さらに荷主側への可視化・共有業務を効率化できる「CAMOTSU」の特許技術および専門知見の有用性が導入決定の決め手となりました。両ツールを包括的に組み合わせることで、荷主に対する報告業務と自社の脱炭素経営を高い水準で両立させています。

※なお、公式プレスリリース等の紹介において、「その他にも物流や電機メーカーなど大手企業への導入実績がある」とされていますが、個別の企業名や具体的な削減数値などの成果情報が詳細に公開されている導入事例は、現時点で上記のSBSホールディングス株式会社のもののみとなっています。

導入前に知っておきたいこと

CAMOTSUの導入企業やユーザーによる具体的なシステム上の不満、使いにくさ、製品への改善要望といった否定的な口コミ評価は、Google検索やSNS(X等)を含めて現在確認されていません。しかし、システムの性質上および導入フェーズにおいて、あらかじめ認識しておくべき実務的な注意点や課題には以下のようなものがあります。

  • 取引先(荷主・下請け)のデータ連携協力が必須となる

    CAMOTSUの最大の強みである「輸送事業者と荷主間でのスムーズなデータ共有」を実務で実現するには、データを提供する側の輸送事業者(およびその下請けの運送会社)や、データを受け取る側の荷主など、関わるステークホルダー全員の協力が必要です。もし、一部の運送事業者がデータの入力・CSV抽出等に非協力的であったり、紙ベースのアナログ管理を頑なに続けたりする場合、正確な一次データの自動算出が困難になります。システム導入の前に、関係各社に対するデータの提供依頼や、運用ルールの合意形成といった調整コストが必要となる点に注意が必要です。

  • 株式会社ゼロボードへの事業譲受に伴う体制確認の必要性

    2025年11月1日に「CAMOTSU」の事業は開発元の株式会社Addedから株式会社ゼロボードへ事業譲受されました。それに伴い、ツールの開発体制、営業窓口、導入サポートやカスタマーサービスの体制がゼロボードに統合されています。今後「Zeroboard」のシステム群との機能的な統合やブランドの一体化、契約プランの変更、将来のサポート内容のアップデートが行われる可能性があります。導入検討の際には、最新のロードマップや現在の契約・サポート体制の変更について必ずベンダーに直接確認することを推奨します。

類似ツールとの比較

物流業界を支援する主なCO2排出量・カーボン管理ツールと、CAMOTSUの比較は以下の通りです。

ツール名 特徴 料金 向いている企業
CAMOTSU 輸送事業者と荷主間のデータ共有に特化。特許技術による商品・ルート別の詳細算定や定期報告書自動作成に強み。 要問い合わせ 特定荷主・輸送事業者の指定があり、取引先と輸送CO2をリアルタイムに共有・効率化したい中堅〜大手企業
Zeroboard サプライチェーン全体(Scope 1〜3)を網羅する算定クラウド。CAMOTSUの事業を統合し、物流算定機能がさらに強化。 初期費用: 0円
Valueプラン: 月額8,000円/拠点(税別)〜
Standardプラン: 月額120,000円〜(税別)
グループ全体の環境データ管理や、グローバルな開示要請(SSBJ・TCFDなど)への対応が必要な企業
ASUENE Scope 1〜3の自動算定だけでなく、モーダルシフトのシミュレーション、再エネ調達、削減施策実行までワンストップ支援。 要問い合わせ CO2排出量の可視化だけでなく、削減ロードマップの構築や再エネ調達などの具体策まで一貫して支援を求める企業
EcoLogiPortal ロジスティード(旧日立物流)による輸配送特化型の可視化システム。3PL現場の知見に基づく詳細な配送ルート・拠点別分析が得意。 要問い合わせ 荷主として自社の輸配送領域(Scope 3 カテゴリー4など)における拠点別の削減比較や、輸送の効率化を詳細に図りたい企業

【条件別の選び方・判断基準】

輸送事業者と荷主の間で、実務に即した排出量データを共有し、法令報告業務を最大効率化したいなら「CAMOTSU」が第一の選択肢
CAMOTSUは、輸送実績から「どの荷主に、どの商品を運んだ際の実績か」を特許取得の技術により切り分け、接続された荷主へダイレクトにデータを提供する仕組みを備えています。省エネ法で特定荷主に指定されており、各種定期報告書の自動作成(数秒での出力)や、輸送会社とのデータやり取りのやり直しをなくすなど、物流取引におけるデータ連携の手間を極限まで減らしたいと考える企業には、非常に親和性が高いツールです。

企業としてグローバルなサステナビリティ開示要請に対応し、サプライチェーン全域のScope 1〜3を一元管理したいなら「Zeroboard」や「ASUENE」を検討
企業全体(自社オフィスの電力消費、工場での原材料消費、その他のサプライヤーのScope 3など)の算定が主目的であり、SSBJ開示基準や国際的な情報開示の認証取得を目指す場合は、物流だけでなく全体の自動算定に強みを持つ「Zeroboard」や「ASUENE」が向いています。現在「CAMOTSU」の物流算定機能はゼロボードに統合されているため、企業全体の算定と物流データの精緻な収集を一度にカバーしたい場合は、まず「Zeroboard」を問い合わせて物流特化機能について相談するのが確実なルートとなります。

3PLとしての実務的な知見を基に、より配送効率の向上や拠点の比較分析、詳細な輸送改善シミュレーションを行いたいなら「EcoLogiPortal」も候補
EcoLogiPortalはロジスティード(旧日立物流)が自社の膨大な物流現場の運営ノウハウを詰め込んで開発されたシステムです。輸送モード別や拠点別の詳細なパフォーマンスを比較・可視化することに優れています。単なる法令対応としての算定データ共有を超えて、自社主導のロジスティクスにおける配送カイゼンや輸配送最適化プランをより具体化したいと考えている荷主企業や物流会社には、有力な比較候補となります。

よくある質問(FAQ)

スマートフォンでの操作や、専用のアプリは提供されていますか?
CAMOTSUはクラウド(SaaS)サービスであり、基本的にはPCブラウザを利用してデータ連携やダッシュボードの確認を行います。スマートフォン用の専用アプリが提供されているか、またタブレット等モバイル環境での推奨環境については公式サイトで確認されていません。詳細な対応端末については事前に問い合わせを行うことを推奨します。
導入前に無料のトライアルやデモ体験をすることは可能ですか?
導入前の段階では、実際のダッシュボード画面や設定プロセスを確認できる「デモ」を無償で受けることができます [2.4

他のCO2排出量管理システムと比較する

CAMOTSUの特徴を含むCO2排出量・カーボン管理の12製品を、料金・機能・対象規模で比較できます。

CO2排出量管理システム比較12選