Susportとは?
Susport(サスポート)は、ECサイトや物流管理システム、予約サービスなどの自社プラットフォームにCO2排出量の算定とカーボンオフセット(相殺)機能を組み込めるAPI・クラウドサービスです。Sustineri株式会社が提供しており、1件ごとの配送や取引データと連携してリアルタイムに温室効果ガス(GHG)排出量を算定し、カーボンクレジットの購入・相殺までをワンプロダクトで完結させます。自社口座なしで小口からクレジットを活用できる仕組みを備え、環境配慮型サービスの構築やサステナビリティ開示の工数削減を支援します。
主な機能
排出量算定・データ連携機能
- API連携による取引・配送単位の自動算定
ECプラットフォームや配車管理・予約システムとAPIで接続し、注文・配送・移動データに基づいたGHG排出量をリアルタイムに自動算定します。都度の手作業による集計や排出係数の割り当て作業が不要になり、取引完了と同時に環境負荷データを取得できます。 - 活動量入力に基づくサプライチェーン排出量可視化
Scope1、Scope2、Scope3の各カテゴリに対応し、拠点ごとの燃料使用量や電力使用量、物流委託量などの活動量を入力するだけで排出量を可視化します。排出係数の更新や計算ロジックの管理をシステム側で担保するため、専門知識が少ない担当者でも算定業務を進められます。 - 外部帳票・積算データの読み取り
建設資材や工事関連の領域(Susport 建設など)では、見積書や各種帳票データをアップロードすることで、自然言語処理により項目を判別して排出原単位を自動で割り当てます。既存の業務フローや帳票フォーマットを大幅に変更することなく、案件単位の排出量を把握できます。
カーボンオフセット・クレジット調達機能
- 小口・端数対応のクレジット即時購入
J-クレジットや国際的なボランタリークレジット(Gold Standard、VCSなど)、グリーン電力証書などを0.1kg-CO2e単位などの小口から購入・割り当てできます。通常は大量取引が必要となるクレジット調達を、1回の配送や1つの商品単位といった極小ロットでも無駄なく相殺処理に充当できます。 - クレジット管理口座の不要化
J-クレジットの利用にあたり、自社で専用のクレジット管理口座を開設・維持する必要がありません。口座開設に伴う審査期間や管理手続きの負担を省き、導入後すぐにカーボンオフセット施策を実行に移せます。 - プロジェクト選択・検索フィルター
地域(都道府県や地方)や創出プロジェクトの種類(森林保全、再生可能エネルギー、省エネルギー設備など)を指定してクレジットを選択できます。「自社の配送エリア内の森林保全プロジェクトを活用する」など、事業特性や地域貢献の目的に沿ったクレジットの選定が可能です。
証明・レポーティング機能
- カーボンオフセット証明書の自動発行
オフセット完了後、相殺実績を証明する公式フォーマットの証明書(PDF)を即座にダウンロードできます。顧客や荷主の企業名を記載した証明書の発行にも対応しており、取引先への提出書類や環境貢献の証明として活用できます。 - 多言語(英語)レポート出力
国際的なサプライチェーンや海外取引先への開示を想定し、英語表記での証明書やレポート出力に対応しています。グローバル基準での情報開示や、外資系荷主からの環境データ提出要請に対しても迅速に対応できます。 - 開示用データのダッシュボード表示
算定された総排出量、オフセット済みの排出量、残余排出量などの推移をダッシュボード上で視覚的に集計・表示します。統合報告書やサステナビリティレポート、コーポレートサイトでのPRシナリオにそのまま活用できるデータ集計を支援します。
こんな企業・現場に向いている/向いていない
向いている企業・現場
荷主やエンドユーザーに環境配慮型の配送・購買選択肢を提示したい企業
- 配送1件ごとの環境負荷を顧客に示せず他社との差別化が難しい
SusportのAPIをECカートや配車・注文システムに組み込むことで、注文確定時に配送に伴うCO2排出量を自動表示できます。顧客が購入や配送の段階で環境負荷を把握できるようになり、環境意識の高い消費者や取引先への訴求力向上につながります。 - 小規模な取引単位でカーボンクレジットを相殺処理する実務基盤がない
0.1kg単位の小口からクレジットを即時購入・充当できる仕様により、商品1個の発送や1回のチャーター便ごとに相殺を完結させられます。自社で口座を開設して大口取引を行う手間とコストをかけずに、環境付加価値付き配送サービスを立ち上げられます。 - オフセット実績を荷主や顧客へ迅速にエビデンス提示したい
相殺完了後に顧客名義のカーボンオフセット証明書を自動発行できるため、都度発生する証明書作成の事務工数を削減できます。荷主企業のESG調達基準や環境報告書の添付資料として提出可能なエビデンスを即座に提供できます。
多様なプロジェクトから地域密着・テーマ別のクレジットを選定したい企業
- 一般的なクレジット購入では自社の事業拠点や配送地域への貢献が伝わりにくい
国内各地のJ-クレジットや森林保全プロジェクトがデータベース化されており、自社の営業エリアや配送網に合致した地域のクレジットを指定して購入できます。地域社会への環境貢献を明確にしたサステナビリティ活動を展開できます。 - 脱炭素の専門ノウハウがなくオフセットの実施基準やPR設計に不安がある
エキスパートによる伴走支援やPRシナリオ構築のサポートが提供されるため、適切な算定ガイドラインに沿ったオフセット施策を推進できます。環境訴求におけるグリーンウォッシュのリスクを回避しながら、対外開示を進められます。
向いていない企業・現場
全社的なサプライチェーン全体の網羅的排出量可視化のみを目的とする企業
- 自社システムへのAPI組み込みや取引単位のオフセットを想定していない場合
Susportは取引・配送単位の自動算定やカーボンクレジットによる相殺機能に強みを持つため、企業全体のScope1〜3の年次集計や一次データ収集の効率化だけを目的にする場合は機能過多となる可能性があります。年次報告書の作成やサプライチェーン全体の可視化に特化したい場合は、ASUENEやe-dashなどの企業単位算定ツールの利用を検討した方が適しているケースがあります。
システム連携を行わず紙やExcelの手動集計だけで完結させたい小規模拠点
- API連携やクラウド運用の開発リソースを割けない場合
基幹システムやECサイトとのAPI連携を伴う高度な自動化を前提とする場合、初期のシステム開発や接続設定が必要となります。API連携を行わず、年数回の定期報告書向けにトラックの燃料データなどを単発で手集計する用途であれば、輸送事業者と荷主間の連携に特化したCAMOTSUや簡易な算定支援ツールの活用が選択肢となります。
類似ツールとの比較
| ツール名 | 特徴 | 料金 | 向いている企業 |
|---|---|---|---|
| Susport(Sustineri株式会社) | 自社サービスに組み込めるAPIを提供。取引・配送単位のCO2自動算定から小口クレジット購入・相殺、証明書発行まで完結。 | 要問い合わせ(月額課金・従量課金) | ECや物流、モビリティサービスで1件ごとの排出量可視化・オフセットを提供したい企業 |
| ASUENE | Scope1-3の網羅的算定クラウド。サプライチェーン連携や削減コンサルティングに強み。 | 要問い合わせ(基本料金+拠点数等) | 企業全体の脱炭素経営推進やサプライヤーからの一次データ収集を網羅したい企業 |
| Zeroboard | 国際基準準拠のGHG算定。物流特化機能や製品単位CFP算定に対応し大手連携実績多数。 | 要問い合わせ | グローバル基準の開示や製品単位CFP、物流Scope3の精密算定を目指す中堅・大手企業 |
| CAMOTSU | 荷主と輸送事業者間のCO2データ共有に特化。改正物効法や特定荷主の定期報告書作成を支援。 | 要問い合わせ | トラック運送事業者とのデータ連携や法定義務に基づく定期報告書作成を効率化したい荷主・物流事業者 |
取引や配送ごとにCO2排出量をリアルタイム算定し、カーボンクレジットによる相殺機能までを自社サービスやECサイトに実装したい場合は、API連携と小口クレジット調達に強みを持つSusportが有力な候補となります。自社口座なしで1t未満の端数からオフセットを実行できる点は、エンドユーザー向けや荷主向けの付加価値サービス構築において大きな強みです。
一方で、自社グループやサプライチェーン全体の年次GHG排出量を網羅的に集計し、CDPやTCFDなどの国際フレームワークに基づく情報開示を行いたい場合は、ASUENEやZeroboardなどの全社算定型SaaSが適しています。また、物流効率化法に基づく定期報告書の作成や、輸送事業者との運行データ共有を主目的とする場合は、物流実務に特化したCAMOTSUを検討するのが合理的です。
料金・プラン・導入方法
Susportの利用料金は、利用規模やAPI連携の範囲、利用するクレジット量などに応じた個別見積もりとなっています(要問い合わせ)。
料金体系の詳細や見積もりを依頼する際は、以下のポイントを事前に確認しておくことが推奨されます。
- 基本料金と従量課金の構成
システムの月額利用料に加え、APIリクエスト数や算定トランザクション数に応じた従量課金が発生するかどうかを確認します。 - カーボンクレジットの調達・手数料体系
オフセットに利用するクレジット自体の単価設定や、調達にかかる手数料率、購入可能な最小ロット(kg単位等)の条件を確認します。 - API実装・開発支援にかかる初期費用
自社システムとの連携構築における技術サポートや、コンサルティング支援の有無による初期費用の違いを把握します。
導入の流れ・期間
Susportの具体的な導入期間はシステム連携の要件によって異なるため、要問い合わせとなっています。一般的なクラウド・APIサービスの導入プロセスは以下の通りです。
- 問い合わせ・要件ヒアリング
公式サイトのフォームより問い合わせを行い、対象となる事業活動(EC、物流、モビリティ等)や連携予定のシステム、オフセットの目的を共有します。 - 仕様確認・デモ・トライアル
システムの管理画面やAPI仕様書を確認し、自社の運用フローや連携先システムとの適合性を検証します。 - プラン提案・見積もり・契約
算定対象のトランザクション数やクレジット調達方針に基づいた見積もりを確認し、利用契約を締結します。 - システム連携・初期設定
APIキーの発行、エンドポイントとの接続開発、対象となる活動量や排出原単位の設定を行います。 - テスト稼働・本番運用開始
テスト環境でのデータ送受信および算定・証明書発行の動作確認を経て、本番環境での運用を開始します。
導入事例・実績
SusportおよびSustineri株式会社のソリューションは、交通、旅行、レンタル、インフラなどの多様な業界で導入されています。
- 西鉄旅行株式会社
カーボンニュートラルなバスツアー「バスハイクeco」においてSusportを導入。バス移動に伴う温室効果ガス排出量を算定し、地元九州で創出されたカーボンクレジットを活用して相殺する環境配慮型ツアーを実現しています。 - 株式会社レンタルのニッケン
建設機械のレンタル時に排出されるCO2を実質ゼロにする「カーボンオフセット付レンタル」サービスでSusportを採用。建機の燃料使用量からCO2排出量を自動換算し、国内クレジットを用いた小口オフセットと証明書(PDF)の発行体制を構築しています。 - 株式会社マップトラベル
福井県敦賀市の旅行会社において、持続可能な観光体験プラン「サステナつるが」にSusportを導入。体験費用にあらかじめオフセット費用を組み込み、参加顧客の名前でオフセット証明書を発行する仕組みを運用しています。 - 株式会社NASH(ADVENTURE PiPi)
沖縄県(宮古島・石垣島・西表島)で展開するネイチャーアクティビティツアーの車両移動等に伴うCO2排出量に対し、地域のクレジットを用いたオフセットを実施しています。 - 東海旅客鉄道株式会社(JR東海)
CO2排出量の自動算定・オフセットサービスとしてSusportの技術提供を受け、気候変動対策の取り組みを推進しています。 - 水ing株式会社
水処理プラント工事を対象とした温室効果ガス排出量算定の自動化に関するPoC(概念実証)において、Susportシリーズ(Susport建設)を活用し、既存の工事書類を起点とした算定業務の効率化を検証しています。
導入前に知っておきたいこと
現時点では公開されたユーザーによる否定的な口コミや不満などの報告は確認できていません。ただし、API連携を前提とした運用においては、自社システム側の開発リソースの確保や、利用するカーボンクレジットの市場価格変動(J-クレジットの需給バランス等)が運用コストに影響を与える可能性がある点に留意が必要です。
よくある質問(FAQ)
- 自社でJ-クレジットの口座を持っていなくてもカーボンオフセットは可能ですか?
- 可能です。Susportの仕組みを通じてオフセットを実行できるため、自社でJ-クレジット管理口座を開設・維持する必要はありません。1t未満の小口や端数でも利用できます。
- スマートフォンやタブレットから操作できますか?
- Susportはクラウドベースのウェブサービスとして提供されているため、標準的なウェブブラウザ(Google Chrome等)が動作するPCやタブレット等の環境から管理画面を利用できます。専用のネイティブアプリ提供状況は要問い合わせとなります。
- 導入前のデモやトライアル環境は用意されていますか?
- サービス画面の確認やトライアルの実施が可能です。具体的な利用条件や検証期間については問い合わせ時に確認できます。
- どのようなカーボンクレジットを調達できますか?
- 国内のJ-クレジット(森林吸収、省エネ、再エネなど)に加え、Gold StandardやVCSといった国際的なボランタリークレジット、グリーン電力証書などを取り扱っています。地域や創出プロジェクトの種類を指定して選択できます。
- 最低契約期間や解約条件はどうなっていますか?
- 契約プランやシステム連携規模によって契約条件が異なるため、個別見積もり時にベンダーへの確認が必要です。
- サポート体制はどのようになっていますか?
- 排出量算定のナレッジ提供から、クレジット選定、削減ロードマップの作成、対外PRシナリオの構築支援まで、脱炭素のエキスパートによる伴走サポートが提供されています。