Shippio Worksとは?
Shippio Works(シッピオ ワークス)は、株式会社Shippioが提供する、国際物流事業者のオペレーション効率化と荷主・関係先との情報共有を支援する貿易業務支援クラウドサービスです。フォワーダーやNVOCC、通関事業者、乙仲業者が日々行う本船動静の追跡、貿易書類の授受、案件ごとの進捗確認をクラウド上で一元化します。電話やメールに依存していた煩雑な伝言ゲームを解消し、業務の属人化を防ぎながら生産性と顧客対応品質の向上を支援します。
主な機能
Shippio Worksは、国際物流に関わる煩雑な手作業や連絡業務を省力化するための多彩な機能を備えています。大きく「動静追跡・案件可視化機能」「書類管理・AIデータ処理機能」「コミュニケーション・タスク管理機能」「外部連携・基盤管理機能」の4つに分類されます。
動静追跡・案件可視化機能
- 本船動静自動トラッキング
船会社のウェブサイトを個別に巡回することなく、登録されたシップメント情報に基づいてETD(出発予定日)やETA(到着予定日)、本船ステータスを自動更新します。1日2回の自動更新とShippio独自のロジックにより、毎朝の手作業による動静確認工数を大幅に削減します。 - 遅延アラート・トランシップ対応
航路のスケジュール変更や遅延が発生した際に通知を受け取ることが可能です。FCL(コンテナ単位輸送)では経由港情報が自動更新され、LCL(混載輸送)でも経由港情報の入力により確実な追跡を行えます。 - シップメント管理ダッシュボード
案件ごとの進捗状況や輸送ステータスを一覧画面で直感的に把握できます。注視したい貨物にラベルを付けるなど、優先度に応じた案件管理が可能です。
書類管理・AIデータ処理機能
- AI-OCRによる貿易書類読取・自動入力
B/L(船荷証券)などの貿易書類をクラウド上にアップロードするだけで、AI-OCRが必要な情報を高精度で自動抽出・転記します。書類の転記ミスを防ぎ、入力にかかる工数を削減します。 - 貿易書類の一元保管・管理
シップメントに関連するインボイスやパッキングリスト、B/Lなどの電子ファイルを案件単位で紐づけて保管できます。関係者がいつでも最新の書類にアクセスできる環境を整えます。 - AI書類照合連携
Shippioプラットフォームが展開するAI機能を活用し、複数の貿易書類間におけるデータの不一致や記載漏れを横断的に検出する機能との連携が進められています。
コミュニケーション・タスク管理機能
- シップメント単位のチャット・情報共有
案件ごとに専用のチャットスレッドを設け、関係者間でのやり取りを集約します。メッセージの受信者はシステムを開かずにメール通知から直接返信してもチャットに反映される仕組みを備えています。 - ゲスト招待・Partner Connect
荷主企業や倉庫会社、通関担当などの社外パートナーを案件ごとにゲスト招待できます。情報共有範囲を制御しながら、リアルタイムな情報連携を実現します。 - 貿易タスク管理・テンプレート機能
ブッキング手配や危険物確認、書類送付など、輸出入案件に付随する作業タスクを登録・管理できます。輸出入別のテンプレート活用により、担当者ごとの作業漏れを防ぎ標準化を促します。
外部連携・基盤管理機能
- APIデータ連携
既存の基幹システムや関連システムとデータを接続するためのAPI連携に対応しています。二重入力の防止やデータ統合を支援します。 - 取引先・拠点管理
案件に関連する荷主、海外代理店、港湾、倉庫などのマスタ情報を一元管理し、日々の手配業務を円滑に進められます。 - AI通関クラウド「Shippio Clear」連携
同社が展開するAI通関システムとの連携により、フォワーディング業務から通関実務までの一貫したデータ連携体制を構築できます。
こんな企業・現場に向いている/向いていない
向いている企業・現場
本船動静確認や顧客・関係先からの問い合わせ対応に追われているフォワーダー
- 毎朝の船社ウェブサイト巡回による動静確認作業が負担になっている
Shippio Worksの動静自動トラッキング機能を導入することで、複数船社のスケジュール更新を1日2回自動で取得できるようになります。手作業による確認工数が削減され、動静確認業務の大幅な省力化につながります。 - 荷主や倉庫から「船はいつ着くか」という電話・メールが頻発している
ゲスト招待機能やPartner Connectを通じて荷主・倉庫などの関係者に閲覧環境を提供することで、関係者が自ら最新動静を確認できるようになります。問い合わせ対応件数が激減し、本来の営業や手配業務に集中できる体制が整います。 - メールの送受信数が膨大で過去のやり取りや書類が埋もれてしまう
案件(B/L)単位でチャットと書類を紐づけて一元管理するため、担当者間や顧客との情報共有がスムーズになり、探客工数や連絡漏れのリスクを低減できます。
業務の属人化を解消し、組織的な対応力と顧客満足度を高めたい国際物流事業者
- 担当者ごとに案件管理や進捗管理の方法が異なり、休暇時の引き継ぎが困難である
輸出入の標準タスクテンプレートや案件ダッシュボードを活用することで、チーム全員が各案件の最新ステータスを把握できるようになります。担当者不在時でも迅速な顧客対応が可能になります。 - 書類作成時の二重入力や目視チェックの手間によるミスを抑えたい
AI-OCR機能によるB/L等の書類自動読取と記入サポートにより、手入力作業を最小限に抑え、転記ミスや確認漏れを低減する効果が得られます。
向いていない企業・現場
NACCS送受信や専用通関書類作成を最優先とし、基幹通関システム単体での刷新を求める企業
- NACCS直結の通関申告機能そのものを一体型パッケージとして導入したい
Shippio Worksはコミュニケーションや動静追跡、進捗管理に強みを持つクラウドサービスであり、NACCS連携を主軸とした専門通関パッケージとは設計思想が異なります。通関申告そのものを主目的とする場合は、NACCS連動型の通関基幹システムや専用サービス(Shippio Clear等)との組み合わせ、または他社専用パッケージの検討が適しています。
完全オンプレミス環境での運用や、自社専用のフルスクラッチ開発を前提とする企業
- 社内規定によりクラウドサービスの利用が禁止されている、または自社固有の特殊帳票に完全準拠させたい
Shippio WorksはSaaS型クラウドプラットフォームとして提供されているため、完全なオンプレミス導入や個別の大規模なソースコード改修には対応していません。自社専用の要件定義に基づく受託開発システムを求める現場には不向きです。
類似ツールとの比較
フォワーディング業務や国際物流管理を支援する代表的なツールと比較し、それぞれの特徴や適合領域を整理します。
| ツール名 | 特徴 | 料金 | 向いている企業 |
|---|---|---|---|
| Shippio Works | 本船動静の自動トラッキング、AI-OCR書類処理、荷主・関係先との案件チャットなど、コミュニケーションと進捗可視化に強みを持つSaaS | 要問い合わせ(月額課金制SaaS) | 動静確認や荷主・倉庫との連絡工数を削減し、案件情報の属人化を解消したい国際物流事業者 |
| CargoWise | 世界各国で利用されるグローバル標準の国際物流統合プラットフォーム。フォワーディング、通関、輸送・倉庫管理を一元化 | 要問い合わせ(利用規模・モジュールによる) | グローバル多拠点での輸送オペレーションを一元管理したい大手フォワーダー・国際物流企業 |
| Forwarder-PRO | 輸出入の見積・手配・請求・実績管理・NACCS連携など、港湾物流・フォワーダーの基幹業務を網羅するクラウドシステム | 要問い合わせ | 国内の港湾物流・海貨業務に特化し、基幹業務・NACCS連携・収支管理をワンストップで固めたい事業者 |
| TOSS-LOGIPORT | NVOCC、航空・海上フォワーダー、通関業務を広くカバーし、受注・手配・請求・入出金・NACCS連携に対応する定番基幹システム | 要問い合わせ | 長年の実績を持つ基幹業務システムで、貿易帳票作成から入出金・NACCS連携まで総合管理したい企業 |
ツール選定時の判断基準として、まず自社の課題が「基幹業務(見積・手配・請求書発行・NACCS申告)の総合処理」にあるのか、「顧客・関係先との連絡効率化や本船動静追跡の手間削減」にあるのかを見極めることが重要です。
見積・受注・請求・入出金やNACCS連携といったバックオフィス・基幹業務全体を包括的に刷新・統合したい場合は、Forwarder-PROやTOSS-LOGIPORT、グローバル展開を主眼に置くならCargoWiseなどの基幹系パッケージが検討対象となります。一方で、既存の基幹システムを維持したまま、日々の動静確認や電話・メール対応の負担を減らし、荷主との接点をデジタル化して営業・業務の生産性を高めたい場合は、Shippio Worksの導入が有力な選択肢となります。
料金・プラン・導入方法
Shippio Worksの利用料金は、月額課金制(SaaSモデル)を採用しています。公式サイト上では「月額80,000円/50ユーザー(年間契約)」という基本プランが公開されており、利用する従業員数やオプション機能に応じた個別見積もり(料金シミュレーション)が可能です。
見積もりを依頼する際は、以下のポイントを事前に確認・整理しておくことを推奨します。
- 課金体系の基準
ユーザーアカウント数(ID課金)単位なのか、取り扱う月間シップメント(案件)件数に応じた従量・従量段階制なのか - 社外ゲストアカウントの利用条件
荷主企業や外部パートナーを招待する際のゲストIDに費用が発生するか、または無償付与枠があるか - 初期費用とサポート範囲
導入時の初期設定支援、マスタ登録代行、運用定着サポート等の初期費用の有無と契約期間
導入の流れ・期間
Shippio Worksの導入は、一般的なSaaS型クラウドツールと同様のステップで進行します。具体的な導入期間については企業の運用体制や連携範囲によって異なるため要問い合わせとなりますが、クラウド型であるためサーバー調達等の大規模な設備投資は不要です。
- 問い合わせ・ヒアリング
公式サイトのフォームより資料請求や問い合わせを行い、現状の業務フローや課題感を共有します。 - デモ画面の確認・機能提案
実際の管理画面やトラッキング機能のデモンストレーションを確認し、現場要件との適合性を検証します。 - 見積もり・プラン選定
想定利用人数や案件数に基づき、最適なプランと見積もりの提示を受けます。 - 契約・初期設定
契約締結後、アカウント発行、マスタ情報やタスクテンプレートの設定を実施します。 - 社内研修・運用開始
現場担当者への操作レクチャーを行い、実際の輸送案件で運用を開始します。
導入事例・実績
Shippio Worksは2024年9月のサービス提供開始以降、国際フレイトフォワーダーズ協会(JIFFA)の会員企業をはじめとするフォワーダーや物流事業者への導入が進み、リリースから1年で80社を超える企業に導入されています。
- 株式会社東洋トランス(営業第一部・第二部)
毎日の動静確認のために複数船社のウェブサイトを巡回し、Excel更新とメール連絡に1人あたり毎日1〜2時間を費やしていた課題を解決。Shippio Works導入により、1人あたり月間20時間以上の業務工数削減とコミュニケーションの迅速化を達成しました。 - 株式会社ヤマタネ(港運通関部 横浜通関事務所)
本船動静の変更に伴い、デバンニング(荷下ろし)日程を巡って倉庫現場から通関担当への電話・メール確認が常態化し、情報遅れによるドレージキャンセル料の発生が課題となっていました。通関と倉庫の担当者が同じ画面で最新動静を共有できるようになり、倉庫からの確認電話がほぼゼロになったほか、1日1時間の工数削減と年間5%のコスト削減を実現しました。 - 琉球通運株式会社
業務フローの洗い出しを経て導入。Shippio Worksを社内の共通プラットフォームとして位置づけ、部署を越えたチーム連携と情報可視化を推進し、荷主企業からの高い評価獲得につなげています。 - 福山通運グローバル株式会社・菱神運輸株式会社
大手・地域物流事業者においてフォワーディング業務のDXや業務標準化を目的として導入が進められています。
導入前に知っておきたいこと
Shippio Worksを検討するにあたり、以下の運用上の留意点を確認しておくことが大切です。
- 社外関係者を巻き込むための運用ルール設計
荷主や提携倉庫会社との連絡をShippio Worksへ集約するには、相手先にもシステムを介した確認・チャット対応を受け入れてもらう必要があります。いきなりすべての取引先に強制するのではなく、まずは主要な取引先や社内部門間から段階的に利用範囲を広げるアプローチが効果的です。 - 既存の基幹業務システムとの役割分担の明確化
既存の会計・通関・基幹システム(ERP等)を併用する場合、どのデータをShippio Worksで管理し、どこを基幹システムで処理するかという業務フローの切り分けを事前に整理しておく必要があります。 - 公開ユーザー評価の状況
2024年秋に提供が開始されたサービスであるため、一般的な口コミサイト等における第三者レビューの蓄積数は大手従来型パッケージと比べるとまだ限定的です。実際の操作感や機能適合性は、デモやヒアリングを通じて綿密に確認することが推奨されます。
よくある質問(FAQ)
- 利用にあたって専用ソフトウェアのインストールは必要ですか?
- クラウド型(SaaS)サービスのため、専用ソフトのインストールは不要です。Google Chromeなどの主要なWebブラウザからインターネット経由でアクセスして利用できます。
- 荷主や外部パートナー側もShippio Worksのアカウントが必要ですか?
- シップメント単位で外部関係者をゲスト招待することが可能です。受け取る側の関係者は、システムを開かなくてもチャット通知メールに直接返信するだけでシステム上のチャットへ自動反映される仕組みも備わっています。
- トランシップ(積替え)が発生する航路でも本船動静をトラッキングできますか?
- トラッキング可能です。FCLの場合は経由港の港名や予定日が自動更新され、LCLの場合は経由港発生時に本船名とVoyage No.を入力することで更新管理が行えます。
- 無料デモやトライアルは利用できますか?
- 導入前のデモンストレーションや機能説明に対応しています。詳細なトライアルの提供条件については、公式サイトの問い合わせ窓口から相談してください。
- サポート体制はどのようになっていますか?
- 導入時の初期設定や運用定着を支援するカスタマーサクセス・サポート体制が整備されています。詳細なサポート範囲や受付時間については契約時にご確認ください。
- 最低契約期間や解約条件はどのようになっていますか?
- 公式サイト上では年間契約(自社ドメイン50ユーザーから)であることが明記されています。解約条件やユーザー追加等の詳細については、見積もり時に直接ご確認ください。