NeLOSSとは?
NeLOSS(NEXT Logistics Optimal Solution System:ネロス)は、荷姿や重量、温度帯が異なる荷物の配車割り付けと荷室への積付け計画を同時に自動最適化し、積載率の向上と配車業務の属人化解消を実現する物流最適化ソリューションシステムです。NEXT Logistics Japan株式会社(NLJ)が開発したシステムで、量子コンピューティング技術(量子Inspired技術)を活用し、人の手では数時間以上かかっていた複雑な組み合わせ計算を数十秒から数分で算出します。幹線輸送や共同輸配送における積載効率の最大化と省人化を支援します。
主な機能
配車・積付け同時最適化機能
- 配車と積付けの同時自動計算エンジン
車両に対する荷物の割り当て(配車)と、荷室内のどの位置にどのように配置するかという3次元の積み付け(積付け)を一体で自動計算します。従来のアルゴリズムでは計算量が膨大になり分離処理せざるを得なかった配車と積付けを、量子Inspired技術によって高速に同時処理することで、積載限界に近い高密度な積載計画を数十秒から数分で導き出します。 - 異種混載・制約条件の自動判定
荷物のサイズ(縦・横・高さ)だけでなく、重量、温度帯(常温・冷蔵・冷凍など)、積重ね制限、荷崩れ防止の強度制約などをパラメータとして考慮します。重量物の上に軽量物を配置する、異業種荷主の混載時に荷役順序や積載バランスを崩さないなど、熟練の配車マンが行っていた現場制約を満たした計画を自動生成します。
共同輸送・運行計画支援機能
- 高積載運行計画の策定支援
大型トラックや全長25m級のダブル連結トラックなど、多種多様な車両仕様に合わせた運行計画の策定をサポートします。複数拠点や異業種荷主の荷物を集約して運ぶ幹線混載便において、車両容積と許容重量の双方を限界まで使い切る組み合わせを算出し、輸送車両台数の削減を支援します。 - ダイヤグラム設計・共同配送設計の拡張機能
拠点間の運行スケジュールや中継輸送を考慮したダイヤグラム設計、他社荷物との共同配送スキームの構築をシームレスにつなぎます。荷主企業間での輸送リソースシェアリングや幹線輸送の共同運行を前提とした運行シミュレーションを可能にします。
直感的なUI・オペレーション管理機能
- 3D積付け結果のグラフィカル表示
最適化された積付け結果を3次元のグラフィック画面で可視化します。配車担当者だけでなく倉庫の積込み作業員やドライバーも画面上で直感的に積付け状態や荷役順序を把握できるため、現場での荷積み指示ミスや積み直し作業の削減につながります。 - 積付け結果の手動微調整・編集機能
自動算出された積付けプランに対して、現場の突発的な状況変化や追加の荷役制約に応じてドラッグ&ドロップなどの直感的な操作で手動編集が可能です。現場の細かな要望を柔軟に反映させながら、最終確定した配車・積付け指示書を出力できます。
こんな企業・現場に向いている/向いていない
向いている企業・現場
異業種混載や複数荷主の荷物を高積載で運用したい幹線輸送・共同輸送事業者
- 荷姿や重量差が激しく人の手による配車・積付けに膨大な時間がかかっている
NeLOSSの配車×積付け同時最適化エンジンを導入することで、荷物サイズ・重量・温度帯・積重ね条件などの複雑な変数を量子技術で自動処理します。これまで2時間以上かかっていた配車・積付け案の作成業務を数十秒から数分に短縮し、配車担当者の拘束時間を大幅に削減します。 - 幹線輸送の積載率が伸び悩み輸送コストやCO2排出量を削減できていない
車両の荷室容積と重量を限界まで活用する最適な組み合わせを算出する打ち手により、ダブル連結トラック等の大型車両への混載効率を高めます。NEXT Logistics Japanの実績では業界平均約38%の積載率を63%へと向上させ、CO2排出量や必要車両数の大幅な抑制につながります。
配車マンの高齢化や属人化により業務の標準化が急務となっている中堅・大手物流企業
- ベテラン配車マンの経験と勘に頼った配車組みから脱却できない
複雑な制約条件をシステムにルール化して自動計算させることで、経験の浅い担当者でも熟練者と同等以上の高効率な配車・積付け計画を作成できます。属人化を排除して業務を平準化し、担当者の退職リスクや教育コストの低減を実現します。
向いていない企業・現場
積載条件が均一なパレット輸送やラストワンマイルの小口配送が中心の企業
- 同一規格の段ボールや定型パレットのみを往復輸送しており積付け計算の難易度が低い
荷姿や重量が画一的な場合、高度な量子技術を用いた3D積付け計算の恩恵が限定的になります。一般的なルート最適化システムや安価な配車管理SaaSを導入した方が費用対効果を得やすい場合があります。 - 市街地を巡回するラストワンマイル配送の配送順序・時間指定の最適化を最優先したい
NeLOSSは主に幹線輸送や混載便における「配車×積付け」の組み合わせ最適化に強みを持つため、住宅街の細街路ナビゲーションやドライバー向け配送アプリとの連携を主目的とする場合は、ラストワンマイル配送に特化した配送管理システム(TMS)を検討する方が適しています。
類似ツールとの比較
| ツール名 | 特徴 | 料金 | 向いている企業 |
|---|---|---|---|
| NeLOSS | 量子技術を活用した配車と荷物積付けの同時自動最適化。異種混載・幹線輸送の積載率向上に特化 | 要問い合わせ(SaaS月額課金) | 異業種混載や幹線共同輸送を行う中堅・大手物流事業者、メーカー荷主 |
| 共同配送システム(株式会社ゼンリン) | 地域配送事業者が複数社の荷物を一括配送するラストワンマイル共同配送管理システム | 要問い合わせ | 中山間地域や特定エリアで複数荷主のラストワンマイル配送を集約・共同化したい事業者 |
| 共同輸配送プラットフォーム(日本電気株式会社) | 複数荷主間で条件が合致する共同輸配送候補を自動提案・マッチングするクラウド基盤 | 要問い合わせ | 空車情報や荷物情報を突き合わせ、他社との共同輸送パートナーを探索・マッチングしたい荷主・物流企業 |
| traevo noWa(株式会社traevo) | 動態データと連携し、匿名性を保持したまま最適な共同輸送・混載パートナーを探索可能 | 要問い合わせ | 運行実態データを基に自社の空きリソースを埋める共同輸送相手を安全に探したい運送事業者・荷主 |
NeLOSSは、配車計画と3次元の荷物積付け(容積・重量・温度帯・強度などの複合条件)を同時に解き明かす超高速計算エンジンを核としています。そのため、すでに輸送する荷物群や運行路線が決まっている中で「いかにトラック台数を減らし、荷室を隙間なく埋め尽くすか」という幹線混載の効率極大化を目指す現場に適しています。
一方で、日本電気の「共同輸配送プラットフォーム」やtraevoの「traevo noWa」は、荷主同士のマッチングや共同輸送パートナーの探索を主目的としています。自社に足りない荷物や空車枠を他社とマッチングさせたい段階ではマッチング基盤が適しており、マッチング後に発生する複雑な混載積付けや高難度の配車計画を自動化する段階ではNeLOSSが適しています(実際にNECのプラットフォームとNeLOSSの連携に向けた取り組みも進められています)。
また、ラストワンマイルにおける戸別配送の共同化や住宅街エリアでの配送効率化を目的とする場合は、ゼンリンの「共同配送システム」のような住宅地図・ラストワンマイル配送に特化したシステムの選定が推奨されます。
料金・プラン・導入方法
NeLOSSの利用料金はSaaS型の月額課金モデルを採用していますが、具体的な初期導入費用や月額基本料金、ライセンス体系などは公式には一般公開されておらず、要問い合わせとなっています。
導入を検討する際は、以下のポイントについてベンダーへの確認が必要です。
- 課金体系の算定基準
管理対象となる車両台数ベースの課金か、利用アカウント(配車担当者)数ベースか、あるいは拠点数や最適化計算の実行回数に応じた従量課金が含まれるかを確認します。 - 初期費用とシミュレーション費用の有無
本稼働前のデータ整備支援、PoC(概念実証)・実機検証の実施費用、初期マスター登録やパラメータ調整にかかる初期費用の構成を確認します。 - 外部システム連携オプション
既存の基幹システム、WMS(倉庫管理システム)、TMS(輸配送管理システム)とのAPI連携やCSV取り込みにかかる追加費用の有無を確認します。
導入の流れ・期間
NeLOSSの導入ステップは、物流最適化SaaSの一般的なプロセスに沿って以下の流れで進められます(具体的な導入期間は要問い合わせとなります)。
- 問い合わせ・ヒアリング
公式サイト等から問い合わせを行い、現状の輸送ルート、保有車両、荷物の荷姿・温度帯・重量などの輸送データや業務課題をヒアリングします。 - データ提供・適合性検証(PoC/シミュレーション)
過去の運行データや積荷実績データを提供し、NeLOSSのアルゴリズムを用いたシミュレーション計算を実施して、積載率の向上見込みや計算精度の適合性を検証します。 - プラン確定・見積もり・契約
検証結果をもとに運用範囲・対象車両・必要な機能要件を確定し、見積もり内容に合意した上で契約を締結します。 - マスター設定・システム初期設定
車両の荷室寸法・最大積載量、荷姿サイズ、温度帯区分、積載禁止ルールなどのマスターデータを登録し、必要に応じて外部システム連携の設定を行います。 - テスト運用・現場トレーニング
実際の配車業務と並行してテスト運用を行い、配車担当者および倉庫積込み現場のオペレーションへの定着を図ります。 - 本稼働
実業務での運用を開始し、最適化された配車・積付けプランに基づいた運行管理を実施します。
導入事例・実績
NeLOSSは、開発元であるNEXT Logistics Japanの自社幹線輸送オペレーションにおいて本格運用されており、アサヒグループジャパン傘下のアサヒロジなど大手荷主企業との実証実験や共同輸送で具体的な成果を上げています。
- NEXT Logistics Japan(自社運用実績)
荷姿や重量、温度帯が異なる複数荷主の荷物を全長25m級ダブル連結トラックに混載する幹線輸送オペレーションにNeLOSSを活用しています。量子技術による最適化と大型車両の運用を掛け合わせることで、業界平均約38%とされる積載率を63%まで引き上げ、43%の省人化および26%のCO2排出量削減を達成した実績が公表されています。 - アサヒグループジャパン(アサヒロジ)
関東・中部・関西の拠点間配送においてNeLOSSを活用した実証実験を実施しました。荷姿・重量・発着地・運行車両情報などを掛け合わせたシステムオペレーションの成立性や、外部システムとの連動性、積載率向上とCO2削減効果の検証が進められています。
導入前に知っておきたいこと
- 荷物・車両寸法の正確なデジタルデータの整備が前提となる
NeLOSSで高精度な配車×積付け計算を行うためには、運ぶすべての荷物の「縦・横・高さの外寸」「重量」「荷崩れ制約」「温度帯」、ならびにトラック荷室の「正確な内寸」「最大積載重量」「軸重制約」などの正確なデジタルデータが必要です。現場の荷姿データが標準化されていない場合、データ整備に相応の工数がかかります。 - 現場の積込みオペレーションとのすり合わせが必要
システムが計算上もっとも効率的な積付けを提示しても、倉庫側の荷揃えタイミングやフォークリフトでの積込み順序、中継拠点での荷降ろし手順と合致していないと現場で混乱が生じる可能性があります。システム導入にあたっては現場の荷役動線を含めた業務設計の調整が不可欠です。 - 一般ユーザーによる口コミや不満点について
現時点では一般販売・導入事業者が限定的であるため、公開された一般ユーザーからの課題報告や不満の口コミは確認できていません。検討時は自社データを用いたシミュレーションでの適合性確認が推奨されます。
よくある質問(FAQ)
- NeLOSSの動作環境や対応ブラウザ・端末はどうなっていますか?
- クラウド上で動作するSaaS型システムであり、一般的なWebブラウザ経由で配車計画画面や3D積付け結果の確認・編集が可能です。詳細な対応OSや推奨ブラウザ、現場用タブレット端末の対応要件についてはベンダーへの確認が必要です。
- 無料トライアルやデモ画面の確認は可能ですか?
- 無料トライアルの一般公開は明記されていませんが、導入検討時に自社の過去データを用いた適合性シミュレーションやデモの実施が個別に対応される場合があります。詳細は問い合わせ窓口へご確認ください。
- 通常の配車管理システム(TMS)との違いは何ですか?
- 一般的なTMSは「どのトラックがどのルートで運ぶか」という配車・配送ルート計画が中心ですが、NeLOSSは量子技術を活用して「どのトラックにどの荷物を割り当て、荷室のどの位置にどのように積み付けるか」という3次元の積付けまでを同時に高速自動計算する点に違いがあります。
- 導入までのサポート体制や問い合わせ窓口はありますか?
- 導入時のマスター構築やシミュレーション支援、運用定着に向けた専任窓口が用意されています。運用中のサポート体制や問い合わせ対応時間などの詳細は契約時の確認事項となります。
- 最低契約期間や解約条件はどうなっていますか?
- 契約期間や中途解約に関する規約は公式に公開されていません。個別見積もりおよび提案書提示の段階で確認する必要があります。
参照・出典
- NEXT Logistics Japan株式会社公式サイト
- PR TIMES:物流最適化ソリューションシステム『NeLOSS』の実証実験開始
- 日本電気株式会社(NEC):NECとNEXT Logistics Japan、ロジスティクス分野における戦略的提携の検討を開始
- 国土交通省:コラム 物流分野における量子コンピューティングの活用
- 住友商事:物流スタートアップNEXT Logistics Japan に出資
- LOGI-BIZ online:NEXT Logistics Japan、「量子Inspired技術」用いた物流最適化ソリューションシステム発売
- LOGISTICS TODAY:NLJ、量子技術を用いた物流最適化システムを販売