traevo noWaとは?
「traevo noWa(トラエボ ノワ)」は、株式会社traevoが提供するフィジカルインターネット・共同輸送マッチングプラットフォームです。物流の2024年問題や2030年の輸送力不足を見据え、トラックの積載効率低下や空車回送といった課題を解決するために開発されました。荷主企業と運送事業者が匿名で自社の輸送データを登録し合うことで、中長期的な混載や往復の共同輸送パートナーを、業種や企業規模の枠を超えて探索できるのが最大の特徴です。安全なオープンエコシステムのもと、協業相手を探す膨大な労力を大幅に削減します。
主な機能・特徴
- 輸送データの登録機能
自社の輸送実績データ(発着地の市区町村、車種、車格、輸送台数など)を匿名化してプラットフォームに登録します。動態管理システム「traevo Platform」とのデータ連携のほか、Excelファイルによる一括アップロードにも対応しており、IT知識がなくても簡単に登録可能です。 - マッチング候補検索機能
登録された全国の膨大な輸送データから、自社の希望条件に合致する混載相手や往復輸送のパートナーを自由に検索できます。情報が匿名化されているため、機密性を保ったまま最適な協業先をリストアップできます。 - コミュニケーション機能
検索結果から気になる企業を見つけた場合、システム上で直接アプローチし、検討可否のメッセージをやり取りできます。システム内で双方の合意が得られた後に、詳細な協議(商談)へ進むという安全なステップを踏むことができます。 - 自社データ分析機能
登録した自社の輸送実績データをプラットフォーム上で可視化・分析でき、自社の輸送ネットワークに潜む無駄の発見や、さらなる効率化のヒントを得るための材料として活用できます。
こんな企業・現場に向いている/向いていない
向いている企業・現場
- 対象規模・業種:企業規模を問わず、製造業、小売・卸売業、物流・倉庫業など、幅広い業種の荷主および運送事業者。
- 導入シーン:トラックの積載率の低さや、納品先から拠点へ戻る際の「空車回送(帰り便)」に悩みを抱えており、他社の荷物と組み合わせることで実車率を向上させたい企業。
- 担当者の課題:「共同輸送に取り組みたいが、自前で協業先を探すには膨大な労力と時間がかかる」と悩んでいる物流担当者。
- システム利用者:すでに運輸デジタルビジネス協議会(TDBC)の会員である企業や、車両動態管理システム「traevo Platform」を利用している企業(無償で本ツールを利用できるため)。
向いていない企業・現場
- 短発・スポット輸送を求めている現場:traevo noWaは「中長期的な共同輸送パートナー」を探すためのデータベースです。突発的に発生した荷物を「今日・明日中に運んでくれるトラック」を即座に探すような、スポットマッチングの用途には向いていません。
- 丸投げの自動マッチングを期待する企業:システム上で合意した後は、当事者同士で運賃や詳細な運行ルールの協議を行う必要があります。マッチング後のオペレーション調整や交渉を自社で行うリソースが全くない企業には不向きです。
料金・プラン・導入方法
料金モデルはSaaS型の定額課金(年額)で提供されています。2026年1月末までは無償トライアルが実施されていましたが、2026年2月より以下の正式料金体系となっています。
- TDBC会員・traevo Platformユーザー: 無償(0円 / 1アカウント当たり3ID)
- 一般ユーザー: 年額30,000円(1アカウント当たり3ID)
※導入方法:公式サイトの問い合わせフォーム等から申し込みを行い、アカウント発行後、Excelやシステム経由で自社の輸送データをアップロードすることで、すぐに検索・マッチング機能の利用を開始できます。
導入事例・実績
2026年2月時点で、全国87社・14,000路線の輸送データが登録されており、多数の企業が実証および実運用で成果を上げています。
- イオン北海道株式会社・ホクレン農業協同組合連合会:
実証事業において、イオン北海道のトラックが自社店舗への納品を終えた後、ホクレンの拠点(Aコープ)を経由し、ホクレンの資材(マテハン)を回収して札幌へ戻る共同輸送を実現。空車回送を削減し、サプライチェーン全体の物流効率化に寄与しました。 - AGC株式会社・大王製紙株式会社など:
荷主主導のプロジェクトとして、業種を越えたマッチングを実現。ガラス製品や紙製品といった異なる貨物特性を持つ企業同士が往復の共同輸送を行うことで、実証期間において積載効率が30〜40%向上、CO2排出量の削減、および帰り荷の有償運行化によるドライバーの賃金改善が確認されています。
導入前に知っておきたいこと
現時点では公開されたユーザー評価・課題報告は確認できていません。ただし、ツールの仕様上、導入前に以下の点を理解しておく必要があります。
本システムは、クリック一つで運送契約がすべて自動完了するサービスではありません。匿名化されたデータを基にパートナー候補を検索し、システム上のチャットで初期のコミュニケーションを取った後、お互いが「前向きに検討可能」と合意して初めて詳細情報の開示と直接の協議へ進む仕組みです。そのため、機密情報が守られる反面、マッチング成立までには一定のコミュニケーションのやり取りが発生するという仕様を念頭に置いて運用体制を整える必要があります。
類似ツールとの違い・選び方
従来の求車・求荷システム(トラボ・マッチングアプリなど)の多くは、「単発・スポットの荷物と空きトラックを引き合わせること」を主眼に置いています。対して、traevo noWaは「中長期的かつ安定的な共同輸送の協業相手を探すこと」に特化している点が最大の決定的な違いです。
また、特定の親会社や大手企業のグループ内に閉じた系列ネットワークではなく、誰もが平等に参加できる「オープンエコシステム」を採用している点も強みです。荷主主導でシステム設計がなされているため、異業種・同業種を問わず、これまで全く接点のなかった企業と安全に繋がることができます。スポット輸送の確保を優先するなら従来の求車求荷システムを、物流ネットワークの構造的な改善(帰り便の定常的な確保や積載率の抜本的向上)を目指すならtraevo noWaを選ぶのが推奨されます。
よくある質問(FAQ)
- 自社の輸送データが競合他社に筒抜けになりませんか?
- データは「発着地の市区町村」「車種」「車格」など、特定の企業や詳細な拠点住所が特定されないレベルに匿名化されて公開されるため、高い機密性が確保されています。
- システムを利用するために専用の車載機器やシステム開発は必要ですか?
- 新たな設備投資やシステム開発は不要です。既存の輸送実績をExcelデータにまとめてアップロードするだけで、簡単にプラットフォームへ登録・利用開始が可能です。
- 利用対象エリアに制限はありますか?
- 全国エリアで利用可能です。実際に北海道での大規模な実証実験をはじめ、全国の企業による輸送ルートが多数登録されています。