traevo noWaとは?
traevo noWa(トラエボ ノワ)は、荷主企業や運送事業者が抱える「共同輸送を行いたいが相手先が見つからない」「自社ルートの帰り便や空車区間を埋められない」という課題を解決するマッチングプラットフォームです。株式会社traevoが提供するフィジカルインターネット・共同輸送カテゴリのSaaSです。各社が保有する運行実績データを匿名で登録・集約し、機密性を保ちながら自社の輸送条件(発着地・車種・車格・運行頻度など)に合致する協業パートナーをクラウド上で探索できます。一般社団法人運輸デジタルビジネス協議会(TDBC)の活動から生まれ、車両動態管理基盤「traevo Platform」とも連携し、業界横断での積載効率向上と輸送リソース共有を支援します。
主な機能
輸送データ登録・管理機能
- Excelフォーマットによるデータ一括アップロード
システムから専用の登録用Excelフォーマットをダウンロードし、発着都道府県・発着市区町村・車種・車格・月別輸送台数などの基本情報を入力してアップロードするだけでデータベースへの登録が完了します。複雑なシステムインテグレーションや高度なIT知識を要さず、現場担当者が保有する運行データから手軽に共同輸送の探索を開始できます。 - 登録データの更新・ダウンロード管理
登録済みの輸送データはCSVやExcel形式でいつでもダウンロードでき、定期的なルート変更や物量の増減に応じて修正データを再アップロードすることで最新状態を維持できます。年度更新や季節変動に応じた輸送計画の見直しにも柔軟に対応可能です。
共同輸送パートナー探索・検索機能
- 多軸条件による候補ルート検索
自社が登録した輸送ルートを基点に、往復輸送(帰り便の確保)や混載輸送(積合せ)が可能な相手先ルートを希望条件(地域・回送条件・車種・車格・運行頻度など)で絞り込み検索できます。条件に合致した候補ルートが一括表示され、自社にとって効率的な共同輸送の可能性を素早く洗い出せます。 - 地図フィルタ・空間視覚化検索
地図画面上で自社の発着地と相手先候補の発着地を視覚的にソート・確認できるフィルタ機能を備えています。地理的な位置関係や迂回距離を直感的に把握できるため、実運用に即した無理のない共同運行ルートを検討できます。 - 匿名表示による機密性確保
検索結果画面では企業名や詳細な荷主名が固有のID表示で秘匿され、輸送ルートや車格などの運用条件のみが表示されます。営業機密や顧客情報を競合他社に知られることなく、安心して共同輸送パートナーの探索を進められます。
匿名コミュニケーション・履歴管理機能
- システム内完結の検討依頼メール自動発信
検索結果から関心のある候補ルートに対して、システム経由で匿名性を維持したまま共同輸送の検討依頼通知を送信できます。相手先へ直接メールアドレスを開示することなくファーストコンタクトを取ることが可能です。 - 匿名チャット・条件調整機能
相互の合意が形成されるまでの初期協議はシステム上のメッセージ機能で行われます。荷姿や運行ダイヤ、荷役条件などのすり合わせを匿名で行い、双方が共同輸送の実現可能性に合意した段階で初めて連絡先を開示して実契約に向けた協議へ移行できます。 - コミュニケーション履歴・ステータス一元管理
送信済み・受信済みの検討依頼やメッセージ履歴、現在の検討ステータス(検討中・合意・見送り等)がダッシュボード上で自動更新されます。複数社との同時並行協議でも進捗漏れを防ぎ、組織的な進行管理が可能です。
自社輸送データ分析・可視化機能
- 都道府県別・市区町村別ヒートマップ可視化
自社が登録した輸送実績データを集計し、発着地別の輸送台数や運行密度をヒートマップ形式で自動表示します。自社の輸送ネットワークにおいてどの路線に物量が偏っているか、どの区間に空車や非効率が発生しているかを客観的に把握できます。 - 分析結果からの直接検索連携
ヒートマップや車種・車格別の分析結果から、改善優先度の高い路線をワンクリックで検索条件へ反映させることができます。自社の物流課題が顕著なルートに絞ったパートナー探索を効率的に実行できます。
こんな企業・現場に向いている/向いていない
向いている企業・現場
定期便の復路(帰り便)の空車走行を解消したい幹線輸送・中長距離輸送の事業者
- 復路の荷物が確保できず実車率や採算性が低下している
traevo noWaの往復検索機能を活用することで、自社が往路を運行した後の復路発着エリアで荷物を発送したい他社ルートをピンポイントで探索できます。2台2人運行だった輸送を1台1人往復運行へ集約するスキームが構築可能となり、実車率の大幅向上と運賃収入の確保につながります。 - 同業他社や競合企業に自社の輸送情報を知られたくない
合意に至るまで完全匿名IDで条件検索と初期調整を行える仕様により、自社の顧客情報や幹線ルートの運行実態を外部に漏らすことなく、安全に帰り便パートナーを模索できます。
物流2024年問題への対応として積載率向上とCO2削減を同時に推進したい荷主企業
- 自社単独の荷量ではトラック満載にできず輸送効率が悪い
システム内で混載輸送の相手先を探索し、同一方面へ荷物を送る異業種荷主と車両スペースをシェアリングすることで、トラック台数の削減と積載率の向上を図れます。 - サプライチェーン全体での脱炭素化・ドライバー拘束時間短縮を求められている
実証実験においてCO2排出量およびドライバー拘束時間が30〜40%削減された実績があり、環境負荷低減と法規制遵守に向けた具体的な数値改善を後押しします。
向いていない企業・現場
日々の突発的な波動に合わせAIで数秒単位の自動配車や3次元積付け計算を行いたい現場
- 毎日の受注データからリアルタイムに共同配送計画を自動立案したい
traevo noWaは中長期的な定期運行ルートをベースにした企業間マッチング基盤であり、日々変動するスポット荷物に対してアルゴリズムがリアルタイムに相乗りルートやミリ単位の積付けを自動計算するシステムではありません。即時的な自動最適化配車を求める場合は、量子コンピューティング技術等を活用するNeLOSSなどの配車最適化ソリューションを検討する必要があります。
他社との協調やデータ共有を行わず自社拠点内のみの効率化を目指す企業
- 他社便との混載や帰り便共有を行う意思がなく自社車両のみで完結させたい
本ツールは複数企業間での輸送データ共有とリソースシェアリングを前提としたプラットフォームです。自社単独でのラストワンマイル配送計画や拠点内オペレーション改善のみを目的とする場合、マッチング機能の恩恵を受けられないため、自社専用のTMS(輸配送管理システム)や配車管理ツールの導入が適しています。
類似ツールとの比較
| ツール名 | 特徴 | 料金 | 向いている企業 |
|---|---|---|---|
| traevo noWa | 運行実績データを匿名登録し、往復・混載の共同輸送相手を探索するマッチング基盤。TDBC発の社会実装モデル。 | 一般:30,000円/年(3ID) TDBC会員・traevoユーザー:0円 |
中長期的な幹線・定期便で帰り便や混載相手を低コストかつ安全に探したい荷主・運送事業者 |
| 共同輸配送プラットフォーム(日本電気株式会社) | NECが提供する複数荷主間での自動マッチングと条件調整チャットを備えたクラウド型プラットフォーム。 | 要問い合わせ | 複数企業間で幹線から配送までのN対N共同輸配送スキームを構築・運用したい大手荷主・物流事業者 |
| 共配net(日本通運株式会社) | 日本通運の輸送ネットワークと配車システムを連動させ、複数荷主の貨物を集約してジャストインタイム配送を行う仕組み。 | 要問い合わせ | 自社でマッチング相手を探すのではなく、大手物流事業者の高品質な共同配送網に委託したい荷主企業 |
| NeLOSS(NEXT Logistics Japan 株式会社) | 量子コンピュータ技術を活用し、複雑な配車と多種多様な荷物の混載・積付けパターンを高速で最適化するシステム。 | 要問い合わせ | 大型混載輸送における積載率の極限化や、高度な積付け・運行シミュレーションを自動化したい企業 |
自社で中長期的な定期便や幹線輸送ルートを抱えており、「まずは費用を抑えて他社との往復運行や混載の可能性を模索したい」「自社の機密情報を守りながら対等な立場でパートナーを探したい」という場合には、年額3万円(TDBC会員等は無料)から利用できるtraevo noWaが適しています。
一方で、自社で協業相手を探す交渉負荷を避け、大手物流事業者の既存の共同配送網へ丸ごと委託したい場合は日本通運の「共配net」、日々の運行においてAIや量子技術による高度な積付け・配車の自動計算を行いたい場合はNEXT Logistics Japanの「NeLOSS」など、目的に応じた選択が推奨されます。
料金・プラン・導入方法
| プラン区分 | 初期費用 | 年間利用料(1アカウント/3ID) | 備考 |
|---|---|---|---|
| TDBC会員 | 0円 | 0円 | 一般社団法人運輸デジタルビジネス協議会の会員向け特典 |
| traevo Platform利用企業 | 0円 | 0円 | 動態管理プラットフォーム「traevo Platform」既存契約ユーザー |
| 一般ユーザー | 0円 | 30,000円(税別) | Excelデータ登録のみで全機能(探索・チャット・分析)を利用可能 |
※マッチング成約時における成果報酬や成約手数料は不要です。
※料金体系は年度ごとに更新されます。
見積もり・導入検討時に確認すべきポイント
- 追加IDの要否
標準で1アカウントにつき3IDが付与されます。全国の複数拠点や複数部署で個別のIDを用いて同時管理したい場合は、追加IDの発行可否や条件について確認が必要です。 - データ更新の手順
登録した輸送ルートデータは年度や季節ごとに見直す運用が推奨されます。自社データのメンテナンス手順やサポート窓口の対応範囲を確認しておくとスムーズです。 - 動態管理基盤との併用有無
車両動態管理システム「traevo Platform」(1台あたり月額500円〜)と組み合わせて利用する場合は、車載機器(デジタコ等)の連携状況も含めて見積もり時に相談することを推奨します。
導入の流れ・期間
- お問い合わせ・申し込み
株式会社traevoの公式サイトまたは事務局宛に問い合わせを行い、利用申し込みを行います。 - アカウント発行・ログイン
システム管理者よりログイン用のアカウント情報(ID・パスワード)が発行され、クラウド管理画面へアクセスします。 - 自社輸送データの準備・登録
所定のExcelフォーマットに自社の輸送実績データ(発着地市区町村・車種・車格・台数など)を入力し、システムへアップロードします。 - 相手先ルートの探索・マッチング開始
登録完了後、即座にデータベース上の候補ルート検索、ヒートマップ分析、匿名での検討依頼送信が利用可能になります。
※Excelデータの投入のみで開始できるため、データが準備できていれば最短数日〜1週間程度で運用を開始できます。具体的な導入スケジュールは要問い合わせとなります。
導入事例・実績
TDBCワーキンググループ実証実験(6社共同)
鈴与カーゴネット、大王製紙、中部興産、トランコム、ヤンマーロジスティクス、AGCの6社が参画し、年間約28万5,000台(1,257件)の輸送データを投入した共同輸送実証が行われました。
- ヤンマーロジスティクス & AGC(往復化)
CO2排出量を43%削減、ドライバー拘束時間を44%削減。 - トランコム & AGC(混載)
CO2排出量を36%削減、ドライバー拘束時間を35%削減。 - 中部興産 & 鈴与カーゴネット(往復化)
CO2排出量を38%削減、ドライバー拘束時間を30%削減。
経済産業省 北海道経済産業局「共同輸配送デジタルマッチング事業」
北海道内における物流維持を目的に本システムを活用した実証事業が実施され、44事業者・1,743ルートの登録が行われました。イオン北海道とホクレンによる実証では、マテハン回収ルートの共同化などによる効率化成果が創出されています。
主な受賞歴・公的プロジェクト採択
- 公益社団法人日本ロジスティクスシステム協会(JILS)「2025年度 ロジスティクス大賞」受賞
- 内閣府主催「第8回 日本オープンイノベーション大賞」国土交通大臣賞 受賞
- 一般社団法人フィジカルインターネットセンター「フィジカルインターネットアワード2026」社会実装部門 奨励賞 受賞
- 経済産業省「ウラノス・エコシステム 先導プロジェクト」選定
導入前に知っておきたいこと
公開情報や利用者の報告において重大なシステム障害や不具合に関する報告は確認されていませんが、サービスの性質上、以下の点に留意して検討を進める必要があります。
- 実運用への移行には企業間での綿密な条件調整が必要
システム上でのマッチングや匿名チャットでの初期合意後、実際の共同運行を開始するためには、荷扱いルール、着荷時間、運賃精算方法、トラブル発生時の責任分界点などを個別企業間で詳細に協議・契約する必要があります。マッチング成立が即座に運行開始を意味するわけではない点に注意が必要です。 - マッチング確度は登録路線数・参加企業数に依存する
自社の希望する発着エリア・車種・時間帯に合致するパートナーが見つかるかどうかは、プラットフォーム上の登録データ量に左右されます。全国87社・14,000路線以上が登録されていますが、特殊な荷姿や限定的な地域間輸送では候補が限られる場合があります。 - 自社データの定期的な更新管理が必要
登録したデータが実態と乖離していると適切なマッチングが行われないため、年度ごとや大幅な路線改編時にはExcelデータのメンテナンスと再アップロードを行う運用体制を社内に設ける必要があります。
よくある質問(FAQ)
- 利用にあたって専用の車載機器やソフトのインストールは必要ですか?
- 不要です。Webブラウザから利用できるクラウド型SaaSであり、自社輸送データの登録も汎用的なExcelフォーマットのアップロードで行うため、新たな車載ハードウェアの購入やシステム改修なしで導入できます。
- 登録した自社の顧客情報や企業名が競合他社に漏れる心配はありませんか?
- 心配ありません。データベース登録時および検索結果の一覧画面では企業名は匿名IDで表示され、発着市区町村や車種などの運行条件のみが開示されます。双方がシステム上で合意するまで社名や連絡先は公開されない設計となっています。
- 共同輸送が成約した場合、成約手数料やマージンは発生しますか?
- 発生しません。料金は年間利用料(一般ユーザーは年額30,000円、TDBC会員・traevoユーザーは0円)のみであり、成約ごとの手数料やマージンは一切不要です。
- 無料トライアルやデモ画面の確認は可能ですか?
- 公式サイトの問い合わせ窓口から相談することで、デモ環境の確認やシステムの操作説明を受けることが可能です。また、実証事業等の期間中にトライアル利用が提供されるケースもあります。
- スマートフォンやタブレットから操作できますか?
- PCの主要Webブラウザでの操作が基本設計となっています。詳細な推奨動作環境についてはベンダーへの問い合わせを推奨します。
- 契約期間や解約条件はどのようになっていますか?
- 料金は年度ごとの更新体系となっています。利用約款に基づき契約が管理されるため、途中解約時の条件や更新手続きの詳細については契約時の約款確認またはベンダーへの問い合わせが必要です。