T2 自動運転システムとは?レベル4自動運転トラックによる幹線輸送・遠隔監視システムの特徴を解説

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幹線輸送に特化したレベル4自動運転トラックの開発および運行・遠隔監視システム。高速道路における無人走行と遠隔からの安全な指示・制御を実現します。日本のドライバー不足など物流課題の解決に直結するソリューションです。

公式サイト
https://t2.auto/
料金モデル
要問い合わせ
対象規模
大企業向け
対象業界
物流・倉庫業 小売・卸売業 EC・通販

T2 自動運転システムとは?

株式会社T2が提供する「T2 自動運転システム」は、幹線輸送(高速道路を活用した長距離輸送)に特化したレベル4自動運転トラックの開発および運行・遠隔監視システムです。深刻化する「物流の2024年問題」や長距離ドライバー不足の解消を目的としており、すでにレベル2自動運転トラックを用いた関東〜関西間の商用運行を開始しています。2027年度にはレベル4(完全自動運転)サービスの実現を見据え、日本の物流インフラを次世代へと進化させる画期的なソリューションです。

主な機能・特徴

  • 高精度な周辺環境認識と自車位置推定
    LiDARやカメラに加え、視覚言語モデル(VLM)を活用し、道路工事や車線規制などのイベントを早期に検出します。また、センチメートル級の精度を誇る高精度3次元地図データを利用し、GPS(GNSS)信号が届きにくいトンネル等でも正確に自車位置を推定します。
  • イレギュラー時の自動対応(速度調整・車線変更)
    工事標識やパイロンを検知しての適切な車線変更や、速度制限標識の認識による加減速、さらには合流してくる他車両に対する減速・譲り機能など、高速道路上で発生する複雑な事象に自動で対応可能です。
  • 切替拠点(トランスゲート)の運用
    神奈川県綾瀬市や兵庫県神戸市に、高速道路での無人運転と一般道での有人運転を切り替えるための専用拠点「トランスゲート」を設置し、シームレスな輸送オペレーションを構築しています。
  • 遠隔監視・操作システム
    緊急時やシステムに異常が発生した際に、遠隔地のオペレーターが車両の周辺状況を確認し、必要に応じて補助操作を行うサポート体制を備えています。
  • 物流施設との連携(建物内自動走行)
    高速道路上だけでなく、将来的な施設間の無人輸送を見据え、ランプウェイを含めた物流施設内の自動走行やバース(荷台)への発着技術の実証も進めています。

こんな企業・現場に向いている/向いていない

【向いている企業・現場】

大企業やグループ企業を中心に、関東〜関西間などの長距離幹線輸送を頻繁に行う物流・倉庫業、小売業、EC・通販事業者に適しています。特に、長距離ドライバーの採用難に苦慮している企業や、労働時間規制を遵守しながら輸送力を維持したい担当者に最適です。また、夜間などの時間を問わず柔軟に運行できるため、リードタイムに比較的ゆとりのある荷物(飲料、家電製品、引越し家財など)の輸送現場と非常に相性が良いです。

【向いていない企業・現場】

本システムは「高速道路を用いた幹線輸送」に特化しているため、ラストワンマイルの宅配業務や、近距離・市街地を中心とするルート配送をメインとしている企業にはミスマッチです。また、出発地から到着地までのすべてのルート(狭い一般道や住宅街など)を無人化できるわけではないため、「すぐに全工程を完全無人化したい」と考えている現場は、別の自動配送ツールや小型自動搬送ロボットを検討した方がよいでしょう。

料金・プラン・導入方法

T2 自動運転システムの料金体系やプランの詳細は「要問い合わせ」となっています。現在は車両システムの開発と、T2自身が運送事業者としてのオペレーションをセットで提供する事業モデルを展開しており、荷主企業ごとの輸送量、実証の規模、ルートなどに応じて個別に費用が算出されます。導入初期はシステム費用などがかかるためコストが高くなる傾向がありますが、将来的には自動運転トラックの普及とスケールメリットによって、輸送コストの大幅な低減が期待されています。

導入事例・実績

  • 三井倉庫ロジスティクス株式会社
    2025年7月、国内で初めてT2のレベル2自動運転トラックの商用運行を利用したオペレーションを開始しました。パナソニックやアクアの家電製品を関東〜関西間で輸送しています。
  • サカイ引越センター・ハート引越センター
    引越し業界初の取り組みとして、2026年4月より、T2の自動運転トラックを用いた単身向け引越し家財の幹線混載輸送の実証を開始しました。
  • 株式会社セブン-イレブン・ジャパン
    埼玉県の物流拠点から兵庫県の拠点まで、「セブンプレミアム」の商品をレベル2自動運転トラックを用いて輸送する実証実験を実施しました。
  • 酒類・飲料メーカー物流子会社4社
    アサヒロジ、キリングループロジスティクス、サッポログループ物流、サントリーロジスティクスの4社が、自社製品のコンテナ・重量を変えながら関東〜関西間で幹線輸送する実証を行いました。

導入前に知っておきたいこと

現時点でのユーザー評価・検証結果において、以下の課題や注意点が報告されています。

  • レベル4(完全自動運転)の実用化は2027年以降
    現在は商用運行や実証実験において「レベル2(ドライバーが監視・対応する状態)」での運用が主体です。レベル4の実装は2027年度を予定しており、即座に運転手を完全にゼロにできるわけではありません。
  • 天候や環境による走行制限
    自動運転システムはどのような環境でも万能に走れるわけではなく、大雨などの悪天候時や、特定の制約が生じる環境下では、システムに制限がかかることが認識されています。
  • 一般道や料金所通過における技術開発の途上
    高速道路の本線では、関東ー関西間およそ500kmをドライバーの介入なしで完走することに成功していますが、幅の狭い料金所の通過や、切替拠点(トランスゲート)から最終的な物流拠点までの一般道走行については、現在も技術開発が続けられている段階です。

類似ツールとの違い・選び方

同カテゴリの他社自動運転開発ベンダーとの最大の違いは、T2が「自動運転システム(ソフトウェアや車両)を販売・提供するだけの企業」ではなく、「自らが運送事業者として貨物輸送のオペレーションまで一貫して担う」点にあります。高度な自動運転技術(道具)を開発するだけでなく、荷主との調整、混載輸送の組み合わせ、切替拠点での乗り替わりなど、泥臭い物流オペレーションまで自社で実行・提供しているため、荷主企業は複雑なシステム運用を自社で抱え込むことなく、サービスとして自動運転輸送を活用できるのが大きな強みです。

よくある質問(FAQ)

どのエリアで利用可能ですか?
現在の商用運行および実証実験は、主に輸送需要が集中する関東〜関西間(東名高速・新東名高速・名神高速・山陽道など)の高速道路ルートを中心に行われています。
ドライバーは全く不要になりますか?
現在のレベル2運行では保安要員としてドライバーが同乗します。2027年度にレベル4が実現すれば高速道路上では無人走行が可能になりますが、高速道路を降りた一般道では引き続きドライバーによる有人運転への切り替え(切替拠点での乗り替わり)が必要です。
自動運転トラックを自社で購入する必要がありますか?
T2が自社開発のトラックを用いて運送事業者として輸送サービスを提供するモデルのため、荷主企業側が高額な自動運転トラックを自社資産として購入・所有する必要はありません。

参照・出典