TS-Boxとは?レベル4対応の自動運転トラック実証・運用ソリューション

自動運転レベル2+からレベル4まで対応可能な自動運転ソリューションパッケージ。東名・新東名などの高速道路における自動運転トラックの実証・運用プラットフォームとして機能します。グローバルでの高度な技術力を日本市場向けに最適化しています。

料金モデル
要問い合わせ
対象規模
大企業向け
対象業界
物流・倉庫業 自動車・部品

TS-Boxとは?

TS-Boxは、幹線輸送における長距離トラックドライバー不足や運行コストの増加に直面する物流・自動車業界向けに、高速道路走行に対応した自動運転環境を提供する車載型ドメインコントローラー統合ソリューションです。グローバルで自動運転トラックの開発を手掛けるTuSimpleの技術を基盤とし、レベル2+からレベル4までの拡張性を持ったハードウェア・ソフトウェア一体型パッケージとして設計されています。東名・新東名高速道路を中心とした日本国内の幹線道路環境への適合が進められています。

主な機能

環境認識・センシング機能

  • マルチセンサーフュージョン処理
    車両の全周囲360度をカバーする複数のLiDAR、ミリ波レーダー、高解像度カメラからのデータをリアルタイムで統合・処理します。夜間や悪天候、トンネル通過時といった視界不良の環境下でも安定した物体検出と空間把握を維持します。
  • 超長距離認識アルゴリズム
    AI画像認識技術と高精度カメラの連携により、前方最大1,000メートル先の道路状況や先行車、落下物などを事前に検知します。高速走行時のトラックに必要な十分な制動距離と予見的な判断時間を確保します。

走行制御・プランニング機能

  • 一体型ドメインコントローラーによる統合制御
    高性能車載コンピューティングユニット内で、認知・判断・車両制御のアルゴリズムを一元的に実行します。ステアリング、アクセル、ブレーキなどのアクチュエータへ低遅延で指示を伝達し、大型商用車の挙動を制御します。
  • 高速道路向け加減速・車線維持制御
    幹線道路の合流、車線変更、料金所付近の加減速など、高速走行特有のシナリオに応じた滑らかな軌道計画を自動生成します。ドライバーの運転負荷を大幅に低減し、定速・エコドライブによる燃料消費の平準化を支援します。

プラットフォーム・安全管理機能

  • レベル2+からレベル4への段階的アップデート対応
    ドライバーが同乗する支援運転(レベル2+)から、特定条件下での無人運行(レベル4)まで、共通のハードウェア構成をベースにソフトウェア更新での拡張に対応します。法規制や運行基準の整備進捗に合わせた柔軟な運用移行が可能です。
  • フェールセーフ・異常時退避プロトコル
    センサーやシステムの一部に障害が発生した場合でも、即座に安全な減速や路肩退避、ドライバーへの手動切り替え制御を行う冗長化設計が組み込まれています。

こんな企業・現場に向いている/向いていない

向いている企業・現場

東京・名古屋・大阪などの大都市間幹線輸送を自社または専属フリートで高頻度運行している物流事業者

  • 長距離ドライバーの拘束時間超過と採用難が常態化している
    TS-Boxによる高速道路区間の自律走行支援を活用することで、ドライバーの運転負荷を軽減し、中間地点での中継輸送や運行効率化を推進できます。
  • 夜間や早朝の幹線便における燃費効率のバラつきと事故リスクを抑制したい
    一定速度を維持する最適な加減速プランニングと超長距離センシングにより、無駄な急加減速を排除した安全走行と燃料コストの安定化が図れます。

自動運転対応トラックの自社開発やフリート導入を検討している車両メーカー・大規模フリート保有企業

  • 自社車両への自動運転システム統合にかかる開発期間とコストを圧縮したい
    ドメインコントローラーと検知ユニットがパッケージ化されたTS-Boxを採用することで、センサー統合から制御設計までの開発工程を一貫して効率化できます。

向いていない企業・現場

ラストワンマイル配送や市街地の複雑なルート配送が中心の運送事業者

  • 狭小路地や歩行者の多い市街地配送を自動化したい
    TS-Boxは主に高速道路や幹線道路の長距離走行に最適化されたソリューションであるため、頻繁な停車や荷役作業を伴う都市部ラストワンマイル配送には適合しません。小型配送車向けの別システムを検討する必要があります。

導入初期費用を抑えて手軽に配車や遠隔管理のSaaSのみを利用したい中小事業者

  • 車載センサーの追加架装や大規模なハードウェア投資を避けたい
    TS-Boxは車両側への専用ハードウェア・センサー類の搭載を前提とするソリューションパッケージのため、ソフトウェア単体での運行管理を求める企業には投資対効果が合いにくい場合があります。

類似ツールとの比較

ツール名 特徴 料金 向いている企業
TS-Box ドメインコントローラーとマルチセンサーフュージョンを統合した長距離トラック向け自律走行パッケージ 要問い合わせ 幹線輸送の自動化・長距離ドライバー不足対策を進める物流大手・車両メーカー
Web.Auto Autowareを基盤としたオープンソース系自動運転開発・運行・遠隔監視統合プラットフォーム 要問い合わせ 自社で自動運転システムのカスタマイズ開発を行いたい自動車メーカーや研究開発機関
T2 自動運転システム 日本の高速道路幹線輸送に特化したレベル4自動運転トラックの開発および運行・遠隔監視システム 要問い合わせ 東名・新東名などの主要幹線で無人幹線輸送の社会実装を計画する国内物流事業者
先進モビリティ 自動運転システム 車車間通信を用いた電子牽引によるトラック隊列走行技術および自動運転システム 要問い合わせ 後続車無人化を含むトラック隊列走行による長距離輸送の省人化を目指す事業者

TS-Boxは、グローバルな完全無人走行実績を持つTuSimpleの検知・制御技術を、車両搭載が容易な一体型パッケージとして提供している点が特徴です。自社トラックに高性能な認識・プランニング機能を早期に実装し、高速道路での長距離運行を効率化したい場合に適した選択肢となります。

一方で、オープンソースを活用してソフトウェアスタックから柔軟に自社開発を行いたい場合はWeb.Auto、日本の高速道路インフラや国内商用車規格に特化した完全無人幹線輸送サービスそのものを利用したい場合はT2 自動運転システム、複数台の車列による追従走行での輸送力強化を重視するなら先進モビリティ 自動運転システムが有力な比較候補となります。

料金・プラン・導入方法

TS-Boxの利用料金・機器購入費用・ライセンス費用は公式には公開されておらず、要問い合わせとなっています。導入対象となる車両タイプ(大型トラック、中型トラック、乗用車等)、搭載台数、必要とする自動運転レベル(レベル2+〜レベル4)、ソフトウェアのカスタマイズ範囲などに応じて個別見積もりが提示されます。

見積もり取得時には、以下のポイントを確認することが推奨されます。

  • ハードウェア導入費用と架装コスト
    ドメインコントローラー本体およびLiDAR、カメラ、レーダー等のセンサー類の機器費用と、車両への取り付け・適合にかかる初期費用の内訳。
  • ソフトウェアライセンスおよび保守・更新費用
    自動運転アルゴリズムの利用ライセンス体系(車両1台ごとの月額/年額課金、一括買い切り等)と、定期的なマップ・ソフトウェアアップデートの費用。
  • 実証実験(PoC)のサポート費用
    公道走行前のテストコース検証、安全基準適合確認、セーフティドライバー同乗時のデータ取得・分析支援にかかるサポート料金。

導入の流れ・期間

TS-Boxの具体的な標準導入期間は公式に明示されておらず、導入車両の仕様や走行ルートの検証規模によって異なります(要問い合わせ)。自動運転ソリューションパッケージにおける一般的な導入フローは以下の通りです。

  1. 問い合わせ・要件ヒアリング
    運航ルート、対象車両、想定する自動運転レベル(レベル2+〜レベル4)などの要求条件を整理し、技術的適合性を確認します。
  2. 技術提案・初期見積もり
    車両架装計画、センサー配置設計、システム構成に応じた概算費用とスケジュールが提示されます。
  3. 契約締結・車両適合設計
    契約完了後、ベース車両に対するハードウェア(TS-Boxおよびセンサー類)の艤装設計およびCANインターフェース等の電気制御系の適合作業を実施します。
  4. クローズドコースでの安全検証・キャリブレーション
    専用テストコースにて、センサーキャリブレーション、緊急制動、フェールセーフ機能などの基本動作を検証します。
  5. 公道実証テスト・段階的運用開始
    セーフティドライバー同乗のもと、対象の高速道路区間等で走行テストを行い、走行データを蓄積しながら実用運行へ移行します。

導入事例・実績

TS-Boxを提供するTuSimple JAPANは、日本国内において以下の実証走行実績を公開しています。

  • 東名・新東名高速道路におけるレベル4相当走行テスト(2023年)
    日野自動車製「プロフィア」をベースとした実験車両を用い、東名・新東名高速道路の厚木南IC〜豊田JCT間(片道約270km)において、累計41,605kmにおよぶ自動運転走行テストを実施しました。昼夜間、雨天、渋滞などの多様な道路環境下で安定した走行データを取得し、東京・名古屋間の走行テストに成功しています。
  • グローバルでの運行実績
    北米市場において世界初の自動運転トラック完全無人走行テストに成功したほか、累計1,600万km以上の走行データと32万km以上の商用自動運転サービスの運行実績を有しています。

商用フリートとしての個別企業への量産導入実績については、現時点で公式に一般公開されている詳細情報はありません。

導入前に知っておきたいこと

TS-Boxの導入を検討するにあたり、以下の技術的・運用的な注意点を把握しておく必要があります。

  • 国内道路環境・インフラへの適合課題
    日本特有の連続する長いトンネル区間におけるGNSS(GPS)電波途絶環境への対応や、ETCゲート・インターチェンジ合流部でのインフラ連携など、日本の道路環境に応じた継続的な適合調整が求められます。
  • 法規制と運行設計領域(ODD)の制約
    自動運転レベル4の本格実用化には、道路交通法や道路運送車両法などの法規制遵守、および天候や道路条件を限定した運行設計領域の設定が不可欠です。無人運行を前提とする場合は、段階的な実証計画を立てる必要があります。
  • 現時点でのユーザー評価・口コミについて
    一般のSaaSツールとは異なり、開発・実証フェーズが中心のハードウェア統合パッケージであるため、現時点では一般ユーザーや導入企業による公開された口コミ・レビュー情報は確認できていません。

よくある質問(FAQ)

TS-Boxはスマートフォンやタブレットのアプリから操作できますか?
TS-Boxは車両側に直接搭載される車載ドメインコントローラー・検知システムであり、単体のスマートフォンアプリ等で直接運転操作を行うものではありません。遠隔監視や車両状態のテレマティクス連携については要件に応じた確認が必要です。
無料トライアルやデモ体験は可能ですか?
車両へのハードウェア架装およびセンサー適合が必要なため、一般的なソフトウェアのような無料トライアルは提供されていません。デモ映像の確認や実車見学、実証実験の共同参画等については公式サイトより問い合わせを推奨します。
国産の大型トラック全車種に搭載できますか?
公開されている国内実証実験では日野自動車「プロフィア」が用いられていますが、商用車・乗用車双方のメーカー向けに設計されています。特定の車型への適合可否や電子制御ブレーキ・ステアリングとの接続性については個別確認が必要です。
レベル2+とレベル4では何が異なりますか?
レベル2+ではドライバーが運転席に座り周囲を常時監視(ハンズオフ走行を含む)する支援運転ですが、レベル4では特定条件下においてシステムが運転操作の主体となり、無人運行が可能になります。TS-Boxはレベル2+からレベル4まで同一設計思想で拡張可能なアーキテクチャを採用しています。
サポート体制や問い合わせ窓口はどこになりますか?
株式会社TuSimple JAPANが日本国内での技術開発・実証支援を行っています。技術サポートや導入相談は公式サイト(https://www.tusimple.com/)等の公式窓口から問い合わせる形となります。
契約期間や解約条件はどのようになっていますか?
契約期間や解約条件、ハードウェア保証期間などは公式に開示されていません。プロジェクト単位のPoC契約やライセンス契約ごとに個別に規定されるため、商談時に確認してください。

参照・出典

他の自動運転・隊列走行システムと比較する

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