TranOptとは?AIで共同輸送パートナーを探索し積載率向上とCO2削減を実現するマッチングツールの特徴を解説

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AIを活用して最適な共同輸送のパートナーを探索・マッチングするクラウドサービスです。定期便の帰り荷やスポット便の積荷情報を可視化し、積載率の向上とCO2排出量の削減に貢献します。

料金モデル
SaaS(月額)
対象規模
中堅〜大手向け
対象業界
製造業 物流・倉庫業 食品・飲料 小売・卸売業

TranOptとは?

TranOpt(トランオプト)は、日本パレットレンタル株式会社(JPR)が提供する、定期便の効率化と持続可能な輸送体制の構築を目指す荷主・物流企業向けの共同輸送マッチング&輸送最適化クラウドサービスです。多数の企業が登録した輸送経路(ルート)データベースをもとに、AIが帰り便や三角輸送、混載輸送の最適な組み合わせを探索・提案します。空車回送の削減による実車率・積載率の向上、輸送コスト削減、ならびにCO2排出量の削減という物流課題の解決に寄与します。

主な機能

AI輸送マッチングエンジン

  • 多様な運行パターンの自動探索(往復・三角・混載輸送)
    群馬大学および明治大学との共同研究技術を活用し、2拠点間の往復(帰り便)だけでなく、1台のトラックで3拠点を巡回する「三角輸送」や、同一経路で複数社の荷物を積み合わせる「混載輸送」の最適候補を瞬時に算出します。これにより、自社単独では見つけられなかった異業種間での運行効率化パターンを発見できます。
  • 実務条件・季節波動を考慮した探索ロジック
    単純な発着地の距離だけでなく、車型、積載重量、荷物の温度帯、荷役条件、さらには時期ごとの荷量の需給・季節変動などをパラメータに含めてマッチングを行います。実務要件に即した候補が抽出されるため、机上の空論にとどまらない現実的な共同輸送の検討が可能になります。
  • 中継輸送(ヘッドスワップ・ドライバースワップ)連携
    中長距離輸送のマッチング結果から、運行途中で利用可能な中継拠点をリストアップし、拠点を選択して相手企業へ提案できます。ドライバーの日帰り勤務体制や拘束時間短縮を視野に入れたルート設計を支援します。

取引支援・費用按分機能

  • 公平な費用負担・想定運賃の自動算出
    数理科学理論(協力ゲーム理論等)をベースに、共同輸送を実施した際の想定運賃と、参画企業間における公平な費用負担割合をシステム上で試算・表示します。企業間の運賃按分交渉における不公平感を軽減し、スムーズな合意形成を後押しします。
  • プライベートマッチング・ワンショット機能
    自社のルート情報をデータベース全体に公開することなく、マッチング候補の有無だけを個別に調査できるワンショット機能や、自社グループ・特定アライアンス内だけで閉じた運用を行うプライベート環境(SaaSライセンス)が利用できます。機密保持規定が厳しい企業でも安全に検証を進められます。
  • マッチングニーズ可視化マトリクス・見積提案
    申込みの多い輸送経路をリアルタイムで集計したマトリクス表や人気ルートランキングを閲覧できます。また、登録ルート一覧から運送事業者が直接運賃見積を提案する機能も備えており、荷主と実運送事業者間の迅速な取引接続を促進します。

データ整備・運用サポート

  • データクリーニングサービス
    社内システム(ERPやWMS)に蓄積された日々の運行実績レコードから、重複拠点の統一や年間輸送ルートへの集約など、マッチングに適した形式へデータを正規化・整形する支援を受けられます(一定件数まで無料提供)。自社でデータ整理のリソースが不足している現場の導入負担を抑えます。
  • 共同輸送コミュニティ運営・実運行コンサルティング
    システム上のデータ連携だけでなく、同業・異業種企業が集まり対話する「共同輸送コミュニティ」の開催や、荷物の積み付けシミュレーション、契約締結に向けた実務伴走コンサルティングが提供されます。システム導入だけで終わらず、実運行の定着までサポートされます。

こんな企業・現場に向いている/向いていない

向いている企業・現場

長距離・定期便の運行が多く、復路の空車回送や積載率の低さに悩む製造・流通企業

  • 片道輸送による復路の空車運行が常態化している
    TranOptの「帰り便」および「三角輸送」マッチングにより、自社トラックの戻り便に他社荷物を積載したり、3社間で効率的な周回ルートを構築したりできます。無償トライアル実績では候補ルートの平均実車率93%を記録しており、復路の空車ロスを大幅に削減できます。
  • 自社ルートの出荷波動が大きく、閑散期に積載率が低下する
    季節変動や曜日ごとの物量差を考慮したマッチング機能により、荷量が落ちる時期や空きスペースに適合するパートナー企業を探索できます。物量の平準化と積載効率の底上げを両立可能です。
  • 2024年問題への対応として長距離定期便の日帰り運行化・中継輸送化を進めたい
    マッチング結果に連動した中継拠点探索機能を使うことで、中継地点でのヘッド交換やドライバースワップを前提とした共同輸送体制を計画できます。拘束時間の短縮とコンプライアンス遵守を両立した輸送体制を構築できます。

同業種・異業種を問わず、中長期的な共同輸送パートナーを開拓したい大手・中堅荷主

  • 自社のネットワークだけでは荷物の行き先や時間帯が合致する連携先が見つからない
    日本パレットレンタルが保有する業界横断の物流ネットワークとAI探索により、従来接点のなかった異業種荷主とのマッチングが可能です。新聞輸送の復路に鋼材を積載するといった意外性のあるマッチングも実現しています。
  • システム上で候補が見つかっても、実務ルールのすり合わせが進まず頓挫しやすい
    JPRのコンサルタントによる伴走支援や「共同輸送コミュニティ」を通じた対話機会を活用することで、荷役仕様の違いや積載パターンの課題を対面・Web協議で解消しながら実運行へと進められます。

向いていない企業・現場

日々突発的に発生する単発・緊急のスポット配送のみを手配したい企業

  • 日々の配送先や配送時間が定まっておらず、即日・数時間後の集荷を最優先する
    TranOptは年間を通じて継続する「定期便」や定常的な運行ルートの最適化を主目的としたサービスです。発注から数十分〜数時間でドライバーを手配する緊急スポット配送の即時マッチングには対応していないため、即時オンデマンド配車に特化したツールの利用が適しています。

輸送データが全く蓄積されておらず、単発の低価格案件を手動で探したい小規模運送事業者

  • 年間や月間のルートデータがなく、掲示板感覚で直近の空き荷物を探したい
    TranOptは発着地・車型・頻度・物量などのルートデータを登録してAI探索を行う仕組みのため、一定の運行計画データが必要です。単発案件の掲示板型システムを求めている場合は、従来の求荷求車プラットフォームの方が手軽に利用できます。

類似ツールとの比較

ツール名 特徴 料金 向いている企業
TranOpt AIと数理理論を活用した定期便・共同輸送特化マッチング。三角輸送や中継拠点探索、データ整備・協議支援コンサルティングを網羅 登録・探索は無料、成約時の成功報酬型(定額SaaSライセンス・コンサルティングメニューあり) 定期幹線便の空車削減、異業種荷主との共同輸送、積載率・CO2削減を進めたい中堅〜大手荷主・物流企業
トラボックス 国内最大級の会員基盤を持つ求荷求車プラットフォーム。月間23万件以上の荷物・空車情報が掲載され、直接交渉が可能 運送会員:月額9,900円(税込)等(プランにより異なる) 全国規模の荷物・空車ネットワークを使い、自社で直接交渉してスポット便や帰り荷を柔軟に確保したい運送会社・荷主
ハコベル 荷主と運送会社を直接つなぐ運送マッチングおよび配車管理SaaS。厳格な審査を経た運送ネットワークによる迅速な配車体制 要問い合わせ(案件ごとの運賃設定・システム利用料) スポット便の即時手配から定期便の手配管理、自社・協力会社の配車業務を一元管理したい企業
PickGo 軽貨物から一般貨物まで全国のドライバーと直接マッチング。最短30分で集荷に向かえる緊急配送など高い機動力が強み 要問い合わせ(配送案件に応じた従量課金等) 突発的な欠品対応、緊急の即日配送、ラストワンマイルのスポット配送リソースを迅速に確保したい現場

共同輸送マッチング・求荷求車の分野では、手配したい輸送の「周期性」と「目的」によって選定すべきツールが明確に分かれます。

幹線輸送や拠点間輸送などの「定期便」において、復路の空車率改善や積載率向上、CO2排出量削減といった中長期的な構造改革を目指す場合は、TranOptが適しています。AIによる三角輸送・混載ルートの導出や、荷主同士の合意形成をサポートするコンサルティング支援が受けられるため、自社単独では進めにくい異業種間連携を体系的に推進できます。

一方、日々の突発的な荷物・車両の過不足を解消したい場合や、今日・明日の空車を埋めたいといったスポット輸送の手配には、月間23万件以上の情報が流通するトラボックスや、即時手配力の高いハコベル、最短30分で集荷可能なPickGoなど、オンデマンド型のプラットフォームを検討するのが合理的です。

料金・プラン・導入方法

TranOptの基本利用における会員登録およびマッチング候補の検索・探索は無料で利用できます。マッチングが合意に至り共同輸送が成立した際に手数料が発生する「成功報酬型」が基本モデルとして採用されています。

また、自社グループや特定パートナー間のみでシステムを利用する「TranOptプライベート利用(SaaSライセンス)」や、データクリーニング、実運行に向けた個別コンサルティングなどの付帯サービスも提供されています。これらのライセンス費用やコンサルティング料金は個別見積もり(要問い合わせ)となります。

料金の見積もりを依頼する際は、以下のポイントを確認することをおすすめします。

  • 成約手数料の課金基準(成立便数ベース、月額固定、あるいは削減運賃に対するレベニューシェアなど)
  • データ登録・データクリーニング支援の対象範囲(無料対象データ数および追加時の費用)
  • プライベートSaaS環境の導入規模と月額ライセンス体系(利用アカウント数や対象拠点数)
  • コミュニティ参加・実運行伴走コンサルティングの契約期間と対応範囲

導入の流れ・期間

公式サイト等の公開情報に基づく導入の主なステップは以下の通りです。

  • 1. 問い合わせ・簡易シミュレーション
    公式サイトのフォーム等から問い合わせを行い、発着地情報などを入力してマッチング可能性の簡易シミュレーションを実施します。
  • 2. ヒアリング・要件定義
    自社の輸送ルート、物量、荷姿、車型、運行頻度、現状の課題(空車率、運賃水準など)をJPRの担当者に共有します。
  • 3. データ準備・クリーニング
    ERPやWMSから抽出した運行実績データを整理し、TranOptのルート形式へ正規化します(データクリーニングサービスの活用も可能)。
  • 4. ルート登録・AIマッチング探索
    システムに自社ルートを登録(または非公開ワンショット機能を利用)し、AIによる共同輸送候補(帰り便・三角輸送・混載便)を探索・抽出します。
  • 5. 候補企業との条件調整・協議
    マッチング相手へアプローチし、輸送スケジュール、荷役方法、運賃按分、中継拠点の活用可否などを協議します(共同輸送コミュニティやJPRコンサルタントが伴走)。
  • 6. 契約締結・実運行開始
    運送事業者を含めた実運務の合意を形成し、試験運行を経て本運行を開始します。

TranOptの具体的な導入・実運行開始までの所要期間は、登録するルート規模や相手企業との協議内容により異なるため、要問い合わせとなります。

導入事例・実績

読売ロジスティクス × 共和熱処理(異業種間の帰り便マッチング)

株式会社読売ロジスティクスと熱処理加工を手掛ける共和熱処理株式会社の事例では、新聞夕刊を輸送した後の戻り便に、共和熱処理の鋼材製品を積載する共同輸送が成立しました。輸送時間帯や積載要件をAIマッチングとJPRの調整支援によってすり合わせ、従来は空車回送となっていた復路の有効活用を実現しています。

旭運輸 × ビックロジサービス(幹線輸送の共同化による波動緩和)

株式会社旭運輸(埼玉県〜大阪府の幹線輸送)と株式会社ビックロジサービスの間では、関東・関西間の主要ルートにおける共同輸送が実施されました。両社とも物量ボリュームの大きいルートながら荷量の波動による空車回送に課題を抱えており、TranOptでのデータ登録と紹介をきっかけに対話を進め、物量波動を相互に緩和する安定運行体制を構築しました。

家具家電共同輸送コミュニティ(株式会社アクタス ほか)

荷物の形状が多様で手積み・手降ろしが多く、他業種との共同輸送が難しいとされる家具・家電・住設機器メーカー5社(株式会社アクタスなど)が参加し、コミュニティを通じた共同輸送の検討が進められました。システム上のルートデータ比較と対面・Webでの対話を組み合わせ、消費地に近い配送先の一致に着目した効率的輸送の実現に取り組んでいます。

長瀬産業株式会社(化学品業界における共同輸送推進)

化学系商社大手の長瀬産業株式会社では、化学品業界特有の輸送保安基準や積載制約があるなかで、TranOptを活用した輸送効率化と共同輸送パートナーの探索に取り組んでいます。

導入前に知っておきたいこと

TranOptの導入にあたっては、公開情報および利用企業の事例から以下の留意点が確認されています。

  • 自社データの事前整理・正規化に工数がかかる点
    社内のWMSやERPから出力される運行データは日々のトランザクション単位であるため、TranOptに投入する「発着地別の年間・月間ルートデータ」への集約や拠点名の統一作業が必要です。JPR側でデータクリーニングサービスが提供されているものの、社内データの収集・抽出作業は必要となります。
  • システム単体での自動完結ではなく、企業間の対話・調整が不可欠な点
    AIによって最適な組み合わせが提示された後も、荷積み・荷降ろし時間、荷扱いルール、パレット規格、運賃負担などの実務合意形成が必要です。システム導入のみで即座に運行が始まるわけではなく、コンサルティングやコミュニティを通じた関係者間のコミュニケーションが必要となります。
  • スポット便・当日配送の手配には向かない点
    TranOptは定期便・定常ルートのマッチングを前提として設計されているため、日々の突発的な荷物・車両の手配を目的とする運用には適していません。

よくある質問(FAQ)

利用環境や端末に制限はありますか?スマートフォンでも利用できますか?
TranOptはWebブラウザから利用可能なクラウド(SaaS)サービスです。PCの標準的なWebブラウザから操作できます。詳細な推奨ブラウザ環境やモバイル対応状況については公式サイトよりご確認ください。
無料トライアルやデモ画面の確認はできますか?
TranOpt公式サイト上で発着地の郵便番号や車型などを入力してマッチング可能性を試すことができる「簡易シミュレーション」機能が提供されています。また、実際の画面デモや個別相談については随時Web問い合わせを受け付けています。
外部システムに自社の運行ルートを開示したくない場合はどうすればよいですか?
自社ルート情報をデータベースに公開せず、非開示のままマッチング候補の有無だけを調査できる「ワンショット・マッチング機能」が提供されています。また、自社グループや特定企業間だけでシステムを利用する「TranOptプライベート利用」も選択可能です。
サポート体制はどのようになっていますか?
システム操作のサポートに加え、拠点データの正規化を行う「データクリーニング」、異業種企業間の対話を支援する「共同輸送コミュニティ」、積載パターンのシミュレーションや実運行までの条件調整を伴走する「コンサルティングサービス」が提供されています。
契約期間や解約条件はどうなっていますか?
基本サービスは成功報酬型のため、会員登録・相手先探索自体に固定の契約拘束は生じません。プライベートSaaSライセンスやコンサルティング契約に関する最低利用期間・解約条件等の詳細は、個別見積もり時の契約条項をご確認ください。

参照・出典

他の物流マッチング・求荷求車と比較する

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