TUMIX配車計画とは?
TUMIX配車計画は、配車業務の属人化や、請求・支払業務におけるデータ転記・二重入力といった課題を抱える中小運送会社に向けた、クラウド型のTMS(輸配送・配車管理システム)です。鈴与グループの株式会社TUMIXが提供する本ツールは、運送会社ならではの現場目線とノウハウを取り入れ、受注から配車、運行指示、実務帳票作成、さらには請求・支払管理、データ分析にいたるまで、運送業務に必要となる一連のプロセスを一元管理することを目的としています。直感的なデジタル配車表の作成に加え、乗務員のスマートフォンと連携することで最新の手配状況をリアルタイムに共有し、手書き作業や伝達ミスを低減します。
主な機能・特徴
TUMIX配車計画に搭載されている主な機能と特徴について、具体的に解説します。
- 直感的な操作が可能なデジタル配車表
マウスのドラッグ&ドロップなどの簡単な操作で、日別や週別の配車計画を直感的に作成・編集・切り替えができます。紙やホワイトボードでのアナログな配車管理から脱却でき、複数の配車マン同士が別々の場所にいても、クラウドを通じて最新の配車状況を即座に同時共有・可視化できるようになります。 - 配車情報と請求・支払明細の自動連携
配車表に入力されたデータがそのまま請求書や支払明細のデータと自動的に連動するため、同じ情報を再度手入力する二重入力の手間を省くことができます。月末月初の請求・明細入力作業が大幅に省力化されるほか、各取引先に応じた個別の請求書フォーマットのカスタマイズにも対応しています。 - 乗務員向けスマホアプリ(オプション)との連携
配車表で組んだ最新の運行指示を、ドライバーのスマートフォン(iOS/Android対応)へ即時に送信できます。乗務員はスマホの画面をタッチするだけで、実質的に運転日報を自動作成することが可能です。毎回の電話確認や手書き日報の提出が不要になるほか、現場から写真やメッセージを配車担当者へ直接共有することも可能です。 - 各種実務帳票の自動出力機能
配車データをもとに、運行指示書、車番連絡票、依頼書、受領書、受領書送付明細などの各種帳票をシステムから自動生成します。作成した帳票はExcel形式等で出力・加工ができるため、事務処理の手間を軽減すると同時に、自社の運用に合わせた柔軟な調整が容易です。 - クラウドデータベース(クラウドDB)による履歴管理・データ分析
システムに登録された配車実績や売上データ、水揚げなどのデータはクラウドに自動的に蓄積され、過去の手配履歴を誰でも簡単な手順で即座に検索・抽出できます。蓄積したデータはCSVやExcel形式で出力でき、データに基づいた収支分析や経営状況の把握、さらにはBCP(事業継続計画)における災害時のデータ保全にも貢献します。
こんな企業・現場に向いている/向いていない
TUMIX配車計画は、企業の保有車両規模や業務スタイルによって適性が分かれます。ミスマッチを防ぐため、以下に詳細を解説します。
【向いている企業・現場】
- 保有車両が5台〜100台程度の中小規模の一般貨物運送会社
配車から請求、支払業務を手作業やエクセル等の個別ソフトで処理しており、業務の属人化やアナログ管理に限界を感じている現場に適しています。 - 月末月初の請求事務・転記作業に追われている管理者・事務担当者
「配車データ」と「請求書発行データ」をそれぞれ別の場所に入力しているなど、情報の二重入力や入力ミスが多く、月末月初の残業を削減したいと考えているオフィス業務全般に向いています。 - 現場のペーパーレス化やドライバーとの円滑な連絡を図りたい運行管理者
運行指示書の配り直しが手間、もしくは帰社後の手書き日報の回収や集計、手戻り連絡に多くの工数を割いている企業に効果的です。
【向いていない企業・現場】
- 基幹システムや他社ツールとの「APIを介した自動データ連携」が必須な企業
TUMIX配車計画は、他システムとの個別のAPI連携やシステム自体のカスタマイズには対応していません(スペック補足として不可と記載あり)。自社独自の基幹システムやWMSと完全に同期させたい場合は、要件に合わない可能性があります。 - スマートフォンを利用した業務連絡に、ドライバー側から強い抵抗がある環境
運行指示や日報自動作成はスマートフォンアプリを活用するため、乗務員のスマホ使用が著しく困難、または会社の端末支給ができない現場では、本ツールのスマホ連携の恩恵を最大限受けることが難しくなります。 - 複雑な積付計算、高度な自動配車エンジンによるルート最適化(自動配車)を必須とする現場
TUMIX配車計画は、配車「管理」や手配「共有」を一元化することに特化しており、AIが自動で最短ルートや積付効率を計算・設計する、いわゆる「自動配車エンジン」は備わっていません。自動配車を第一目標とする場合は、自動配車機能が搭載された別ツールの検討が推奨されます。
料金・プラン・導入方法
TUMIX配車計画の料金プランは以下の通りです。基本の料金システムは月額課金制(SaaS)を採用しており、利用するアカウント数に応じて月額費用が決定されます。
| プラン・アカウント種別 | 初期費用(税別) | 月額費用(税別) | 備考 |
|---|---|---|---|
| 初期導入費用 | 100,000円 | - | 導入時の基本設定費用 |
| 配車計画(配車係用ID) | - | 16,800円 / 1ID | 2ID目以降は割引価格あり。配車表作成・閲覧など |
| 事務員用ID | - | 3,000円 / 1ID | 請求・支払明細などの事務作業用ID |
| 乗務員向けスマホアプリ(オプション) | 不要 | 700円 / 1人 | 乗務員用。最低契約料金は月額7,000円(10ID分)から |
| 保守・メンテナンス料 | - | 0円 | 月々の追加サポートや定期更新費用は一切不要 |
※料金の詳細は導入規模や利用環境により異なる場合があるため、最新の正確な見積もりについては公式サイトへ直接お問い合わせください。
導入の流れ・期間
TUMIX配車計画の導入までの基本的なプロセスは、以下のように進みます。クラウド型システムであるため、自社で新たに専用のサーバーや高スペックなハードウェアを設置する必要はありません。
- 製品の説明・ヒアリング
公式サイト等からの問い合わせ後、担当者との面談(対面またはオンライン)が実施されます。現在の配車方法や業務上の課題についてヒアリングが行われます。 - ご提案・お見積り
ヒアリング内容や保有車両数、利用を予定するID数に基づき、最適な運用プランおよびお見積りが提示されます。 - ご注文・ご契約
提案および見積もり内容に合意後、正式なご注文とご契約の手続きを行います。 - 初期設定・マスタ登録
クラウド環境上に自社専用のデータベースが構築されます。既存の車両情報、取引先情報、ドライバー情報などの初期マスタデータをシステムへ登録します。 - 導入サポート・運用開始
専任スタッフによる操作説明や導入フォローを受けながら、実際に配車表の作成や事務作業をデジタルに置き換え、本稼働へと移行します。
※導入を検討する上で「体験型」のメニューなども用意されていますが、無料での長期間フリートライアルは実施されていません。また、具体的な導入準備期間(マスタ登録から本稼働までに要する日数)については公開されていないため、お問い合わせ時に確認が必要です。
連携できるシステム・機器
TUMIX配車計画の他システムや機器との連携状況は以下の通りです。
- TUMIXコンプラ(自社シリーズの勤怠管理ツール)とのリアルタイム連携
勤怠・労務管理を担う「TUMIXコンプラ」とリアルタイムでの連動が可能です。これにより、乗務員の残業・拘束時間などの労務情報を配車計画上で確認しながら配車・運行指示を組むことができ、改善基準告示などの法令遵守に寄与します。 - デジタコ・点呼システムとのデータ連動(TUMIXコンプラ経由)
TUMIXコンプラを連携させることで、既存のデジタコ(富士通、矢崎、いすゞ、NP等)や、自動点呼機器(IT点呼キーパーなど)のデータを自動で収集・連携可能です。さらに、データ・テック社が提供するデジタコ「SR Advance」とは、2025年夏頃よりデータベース直接連携を開始し、ドライバーが入力した運行実績をそのまま配車・請求・支払・労務の一元管理に活用できる体制が整えられています。 - Excel / CSVでのデータ出力連携
配車履歴、請求データ、支払明細、水揚げ分析データなどのシステム内データは、すべてCSVやExcel形式での出力が可能なため、自社の既存エクセル業務や独自の経営資料作成へデータをつなぐことができます。 - ※API連携・個別カスタマイズは非対応
外部の他社システムとの個別のAPIデータ自動同期や、導入企業に合わせた個別の機能カスタム・開発は「不可」となっています。
導入事例・実績
TUMIXシリーズは累計1,300社以上の登録実績があり、中小運送会社での成功事例が多数開示されています。
- 株式会社サイリク(福井県坂井市 / 保有車両:30台程、配車・事務:5名程)
導入前は紙の配車表を使用していたため、情報の「属人化」や社内での情報共有不足が起きていました。また、車番連絡表や受領書送付明細などの手書き業務、請求・支払に関わる二重入力が多く、伝達ミスも課題でした。TUMIX配車計画の導入により情報が一元管理され、リアルタイムの共有が実現。手書き作業の撤廃と入力ミスの低減に成功し、配車・事務の作業時間を月間75時間削減する効果を実感しています。 - 本宮運輸有限会社(車両:15〜20台、配車・事務:1〜5名程)
中長距離輸送を中心とした業務において、管理方法を従来のアナログからTUMIX配車計画へ一新しクラウド管理を実現しました。結果、月間72時間の事務作業削減に成功し、法令遵守(改善基準告示対応)を強化した運行管理を実現しています。 - 株式会社アクティブ(東京都 / 車両:22台程、配車・事務:3名程)
ルート配送を行う中で業務のDX(デジタル・トランスフォーメーション)化を目指し導入。ペーパーレス化とクラウド管理による社内のリアルタイムな情報共有により、人的ミスの最小化と請求作業の効率化を図り、月間10時間の事務時間削減を達成しました。 - 十代運送株式会社(静岡県 / 車両:15台程、配車・事務:5名程)
それまでの手入力やエクセルを使った請求業務から、初めて配車管理システムを導入しました。TUMIX配車計画の導入によって月末月初の請求作業が大幅に楽になり、月間10時間の事務削減を実現しました。
導入前に知っておきたいこと
TUMIX配車計画を検討するにあたり、ユーザー評価や公開情報から確認できている懸念点や注意すべきポイントは以下の通りです。
- 追加される新機能の習得と現場サポートへの課題
導入決裁者の口コミ(BOXIL等)によると、「最近は機能が多くなってきているので、説明していただける機会が欲しい」との指摘があります。システムが常にアップデートされて機能が追加されるのは利点ですが、社内の配車マンや現場担当者がそれを使いこなすための継続的な情報収集や説明の受講が必要になる点に留意が必要です。 - 外部システムとのダイレクトなAPI連携は不可
APIが非公開であり、独自の基幹システムやWMS(倉庫管理システム)などと、個別開発による自動リアルタイム双方向連携をさせることは困難です。システム間のデータ受け渡しは基本、手動でのCSV/Excelの書き出し・取り込みによる運用が基本となります。 - 無料トライアル(お試し期間)が存在しない
契約前に自社のPCからアカウントを自由に作成して、実際の業務でテスト試用をすることができません。デモの実演や「体験型」メニューを通じて画面の操作感を確認し、導入後に実務の流れと合致するかどうかを、契約前の打ち合わせでしっかりとすり合わせる必要があります。 - 乗務員向けスマホアプリは最低料金に条件あり
スマートフォンで運行指示や運転日報の自動作成を行うオプションアプリは月額700円/乗務員ですが、最低利用料金が「月額7,000円」(10ID分に相当)からとなっています。保有しているドライバー数が9名以下の小規模な現場であっても、最低額として月間7,000円が発生する点に注意してください。
類似ツールとの比較
「LogiShift」に詳細が掲載されている代表的な配送管理(TMS)関連ツールと比較します。
| ツール名 | 主な特徴 | 導入費用・月額料金 | 向いている企業規模・属性 |
|---|---|---|---|
| TUMIX配車計画 | ドラッグ&ドロップによるデジタル配車表、配車から請求・支払事務の一元管理、乗務員スマホでの日報自動作成。 | 初期:100,000円 月額:16,800円 / ID〜 |
車両5〜200台規模の中小運送会社。配車から月末の請求、日報までを一気通貫で管理したい現場。 |
| ロジックス (アセンド株式会社) |
配車・請求から労務管理まで一気通貫対応の運送特化クラウド型ERP。運賃交渉や収支分析に必要な指標を自動で可視化。 | 要問い合わせ | 配車業務の効率化に加え、運行単位での正確な収支・粗利管理を行い、データをもとに経営改善や交渉を行いたい企業。 |
| MOVO Vista (Hacobu株式会社) |
サプライチェーン全体の可視化プラットフォーム。リアルタイムの位置追跡(GPS)や到着予測(ETA)、関係者への進捗自動共有を重視。 | 要問い合わせ | 荷主、運送会社、納品先など、社外の関係者を含めた共同輸送の配送状況共有や、遅延の早期検知を強化したい現場。 |
| ULTRAFIX (NECソリューションイノベータ) |
労働時間を加味した自動配車エンジンを強みとし、積付から配送進捗、運輸管理までを解決するシステム。 | 要問い合わせ | 複数の拠点を持つ中堅・大手企業。複雑なルール(ドライバーの労働時間など)に基づき、配送計画自体を自動最適化したい現場。 |
選定のポイント:
TUMIX配車計画は、配車から請求・支払明細、運行日報を「一つの安価なシステムにまとめて入力の手間を省く」という、シンプルな業務一元管理を最も得意としています。他方で、配車を効率化するだけでなく「どの便がどのくらいの粗利を出しているか」など詳細な収支分析を行い、運賃交渉などの経営判断にデータを直接活かしたい場合には、アセンド株式会社の『ロジックス』が候補になります。
また、配車の担当者の経験に依存した作業そのものを自動化し、独自の労働時間を守るための自動配車エンジンの導入を望む多拠点の中〜大企業であれば、NECソリューションイノベータ株式会社の『ULTRAFIX』の検討が適しています。配送の位置情報をリアルタイムで関係者(荷主等)へ共有し、サプライチェーン上の「見える化」を最大化したい場合は、Hacobu株式会社の『MOVO Vista』が要件を満たしやすいと言えます。
よくある質問(FAQ)
- 乗務員向けのオプションスマホアプリの推奨OS環境や、管理側の動作環境はどうなっていますか?
- スマホアプリは、乗務員がお手持ちのスマートフォン端末(iOS/Android対応)で動作します。管理者がパソコンで操作する際の推奨Webブラウザは「Google Chrome」とされています。Microsoft Edgeでの動作も可能ですが、一部の機能で遅延等が発生する可能性があるとされています。
- 契約前に実際の画面をお試しで使える「無料トライアル」は提供されていますか?
- TUMIX配車計画では、無料のフリートライアル制度は設けられていません。その代わり、専門スタッフによる対面やオンライン面談での実際の操作デモ実演や、実際の運用にフィットするかを確認できる「体験型」メニューでの導入前サポートが提供されています。
- 導入後、操作等で困った場合のカスタマーサポート体制はどうなっていますか?
- 株式会社TUMIX専任のカスタマーサポートチームが配置されています。電話、メール、オンラインビデオ会議などでのやり取りに対応しており、パソコン操作に不安がある現場の担当者に対しても導入前後から手厚いサポートを実施しています。
- 契約の最低契約期間や中途解約などの条件はどのようになっていますか?
- 公式サイトや一般的な提供情報において、契約期間、解約手数料、最低契約条件等に関する具体的な記載は開示されていません。これらの契約条件についての詳細は、問い合わせ時・見積り時に直接確認する必要があります。
- 他社のデジタルタコグラフ(デジタコ)や点呼システムと連携してデータを取り込むことはできますか?
- TUMIX配車計画自体に直接の他社デジタコデータ連携機能はありませんが、シリーズ製品である勤怠管理ソフト「TUMIXコンプラ」とリアルタイムに相互連携が可能です。TUMIXコンプラを介することで、既存の主要なデジタコ端末や自動点呼ソフト(IT点呼キーパーなど)のデータを収集・連動し、労働時間の管理等に統合して配車に活かすことが可能です。
- 保守費用や、機能追加などによる追加のアフターコストはどれくらい発生しますか?
- システム保守料や定期メンテナンスのための追加費用は一切不要(0円)です。クラウドシステムは日々アップデートされますが、これによる保守コストの追加発生はありません。
- 特殊な運送形態(食品輸送、建材、ダンプなど)でも問題なく配車や管理に利用できますか?
- はい。一般貨物、EC、宅配、食品、建材、ダンプ、冷凍冷蔵、中長距離など、保有トラックが5台〜200台以上の幅広い業界・業種の運送会社において導入されています。自社特有の配車パターンに応じた最も手間の少ない入力・管理手順については、導入前のヒアリングの際に対策が提案されます。