Web.Autoとは?Autowareベースの自動運転開発・運行・遠隔監視を支援するプラットフォームの強みと特徴

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世界初のオープンソース自動運転ソフトウェア「Autoware」をベースにした、自動運転車の開発・運行・遠隔監視を支援するプラットフォーム。商用トラック向けに特化した自動運転リファレンスデザインの提供も行っています。柔軟なカスタマイズ性とオープンなエコシステムが強みです。

公式サイト
https://web.auto/
料金モデル
SaaS(月額)
対象規模
中堅〜大手向け
対象業界
自動車・部品 物流・倉庫業

ロジシフト編集部による最新動向サマリ

  • ヤマハ発動機との合弁会社を通じて、トヨタ車体やANA Cargoなど全国約60拠点・100台以上の無人搬送車(eve auto)の運行を支えている。
  • 開発元のティアフォーが2024年7月22日に東証グロース市場へ上場し、国内初の自動運転専業の上場企業として量産化に向けた体制を強化した。
  • 台湾のスタートアップTuring Driveと提携し、商用ソフトウェアプラットフォームを現地の車両システムへ統合することで、アジア圏での社会実装を推進している。
  • 運行管理システム(FMS)としてAPI連携に対応しており、WMS等の上位システムと同期することで搬送から荷役までの「線」の自動化に活用されている。

(ロジシフト掲載9記事をもとに自動生成・2026年7月9日更新)

Web.Autoとは?

Web.Auto(ウェブドットオート)は、自動運転車両の開発を進める自動車メーカーや部品サプライヤー、そして自動運転サービスを安全に導入・運用したい物流・倉庫業者などを対象に、自動運転システムの開発・検証・運行管理・遠隔監視を一貫してサポートするクラウドプラットフォーム(SaaS)です。世界初のオープンソース自動運転ソフトウェア「Autoware」をベースとし、実機車両の安全な運行管理や遠隔監視を行う「運用基盤」と、クラウド上でのシミュレーションや評価・検証を支援する「開発基盤(DevOps)」を統合した点が最大の特徴です。自動運転技術の設計・検証から、社会実装における日々の運行・保守までのプロセスをワンストップで効率化し、開発コストの削減と実用化までの時間短縮に寄与するソリューションとして注目を集めています。

主な機能・特徴

Web.Autoは、自動運転システムの効率的な開発と、現場での安全な車両運行を両立させるために多彩な機能を備えています。主な機能と、それによって現場がどのように変わるかを解説します。

  • フリートマネジメントシステム(FMS Console)による運行管理
    走行中の自動運転車両の現在位置、運行経路、速度、バッテリー状態などを、Webブラウザ(Google Chrome)上の管理画面でリアルタイムに一元監視・表示するシステムです。配送スケジュールや経由地、運行ルートを直感的に登録・指示でき、複数台の自動運転トラックや工場内搬送車に対してクラウド経由で発進・目的地設定などの命令を送れます。これにより、現場の運行管理オペレーターは手元のPCから複数車両の監視や配車を効率的に行えるようになり、運用の手間が大幅に削減されます。
  • 遠隔監視・サポートシステム(Autoware Drive / Autoware Drive Console)
    WebRTC技術を採用した、超低遅延の映像・音声双方向通信により、車両に搭載された複数のカメラやマイクからの情報を用いて周囲の状況をリアルタイムに把握できます。自動運転車が不測の事態で走行不能になった場合は、遠隔オペレーターから緊急停止の指示を即座に送信できるほか、外付けのステアリングホイールやペダルを接続しての遠隔運転(リモートコントロール)を行うことも可能です。これにより、公道や広大な敷地内における無人運行の安全性と、スタック発生時の駆けつけリスクを削減する体制が確立されます。
  • 高精度3次元地図編集ツール(Vector Map Builder)
    自動運転の走行経路設計に不可欠なLanelet2フォーマットのベクターマップ(3D地図)の編集、停留所情報やメタデータの追加、およびこれらマップデータのバージョン管理をブラウザ上で行える機能です。点群データ(PCD Map)を基に、実際の走行ライン(車線のセンターラインなど)の事前計算や編集が簡単に行えます。配送ルートの変更や拠点内コースの微調整を、ベンダーに都度依頼することなく自社で素早く登録・反映できるようになり、運用コストを抑えながら現場の変化に対応可能です。
  • エンドツーエンド自動運転シミュレーター(AWSIM)
    リアルタイム3DプラットフォームのUnity技術を活用した、デジタルツイン指向の高度なシミュレーション環境を提供します。3次元モデル地図をベースに仮想世界を構築し、物理挙動を忠実に再現した車両や各種センサーデータ(LiDAR、カメラ等)のシミュレーション、さらには雨・霧などの気象環境や他車両・歩行者の行動を模擬したエンドツーエンド検証を行います。これにより、実際のテストコース等で走行テストを何度も繰り返す膨大な時間とコストを省き、安全なクラウド空間で数千パターン以上のシナリオを用いた安全性評価を自動で回すことが可能になります。
  • CI/CDデータパイプラインとOTAソフトウェア更新
    車両からクラウドへ、センサーデータやECU(車載コンピューター)のシステムログなどの大量データを効率的に収集・保管・可視化します。収集したデータを用いて自動運転アルゴリズムをクラウド上で改善・検証した後は、車載の自動運転ソフトウェア(Autoware等)をOTA(Over-The-Air)技術を用いて無線通信で安全かつ一括して配信・更新することができます。これにより、現場の稼働を止めることなく車両システムを常に最新の安全な状態に維持できます。

こんな企業・現場に向いている/向いていない

Web.Autoは自動運転システムを中核としたDevOps環境であるため、企業の体制や求める仕様により、最適な導入シーンとミスマッチになりやすい状況が明確に分かれます。

【向いている企業・現場】

  • 自社専用の自動運転サービスや運行管理システムを独自に構築したい企業
    Web.Autoでは、自動運転車の位置情報の取得、経路やスケジュール登録などの機能を外部から操作できる「FMS API」がHTTPやWebSocket形式で提供されています。このAPIを利用して、自社の既存システム(WMSやTMS、基幹システム)やオリジナルの配車アプリケーション、運行状況可視化ダッシュボードを自由に開発したい中堅〜大手の企業にとって非常に適しています。
  • Autowareを用いた自動運転車両の開発・実証に取り組む開発チーム
    設計図をベースにしたPilot.AutoとWeb.Autoを組み合わせることで、3D地図の作成からシミュレーション、実機へのデプロイ、そして実機からのログ収集と再解析までの一連の自動運転開発サイクルを極めてスピーディーに回せます。開発期間の短縮と実機テストのインフラコスト削減を同時に実現したい開発現場に向いています。
  • 工場・倉庫敷地内など限定空間での自動搬送ロボットや自動運転トラックの安全監視を行いたい物流会社
    夜間や広大な敷地内で、複数台の自動搬送車を少人数の運行管理オペレーターのみで常時監視し、万が一のスタック時には遠隔操作で支援する運用を行いたい現場に最適です。

【向いていない企業・現場】

  • 技術的な知識を持たず、手軽に既製品の自動運転パッケージのみを安価に導入したい企業
    Web.Autoは、開発(シミュレーション・テスト・地図)と運用(運行管理・遠隔監視)を高次元で統合した先進的なプラットフォームです。自動運転システムそのものを内製・カスタマイズする技術的な専任チームがない、あるいは対応するSIerパートナーとのアライアンスがない小規模な現場にとっては、機能が複雑すぎて使いこなせず、オーバースペックとなる可能性があります。
  • 安定した通信インフラ(5G/LTE回線等)を構築・維持できない走行環境の現場
    クラウドを活用したリアルタイムの遠隔監視(映像配信等)や走行管理を行う仕様上、車両からクラウドへのデータ送信において、通信品質の安定性が極めて重要です。屋内や広大な敷地等でモバイル通信の「不感地帯」が多く、ネットワークが度々切断される環境では、安全維持のための緊急停止機能が頻繁に作動し、安定した運行自体が困難になるおそれがあります。ローカル環境で閉じられたオンプレミス型の制御を前提とする場合は、クラウド型のWeb.Autoでは適さない場合があります。

料金・プラン・導入方法

Web.Autoの料金体系は「SaaS(月額課金)」モデルとなっていますが、具体的なプラン内容や利用金額は公式には一切公開されておらず、要問い合わせ(個別見積もり)となっています。

導入検討にあたり、見積もり時にベンダー側へ確認しておくべきポイントは以下の通りです。

  • 課金単位の基準:料金が「管理・運行する車両の台数」単位による月額制なのか、あるいは「シミュレータのテスト実行時間」「クラウド上に保存するデータ・ストレージの容量」に応じた従量課金なのか、自社の想定する運用形態に沿った確認が必要です。
  • 初期費用とシステム構築サポート費用の有無:Web.Autoを導入する車両側(ECU)の構築作業、中継用のエッジアプリケーション「Web.Auto Agent」のセットアップ、あるいはセンサーキャリブレーション等の初期構築サポートに対する個別費用の有無。
  • 3次元地図(ベクターマップ)作成委託費用の確認:自動運転の走行に不可欠な高精度3D地図について、自社で「Vector Map Builder」を用いて作成・登録するのか、それとも初期の地図データ生成や登録、運用後の更新手続きをティアフォー側に委託するかによって、発生する初期・更新費用が大きく変動します。

導入の流れ・期間

Web.Autoおよびそれに関連する自動運転システムを実用に移すまでの標準的なステップは以下の通りです。なお、実際のプロジェクトにおける詳細な導入期間は、走行環境(ODD)の複雑さや車両の調達状況等により異なるため、要問い合わせとなります。

  1. お問い合わせ・要件定義:
    ティアフォーの公式窓口へ問い合わせを行い、実現したい自動運転のユースケース(例:工場内の定路搬送、ラストマイル配送、自治体向けの自動運転バスなど)、走行環境(ODD)の要件、対象となる車両のスペックについて打ち合わせを行います。
  2. ご契約とプロジェクトの開設:
    ティアフォー社と契約(および必要に応じてFMS APIオプションプランの契約など)を締結し、TIER IVアカウントの作成やプロジェクト用組織(Organization)の設定など、クラウドにアクセスするための初期準備を完了させます。
  3. 車載システムの統合と「Web.Auto Agent」のセットアップ:
    自動運転車両内のコンピューター(Autoware搭載のECUなど)に対して、クラウドのFMSと車内を中継・連携するエッジアプリ「Web.Auto Agent」や証明書設定、映像通信を可能にする「Media Streaming ECU」を組み込み、車両をFMSに正式登録します。
  4. 高精度3Dベクターマップの作成・登録:
    走行予定エリアの点群データ(PCD)を取得し、Web.Autoに統合されたツール「Vector Map Builder」を使用してLanelet2フォーマットの高精度3次元地図データを作成、該当するプロジェクトの走行環境へ反映します。
  5. シミュレーションと評価検証:
    クラウド上のテスト環境やオンデマンドシミュレーター、およびデジタルツインシミュレーター「AWSIM」等を用いて、作成した高精度地図と走行シナリオを用いた仮想テストを繰り返し、制御ソフトウェアのバグや動作確認、評価・検証を重ねてチューニングを施します。
  6. 現地における実機テスト(適合走行):
    検証済みのソフトウェアを実際の車両にデプロイし、実際の現地ルート(ODD)においてセンサーキャリブレーション、制御チューニング、各種ユースケースの安全検証、および電波状況(通信安定性)のテストを行います。
  7. 本番稼働・遠隔監視・運用開始:
    現地での適合確認完了後、FMS Consoleからのスケジュール配車や指示により自動運転車両の運行を開始します。運行中は遠隔オペレーターが「Autoware Drive」の画面を通じて周囲状況を監視し、継続的に安全なサービス運行を実現します。

連携できるシステム・機器

Web.Autoは、サードパーティーのシステムや様々な機器とのシームレスなデータ連携を行うための拡張性を重視した設計となっています。

  • FMS API(HTTP / WebSocket形式):
    自動運転車両の現在位置の取得、スケジュール(時刻、経由停留所など)の登録、および走行指示といった、運行管理に不可欠なコア機能を外部の多様なアプリケーションに統合できるAPIが提供されています。これらを活用することで、倉庫内のWMS(倉庫管理システム)、TMS(運行管理システム)、企業の既存の基幹システム、あるいは独自のスマートフォン向け配車受付サービスなどから自動運転車両を制御することが可能になります。
  • 車載ECU・通信機器(Web.Auto Agent & Media Streaming ECU):
    車載されている「Autoware」搭載ECUとクラウドを媒介するエッジアプリケーション「Web.Auto Agent」を連携させて動作させます。さらに、車載のカメラ映像やマイク音声を車外(ウェブブラウザ)へ低遅延でライブ中継するために、Web.Autoに適合した「Media Streaming ECU」(WebRTC技術に基づくエッジコンポーネント)とハードウェアレベルで連携を行います。
  • 遠隔操舵機器(外付けコントローラーなど):
    万一自動運転車が立ち往生(スタック)した際などに、遠隔オペレーターが遠隔監視画面を見ながらステアリング、アクセル・ブレーキペダル、右左折ランプ、ハザードランプなどの操作を行うための、特定の操舵用デバイス(ステアリングホイールセットなど)と連携が可能です。

導入事例・実績

Web.Autoの機能や開発ツールは、複数の社会実装プロジェクトやアライアンスを通じて活用実績が積み重ねられています。

  • 株式会社eve autonomy「eve auto」
    ヤマハ発動機とティアフォーが共同で設立したeve autonomy(イヴ オートノミー)は、工場や私有地における自動搬送サービス「eve auto」を提供しています。この自動搬送システム(牽引EV車両をベースにした搬送車)の配車管理や遠隔監視を行うための運行管理クラウドシステムとして、Web.Auto(FMSおよび遠隔監視機能)が組み込まれて活用されています。本サービスは月額38万円からの自動搬送ソリューションとして商用提供されており、プライムポリマー姉崎工場など複数企業の現場で導入され、累計1,800時間以上の搬送作業時間削減に寄与するなどの実績を残しています。
  • WILLER株式会社との自動運転実装への連携
    ティアフォーと大手モビリティサービスプロバイダーのWILLERは、秋田県大館市をはじめとする地方自治体における自動運転の実証実験およびサービス検証を共同で進めています。地域公共交通を支える自動運転バスの安全な運行体制(レベル4実装)を目指す中で、車両周囲の遠隔サポートや配車スケジュール管理などの運用基盤にWeb.Autoのクラウド機能が活用されています。
  • トヨタ自動車「e-Palette」などの先端モビリティ
    国内外の数百社に及ぶ自動運転プロジェクトでAutowareが採用されていますが、東京オリンピック・パラリンピックの選手村等で稼働したトヨタ自動車のMaaS専用EV「e-Palette(イー・パレット)」にもAutowareおよびその関連開発ツールが利用された経緯があります。これら自動運転ソフトウェア自体の継続的な安全性評価や、バーチャル空間上でのデジタルツイン検証、OTA配信システムの実現に、Web.Autoなどの開発インフラ技術が役立てられています。

導入前に知っておきたいこと

Web.Autoの導入を成功させるために、事前に現場の担当者が把握しておくべき代表的な課題や注意点を以下にまとめます。

  • データ通信量の増大と「通信不感地帯」への徹底的な対策
    Web.Autoは、車両からの大量のECUシステムデータ収集に加え、車載のカメラから高画質な映像・音声をリアルタイムでクラウドにストリーミング(WebRTC通信)します。通信環境が著しく劣悪な場所や遮蔽物の多い倉庫内などにおいて、一瞬でも通信が途切れてしまうと、安全を最優先にする仕様上、自動的に緊急停止機能(安全停車)が働いてしまいます。そのため、走行ルート全域において安定した通信速度を発揮する5GやLTE、ローカル5Gなどの回線インフラが確保されているかを、事前に対策・現地調査しておくことが不可欠です。
  • 走行環境の変化(障害物・工事など)に伴う高精度3D地図(ベクターマップ)の継続的な更新負荷
    自動運転バスや物流搬送車は、走行ルート上に工事区間や違法駐車などの予期せぬ障害物が出現すると、安全確保のために立ち往生(スタック)する設計が標準的です。このような現実世界の環境変化に合わせて、自社で「Vector Map Builder」や「Scenario Editor」を使いこなし、高精度3次元地図データ(Lanelet2等)を適宜更新してクラウドからOTA配信・反映する、現場側の「データ維持・運用体制」とそれに伴う人的な学習リソースの確保が導入後も継続して必要になります。
  • FMS APIにおける機能上の制約(コンソールGUIとの使い分け)
    現在提供されている開発者向けドキュメントによると、車両の新規登録や登録削除、ソフトウェア(Firmware)更新、地図情報の登録などの一部のアドミニストレータ機能は「FMS API」経由では制御できず、専用のGUIである「FMS Console」から手動で行う必要があります。また、遠隔監視・操舵システム(Autoware Drive)の一部の高度な機能もFMS APIでは非対応の箇所があります。自社オリジナルの運行管理画面への完全な一本化を狙う場合、APIでできる範囲とWeb.Autoの標準Consoleを併用しなければならない範囲を事前に詳細に整理しておく必要があります。

類似ツールとの比較

自動運転の運行管理や遠隔監視サービスとして定評のある他社製品と比較することで、Web.Autoの位置づけや選定基準を明確にします。

ツール名 特徴 料金 向いている企業
Web.Auto
(株式会社ティアフォー)
開発基盤(シミュレーション・地図作成・CI/CD)と運用基盤(遠隔監視・運行管理)が一体化したフルスタックDevOpsプラットフォーム。 要問い合わせ
(SaaSモデル)
自社で自動運転開発や車両統合を行い、API連携等を利用して高度にカスタマイズされた自動運転運用を目指す中堅・大手企業。
Dispatcher
(BOLDLY株式会社)
自動運転車の遠隔監視・運行管理に特化したマルチ対応プラットフォーム。トラックやバスなどの車種やシステムを問わず一元管理・同時制御・遠隔運転が可能。 要問い合わせ 自社開発は行わず、各メーカーの既成の自動運転車両を複数導入して安全運行管理・遠隔一元監視を行いたい交通・物流事業者。
T2 自動運転システム
(株式会社T2)
日本の幹線輸送(高速道路レベル4自動運転トラック)に特化した自動運転車両開発、および無人トラック走行に最適化された遠隔監視・指令制御システム。 要問い合わせ 高速道路を横断する拠点間の長距離・大型トラック輸送において、深刻なドライバー不足等の物流課題をダイレクトに解決したい大手物流会社。

Web.Autoを導入すべき選定基準の解説

自動運転システム開発と運用を一つのプラットフォーム上で統合的に回したい、あるいは独自の運行システムを開発したい場合:
もし自社に開発エンジニアや協力関係にあるSIerが存在し、オープンソース自動運転OS「Autoware」をベースにした車両設計・継続的なシミュレーション評価・OTA更新、そして高精度3D地図(Lanelet2)の内製化などを1つのプラットフォーム上で一貫して実現(DevOpsサイクルを構築)したいのであれば、Web.Autoを選択するのが最適解と言えます。さらに、「FMS API」がHTTP/WebSocketで公開されているため、社内の既存WMS等と接続して独自の自動化フローを柔軟に構築したい場合にも、その拡張性の高さからWeb.Autoが強く推奨されます。

特定の走行用途に特化させたい、または開発は不要で運行監視に専念したい場合:
一方で、自社では自動運転ソフトウェアのカスタマイズや地図作成・評価プロセスは一切実施せず、「すでに安全に完成した複数のメーカーから調達した自動運転バスや自動配送トラックを、1つのシンプルな管制画面から遠隔監視・遠隔操舵したい」という運用のみを重視するケースでは、マルチブランド・車種不問の遠隔監視プラットフォームであるBOLDLY株式会社の「Dispatcher」を検討する方が、導入の難易度が低くミスマッチを防げます。また、用途を「高速道路を利用した大型長距離トラックによる無人幹線輸送」に絞り、物流2024年問題などの日本の幹線輸送課題に直結したレベル4ソリューションを求めているのであれば、専用に最適化された「T2 自動運転システム」の導入・連携を相談すべきです。

よくある質問(FAQ)

スマートフォンやタブレットから、自動運転車両のリアルタイム運行監視や遠隔操舵は可能ですか?
自動運転車両を監視・運行制御するための標準ツール「FMS Console」および「Autoware Drive」は、PCの「Google Chrome(最新の安定バージョン)」ウェブブラウザ上での動作が推奨環境となっています。スマートフォンやタブレットからのフル機能での遠隔監視・操作は推奨されておらず、十分な安全性を確保するためにも、通信遅延や画面サイズが考慮された高性能なオペレーターPC環境での監視業務を強く推奨します。ただし、乗車する乗客向けにタブレット等で走行開始前の案内や緊急連絡を行うアプリ「FMS Go」、配車依頼(オンデマンド配車)を出すための専用ツール「FMS Calls(ベータ版)」などは提供されています。
社内の既存のWMS(倉庫管理システム)やTMS(運行管理システム)とWeb.Autoの運行管理システムを連携させることは可能ですか?
はい、可能です。Web.Autoでは、自動運転車両のスケジュール登録、車両ステータスの取得、走行指示などの命令を外部システムから実行できる「FMS API」(HTTPおよびWebSocket形式)が提供されています。これを利用して中継連携するシステムを開発することにより、例えば倉庫管理システム(WMS)から出庫指示が出たタイミングで自動運転配送車両を特定の停留所に自動で呼び出す、といった業務フローと密に連携した運用の構築が実現できます。
導入前に、遠隔監視や開発用ツールの無料トライアル・デモ利用は可能ですか?
ティアフォーでは「TIER IV Account(アカウント)」を無償で作成することで、ブラウザベースの無償機能(Freemium)として、3Dベクター地図を編集できる「Vector Map Builder」や、自動運転シナリオを組み立てて評価するための「Scenario Editor」をフリーで試すことができます。ただし、実機車両を用いたフリートマネジメントシステム(FMS)や、超低遅延遠隔監視(Autoware Drive)等の商用機能の接続、実際の本格的なテスト検証については、個別での契約手続きが必要になります。詳細な評価トライアルのご相談は、ティアフォーの公式サイトの問い合わせ窓口経由での確認をおすすめします。
万が一、自動運転車両の走行中に通信障害が発生した場合、車両はどのような挙動をとりますか?
自動運転車両に車載されている「Autoware」やエッジアプリ「Web.Auto Agent」により常時クラウドとの通信状態が監視されており、遠隔オペレーターが遠隔監視を継続できなくなった通信異常時には、車両に搭載されている安全機能が作動し、安全な場所(または走行車線内)に自動的に緊急停止・停車するように設計されています。
高精度3次元地図(ベクターマップ)の作成や、車載コンピューターとクラウドを繋ぐ実機調整(キャリブレーション等)は、すべて自社で実施しなければなりませんか?
いいえ、すべてを自社で内製する必要はありません。地図作成に関しては自社で無料提供ツール「Vector Map Builder」を用いて作成可能な仕組みが整っていますが、ティアフォー側に地図の作成および登録業務のすべて、もしくは地図登録のみをアウトソーシング(委託契約)するオプションプランも提供されています。また、自動運転ソフトウェア「Pilot.Auto」とのインテグレーションやセンサーのキャリブレーション、制御のチューニング、現地の走行環境に適合させるための検証作業についても、ティアフォーやその開発認定パートナーから構築支援を受けられます。自社の保有する開発エンジニアのリソースやノウハウに合わせてサポート範囲を柔軟に選択できます。
最低契約期間や解約条件、料金の見積もり方法はどのようになっていますか?
Web.Autoにおける「最低契約期間」「解約条件」といった契約上の詳細事項や金額面については、公式情報としては非公開となっています。管理する自動運転車両の台数やプロジェクトの件数、FMS APIの利用範囲、シミュレーションサーバーの活用負荷など、導入企業のニーズに合わせて個別に提案されるため、実際の契約・見積もり条件については、ティアフォー社との個別相談・打ち合わせ時に要件をすり合わせた上で確定させる必要があります。

参照・出典

他の自動運転・隊列走行システムと比較する

Web.Autoの特徴を含む自動運転・隊列走行の11製品を、料金・機能・対象規模で比較できます。

自動運転・隊列走行システム比較11選