NVOCC業務システムとは?
国際複合輸送を手掛けるNVOCC(非船舶運航業者)は、異なる運送手段を組み合わせてドア・ツー・ドアの一貫輸送を提供する極めて重要な役割を担っています。しかし、その実務では、国ごとに異なる商習慣や多通貨に及ぶ運賃計算、膨大な貿易書類の作成、そして海外拠点や現地の提携代理店とのコミュニケーションなど、非常に複雑で属人化しやすい課題が存在します。ダックシステム株式会社が提供する「NVOCC業務システム」は、こうした複合輸送業務において発生する、輸出入関連書類の作成業務から請求・会計業務までを一本化して一元管理できるフォワーディング管理システムです。親会社である総合物流企業「ケイヒングループ」の情報システム部門として培った豊富な実務ノウハウを基に、煩雑な二重入力の手間を排除し、業務プロセスの標準化と転記・入力ミスの削減を強力に支援します。さらに、海外の現地代理店や政府機関との確実なデータ連携にも対応しており、グローバルな情報共有をシームレスに行うための情報基盤を提供します。
主な機能・特徴
ダックシステム株式会社の「NVOCC業務システム」は、国際複合輸送を行う事業者のオペレーションを効率化し、バックオフィス業務を平準化するためのコア機能を備えています。公式サイトで公開されている主な機能および特徴は以下の通りです。
輸出入関連書類の作成業務
複合輸送(NVOCC)において必須となる、船積み書類(B/L:船荷証券)や出荷指示書(S/I)、アライバルノーティスといった多様な輸出入帳票をシステム上で作成・出力することができます。一度入力した案件データをベースに必要書類をスムーズに作成できるため、Excelや手書きでの転記作業に伴う記入漏れやデータ不整合などの人的ミスを大幅に削減し、確認にかける業務工数を縮小します。
請求・会計業務機能
複数の輸送業者や船社、航空会社が絡む国際物流では、発生する運賃やチャージなどの経費計算が非常に複雑になります。本システムは、フォワーディング業務と連動した運賃の算出や、顧客向けの請求書発行、回収・支払管理といった一連の経理処理に対応しています。これにより、現場の案件データから会計データへ二重入力をすることなくスムーズにつなげ、事務処理の効率化を図ります。
海外代理店および政府機関とのデータ連携
海外にある現地の連携先代理店や、各国の政府機関との間でシームレスにデータを送受信できる連携機能を搭載しています。個別にメールやファイル添付によって行っていた確認作業を削減し、国際間での情報の齟齬を防ぐことで、スムーズな情報共有と荷役プロセスの進行をサポートします。
ケイヒングループ海外拠点への展開・構築ノウハウ
提供元のダックシステム株式会社は、東証上場の大手総合物流企業であるケイヒングループをITで支えるシステムインテグレーターです。本システムは、シンガポール、香港、上海、フィリピン、台湾、ベトナムといった同グループの海外各現地法人・拠点に実際に展開、運用されている実績があります。実際のフォワーディングの現場で磨かれた実践的な設計となっており、実務に即した運用を迅速に構築できるバックボーンが特徴です。
こんな企業・現場に向いている/向いていない
システムの提供形態や、搭載されている機能範囲を考慮すると、導入によって高い効果を得られる企業と、導入後にミスマッチを感じやすい企業に分かれます。
【向いている企業・現場】
- アジアをはじめとしたグローバルネットワークを持つ企業:海外に自社の現地法人がある、もしくは密にデータ連携を行いたい海外代理店を数多く持ち、それらとの情報共有をスムーズに標準化したいNVOCC事業者に適しています。
- 書類作成と経理処理の統合を目指す現場:案件手配による書類作成と、それに伴う運賃計算・請求業務が個別のExcelや別システムで行われており、データの重複入力や確認ミスの多発に悩む事務部門の効率化に適しています。
- 大手物流企業の運用ノウハウを取り入れたい企業:自社に専門のIT部門がなくても、ケイヒングループという大手総合物流企業での展開・運用実績に基づいた、安定性と信頼性の高いシステム構築やインフラ構築を重視したい情報システム担当者に向いています。
【向いていない企業・現場】
- 国内輸送専門の配送業者や単一倉庫の管理会社:国際複合輸送や通関を伴わない、日本国内のみのトラック運送会社や、一般的なWMS(倉庫管理システム)だけを求める3PL事業者の場合、本システムに搭載されている貿易・フォワーディング機能が過剰となりミスマッチとなります。
- 初期費用を抑えて即日利用を開始したい小規模事業者:アカウント登録をすれば特別な設定なしで即日稼働できるような「安価で簡易的なクラウドSaaSパッケージ」を求めているフォワーダーの場合、本システムにおける外部機関や会計システムとの連携調整、自社業務に合わせたカスタマイズの工数や初期コストが負担に感じられる可能性があるため、より簡素化された別ツールを検討することをおすすめします。
料金・プラン・導入方法
ダックシステム株式会社の「NVOCC業務システム」の料金プランや初期構築費用は、公式ホームページ上では具体的な金額が公開されておらず、「要問い合わせ」となっています。
一般的に、こうした国際物流向けの基幹業務パッケージを導入する際には、導入拠点数やアクセスユーザー数、海外連携の要件、自社固有のシステムや帳票仕様に合わせたカスタマイズの有無によって価格が変動します。見積もりを依頼する際は、以下のポイントを事前に整理した上でベンダーに確認することが推奨されます。
- ライセンスの課金形態:ユーザーアカウントごとの月額制なのか、拠点単位での一括契約なのか、あるいは取扱案件(B/L発行数など)に応じたトランザクション課金なのか。
- カスタマイズおよび初期導入費用:既存の基幹システムや、現在使用している国内会計ソフトとのCSVデータ連携、自社特有の請求レイアウトの変更等にともなう個別開発費用の有無。
- 保守・サポート体制と料金:導入後のトラブル時における問い合わせ窓口の対応時間、将来的な法改正や国際的なデータ規格変更(NACCSのバージョンアップ等)が実施された際のアプデ費用負担の有無。
導入の流れ・期間
公式サイトにおいては、NVOCC業務システムに関する具体的な導入期間や稼働ステップは明示されていません。一般的な自社システムや個別構築型システムの導入ステップは、概ね以下の流れで進行します。
- お問い合わせ・現状ヒアリング:現在の自社の業務フロー(書類作成、データ連携方法など)や、解決したい課題を伝えて、適合度について相談します。
- 製品デモ・機能検証:実際のシステムの操作画面を確認しながら、実務に必要な帳票が出力できるか、経理部門での請求・入金確認フローがスムーズに行えるかをデモンストレーションを交えて検証します。
- 要件定義・カスタマイズ検討:海外拠点とのデータ連携仕様や、自社で使用している会計システムとの接続、必要とされるシステムインフラ環境について要件を固め、追加カスタマイズ箇所の仕様を決定します。
- 見積もり提示・ご契約:初期構築・開発費用および運用保守にかかる月額費用等の見積もり提示を受け、正式な契約を締結します。
- システム構築・設定・移行:システムのセットアップをはじめ、マスタデータの移行作業、他システムとの連携設定を実施します。
- テストおよび操作トレーニング:現場のオペレーターによるテスト入力や、業務を想定したテスト稼働を行い、並行して操作トレーニングを実施します。
- 本番稼働:運用における技術的な疑問や万が一のエラーへの保守サポート体制のもと、実際の稼働を開始します。
※本システムにおける具体的な導入ステップや導入期間は要問い合わせとなっています。自社の規模感やデータ連携の範囲によって構築期間は大きく異なるため、個別のお問い合わせ時に直接確認してください。
連携できるシステム・機器
本システム(NVOCC業務システム)において、公式に公開されている連携システムは、海外の代理店および各国の政府機関とのデータ連携です。
一方で、同じダックシステムの国際物流シリーズに属する「海貨業務システム」や「航空貨物業務システム」では、日本の通関オンラインシステムであるNACCS(輸出入・港湾関連情報処理システム)やAir-NACCS、および「電子文書管理システム」とのデータ連携連携実績が明記されています。
ただし、本システムが一般的なWMS(倉庫管理システム)、TMS(運行管理システム)、その他サードパーティ製のERPや会計ソフトとどのような規格(API接続、SFTP等でのCSVファイル連携など)で自動連携できるかについての詳細な技術情報は、公式に開示されていません。現在自社で稼働させているシステムとのデータ連携が必須要件である場合は、事前にダックシステム株式会社へ連携実績やカスタマイズの対応可否を問い合わせる必要があります。
導入事例・実績
ダックシステム株式会社の親会社である「ケイヒングループ」の各海外拠点(シンガポール、香港、上海、フィリピン、台湾、ベトナムなど)において、本システムが展開され、実際にNVOCCの業務効率化やグループ内でのスムーズなデータ連携に活用されている実績が公開されています。
それ以外の第三者の一般企業における、NVOCC業務システムの個別導入事例(導入時の構成や、導入後の具体的な定量的・定性的効果など)は現時点では公式情報での確認ができていません。最新の同種企業における導入状況や適合事例については、公式サイトまたは問い合わせ時に最新情報を直接確認することをお勧めします。
導入前に知っておきたいこと
現在、各種のIT製品比較サイトやSNS、インターネット上のコミュニティ等において、ダックシステム株式会社の「NVOCC業務システム」に対する、実際の導入企業からの批判的な口コミや不満点、具体的な課題報告は確認できていません。
ただし、本システムを検討する際の一般的な注意点として、以下の要素が挙げられます。
- 現場仕様に合わせるための初期工数の発生:標準パッケージだけでは、自社が長年取引を行ってきた特定顧客向けの特殊な帳票レイアウトや運賃タリフの管理要件を満たせない場合があります。その際はカスタマイズ開発が発生するため、導入決定から実際の稼働開始までに一定の期間と費用を要する可能性があることを想定しておくべきです。
- 海外でのトラブル時のサポート窓口:海外拠点や海外代理店で現地スタッフが利用する際、接続エラーや操作不明点が発生した場合のサポート窓口が日本語のみの対応なのか、あるいは多言語でのトラブル対応が可能なのか、時差による対応遅延がないかを事前によくすり合わせておく必要があります。
類似ツールとの比較
国際物流を支えるフォワーディング管理・貿易管理システム市場には、複数の競合システムが存在します。その中でも、自社の課題解決方針に合わせて有力な比較対象となる類似システムと本システムの特徴を整理しました。
| ツール名 | 特徴 | 料金 | 向いている企業 |
|---|---|---|---|
| NVOCC業務システム (ダックシステム株式会社) |
ケイヒングループの海外展開ノウハウ。書類作成・請求会計。海外代理店・政府機関連携。 | 要問い合わせ | アジアに自社拠点や強固な提携代理店網を持ち、確実な連携を求める企業 |
| CargoWise (カルソフトジャパン株式会社) |
世界基準のSCMプラットフォーム。フォワーディング、通関、輸送、倉庫、会計まで1データベースで統合。 | 要問い合わせ | グローバルでシステムを完全に統一・標準化したい多国籍フォワーダー |
| Forwarder-PRO (関西総合システム株式会社) |
港湾物流に専門特化したシステム。NACCSフル活用、クラウド対応、Shippio Worksとの連携に対応。 | 要問い合わせ(サブスク対応プランあり) | 海貨、通関、保税倉庫を軸に、国内の港湾業務を効率化したい企業 |
| Shippio Works (株式会社Shippio) |
物流事業者と荷主をつなぐクラウドプラットフォーム。案件情報や本船進捗の一元化。チャットでの案件完結。 | 要問い合わせ | 荷主とのコミュニケーション効率化、進捗のリアルタイム可視化を求める企業 |
| TOSS-LOGIPORT (株式会社バイナル) |
輸出入貿易・通関の全般をカバー。見積・受注からNACCS連携、AI-OCR、安全保障管理連携まで対応。 | 要問い合わせ | 通関・NVOCC・フォワーディング業務の帳票作成やNACCS連携を幅広く網羅したい企業 |
各システムの最大の違いは、主眼を置いている「業務カバー範囲」と「システム統合の深さ」にあります。海外代理店やアジアにおけるグループ拠点とのやり取りが活発であり、実績のある大手物流会社の海外展開設計に則った着実な書類作成や請求・会計業務の統合を進めたい場合は、ダックシステム株式会社の「NVOCC業務システム」が有力な選択肢となります。
一方で、日本国内だけでなく全世界の複数拠点・多国籍オペレーションにおいて、スケジュールや通関、保管、配送、社内会計までを、一つの巨大なデータベースで完全に統一してグローバル標準化したい中堅〜大手事業者の場合は、世界基準の「CargoWise」が筆頭候補になります。また、日本国内の通関・保税倉庫業務を強みとし、日本の海貨業務におけるNACCSとの親密な連携や、使い慣れたExcelに近い操作性で現場負担を軽減したい場合は、長年の信頼実績がある「Forwarder-PRO」や、高い国内シェアを誇る「TOSS-LOGIPORT」が有力な比較対象です。
さらに、書類作成や経理データの処理に留まらず、荷主企業との間で発生する膨大なメールや電話による「伝言ゲーム」の解消を優先したい場合、または本船の運行ステータスをリアルタイムに自動トラッキングして荷主へ公開し、顧客対応の付加価値を向上させたい場合は、物流事業者向けの「Shippio Works」が機能的に合致します。自社が抱えるボトルネックが「書類と経理の二重入力」なのか、「国内外のデータ連携」なのか、「顧客コミュニケーション」なのかを見極めて比較をすることが重要です。
よくある質問(FAQ)
- スマートフォンなどのモバイル環境から操作することはできますか?専用アプリはありますか?
- NVOCC業務システム専用のスマホアプリの有無や、モバイル用ブラウザ環境における具体的な対応状況については公式に開示されていません。詳細な動作推奨環境については、ダックシステム株式会社への問い合わせ時に直接ご確認ください。
- 契約前の無料トライアルやデモ体験は可能ですか?
- 公式サイトでは無料トライアルの提供可否については明記されていません。ただし、一般的には自社の要件(海外連携、出力帳票レイアウト、既存システムとの接続)を確認した上でのデモ画面を用いた製品説明や打ち合わせが可能です。まずは問い合わせによる個別相談を推奨します。
- 日本の通関オンラインシステム(NACCS)と、本システムは直接連携できますか?
- 「NVOCC業務システム」単体において、NACCS(輸出入・港湾関連情報処理システム)との直接的な自動データ連携に対応しているかについては公式ページに明確な記載がありません。ダックシステムが提供する同シリーズの「海貨業務システム」や「航空貨物業務システム」ではNACCSおよびAir-NACCSとのデータ連携実績が公表されています。本システムにおける通関やNACCS連携機能の適用可否については、商談時にベンダーへ直接ご確認ください。
- クラウド型のシステムですか?自社サーバーの用意(オンプレミス)が必要ですか?
- 本システムのクラウド対応(SaaS提供)の有無や、オンプレミス型、あるいは個別のプライベートクラウド構築に対応しているかなどの詳細なインフラ構成については公開されていません。自社のITセキュリティ基準やサーバーインフラポリシーに応じた導入が可能か、商談時に確認が必要です。
- 海外拠点のスタッフも直接使用できますか?多言語に対応していますか?
- 本システムはシンガポールや香港、上海、ベトナムといったケイヒングループの海外現地法人での導入実績がありますが、画面インターフェースが多言語(英語や中国語など)に対応しているかについての具体的な仕様は公表されていません。海外代理店や現地スタッフが直接システムへ入力する要件がある場合は、事前に対応言語や海外からの接続セキュリティ要件を確認することをおすすめします。
- 請求・会計業務機能で算出されたデータを、既存の市販会計ソフトに連携できますか?
- 作成された請求データや仕訳データ等を、外部の会計システム(勘定奉行、PCA、マネーフォワードなど)にCSV出力やAPI連携機能等を通じてシームレスに受け渡せるかについては公式に言及されていません。既存の社内システムとデータ連携させたい場合は、検討の初期段階で対象システム名を伝え、追加カスタマイズによる連携対応が可能かどうかをベンダーに確認することが大切です。
- 最低契約期間や、途中解約時の条件について教えてください。
- 契約期間や途中解約における解約金・違約金などの契約条件詳細は一切公開されていません。自社の導入規模や個別見積もりに応じて締結する基本合意書や利用規約を確認し、契約を決定してください。